小説『フェアリーテイル ローレライの支配者』
作者:キッド三世()

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第三話 対決!バニッシュブラザーズ!!





依頼主から内容を聞いた俺たちは早速エバルーの屋敷へと向かった。


「すいませーん!メイド募集のポスター見てきたんですけどーー!」


作戦通り、ルーシィが門の前で呼びかける。


次の瞬間、ボコッと地面から音がしたと思ったら、下から巨体のゴリラもといメイドが現れた。


「メイド募集?ご主人様ー、広告見てきたそうですがー」


ゴリラ出現にルーシィはビビりまくってる。……まあ無理もないが。


(うまくやれよ〜、ルーシィ〜)


(大丈夫だろ?あんなゴリラが採用されてんだ。ルーシィなら受かるさ)


ナツとヒソヒソ喋ってると新たに穴が空いた。


「ボヨヨーン。我輩を呼んだかね?」


卵みたいな形したおっさんだなおい。みるからにスケベそうだ。


「どれどれ?」


上から下まで舐め回すようにルーシィを観察する。


「よ、よろしくお願いしまぁす」


すげえ、耐えてる。俺なら絶対無理だ。


「いらん、帰れブス」


「ブ……!」


((ええぇえぇええ!))


「我輩のようなえらーい男には」


ボコッ、ボコッ、ボコッ!


三たび地面から人が現れた。ブス共が…


「美しい娘しか似合わんのだよ」


「やーだご主人様ったら〜」


なに本気で照れてんだ!気色悪りぃんだよ!


「お上手なんだから〜」


なにがお上手だ!ポジティブシンキングは鏡見てからやりやがれ!


「ブスは帰んな!しっしっ!」


ヤバイ、マジで気分悪くなってきた…


「…うふっ!」


(おぇええぇええぇえええ!!!!)


メイド作戦……失敗……



プライドをズタボロにされたルーシィは泣いていた。かくいう俺はまだ吐いていた。




「使えねえな」


容赦なくナツが作戦結果を告げる。でもあれはしょうがない…


「違うわよ!!エバルーって奴の美的感覚が変なの!!見たでしょ!あのメイドゴリラ!」


さすさす「カイルー。大丈夫?」


ハッピーは俺の背中をさすってくれてる。


「ああ、ありがと。だいぶ楽におぇええぇええぇえええ!!!!」


「相変わらず醜いモノに弱いね、カイルは」



「言い訳すんなよ、ルイージ」


「うぇーーん!悔しい〜〜」


ホント容赦ないな、ナツ。




「こうなったら作戦Tに変更だ!」


「TOTUGEKIーー!!」


「あのオヤジ許さん!!」


「コーヒーとサンドウィッチ全部出ちまったじゃねーか!百回殺す!!!」




その頃、ルーシィの正体に気づいたエバルーは屋敷の者達に戦闘態勢を取らせていた…






ナツと俺の炎の魔法で窓ガラスを溶かし、侵入する。


「意外と応用効くわね、その魔法」


「熱魔法ってのは使い勝手いいからな」


「それよりどうやって探す?やっぱ屋敷ごと燃やすか?」


ウキウキした顔で聞いてくる。まだ言ってんのか、このバカ


「ダメよ!あいつ中身はともかく位はほんとに偉いから!」


「でもルーシィ許さんとか言ってたじゃん」


「だからあいつの靴とか隠してやるのよ!」


うわー、陰けーん。こーゆーやつが女のドロドロしたいじめの中心になるんだろ〜な。


そして書斎を探すべく、俺たちはこっそりと行動して行く……と思ったのだがいきなりナツの奴が見つかりやがった。


「に、に、忍者ぁあぁあぁあ!!」


マフラーで素早く顔を隠し、蹴り飛ばした。


「ま、まだ見つかるわけにはいかんでござるよ。ニンニン」


「ナツ、騒ぎになる前に隠れるぞ。こっちだ」


取り敢えずどこかの部屋に入る…とそこは偶然にも書斎っぽいところだった。


「おお!ここにあんじゃねーか!?あの本!」


「かもな、しかしデカイ本棚だ。これ全部調べるのはホネだぞ」


ナツじゃないが、本棚ごと燃やしたほうがいいような気がしてきた。


(リート、やれるか?)


【当たり前じゃない。十秒で消し炭にしてやれるわよ】


だよな、よし燃やすか。


「おいナツ下がってろ、本棚ごと「金色の本みっけ」話聞かんかい」


ナツの手にとった本を覗いてみると、その本のタイトルはデイ・ブレイクだった。


「「「あったーーー!!!」」」


おいおいマジか、すげえな。


「んじゃ早速燃やそう」


ナツが手に炎を作り出す。


「カンタンだったねー」


「あ!!ちょっと待って!!」


ルーシィがナツの手にあった本をひったくる。


「こ、これ大文豪ケム・ザ・レオンの本じゃない!あたし全巻持ってるはずなのにこんなの知らない!!非売品?うわぁーあたし大ファンなのよ!」


「どうでもいいから返せ、ルーシィ。燃やすから」


「ダメよ!こんな貴重な本燃やせないわ!」


なにワガママ言ってんだ?こいつは。仕事だっての忘れてないか?


【我が愛しい奏者に逆らうとは……あいつごと燃やしちゃおうか?十五秒かからないけど?】


(いや流石にそれはよせ、リート)


「なるほど、貴様らの狙いはデイ・ブレイクだったか」


へやのドアがいきなり開けられ、メイド共と傭兵っぽいのが現れた。


「あ、ハンプテイー・ダンプティー」


「「「ぷっ!」」」


エバルーに対する俺の感想に全員噴き出す。


「貴様!えらーい我輩をバカにしてるのか!」


「ちっ、見つかっちまったか。おいナツ!とっとと燃やしちまえ」


「そうしたいがルーシィが返してくれねーんだよ!」


「おいルーシィ!仕事だぞ!」


「じゃあせめて読ませて!」


ここでか!あいつ状況わかってんのか!こいつこんなにワガママだったのか…多分どっかのお嬢様だったんだろーな。


【やっぱりあの小娘ごと(だからよせって)ちぇっつまんない。あの小娘になんか優しくない?奏者?】


(嫉妬すんなって、んなんじゃねーよ。ヤキモチ焼きなんだからお前は)


【だって私は炎の精霊王だもん。なんでも焼くのさ】


考え事してるとメイド共が襲いかかってきた。


くそが!しょうがねえな!


背中の長剣を鞘ごと抜き、メイド共を叩き伏せる。


「ナツ!もう無理やりでも奪っちまえ!」


「これは…待ってカイル!この本には何か秘密がある!お願い時間を稼いで!」


秘密ぅ?ただの本になんの秘密が……そういえばケム・ザ・レオンは魔導士だったな……本の中に魔法を込めて何かを残す…


(出来るか?レム)


【理論上は可能だよ。長期間残そうと思ったら並の魔力じゃ無理だけど」


「ナツ!こいつらは俺が引き受ける!お前はルーシィの護衛頼む!」


「わかった!!」


本を読んでるルーシィを抱え、どっかに逃げる。


(シルフ、使い魔にあとを追わせて)


【ガッテン!】


さてと行くぜリート。


【ウーン!奏者と久しぶりの共闘だ!ワクワクするなぁ!】


「(まさか財宝かなにか隠したのか!)おい!傭兵共!我輩はあのブスを追う!あの男は任せた!」


地面に潜ってどこかへ消えた。そうか、あいつ魔導士か。まあナツがいれば問題ないか。


「ユーはフェアリーテイルの魔導士だな」


「紋章みりゃわかるわな。それがどうした?」


「魔導士では我々にはかなわないという事だ。火の魔導士」


「へえ、火の魔導士って知ってんのか。大方監視ラクリマで見てやがったな」


「イエスだ。そしてあのネコは能力系魔法、翼」


「んじゃわかってんな?黒コゲになるぜ?あんたら」


全身に炎を纏う。


「残念ながらNOと言っておこう。火の魔導士は我らの最も得意とする相手だからな」











どーも、キッド三世です。徐々にカイルの魔法がわかって行きます。まだルーシィは全然カイルの事知らないけど。

コメントよろしくお願いします。

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