小説『カオススクールG×B』
作者:零崎哀識()

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ー最強のビショップー

ギャスパーサイド

は、早く助けを呼びに行かないと!

旧校舎と新校舎を繋ぐ体育館の入口にさしかかった。

夕麻「キャァァァーーーーーーーーーーーーー!!」

ギャス「ゆ、夕麻先輩!?」

夕麻先輩に何かあったの?

助けを呼んで来ないと。

でも、助けを呼んでくる時間なんてあるの?

また、僕のせいで?

僕の行動が遅かったから?

どうすれば良かったの?

これから何をすればいいの?

『お前が大切な物を守れれくらい強くなれ』

ギャス「……レーセー先輩」

レーセー先輩だったらどうする?

ギャスパーはポケットから血が入った小瓶を取り出し、飲みほした。

鉄臭くて不味い。


ギャス「イタッ!?」

首に一回りの傷が出来て、右手には右腕は黒く染まり、赤い紋様が入った大きな刃が飛び出ている。

ギロチン

首を跳ねる為だけの処刑道具。

ギャス「す、スゴい」

先程飲んだ血はレーセーの物。つまり赤龍帝の血。

レーセーのブーステッド・ギアを亜種化させるほどの能力がこのギロチン『罪姫正義の柱(マルグリッド・ボワ・ジャスティス)』の形を与えた。

ギャス「夕麻先輩。ごめんなさい」

言われた通りに出来なくてごめんなさい。

でも、僕の大切な物……大切な仲間を守る為に動きたいんです。

ギャス「それが、僕の思い描く最強のビショップだから」

ーーーーーーーーーーーー

部室

夕麻「くっ…まだ倒れる訳にはいかないのに……」

魔術師「大見得きったわりに呆気無かったわね」

夕麻は大きな傷は無いが床に倒れている。

魔術師「対堕天使様の毒。あなた達って人間よりスペック高いけど、その分アンチが絶対にあるのよね。同情するわ。化物に産まれてきてしまった事を。あの吸血鬼を追いなさい」

夕麻「ダメ……ここは…ここは通さない」

魔術師「うざったいわね。あんた達、好きにしていいわ。残念ね。あなたがまだ天使なら汚すことで堕とすことが出来たんだけど」

魔術師が手下の魔術師に命令を出した。

バン!

ギャス「夕麻先輩に手を出すな!」

扉を開けたギャスパーは夕麻に手を出そうとした魔術師の手首を跳ねた。

夕麻「ギャスパーくん。みんなは?」

ギャス「ごめんなさい!後でいっぱい叱られますから今は僕に守らせてください!」

魔術師「吸血鬼くん戻って来ちゃったの?そこの堕天使の頑張りは無駄になっちゃったわね。骨折り損のくたびれ儲けってやつ?」

ギャス「無駄じゃない!夕麻先輩のおかげで決心がついたんだ!」

魔術師「あら、そう。あんたの目のせいでこんな事になってるのに精神論でなんとかなるならなんとかしてみなさいよ!」

ギャス「日は古より星と競い」

僕はこの目が大嫌いだった。

ギャス「定められた道を雷鳴の如く疾走する」

この目のせいで嫌われた。

ギャス「そして速く 何より速く」

僕は大切なみんなを守りたい。

ギャス「永劫の円環を駆け抜けよう」

でも、僕には守る力は無く、

ギャス「光となって破壊しろ」

あるのは時を止めるこの目だけ。

ギャス「その一撃で燃やし尽くせ」

ならば嫌わず大切なみんなの為に時を止めよう。

ギャス「其は誰も知らず 届かぬ至高の創造」

みんなが無事で平和で幸せな一瞬を

ギャス「我が渇望こそ原初の荘厳」

その刹那が永遠に続くように時を止めよう。

ギャス「創造」

それが僕の願い。

ギャス「美麗刹那・序曲(アイン・ファウスト・オーベルテューレ)!」

ギロチンの紋様は変わり、目に何かが宿る。

ザシュッ!

魔術師「い、一体何が起きたの?」

ボトボトボト

魔術師全員の手首と足首が落ちていく。

魔術師「イヤァァァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?」

夕麻「一種の固有結界?」

ギャスパーが行ったのは単純に時を止めて動いて切っただけ。

正確には一瞬が永遠かと思う程に引き伸ばしたのだった。

それを行う『停止結界の邪眼』という基盤があった。きっかけという赤龍帝の血があった。

だが、それだけじゃ固有結界に至らない。

固有結界にまで至らせた物は

夕麻「主様が嫉妬する程の才能」

ギャスパーが夕麻を立たせ支える。

ギャス「夕麻先輩。大丈夫ですか?」

夕麻「ええ。毒が抜けたみたい」

ギャス「ごめんなさい!言われた事を守れませんでした」

夕麻「え?」

ギャス「みんなを呼んで来れませんでした」

夕麻「ふふっ。そんな事気にしなくていいわ」

ギャス「良かったー」

夕麻「もし主様が居なかったらあなたに惚れていたわ。助けてくれてありがとう」

ギャス「グスッ」

ギャスパーは目に涙を浮かべている。

夕麻「え!?なんで泣いてるの?どこかケガしたの?」

ギャス「違うんです。今までお礼を言われたことなんて無くて、お礼を言われたことが嬉しくて」

夕麻「そう。あなたは変わったからこれからは何度も言われるわ」

零誠『夕麻!聞こえるか?』

ーーーーーーーーーーーー

零誠サイド

職員室

アザ「お、赤龍帝が使えるようになったぞ」

この感覚は?

零誠「『停止結界の邪眼』か」

クソッ!分かってたのにこんなミスするなんて!

零誠「今、行動可能な奴は何人いるんだ?」

アザ「三大トップは問題無いが結界張るので忙しい。そういう意味で動けるのはお前とリアス、デュランダル使い、黒の猫又ヴァーリーだ」

零誠「ティアは?」


アザ「ティアマットは酒のせいで寝てる」

あのバカ!

零誠「ちょっと夕麻と通信してみる」

アザ「吸血鬼の坊主の状態を聞いてくれ」

零誠『夕麻!聞こえるか?』

夕麻『主様?大丈夫だったんですか?』

零誠『ああ。お偉いさん方が結界張ったからなんとか無事だ。お前ら無事なのか?』

夕麻『はい。ギャスパーくんが助けてくれました』

零誠『ギャスパーの奴頑張ったのか』

夕麻『はい。そのせいで部室が汚れちゃいましたけどね』

零誠『了解。そこを動かないでいろよ』

通信を切る。

リアス「2人は無事なの?」

零誠「ええ。ギャスパーが頑張ったそうです」

リアス「そう。あの子が」

アザ「これからどうするつもりだ?」

零誠「案ならある」

アザ「聞かせてみろ」


零誠「まず、部長と黒歌は部室にあるルークとキャスリングを行ってもらう」

黒歌「その後はどうするつもりにゃん?」

零誠「強力な結界を張ってくれ」

リアス「どれくらいのを?」

零誠「徹底的に強力な物を」

リアス「分かったわ。黒歌、行くわよ」

黒歌「了解にゃ」

アザ「おい!赤龍帝が何するか聞かなくていいのか?」

リアス「当たり前でしょ」

黒歌「レーセーが言った事は大抵正しいにゃ」

そう言ってリアスと黒歌はキャスリングを行った。

アザ「期待されてんだな」

零誠「なら期待に答えないとな。学園敷地外の部下と連絡は?」

アザ「取れたが結界が邪魔で入れないんだとよ」

零誠「なら、その結界の上から結界を張ってくれ。外に誰も出られないように」

アザ「何故だ」

零誠「仲間を傷つけた連中を逃がさない為」

アザ「なるほどな」

アザゼルは外に連絡を入れ、結界を張らせる。

アザ「強力なのを張ったぞ」

零誠「一掃してやる。『他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)』」

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