小説『カオススクールG×B』
作者:零崎哀識()

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ーバルパー・ガリレイー

公園

ガツガツバクバクモグモグ

ゼノ「美味い!日本の料理はこんなに美味いのか!」

イリナ「ああ、これが故郷の味よね!」

零誠「ハンバーガーを食いながら言うセリフじゃねえぞ」

匙「お前こんなに奢って金は平気なのか?」

零誠「知っているか?株って案外ちょろいんだぜ」

匙「その金には汗も血も染み込んでねえよ!」

イリナ「ご馳走様でした。この心優しき悪魔に慈悲を」

零誠・白音・匙「「「うぅ」」」

イリナ「あっ!ごめんなさい。つい十字をきっちゃった」

やっぱりこの痛みは慣れないな。

ゼノ「ふぅー。なんとか落ち着いたか。君みたいな悪魔に救われるなんて世も末だな」

零誠「素直に礼を言わないとこれを流出しちゃうぞ」

ゼノ『この卑しい負け犬に餌を恵んで欲しいわん!』

ゼノ「なななななな!?」

零誠「最近のケータイって凄いよな。こんなに音質良く録れるなんてな」

ゼノ「消せ!今すぐ消せ!でないとそのケータイを逆折りするぞ!」

零誠「はい。消したぞ」

ゼノ「えっ?そんなにあっさりと?」

零誠「なんだ?あのまま脅されたかったのか?Mだな」

ゼノ「そんなわけあるか!お前の性格からしたらまだ弄ってくると思っただけだ」

まぁ、バックアップはとってありますけどね。

イリナ「それで私達へのお願いって何?」

零誠「今回の聖剣奪還についての詳細と『聖剣計画』の関係者などの情報を教えてくれ」

ゼノ「今回のことには関わるなと言ったはずだが」

零誠「俺がそれを聞く必要は無い」

ゼノ「他の者から反感を買うぞ」

零誠「俺は魔王様から好き勝手やる権利を直々に貰っている」

ゼノ「魔王直々にだと!?」

イリナ「どうやったらそんな事が起きるのよ!?」

匙「俺なんて魔王様に会ったこともねえぞ!?」

零誠「説明すんのはめんどくさいからパスな。それで情報を貰おうか」

ゼノ「はー。なら、まず渡せる情報から渡す。『聖剣計画』についてだが、あの計画のおかげで聖剣使いの研究は飛躍的に進歩した」

匙「だからと言って不適合者を処分していい理由なんて無いだろ」

匙はゼノヴィアの発言にイラついていた。

ゼノ「その問題は私達教会でも最大級に嫌悪されている。処分を決定した当時の責任者は異端者の烙印を押されて、現在は堕天使側の人間だ」

夕麻「………堕天使」

零誠「そいつの名前はなんていうんだ?」

イリナ「バルパー・ガリレイ。『皆殺しの大司教』と呼ばれているわ」

そいつに木場の標的に代わればいいが。

零誠「今回の聖剣奪還だが、成功率は何パーセントなんだ?」

イリナ「良くて30パーセントよ」

零誠「ま、妥当なところだな」

ゼノ「それでも高いと思って我々はやってきた」

零誠「けっ、そうかよ。で、エクスカリバーは何本奪われたんだ?」

イリナ「『天閃の聖剣(エクスカリバー・ラピッドリィ)』『夢幻の聖剣(エクスカリバー・ナイトメア)』『透明の聖剣(エクスカリバー・トランスペアレンシー)』の三本よ」

零誠「その内二本を破壊しておいてやる」

ゼノ「そちらの方が多いだと?」

零誠「昨日の戦闘を考えれば妥当な判断だと思うが」

ゼノ「ちっ、それで構わない」

イリナ「レーセーくんがそこまでやる理由って、もしかして私達が死なないため?」

零誠「そんなわけ無いだろ。ただ俺はお前らに貸しを作りたいだけだ」

白音「………ツンデレ乙」

零誠「白音!」

イリナ「ふふっ。久しぶりに会って変わったなと思ったけど、本質は全然変わってないわ」

零誠「とにかく!こっちはエクスカリバーの破壊を目的としてるからな」

ゼノ「ああ。堕天使側が所持してるくらいならその方がいい」

イリナ「でも、悪魔に手を借りるのはマズいんじゃない?」

ゼノ「ドラゴンの力を借りたということにすれば屁理屈だが通るはずだ」

イリナ「本当に屁理屈ね」

ゼノ「それでは我々は任務に戻るとしよう」

零誠「お前らさ、さっきみたいに物乞いするくらいならうちに来い。次あんなことしてるのを見かけたら幼なじみだろうと他人のふりするからな」

イリナ「うぅ、分かったわよ」

2人は任務に戻ってゆく。

早速木場に電話をしたが、出なかったのでメールでさっき得た内容を送っておいた。

早速俺達も堕天使陣営を探すことにした。

現在俺は冬木に派遣された神父の格好をしている。

白音と夕麻はアーシアと同じシスター服、匙はフリードの神父服を着ている。

囮作戦というわけです。

服は投影で作成した。

この格好は目立つ。物乞いしていたあのイリナ達よりはマシだがはずい。

なるべく知り合いに会いたくないので、人が余りいない道に入る。

???「教会のご一行発見!」

いきなり上から声がした。

白音「………皆さん。下がってください」

上からの攻撃を白音が防ぐ。

攻撃してきた奴は匙と同じ格好をしている。まぁ、つまりフリードってことです。

フリ「あんれー?よーく見たら愛しのレーセーくんじゃない!」

零誠「キモッ」

フリ「そっちの奴に俺と同じ格好をさせるくらい俺に会いたかったのかい?」

零誠「んな訳あるかよ。神父ってお前くらいしか知らなかっただけだ」

フリ「またまた照れちゃってー。そしてそちらのシスターさんは前の上司の堕天使レイナーレさんですよねー?」

夕麻「フリード」

フリ「悪魔さんと何一緒にいるんだよ!何?何?何?何?一度ぶっ殺したレーセーくん相手に媚び売って助けて貰ったとかですか?」

夕麻「くっ」

フリ「図星かよ!どんだけあんたプライド無いんだよ!」

夕麻「黙りなさい!」

夕麻は光の矢を発射する。

怒りに任せて撃ったせいで狙いが甘いので避けられる。

レーセーもブーストした強化と投影を行った。

零誠「『黒鍵』」

投影したのはレイピア型の投てき剣。

零誠「匙。動きを封じられるか?」

匙「任せろ。ラインよ伸びろ!」

匙は腕にはトカゲの顔がついており、そのトカゲの口から黒い鞭のような物が発射され、フリードの足首に巻き付く。

フリ「気持ち悪っ!」

トカゲのベロだしな。

フリードはベロを切ろうとするが、擦り抜ける。

零誠「射出」

『黒鍵』はフリードに向かって飛ぶ。

フリ「レーセーくんは相変わらず容赦ないねー」

フリードは物凄い速さで全ての『黒鍵』を払い落とす。

フリ「残念でした。俺の『天閃の閃剣』の前じゃ亀並みに遅いぜ」

木場「ならその速さに僕がついて行こう」

木場が俺らの前に現れてフリードに向かい合う。

フリ「久しぶりだね!モブ木場くん!」

木場「『魔剣創造』」

零誠「射出」

木場がフリードの周りに大量の魔剣を精製し、レーセーがさっきの倍の『黒鍵』を飛ばした。

フリ「あー、一本じゃキツそうだな」

フリードは『天閃の聖剣』を持った右手と一緒に、何も持ってない左手も振るう。

フリ「『天閃の聖剣』アーンド『透明の聖剣』」

『黒鍵』と魔剣。どちらも一本も擦らずへし折られる。

フリードはそのまま木場に聖剣をふり下ろす。

匙「させるか!」

匙は延ばしたラインを引っ張り、フリードの体勢を崩す。

ラインは光を放つ。

フリ「なんだこれ?力を吸ってやがる!地味なくせしてうぜぇ!」

匙「どうだ!これが俺のセイクリッド・ギア。『黒い龍脈(アブソリュート・ライン)』!こいつに繋がれた以上、ぶっ倒れるまで力を奪ってやる!」

フリ「うぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇうぜぇ!!」

フリードを光のオーラが包み、先程は切れなかったラインを聖剣でぶった切る。

???「ほう。『魔剣創造』か?使い手次第で無類の力を誇るセイクリッド・ギアか」

神父服を着た初老のオッサンが立っていた。

フリ「元の上司のレイナーレさん。紹介しますよ。新しい上司のバルパーの旦那でございまーす」

木場「バルパー・ガリレイ!」

バル「いかにも。フリード何をてこずっている?」

フリ「旦那、無茶言わないでくださいよ。5対1でしかも赤龍帝のレーセーくんまでいるんすよ」

バル「ロンギヌス所有者か。仕方ない。私も手伝うからすぐに終わらせるぞ」

ゼノ「なら私達も相手していただこう」

ゼノヴィアとイリナが現れる。

イリナ「バルパー・ガリレイ。あなたを主に代わって断罪するわ」

フリ「あらら、7対2かよ。さすがに分が悪いんじゃないんですか?」

バル「致し方ない。一旦引くとするか。コカビエルにも伝えねばならないからな」

フリ「そんじゃ、サイナラー!」

フリードは地面に球を投げつけた。

球は強い光を発する。

零誠「閃光弾かよ」

ゼノ「待て!」

イリナ「逃がさないわよ!」

光に耐性があるのか、教会組はそのまま追った。

木場「あっちか」

その2人を追って木場も走って行く。

零誠「木場の奴速ッ!?ナイトの特性無駄遣いしてるだろ!」

あの3人じゃコカビエルは無理だな。

零誠「あいつら追いかける方法考えないとな。ん?匙、そんなに震えてどうしたんだ?」

匙はガタガタ震えているのでその方向を見ると

リアス「あなた達は何をやってるのかしら?」

部長と会長コンビが立っていた。

マズい!追う手段より逃げる手段を考えねば!

ソーナ「魔力が乱れていたから来てみれば、どういうことなのか説明しなさい」

白音「………先輩が無理矢理」

零誠「いきなり裏切られただと!?つーか白音には帰れって言ったよな!」

夕麻「主様は物で私達を釣ったんです」

零誠「まずお前は主人を守れ!それに俺が言うのもなんだが食い物で釣られるのもどうかと思うぞ!」

リアス「よーく分かったわ。レーセー、そこに座りなさい」

零誠「この人何一つ分かってないよ!匙、お前からも言ってくれ!」

ソーナ「匙。なんであなたが手伝っているのですか?」

匙「そ、それはえーっと、木場の奴を手伝うためで」

ソーナ「本当にそれだけですか?」

匙「………はい」

ソーナ「そうならいいんです。まぁ、匙くんが私に隠し事をしただけでなく、嘘までついているわけないですよね?」

匙「は、はい」

ソーナ「信じてますから」

匙「ごめんなさい!写真に釣られました!」

零誠「ダメだ。使えねえ」

リアス「ちょっと話を聞いているの!」

零誠「話を聞きますから、白音と夕麻も一緒に説教してください」

白音・夕麻「「先輩(主様)!」」

零誠「お前らだけ逃がさねーよ!」

やっぱ、道連れは多い方がいいよね。

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