ー聖剣ー
部室
コンコン
ソーナ「お邪魔します」
生徒会長のソーナ先輩が入ってきた。
零誠「生徒会長さんがどのようなご用件でしょうか?」
ソーナ「負けたチームの代表としての挨拶とリアスに商品を与えにですよ」
零誠「ああ、なるほど。それでそちらの彼も代表といったところですか?」
ソーナ先輩と一緒に入ってきた庶務の男子生徒に視線を向ける。
???「ボディーガードだよ。ここには鬼畜野郎がいるからな」
零誠「はー、あのデマを信じてる一部の男子生徒か」
ソーナ「匙、失礼ですよ」
匙「でも、こんなに美少女に囲まれてるなんて普通じゃないですよ」
零誠「それ言ったら生徒会の方が男子1人じゃねえかよ」
匙「全くこっちはそういう系のイベントが発生してないんですよ!」
零誠「あのぉ、生徒会長さん、このバカ何叫んでんすか?」
ソーナ「後でたっぷりお説教するので見逃してやってください」
零誠「さいですか。」
ソーナ「今回は新人悪魔の顔見せもかねて来たのですが、最初の出会いは最悪だったみたいですね」
零誠「やっぱり悪魔でしたか」
朱乃「蒼那会長の本当の名前はソーナ・シトリー。上級悪魔のシトリー家の次期当主ですわ」
匙「つまり、会長と俺達シトリー眷属のおかげで平和な学園生活が送れるんだぜ!ちなみに俺は匙元士郎。お前と同じ二年のポーンだ」
こいつなんかギャグ要員っぽいなぁ。
匙「俺はお前と違って駒を4つも消費したんだぜ!」
零誠「俺は8つだが何か?」
匙「おい、嘘だろ!?」
やっぱ思った通り、いいリアクションするね。
ソーナ「匙、いい加減にしなさい。兵藤くんは上級悪魔のライザー・フェニックスを倒して中級試験を受けることがもう決まってるのよ」
匙「はいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」
俺と同じリアクションとってるよ。
部長はこの後会長と一緒に蕎麦屋に行くことになり、俺達は先に帰ることになった。
自宅
零誠「ただいま」
入った瞬間嫌な気配がする。
母親「おかえりなさい。ちょっとこっち来てみなさいよ」
他のみんなは二階に上げてリビングに向かう。
イリナ「レーセー久しぶり!」
何故ならリビングには教会関係者がいるからな。
零誠「ああ。久しぶりだな。イリナ」
片方はイリナともう1人が布に巻かれた聖剣を所持してるのが分かる。
イリナ「良かった。覚えていてくれたんだ」
零誠「正直パッと見じゃ分からなかった。綺麗になったな」
イリナ「レーセーくんは口が上手くなったわね」
零誠「本気で言ってんだよ。初めて会ったときは男だと思ってたくらいなんだから」
イリナ「そんなこともあったわね」
零誠「それで今日は何しに来たんだ?もしかして帰って来るのか?」
イリナ「違うわ。旅行ってところかな」
???「イリナ。そろそろ」
イリナ「もうこんな時間か。久しぶりにレーセーくんと話してたら時間がすぐに経っちゃった」
零誠「また来いよ。いつでも来てくれ」
イリナ「ありがとうね。じゃあ、ゼノヴィア行きましょ」
2人の聖職者は帰っていった。
ーーーーーーーーーーーー
翌日 部室
零誠「お早い再会だな。イリナ」
昨日うちに来ていた2人が部室に来ていた。
イリナ「まぁ、こんなところで会いたく無かったけどね」
アー「………イリナさん」
一番の問題は木場なんだよな。面倒事は起こしてくれるなよ。
イリナ「単刀直入に言います。私達カトリック側とプロテスタント側の所持していた聖剣エクスカリバーが奪われました」
零誠「エクスカリバーは二本存在するのか?」
イリナ「エクスカリバーは現存しないのよ。大昔の大戦で折れちゃってね」
イリナ達は布で包まれた物を出す。
イリナ「これがエクスカリバーの今の姿よ」
ゼノ「『破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)』七本のうちの一本だ」
イリナ「そして、これが『擬態の聖剣(エクスカリバー・ミミック)』好きな形に変えられるのよ」
イリナの聖剣は日本刀の形になる。
ゼノ「イリナ。能力を悪魔に教えるのは」
イリナ「能力が知られても悪魔の皆さんに遅れを取らないわ」
零誠「確かに所詮聖剣だしな」
カチン
俺の発言に2人はイラッときたみたいだ。
リアス「それでエクスカリバーを奪ったのは?」
部長が空気を変えるために聞いた。
ゼノ「『神の子を見張る者(グリゴリ)』の幹部のコカビエルだ」
夕麻「えっ!?コカビエル様ですって!」
零誠「部長が空気を戻してくれたんだから悪くしない」
夕麻「主様が言いますか?」
ゼノ「はー。話を続けるぞ。先日から潜りこませていたエクソシストがことごとく始末されてる」
勝手に部長の縄張りで行動してたのかよ。
ゼノ「私達がここに来たのはこれから行うエクスカリバーの争奪戦に君達悪魔が介入しないように警告しに来た」
リアス「随分な言い方ね」
ゼノ「仕方ないだろう。実際に堕天使がいるのだから協力すると考えても」
零誠「夕麻は俺の使い魔だ。首輪はしっかり握っている」
ゼノ「どちらにせよ、エクスカリバーは我々2人で奪還する」
リアス「死ぬわよ」
ゼノ「死ぬつもりは無い。だがもしもの時はその覚悟をしている」
犬死に確定だな。能力的にも精神的にも。
ゼノ「そろそろおいとまさせてもらおう」
イリナはゼノヴィアは立ち上がる。
イリナ「もしかしてアーシア?」
イリナは俺の陰に隠れていたアーシアに気付く。
アー「イリナさん」
イリナ「あの後どうなったかずっと心配してたんだから」
ゼノ「魔女アーシア・アルジェントか?まさか悪魔になっていたとは堕ちるところまで堕ちたな」
イリナ「ゼノヴィア!言い過ぎよ!」
ゼノ「安心しろ。教会には報告しないでやる。君を信じていた信者が悲しむからな」
いない物を信じて、縋って、間違っていないと考える。
憐れ過ぎて怒ることも出来ねえな。
ゼノ「まさかまだ我らの主を信仰しているのか?」
アー「………ずっと信じてきたのですから、簡単に捨てることは出来ません」
ゼノ「なら私が天に代わってその汚れた身を断罪してやろう」
イリナ「ゼノヴィア!」
ガシッ
ゼノヴィアが抜いた剣をブーステッド・ギアが発動された手で掴む。
ゼノ「どういうつもりだ?兵藤零誠」
零誠「はー、もう帰れよ。そんで勝手に無駄死にしてくれ」
ゼノ「なんだその目は!そんな目で見るな!」
レーセーは可哀想な物を見る目でゼノヴィアを見ている。
零誠「別に。どうせもう少しでいい夢から覚めるんだ。俺が起こすまでもないだろう」
ゼノ「何を言っている!どういう意味だ!」
零誠「さっきから質問ばっかりだな。少しは自分で考えろよ」
ゼノ「答えろ!答えないなら」
ゼノヴィアは聖剣を構える。
零誠「思い通りにならなかったらすぐに暴力か?悪魔より酷いじゃねえか」
ゼノ「ちっ!なら決闘だ!私が勝ったらさっきの言葉の意味を教えろ」
零誠「俺が勝ったら?」
ゼノ「アーシア・アルジェントに謝罪し「却下だ」なんだと?」
零誠「誰かに謝れと言われてから謝るなんて失礼以外の何物でも無いだろ。イリナ、主とやらはそんなことも教えてくれないのか?」
ゼノ「我らが主を侮辱する気か?」
零誠「お前が教会側の質を落としてることに気付けバカ」
ゼノ「貴様!」
木場「決闘なら彼の代わりに僕が受けてあかるよ」
やっぱ木場が出てきたか。
零誠「はー。木場が負けたら相手してやる」
ゼノ「2人でいいのか?全員相手しても構わないぞ」
木場「先輩として相手するよ。失敗作だったけどね」