小説『つぶやき』
作者:あさひ()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>




どんなに憂鬱になっても、どんなに気が張り詰めていても、

ふと夜空を見上げて瞬く星を見上げてみたり、

ぼうっと打ち寄せる海の波を見つめていると、

だんだん心の中が空っぽになっていく。


私に何が起きようと、私がどう変わろうと、

星は空に瞬き続けるし、海の波は打ち寄せ続ける。

空も海も、日によっては少しは姿を変えるけど、


今見ているこの空と海は
私の気持ちにようにころころ変わりはしないし
変わる早さは非常にゆったりとしている。


昔の人もこの景色を眺めたことがあるんだろうな・・・。

私が死んだ後もこの景色はずっとこのままなんだろうな・・・。

そういえば、私の生きている意味ってなんなんだろう・・・。



空も海もその答えを教えてはくれないけれど、

神の創造物に心を揺らされるのは人間だけであるということに、

何か神秘的なものを感じずにはいられなくなる。

-2-
Copyright ©あさひ All Rights Reserved 
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える