小説『ちっぽけなバンドの物語』
作者:Dissonance★()

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翌日から、退学の手続きが始まった。
バイトの回数を増やし、もう1つバイトをと、弁当屋のバイトを決めた。
月入る予定のバイト代は15万〜16万。
遠慮をする母親に無理を言って3分の1を家に入れると決めた。

数日後、退学が決まり、龍児は正式に学校を辞めた。
達也や他の友達も理解してくれ、祝福してくれた。
がんばれよ、と応援をしてくれた。

龍児の怒涛のバイト生活が始まった。
遊園地が週5で朝昼。
弁当屋は夜で週4で夜。
スタジオが夜の週2と想定するとかなり忙しい毎日だ。

ただ、どんな多忙な毎日でも、家でドラムを叩くのは何より楽しかった。
本格的にバンドに専念できる毎日。
バイトは大変だが、将来のバンドのため、母親のためと考えれば、苦も和らぐ。
いつか母親にはマッサージ機でも買ってやろうと考えている。

ちなみに母親は、龍児のすすめにより、仕事の量を少し減らした。
これで、夜遅くに帰ってくることはなく、安定した暮らしとなった。
あとは龍児が将来、高卒という資格ないということで苦労するかしないか。
バンドで成功すれば高卒など必要ない。
龍児の人生の勝負が始まった。
後悔は一つもない。

龍児の目は今まで以上に輝いていた。

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