小説『音羽さんちのボーカロイド!』
作者:歌音()

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アリス「私の名前は、音羽アリス。こう見えても両親と同じ科学者なんですよ。」
レン「知ってます。前に雑誌に出てましたから。」
ミク「そーなの?」
興味津々で私を見つめるミクさん。
アリス「でもそんな凄い事では…。」
レン「確か、最年少の科学者だとか…。」
リン「すごーい!同い年なのに!!」
そう、私はリンちゃん、レン君と同じ14歳なのです。
アリス「あ、部屋に案内しますね。」
ルカ「お願いします。」
リン「ねえ、アリスって私と同じ髪の色だねー!」
アリス「ハーフなんですよ。髪の色は、母譲りなんです。」
レン「あれ?ミク姉は…?」
気が付くとミクさんの姿見えなかった。
アリス「ええと…皆さんは先に荷物を部屋に。私はミクさんのところに行きますから。」
リン「アリス!!」
階段を急いで降りていくとミクさんは一点をじっとみていた。
アリス「どうかしたんですか?」
そこには、ネギが置いてあった。
アリス「み、ミクさん?」
ミク「…ネギぃ…。」
ネギのことしか考えてない!?
話には聞いていたが、ミクさんは本当にネギが好きらしい。
アリス「今日の夕飯は、ネギたっぷりのお鍋にしましょうかね?」
ミクさん耳元でそうささやいてみる。
するとミクさんは予想通りの反応を見せてくれた。
バッとすばやく私のほうを向いて「本当!」と目を輝かせた。
アリス「はい。」
ミク「わーい!!」
私は、飛び跳ねるミクを見てなんだか子供みたいだなと思った。
それと同時に今ミクさんが感じてることはプログラムされたことなんだと思った。
私の科学者としての仕事は、ボーカロイドたちに必要なソフトを作ることだ。
ボーカロイドたちの心は『ココロ』プラグラムによって操作されている。
それを負担を減らすように改良したのは私だった。
心を感じられるのはいいことなのだが、いい気分はしなかった。
だって…。
ミク「どうしたの?」
アリス「あっ、いえ別に…。」
もし『ココロ』プログラムを取り上げてしまったら…、心を感じられなくなってしまうのだろうか?
そう思うと私は心の奥が苦しくなった。

-2-
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