小説『隣にいるキミ』
作者:神田 澪()

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「夏菜ちゃん、ウチは1組!」
「…私、3組だよ、イヤだ…。」
仲良しの小百合ちゃんとはなれちゃったよ。
可憐に咲くサクラだってから回り。
ざわめく昇降口の人混みで押されてしまう。
「…った…。」
まったく、中学2年生なんだからみんなしっかりしなよ。
少しの切り傷をなでると、夏菜は人をよけながら昇降口へと進んだ。
道はコンクリートだけで、ヘタするとかなりのケガをしてしまう。
転ばないように足にも注意しながら、夏菜は進んだ。
押したおされそうで少しの冷や汗をかいたけれど、
袖でぬぐって昇降口にやっとついた。
そして、夏菜にとって一番の壁の始業式が終わって、夏菜の
クラスでは出席番号順にならぶことになった。
えっと、私は8月生まれだから、一番前の席か…。
隣は、9月生まれの出席番号13のヤツだから…。
「おまえ?誰だよあんた。」
「あんたこそ誰よ!」
生意気な態度にすこしムッとしてしまった。
いや、コイツ、見覚えはあるんだけど知らないんだよな。
見覚えはたしかにあるんだよね。
どこかで1回は話した気がするんだよなー。
ま、いっか。
っていうか、イヤだコイツ。
どこが…ってわけでもないんだけどさあ。
ま、いっか。
ちょっとにぎやかな生活になりそうな気がする!

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