小説『カオススクールG×B』
作者:零崎哀識()

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ー聖魔剣ー

木場サイド

ゼノ「私も聖剣を破壊するのに協力しよう」

木場「教会がそんなこと言っていいのかい?それにエクスカリバーが奪われたんじゃ」

ゼノ「私達はエクスカリバーの破片を持ちかえれば問題ない。それとエクスカリバーが無くとも私にはとっておきがある」

木場「そうかい。なら共闘と行こうか!」

バルパーはその様子をバカにしたように笑って見ている。

木場「バルパー・ガリレイ。僕は『聖剣計画』の生き残りだ。いや、あなたに殺された身だ」

バル「あの計画の生き残りか。数奇な物だな。こんな極東の島で出会うとはな。
私は子供の頃から聖剣に憧れていてね。エクスカリバーの逸話には心踊らせた物だよ。だから適性が無いと知った時の絶望と言ったら無かったよ。
自分で使えないなら使える者を人工的に作ろうと思ったのだよ。
君たちのおかげでとうとう私の実験は完成した」

木場「完成した?僕達を失敗作と言って処分したじゃないか」

バル「エクスカリバーを扱うのに必要な因子があることに気付いた私はその因子を集めることが出来ないかという結論に至った」

ゼノ「なるほど。読めたぞ。聖剣使いが祝福の時に入れられるのは」

木場「同士達を殺して抜き取った因子」

バル「そう。これがその時の物だ。3つ程フリードに使ったがな!この力を使い、私を追放した天使と教徒どもに目に物見せてやる!」

バルパーは懐から光る球体を取り出した。

フリ「ギャハハハ!まぁ、俺以外の奴に使ったら途中で体がついて行かずに死んじまうんだけどな!そう考えたら俺ってこのエクスカリバーが似合うスペシャルな奴じゃね?」

バル「これは貴様にくれてやろう。環境さえ整えばいくらでも量産出来る」

バルパーは僕の足元に放り投げる。

その球体からいくつもの魂が解放される。

木場「み、みんな!」

その魂は僕の同士。

同士『何故そんな悲しい顔をしているの?』

魂は人の形になり、声をかける。

木場「僕はずっと思っていたんだ。僕だけが生きていていいのかって。僕より生きたいと思った子がいた。僕より平和に暮らしたいと思っていた子がいた。それなのに生き残った僕がみんなを差し置いて幸せになっていいのかって」

同士『僕達が君の幸せよりも復讐を願っていたと思うのかい?』

同士『僕達はそっちの方が悲しいよ』

零誠『俺をバカにするのは構わない!だけどお前の同士をバカにするのは許さない!』

木場「部室でレーセーくんが言ってたことは正しかった」

魂は綺麗な声で歌い出す。

魂が歌い上げるのは聖歌。

同士『僕達のことはもういいから幸せになれ』

同士『私達は聖剣を使える因子が足りなかった』

同士『けれどみんなが力を合わせればきっと大丈夫』

同士『聖歌を受け入れるんだ』

同士『怖くなんかない』

同士『例え神が救いを与えなくても』

同士『例え神が見ていなくとも』

同士『僕達の心は………』

木場「一つだ」

同士の魂と僕の魂が一つになる。

木場「バルパー・ガリレイ。あなたを倒さないと第二、第三の僕達の命が無視される」

バル「ふん。研究に犠牲は付き物だろう?」

やはり、あなたは邪悪過ぎる。

木場「僕はあなたを倒し、幸せになるための剣となる」

僕の魂に存在する同士達よ!僕達が叶えられなかった夢を一緒に叶えよう!

木場「禁手(バランスブレイカー)。『双覇の聖魔剣(ソード・オブ・ビトレイヤー)』。聖と魔を有する剣。その身をもって味あうがいい」

僕はフリードに向かい走りだす。

聖魔剣とエクスカリバーが競り合う。エクスカリバーを覆うオーラが僕の聖魔剣によって削られていく。

フリ「この駄剣は本家様の聖剣を凌駕すんのかよ!?」

木場「確かにもし真の聖剣ならば勝ち目は無かったよ。でもね、それには負ける気がしない。今日の僕は目の色が違うんだ」

エクスカリバーは伸びながら鞭のように木場のことを攻める。

『擬態の聖剣』の能力

僕はその攻撃を全てさばく。

フリ「なんでさ!?なんで攻撃が当たらないんだよ!?昔から伝説が語られてる最強の聖剣様なんだろう!なんとかしやがれよ!」
フリードが叫ぶと聖剣は全く見えなくなる。

『不可視の聖剣』の能力

だけど僕の目の前じゃ無意味だ。

木場「今日は良く見える」

不可視の攻撃を弾く。

フリ「ふざけてんじゃねえぞ!ゴラァ!」

この攻撃は受けるのはマズいな。

木場はナイトの特性を生かして回避する。

ズドーン!

フリードの攻撃は地面に当たり、ゼノヴィアの時と同じようにクレーターを作った。

『破壊の聖剣』の能力

フリ「なんで威力が上がったことが分かりやがったんだ!?」

木場「良く見える。と言ったが、別に視力が上がった訳じゃない。どんな方向から攻撃しようと、見えない攻撃をしようと、破壊力をいきなり変えようとそれを操ってるのは君だ」

フリ「訳分かんねえこと言ってんじゃねぇよ!」

木場「僕が見えてるのは君の視界だよ!」

『欲視力(パラサイトシーイング)』

相手の視界を乗っ取る魔眼。相手がどう見てるのかが分かる。

木場「全くレーセーくんの修行メニューには恐れ入るよ」

フリ「余裕ぶっこいてんじゃねぇ!!」

フリードが放った突きは伸び、枝分かれした。

ゼノ「木場よ。良くやった」

木場「相手の視界が分かれば誘導するのは容易いよ」

ゼノヴィアは手を上に上げた。

ゼノ「ペトロ、バシレイオス、デュニオシウス、そして聖母マリアよ!我が声に耳を傾けてくれ!」

空間が歪んだ。

ゼノ「この刃に宿りしセイントの御名において我は解放する!デュランダル!」

歪んだ空間から現れたデュランダルを握る。

バル「貴様はエクスカリバーの使い手では無かったのか!?」

ゼノ「残念。私はもともとデュランダルの使い手だ。エクスカリバーは兼任していたにすぎん」

デュランダルを両手で強く握る。

ゼノ「私は養殖物の聖剣使いでは無く天然物だ」

フリ「そんなのありですかーー!?超展開3回連続そんなにいらねえよ!このクソッタレにクソビッチが!」

ゼノ「ふん!」

木場「君の視界は見るに耐えない」

木場とゼノヴィアは同時に攻撃し、エクスカリバーをへし折った。

フリ「マジかよ!?伝説のエクスカリバーが木っ端微塵になっちまった!?」

木場「見てくれたかい?僕達は聖剣を超えたよ」

木場はフリードを切り払った。

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