小説『AngelBeats!〜死後の世界の反逆〜』
作者:涙カノ()

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2 初めてのオペレーション 【後編】

〜18:30〜
作戦開始時間、玲と音無は前回、音無1人だけだったところに配備されていた。
そしてうしろのほうから音楽が聞こえた。

「作戦開始…か…そういえば、俺たちは何してればいいんだ?」

「あぁ、俺たちは天使が食堂に行くのを阻止すればいいんだ。
ほら、あそこから音がしてるだろ?あそこでNPCに向けてライブをやってるんだ。」

「ふ〜ん…ん?NPCってなに?」

「一般生徒のこと。ゆりが言うのは人間じゃあないらしい。」

「マジ!?あいつらも死んでて、
その一部が死んだ世界戦線に入っているんじゃないのか!?」

「そこらへんは俺もわからない…
でも初めて話しかけても普通にこっちのことを知ってる感じで話してくるぞ。
普通すぎて少し怖かった…」

「うわぁ話しかけたくねぇ…でも少し興味はある…あれは…」

と、玲は小柄な銀髪の少女を見かけた。
この少女とは以前、自分の寮への行き方を教えてもらったという仲でしかない。
その名を玲は呼ぶ…

「お〜い!立華!お前もライブ見に行くのか?もう始まってるから急がないと!!」

玲がそういうと立華は首を横に振った。そして横では音無が銃を構えてこういった。

「お、おい!神門!そいつは天使だぞ!」

「マジか!?(唯一普通そうなこいつが言ってるんだから信じるしかないのか!?)」
そう、疑いを持ちながらも銃を構えた。

「そう…あなたもそちら側につくのね…Guardskill handSonic」

立華がそうつぶやくと立華の腕から刃が出てきた。
それと同時に、「ドォン!!!」と何かが爆発するような音がした。
その正体は音無が発砲した音だった。
しかしその弾丸は立華にはえていた刃によってはじかれた。

「な、なんだよ!?あれは!!」

「俺がわかるか!!あとでゆりにでも聞け!!」

「くそっ!」
そう、いうと玲も立華に向けて発砲した。しかしその弾丸はあさっての方向に飛んでいった。

「あれ?」

「なにやってんだ!いったん下がるぞ!」

「あ、あぁすまねぇ…」

玲は音無に謝罪を言いながら、音無と一緒に後退した。

玲たちが後退していると何処からか謎の物体が体の横を速く通り過ぎて行く。
だが、立華はいとも簡単にそれを防ぐ。

「ちっ…外したか。」

謎の物体ーハルバードーを投げた本人がつぶやいた。

「待たせたな!」

と日向が銃を構え立華に狙いを定める

「Get you little kills!」

「一番弱い所を狙われたんじゃねえかぁ!?」

「でもまだハンドソニックだけだよ!」

「広い場所へ!」

「交代しながら加重攻撃だ!」

「ああ、わかった!」

その中でも日向が中心的に指示を出し、指示された戦線メンバーは
立華に銃口を向けた。

「Guardskill Distortion」「撃てっ!!」

立華の呟きとともに日向の合図がかかる。
が、弾丸が当たる寸前になにやらバリアのようなものに弾かれてしまった。

「だから!何なんだよ!?あいつは!手から剣を出すわ、銃弾をよけるわ!!」

初めてのことに玲はとてつもなく驚いているが2度目の音無も相当驚いている。

「あれが天使の力だよ!!遅かったか・・・!」

「ちっ、これだから銃は!!」

日向はあわてている2人に立華の能力をとてつもなく簡単に説明し
ハルバードを持っていない野田は銃に文句を言っていた。

「どうするんだよ!?もう、銃きかないんじゃないのか!?」

玲がうろたえていると突然校舎の上から椎名が飛び降りてきて天使に向かって苦無を投げつける。
ガキィンと音がし立華はそれをハンドソニックではじいた。

(何であいつはわざわざ苦無をあの剣ではじいたんだ?まさか…?)

なにやら思いついた玲は苦無を投げた椎名に持っている刀を貸してくれと叫んだ。
椎名は一瞬疑問に思ったが玲に向かって刀を投げた。
その瞬間、玲の頭の中である動きのイメージが出てきた。
そして玲と戦線メンバーで天使をはさむような位置についた。
みんなのうしろでは、松下五段がロケットランチャーの準備をしている。

「(あの時間を稼ぐだけだ・・・)いくぞ!瞬連刃!!」

連続で切り裂こうとするが立華はそれをハンドソニックで防御する。
最後の叩き付けを放つがそれをいつの間にか出したもう片方の刃とともに交差させて防いだ。

「まだまだぁ!円閃襲落!!」

さらに立華に下から上へと刀を振り回し交差されていたハンドソニックを強引に離した。
そしてその隙に叩き付けを行うが横に飛ばれて回避された。

「離れろ!神門!」

ロケットランチャーを構えた松下五段が叫び、ロケットランチャーを天使に放つ。
ドォンと音がしそれは天使に命中したように見えたが、
天使はやはり玲の剣撃だけの傷だけだった。

「くそっ!」

松下五段が悔しがっているがその間にも立華は進んでくる。
それを阻止しようと銃弾を放つが全て弾かれたいた。

(只の時間稼ぎがこんな壮絶な戦いになるなんて…)

新参戦である玲がそうあせっていると、上から姿を現した食券。
ひらひらと中を舞う紙切れを無意識に掴み取った。

「なに?これ・・・」

「それでいいのか?」

「え!?うぉい!そんな急に引っ張るなって!」

メンバー達は食券を掴みながら徐々に撤退を始めた。
棒立ちで動けない状態の玲を日向が腕を掴んで引っ張る。
途中で後ろを振り返ると、戦闘によって荒れた殺風景に取り残された天使の姿があった。


〜食堂〜

「何で俺はこれだけなんだよ!!」
そういう玲が持っているのはコップに入ったレモンティだけだった・・・

「フッ、無様なやつだ…」

「なんか言ったか…?」

「あはは」

野田の挑発するような発言に、乗ってしまった玲。それを見ていた音無は乾いた笑いをした。

「…やばい…腹減った…あんなにがんばったのにこれだけって・・・」
そう言いながら歩いていると岩沢がうどんを食べているところにたどり着いた。

「神門じゃないか、どうしたんだ?飲み物だけ持って?」

「あぁ、岩沢…か…日向にせかされたせいでこの食券しかつかめなかった…」

「なら、このうどん食べるかい?」

「良いのか!?でもお前はおなかすくんじゃ…」

「別にいいよ。今日はあまり食欲ないから。」

「じゃあ、お言葉に甘えて…!いただきます!!」
そういって岩沢からもらったうどんにかぶりついた。
よく見ると間接キスなのだが、二人とも気づいていないみたいだ。

「(そういえばあいつには悪いことしたな…オペレーションとはいえど…
今度あったときに謝っておくか…)ハァ…」
そう、うどんを食べながら考えていた。
そこにゆりが通りかかった。

「今はいいと思うけれど食べているときとか満足しないようにね。消えちゃうから。」

そうゆりは自分の晩御飯を持ちながらそう警告した。

「消える?だれが?」

「私たちよ。ここはあくまで心の整理をつける場所。
思い残すことがなくなったらきえるわ。」

「ふ〜ん…わかった。じゃあ用心しておく。」

こうして初めてのオペレーション「トルネード」を終えた玲であった。

玲(そういえば、刀返さなきゃな〜椎名見つけられるかな…?)

ついでに悩みが増えた玲であった。

-4-
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