小説『フェアリーテイル ローレライの支配者』
作者:キッド三世()

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番外編第四話 おせっかいのクリスマス






私は今最高に緊張している…何故なら今日はカイルに大聖堂の前で二人で会おうと誘われていたからだ……
私は一昨日の晩から何を着て行くかを厳選し、白いダッフルコートに手袋をして待っていた。


「約束まであと五分…」


私は約束の時間の三十分前に来ていた…カイルは時間には正確な男だ。早くくる事もしないが一秒たりとも遅れない。だから今いってもいない事はわかっていたがじっとはしていられない。万が一カイルを待たせてしまっては申し訳なさすぎる。


「おう、相変わらず早いな」


時間通りにかけられる声。普段一番慣れ親しんだあの声だが今日はいつもよりずっと美しく聞こえた。


「カイルこそ相変わらず時間通り……だな」


振り返って目に入ったカイルの姿を見て絶句してしまった……
この時期によく見かける赤と白の格好。手には大きな白い袋まで持っている。


「…………カイル?その格好は?」


「?見てわかんだろ?サンタだよ」


「それはわかってる…何でお前がサンタの格好をしてるんだと聞いてるんだ」


は?と首を傾げた後、言ったよな?と言う…


「SS級クエストの依頼があるから一緒にやろうって」


そこでエルザが思い描いていた素敵なデートやディナー。二人っきりの聖夜が音を立てて崩れて行ったのだった……










話を総合すると今回の件はマグノリアの街からの物で親が買ったプレゼントを俺たちが受け取り、渡してまわるという事だった。もちろんカイルはキチンと説明していたのだが、その日にカイルに誘われる事を切望していたエルザはお誘いの言葉意外聞く余裕はなかった…


「街全体を一晩で回らなきゃなんねえからな。んな事が出来るのはS級魔導士のみ。そこで俺らに白羽の矢が立ったわけよ」


「なるほどな……で?私もこの格好をしなきゃいけないのか?」


エルザはとっておきのおしゃれなコートからサンタ服に着替えさせられていた。
無論よく似合っている。


「子供達の夢の為だ」


指で笛を鳴らし、テリーを呼び出す。背中に飛び乗るとマグノリアの町内会まで飛んで行った。






「いや〜。カイル様。この度はお受けいただきありがとうございます」


「いやいや。クラウスの奴も情けないな。この日に限って風邪引くとは」


ぶくっとしているエルザがボヤく。


「まったくだ…」


本来サンタをやるはずだったクラウスはそれはもう腕利きのサンタで町内サンタ歴二十年のベテランだ。


「それじゃプレゼントを」


「はい。こちらになります。それとコレは届け先です」


「おう。エルザ、ナビは頼む」


「わかった」


流石に仕事モードの切り替えは早く、もう膨れっ面はしていなかった。


「それじゃ、行ってくるぜ」











「毎年有難うございます」


「いえいえ、メリークリスマス」


「わーい!お兄さんお姉さんありがとー!!」


訪れる度に子供達の満面の笑顔が迎えてくれる。最初こそエルザの胸の中にくすぶる物はあったが、今はもう吹き飛んでいた。


「コレであと一軒か…」


「うむ、問題なく終わりそうだな」


「いや〜。やっぱガキって可愛いな。俺らにはあんな時なかったからなぁ」


「ふっ……お互いスレた子供だったな」


楽園の塔で地獄を味わった俺達にクリスマスなんて物はなかった…
あったのは労働の日々のみ。


「こうやって子供達のクリスマスの手伝いができるというのは…存外悪くない物だな」


「エルザは母さんになったら厳しそうだな」


「そんな事はないさ。もちろんしかる時は叱るが愛を持って接するぞ?それにお前こそだ。何か悪い事をしてもお前は怒る事をしなさそうだ」


「めんどくせーし自分が悪い事したって意識があればそれでいいだろ?」


「お前はそれでいいかもしれんが子どもはそれで調子に乗ったらどうする?人に迷惑をかけてからでは遅いぞ」


「その時はちゃんと叱るさ。それよりあと一軒」


「ああ……しかし妙だな。コレには宛先が書いてない」


「バーカ、いいんだよ、それで」


袋から取り出したのはマフラーだ。包みを開き、エルザに渡す。


「コレは俺からのプレゼントだ……いつもありがとって感謝の気持ちだ…受け取ってくれ」


呆然としつつ渡されたマフラーを手に取る。エルザの髪と同じ美しいスカーレットのマフラー。間違いなく手編みだ。
エルザは目に涙をため、カイルの胸に顔を埋めた。


「……ありがとう……正直ない物だと思ってた」


「あのなぁ。俺だって今日がどんな日かくらいは知ってるぞ。渡さないワケがねーだろう」


「…………ゴメン。私からはこれだ」


渡された包みに入っていたのはクリアシルバーのブレスレット。


「お前の黒服によく合うと思ってな」


「さんきゅー。気に入ったよ」


パチンと指を鳴らすと千の顔を持つ英雄でカイルはスーツに、エルザはドレスに換装させた。


「マグノリアのロイヤル・パレスの最上階とレストラン、予約してある」


マグノリアで最高のホテルだ。エルザは驚愕に表情を染めている。


「仕事も終わった。行こうじゃないか」


手を取ってふわりと浮く。マグノリアの空の上を飛翔する二人。


「…………おい、雪だ」


「…………ああ……綺麗だな」


民家の光に子供達の喜色あふれる声。全てを見ながら二人は聖夜の空を飛んで行った。




















レストランでの食事を終え、二人はホテルの一室にいる。
お互いシャワーを浴び終え、バスローブ姿で寄り添っている。


「カイル……私今欲しい物がある」


「ん?なんだよ」


予想はついていたが一応問うてみる。


「子供……お前と私の子が欲しい」


「…………わかった」


顔をこちらに向かせ、顎を掴みキスをする。
エルザもカイルの首に手を回す。


「ん………ちゅ………はむ…」


水音が部屋に響く。抱き合ったままゆっくりと倒れる二人。


シュルシュル…とお互いのバスローブを脱がせる。カイルはエルザの頬に手を添え、優しく撫でた。
エルザはカイルの手を愛おしそうに包み込む。


再びかわされる二人のキス。今度はもっと深く……お互いの舌を求めあう。


「ん……んむ!?」


キスをしながらカイルがエルザの秘所に指を入れた。すでにそこは洪水になっており、クリは完全に勃起していた。


「………ぷは……お前、濡らしすぎ」


「だ……だって……今日の為に……我慢してたから」


まったく、俺が誘わなかったらどうするつもりだったのやら。
焦らすのも面白いが流石にクリスマスに苛めるのは勘弁してやろう。
肉棒を秘所にあてがう。


「あぁ……お願いカイル……いれて」


「ああ……行くぜ!!」



声と共に奥まで一気にいれる。腰を持ち上げ、エルザを抱き寄せる。


「あぁああああああああはああああああああ!!!!!」


エルザもカイルの肩にかじりつき、両手をカイルの逞しい背中にまわし、抱きしめた。


「あ……はっ………ああ……」


絶頂冷めやらぬエルザ。だがカイルは容赦なく動き始める。


「あ!まって……カイル……はぁん!あっ、あん、あぁ、はぁ、ゃあ!」


抱え込んだままだしいれする。しかしカイルはただ単純に奥に入れるだけでなく入り口辺りをウネウネと動かし、エルザの顔が恍惚とし始める時に一気に奥に押し入れる。その度にエルザはイカされてしまう。


「ひぅッ! あっ、ひゃっ、んっ、やっ、あっ、んぁっ、ゃんっ!」


エルザが背中に手をまわして抱きしめてるおかげで支える必要はない。魔力をこめて感度を極限まで高めて押し付けられ形が潰れてる豊満な胸を揉みしだく。


「ひゃァァァァァァァァァァァ! こ、壊れりゅ!!おかしくなるぅぅぅぅぅぅぅ!」


「毎回言ってるなそれ。安心しろ。お前はんなヤワじゃねえから!」


奥まで一気に押し入れる。もうそろそろラストスパートだ。ひたすら奥を攻め続けよう。


「ぁぁんっ!はぁっ!んんっ!ズンズン響くぅ……!奥までっ、奥までくるぅ……!壊れる、子宮壊れちゃうぅぅぅぅ!」


「やば……そろそろ限界…」


「はぁっ!き、来て……来てくれ…カイル……おっ…お前の子を……はぁん!……孕ませてくれぇぇ!!」


「行くぜエルザ!!」


「あっ!あっ!ダ、ダメ!ダメェっ!激しいっ、激しくしたら……!イっちゃうぅぅぅぅ!も、もうっ!ダメェェェェェェェェェッ!」


放たれるマグマの如き奔流。エルザはその全てを受け止めていた。


「――――ッ!あぁぁぁぁぁぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」


思いっきり仰け反り、力尽きて倒れこむ。が、その前にカイルが抱きとめ、そのまま唇を奪う。エルザをカイルにしなだれかかる。


「ん……ああ……熱い……全身でお前を感じているよ。カイル」


「俺もだよ…エルザ」


「私は……幸せだ……今世界の誰よりお前のそばにいる……本当に幸せだよ……私はお前に会う為に生まれて来たんだ……今なら間違いなくそう思える」


「…………俺はまだなんの為かはわかんねえな…」


「そうだろうな…だが一つ言える事がある……お前は数えきれない人々を救っているよ」


「…………そうならいいな……メリークリスマス。エルザ」


「メリークリスマス。カイル……ふつつかな相棒だが…これからもずっと一緒にいてください」


答える代わりにギュッと抱きしめた。腕の中でエルザは目を細め、抱き返す。そしてそのまま二人は眠った。



















あとがきです。なんとかクリスマスまでにかけました。良かった良かった。それでは感想よろしくお願いします






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