小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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リハが終わり、対バン同士の雑談が始まった。
「いやー、高校生は若さがあっていいな!」
「元気もらった感じだな」
「普通にうまいよ、みんなリズム感はいいし」
社会人バンドの人たちはみんな陽気な人達だった。
「ありがとうございます、下手なりに今日はがんばります」
雄大は楽しそうに話している。
「オリジナルが聴きたいな、次やるときは持ってきてよ」
「今製作中なんですよ。曲作りは難しいですね」
皆優しそうな人達だ。

母親からメールが来ていた。
「今、やっと電車を降りた」
なれない電車に苦戦したのだろう。
明日香はたどり着けるだろうか。

5時半になりOPENした。
扉が開くと同時にお客さんの行列が出来た。
こんなにいるのか。
すると、その列から母親が出てきた。
周りをキョロキョロしている。
龍児はくすりと笑いながら駆け寄った。

明日香達も来た。
明日香を含め4人。
「がんばってください!」
女の子を前にし、緊張が高鳴った。
「お、おう。2番目だから、よろしく」
そういって逃げるように奥の部屋へ向かった。

5時58分。
まもなく始まる。

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