ーアーシア・アルジェントー
俺が悪魔になってから1週間ほど経った。表の部活が終わり家に帰る途中。
トテッ
後ろの方から音がしたので振り向くと。
姉妹ではない方のシスターが倒れていた。
零誠「大丈夫か?」
手を掴み立ちあがらせる。
???「ありがとうございます」
零誠「どういたしまして。ほれヴェール」
???「重ね重ねありがとうございます。私はアーシア・アルジェントと言います」
クソッ、夕麻が行動に移したからもしやと思っていたんだが、俺は失敗したのかよ。
アー「どうしたんですか?そんな恐い顔して」
零誠「悪いな。俺は兵藤零誠。日本には旅行か?」
アー「実はこの近くの教会に赴任することになったんです」
零誠「そーなのか」
アー「ですが道に迷ってしまって、言葉が通じないし、どうしようか悩んでいたところなんです」
悪魔になったおかげで言葉が通じるようになったからな。
零誠「住所はどこなんだ?」
アー「この住所なんですけど」
零誠「この住所は分かるぞ。だがこの教会は結構前に潰れたはずだぞ」
アー「………実は私、魔女なんです」
零誠「どういう意味だ?」
アー「私には傷を癒す力があります。その力があったから私は聖女として扱われるようになりました。そんなんで友達と呼べる友達は1人しかいませんでした。ある日悪魔の傷を治してあげました。その様子を信者の1人が見ており、私は悪魔になりました。友人は最後まで庇ってくれましたが、結局追放されてしまいました。そんな私をこれから行く教会は受け入れてくれるらしいんです」
零誠「なんでその話をしてくれるんだ?」
アー「レーセーさんが友人が言っていた男の子と雰囲気が似ててつい」
零誠「その友人の名前は紫藤イリナか?」
アー「イリナさんを知ってるんですか?」
零誠「俺の幼なじみだ」
アー「やっぱりあなたがイリナさんが言っていた」
零誠「アーシア。君をこの教会に行かせることは出来なくなった」
アー「どういうことですか?」
零誠「俺も秘密を教える。俺は悪魔なんだ」
アー「そ、そんな!?」
零誠「アーシアが行こうとしてる教会にいる堕天使に殺されて、生きる為に悪魔になった」
アー「殺された?なんで?」
零誠「俺が計画の邪魔になるかもしれないからだとよ」
アー「私はどうしたら」
零誠「俺のところに来い。悪魔だけどあの堕天使よりはマシだ」
アー「信じていいんですか?」
零誠「それはアーシアが決めてくれ」
俺は一度君を救うことを失敗したんだから。
アー「決めました。私はレーセーさん。あなたを信じます」
零誠「ありがとう。信じてくれて。今から俺の仲間のところに連れていくな」
俺は家に帰るのを中断し、学校の部室にアーシアを連れていくことにした。
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部室
リアス「いきなりなんで教会の人間を連れてきたの!」
零誠「アーシアは魔女として教会を追放されてます」
アーシアを部室に連れてきたら部長は血相をかえ、怒り始めた。
リアス「てことは堕天使陣営の人間ということでしょ。あなたの行動でここを攻撃するきっかけを作ってしまったのよ。戦争になったら責任をとれるの?」
零誠「争いを起こさない為にアーシアを見捨てることは出来ません。もし戦争が起きたら絶対に止めてみせます」
リアス「本気で言ってるの?」
零誠「冗談だと思いますか?」
リアス「なら好きにしなさい。ただしアーシアはこの部室に置いておけないわ。レーセーの家にでも連れていきなさい」
零誠「分かりました。今日の仕事が終わったら一緒に連れていきます」
アー「すいません。レーセーさん。私のせいで」
零誠「気にするな。だけど謝るくらいなら礼を言ってくれた方が俺は嬉しい」
アー「はい。ありがとうございました」
零誠「どういたしまして」
アー「レーセーさん。よろしかったら私と友達になってください」
零誠「何を言ってるんだ?」
アー「やっぱりダメですよね」
零誠「もう俺はアーシアの友達だろ。違うのか?」
アー「は、はい!レーセーさんと私は友達です!」
零誠「それじゃあ今日の仕事を終われせてくるからちょっと待っててくれ」
俺は魔法陣に触れ、依頼主の元へ跳んだ。