小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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「お疲れ様でーす」
「良かったよー、かっこいいな君たち!」
部屋へ戻るとアップルライスの人達が出迎えてくれた。
「ありがとうございます」
雄大はクタクタの体から声を搾り取った。
アップルライスはセッティングのためステージへ向かった。

「終わった・・」
床に泥のようにへばりつく海斗。
「たった7曲でこんなに疲れるなんて・・」
「でも、まじ最高だったな」
3人は顔を見合わせる。
ニコッと笑い、また床にへばりついた。

お袋と明日香・・
龍児はガバッと起き上がった。
部屋を飛び出し客席へ向かった。

後ろのほうの壁に母親がいた。
「おーい、大丈夫?」
母親はこちらを向き、安心したような顔をする。
「ライブハウスってのはすごいね、慣れない人が来るもんじゃないね」
とりあえず無事なようだ。

「すごい盛り上がっててかっこよかったね」
「今日のはホント観客のおかげだよ」
龍児はくすりと笑った。
「じゃあ母さん帰ろうかな」
「おう、気をつけてな」
母親はライブハウスを出ていった。

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