ー禁手化ー
零誠サイド
零誠「さて、始めるか。クソ堕天使」
コカ「ふむ。やってみろ。クソ悪魔が」
レーセーはゼノヴィア戦で使った不可視の剣を投影した。
リアス「私達も行くわよ」
コカ「悪いが。君達には赤龍帝ほどの興味は無い。先程のように獣の相手でもしてくれ」
コカビエルがそう言うと、ケロベロスが何頭も現れた。
リアス「コカビエル!まさかあなたケロベロスを連れてきたのでは無くて、この校庭を地獄と直結させているの!」
コカ「気付いたか。その通りだよ。連れて来るのが面倒だったので空間を歪ませてもらったよ。これも下の魔方陣と同じで私を倒さないと元に戻らない」
リアス「レーセー。私達がケロベロスを相手してる間、コカビエルを抑えることが出来る?」
零誠「時間を稼ぐのは構わないんですが、別にあれ、倒してしまっても構わないんでしょ?」
リアス「!?………ええ、レーセー。こてんぱんにしちゃいなさい!」
零誠「そうですか。なら、期待に答えるとしましょう」
俺は飛び上がり、コカビエルと向かいあう。
コカ「話はついたみたいだな。それでは赤龍帝の力見せてみろ」
零誠「座ったままやる気か?」
コカ「手加減だ」
零誠「あっそ」
コカ「では行くぞ」
コカビエルは先程の極太の光の槍を放った。
零誠は不可視の剣で上に反らす。
零誠「さすが聖書に乗ってるだけある。正面から受け止めんのは無理だわ」
コカ「避けずに流すとは本当に面白い!それにただの不可視の剣だと思っていたが素晴らしい!良い名のついた剣なのだろう!」
下で強い光が発する。
ドラ『どうやらあのナイトは禁手に至ったみたいだな』
零誠「木場に先越されちまったな」
コカ「禁手か。だがエクスカリバーの相手では無いな」
零誠「カハハハッ!」
コカ「いきなりどうした?気が狂ったか?」
零誠「いやぁ、質問なんだがさっきセイクリッド・ギアは決定的な武器にならないと聞いたが、あのエクスカリバーは決定的な武器になるのか?」
コカ「そのつもりだが」
零誠「全くもって傑作だな。あの程度の物は本物のエクスカリバーと比較したら天と地との差だな」
コカ「その口振りからすると本物のエクスカリバーを知っているのか?」
零誠「見せてやるよ。『ブリテンの赤龍』の『アルトリア・ペンドラゴン』が使用していた真の聖剣を。風の王よ!」
コカ「まるで台風だな。なるほど。先程は鞘であの槍を反らしたのか。全く君には驚かされる」
零誠を中心に突風が巻き起こる。
コカ「先程、貴様は真の聖剣と言ったな。少し信じたのだが、貴様の使う投影魔法は本物に似せて作る魔法だ。つまり偽物だ」
零誠「偽物が本物に劣ると誰が決めた!『約束された勝利の剣(エクスカリバー)』!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
風の鞘から解き放たれた美しい剣から放出された光はコカビエルの胸から下を消滅させた。
コカ「ゴホッ!バ、バカな!?」
コカビエルは校庭に落ちていく。
零誠「なるほど。羽は10枚無いといけないみたいだな」
落ちていくコカビエルに残った部位は胸、頭、肩、そして二枚だけになった羽だった。
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木場サイド
レーセーくんはどうやらあの堕天使の幹部まで倒したみたいだ。しかもあの剣はおそらく聖剣だ。
全く彼に追い付くのはいつになるのやら。
こっちも終わらせないとね。
木場「覚悟はいいかい?バルパー・ガリレイ」
バル「あの赤龍帝が使用していたのは聖剣か。悪魔が聖剣を使用するだと………なるほどそういうことか!ならば聖と魔、相反する力を有する聖魔剣が存在することも納得出来る!」
バルパーはこちらの声が届いてなく、ぶつぶつ言っている。
バル「つまり、魔王だけで無く、神も死んでいる」
ゼノ「嘘だ!」
その言葉を聞き、ゼノヴィアは震えながら拒絶した。
ズドーン!
バルパーは光の槍に飲み込まれた。
コカ「喋り過ぎだ」
この状況にバルパーが言った言葉と同じくらいに驚いた。
木場「そんな!?レーセーくんが倒したはずじゃ!」
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零誠サイド
木場「そんな!?レーセーくんが倒したはずじゃ!」
確かに倒したはずなのにボロボロだが、コカビエルは五体満足に戻っており、羽も10枚になっていた。
コカ「そうだな。もし『蛇』が無かったらあのまま消えていたよ」
コカビエルはそう言うと消えた。
コカ「貴様は全力で殺す」
気付いたらコカビエルは俺より上にいた。
零誠「なっ!?」
速過ぎて気付かなかった!
コカ「そう驚くな。失望するではないか」
光の槍を二本こちらへ打ち出す。
『約束された勝利の剣』はさっきので燃料切れ。
零誠「チィッ!」
俺は共鳴によって得た能力をフルで使用し、槍を打ち消す。
滅び魔力、気、雷、蒼い稲妻、光を合わせてぶち込みなんとか消したが、勢いに推され、校庭に叩きつけられる。
零誠「カハッ」
共鳴によって変わった姿も元の姿に戻っている。
アー「レーセーさん!」
零誠「来んな!」
ケガを治そうと来ようしたアーシアを制止させる。
コカ「貴様ならあの程度避けられただろう。なのに下の虫を庇うとは」
アー「レーセーさん。私達の為に」
他の皆が俺に加勢しようとする。
零誠「全員、外に出て結界を強化してくれ。取って置きを使うから」
リアス「信じていいの?」
零誠「安心してくださいよ。こんなところで負ける気はありませんから」
リアス「任せたわよ」
皆は結界の外に出て行った。
コカ「本当は取って置きなど無いのだろ」
零誠「あはは。バレちまったか。なら何故あいつらを見逃した?」
コカ「本来なら頼るつもりの無かった力を使用したからな。それの詫びだ。お前を殺しても日本には被害を出さないでやる」
零誠「そりゃどうも。だけどまだ死ぬつもりは無いんでね」
コカ「言ってろ」
コカビエルは今日一番デカい光の槍を放った。
零誠「いつもより早いリタイアになっちまうな」
この世界での物語が終わったと思い、レーセーは目をつぶった。
???「何、殺されようとしている」
その言葉に驚き目を開けると、目に映ったのは綺麗な銀色だった。
???「お主があの程度の者に負けたら引き分けたわらわがバカにされるだろう。我が友よ」
銀髪で赤い着物を纏った少女は光の槍を両手で受け止めていた。
零誠「お前ティアマットか?」
ティア「そういえば人の姿を見せるのはこれが初めてであったな」
零誠「綺麗だな」
ティア「な、何を言っておる!」
零誠「率直な感想だよ」
ティア「全く。さてわらわは奴を狩るがついて来れるか?我が友よ」
零誠「ついて来れるか。じゃねえ!てめえの方こそついてきやがれ!」
『Welsh Drgon Balnse Braker!!』
ドラ『どうやら俺達も至ったようだ』
零誠「前回に続いて亜種であることは変わらないみたいだがな」
亜種の禁手は右手だけでなく、左手も『ブーステッド・ギア』の状態になっており、赤いコートを羽織っている。
零誠「アーチャーのコスプレしたときに思ったんだが、俺の髪形じゃ『ブレイブルー』のラグナだよな」
ドラ『相変わらず何を言ってんだ?』
零誠「気にするな」
ティアマットは3メートルくらいの大きさの龍の姿になり、俺と一緒に飛ぶ。
コカビエルは俺達を打ち落とすために大量の光の槍を飛ばす。
零誠「弾幕ゲーかよ」
少しずつ距離を詰めていき、ティアマットは火の玉を発射し、コカビエルに当たると思ったら、禁手状態の俺がギリギリ視認出来る速さで避けた。
零誠「マズいな。近づいてもありゃ避けられるぞ」
ティア「お得意の投影でなんとか出来る物を出せ」
零誠「残念なことに魔力切れだ」
ドラ『そのことなんだが、この禁手は『アンリミテッド・ウエポン・ワークス』を内包している』
赤いコートの内側には武器が突き刺さった丘の風景が広がっている。
零誠「なら手がある。ティアマット。お前の身体を俺に預けろ」
ティア「仕方ないのう。やるからにはすぐに終わらせろ」
コカ「何をするのか知らんが、もうこちらは負けん!」
レーセーはティアマットに跨った。
ティア「わらわに腰を下ろすとは」
零誠「今度なんか上手い物食わせてやるから我慢しろ!行くぞ!『騎兵の手綱(ベルレフォーン)』!」
レーセーとティアマットは光になった。
『騎兵の手綱』は騎乗出来る物の力を120パーセント引き出す。
天馬を龍にするほどの能力を持つ。
なら龍王に使用したら?
コカ「あの忌々しい神と同等だと!?」
コカビエルはその言葉を発する間もなく塵となった。