小説『カオススクールG×B』
作者:零崎哀識()

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ー悪魔ー

俺が殺された次の日

天野夕麻は消えていた。

存在した痕跡が全く残っていなかった。

近くにいた元浜と松田の記憶からも。

夢だったと思うほど俺は楽観的ではない。

俺は放課後旧校舎にあるオカルト研究部に来ていた。

コンコン

???「はーい。どちらさまですか?」

零誠「2年の兵藤零誠と言います。リアス・グレモリーさんに用があって来ました」

朱乃「あらあらこれはご丁寧に私は姫島朱乃と言います。リアスならもうすぐ来ると思うので中でお待ちください」

零誠「それではお言葉に甘えて」

部室内のソファーに案内される。

朱乃「粗茶です」

零誠「どうも」

朱乃「リアスにはどういうご用件で?」

零誠「昨日命を助けられまして」

朱乃「あらあら。なるほど君が」

ガチャ

リアス「朱乃。お茶頂戴」

朱乃「リアス。お茶の前にお客様ですよ」

零誠「どうも」

リアス「あら早かったわね。もう自分が悪魔になったって気付くなんて」

零誠「やっぱりそうでしたか」

リアス「どうやって気付いたの?」

零誠「自分の体の構造を少し見ましたから」

リアス「構造を見たってどういうこと?」

零誠「こういうことです。『構造理解(トレース・オン)』そのテレビ配線切れてるんで修理に出した方がいいですよ」

リアス「魔法ね。一体どこで覚えたの?」

零誠「ドラゴンに基礎を習って自分で使いやすい魔法を覚えました」

リアス・朱乃「「ドラゴン!?」」

零誠「そのあたりは他の部員が来たら説明します。さっそく来たみたいですね」

???「………大きな声出してどうしたんですか?」

???「そうだにゃあ。びっくりしたにゃ」

リアス「白音に黒歌。ちょっとあってね」

ボロボロ

黒歌「なんで私達を見ていきなり泣き始めるにゃ!?」

零誠「良かった。本当に良かった」

俺が主人公の人生を奪ってまでこの世界にやって来た意味があったんだ。

ずっと不安だった。気のせいかもしれないけどこれで少しは報われた気がする。

リアス「もしかしてレーセーが手紙を送って来た赤竜帝?」

白音・黒歌「「!?」」

零誠「はい。彼女達を救ってくれてありがとうございました」

ガシッ

白音と黒歌が抱きついてきた。

黒歌「お礼を言うのは私達にゃ」

白音「………だから泣かないでください。笑っていてくれた方が嬉しいです」

零誠「ああ」

ガチャ

木場「クラスの用事で遅れてしまいした」

ドカッ

リアス「空気を読みなさい」

リアスの一撃により木場退場。

ーーーーーーーーーーーー

数分後

リアス「落ち着いた?」

零誠「はい。すいませんでした」

リアス「それじゃあ説明に戻るけど」

零誠「いや、その前にこの状況なんとかしてください」

今の状況を説明すると右から黒歌が抱きついてきてて、左から白音が服の裾を掴んでいる。

零誠「2人ともはなr「「ダメです(にゃ)」」最後まで言わせろや!」

黒歌「リアス。レーセーを頂戴にゃ」

リアス「ダメよ」

黒歌はもう上級悪魔で悪魔の駒(イビル・ピース)を持っているが、まだ眷属はいないそうだ。

リアス「話を戻すわね。レーセーはどれだけ悪魔の知識を持っているの?」

零誠「結局この状態のままか。大抵の知識は持ってますよ。まぁお偉いさんの名前とかそういうのは全くですけど」

リアス「それなら話は早いわ。それじゃ今度はそっちの話を聞かせて」

零誠「まず俺は二天龍のうちの赤龍のドライグが封印されたセイクリット・ギアを所有しています。まぁ、まだ出し方が分からないんですけど」

リアス「じゃあどうやってドレイグに魔法を教えてもらったの?」

零誠「一度だけ無理矢理ドライグが話かけてきたことがありまして、そのせいでドライグはまだ眠ってます」

リアス「なるほど。それじゃあ、どうして黒歌と白音が危険な目にあっていたということが分かったの?」

零誠「すみませんが、そこは企業秘密ということで」

リアス「気になるけど仕方ないわね。それじゃあセイクリット・ギアの出し方を教えてあげるわ」

零誠「本当ですか!?」

リアス「ドライグが眠ってるから絶対とは言いきれないけど試してみましょう。黒歌と白音離れてあげて」

黒歌と白音はしぶしぶ離れた。

リアス「それじゃあ、あなたが最強だと思う物を想像してみて」

零誠「最強ですか」

俺は世界を回ってきたせいでいろんな最強が思い浮かぶ。

人類最強の請負人

自殺志願の美しい鬼

失敗することを望んだ人外

生きる為に弱くなろうとした刀

変化を求めた女装趣味

正義の味方を目指した弓兵

眷属を殺す為に目覚める真祖

半身を無くした殺人姫

死を学習する悪魔憑き

そして、

リアス「思い浮かべたらその最強の姿を真似して」

俺は片手を出し、

零誠「ドレスブレイク」

この世界の本当の主人公の姿。

出した右手が光り、俺のセイクリット・ギアが現れた。

あれ?ちょっと形が原作と違う気が。

原作はガントレットの形だったが、俺のは肘の辺りまで赤くなっているだけで、手の甲のところに黒い球が埋め込んであり、その球の中に金色の光が浮いてる。

リアス「よし。上手く発動出来たわね。それじゃあ改めて自己紹介」

バサッ!

全員背中からコウモリのような翼が生えた。

木場「2年木場佑斗。悪魔です」

朱乃「3年姫島朱乃。悪魔です」

白音「………1年塔城小猫って名前で通ってます。悪魔です」

黒歌「黒歌にゃ。悪魔にゃ」

リアス「3年でここの部長をやってるリアス・グレモリーよ。悪魔よ」

零誠「2年兵藤零誠。悪魔です」

リアス「私達はあなたを歓迎するわ」


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