この話は修達のあとに飛鳥達が転生した時期のものである
とある空港
燃え盛る空港の中を1人の少女がさまよっていた
「お姉ちゃん…お父さん…どこぉ…?」
その時、爆風が起こり、少女は吹き飛ばされそうになってしまうが
「危ない!」
突如、近くにあった女神の像から人影が現れ、少女の手を引いた
「大丈夫?」
「君、だれぇ…?」
人影は少年だった。深緑色の髪をした、優しげな少年。齢は少女と同じ位だろう
「僕は、巧…とりあえず、どうにかして出ないと…」
その少年、武藤巧はエントランスホールから抜け出そうとするが、壁代わりにしていた女神像が倒壊してしまい…
「あ、上!」
「!」
;女神像が命を奪う死神のように襲いかかってくる。
もう、終わりか…そう巧が思ったその時だった
「あ…」
ピンク色の光の輪が像を拘束し、動きを封じたのは。
「よかった…間に合った…」
これをしたであろう白い装束に身を包んだ少女が舞い降りてきた。これが俗に聞く「魔導士」なのだろう
「偉いね、よく頑張ったよ。君も、ちゃんと、護っていて凄いよ」
そう言って少女は2人の頭を撫でた後、天井へと身体を向け、手に持っていた杖のような物を構えた
「一気に抜くよ!」
『All right.Load cartridge.』
杖のような物がそう発すると、薬莢のような物が2発排出され
『Buster・set.』
「ディバイーン…」
光のリングが何個か出現したと思えば、杖の先端に光が溜まっていき…
「バスタァァァァ!」
桃色の砲撃が天を打ち抜いた
その後、巧と少女は魔導士に抱えられて空へと舞った。
「こちら教導隊01。エントランス内の要救助者…女の子一名と男の子一名、無事に保護しました。」
『ありがとうございます!流石は航空魔導士のエース・オブ・エースですね!』
「西側の救護隊に引き渡した後、直ぐに救助活動を続行しますね」
『お願いします!』
そう言うと、魔導士は空をかけていった
◇
「はやてちゃん! 人出が足りません!」
「そやけど、航空支援部隊がくるまで、持ちこたえるしかないんよ!頑張ろう、それに、あの2人のチームワークなら大丈夫やて」
臨時で指揮をはっていた「八神はやて」は少し焦っていた。その肩周辺に浮いているのは彼女のユニゾンデバイス「リインフォース?」である
そして、その上空には滑空する金色の光と、赤黒い光があった
『航空部隊本局02、陸上部隊本局03、応答願います』
「はい、こちら本局02テスタロッサ・ハラオウンと本局03、■■です」
『第八ゲートに要救助者の女の子が…』
「第八ゲートか…おい、ここからどれくらいだ?」
『約2分ほどかと…』
「だとよ」
「直ぐに向かいます」
「でも、俺はそろそろ飛行が限界なんでね、ちょっと降りるから遅れるぜ?」
「解った、でも、案外速く着くんじゃない?」
「ハッ、俺は何者だよ…」
そう言うと、金色の光…黒い装束の「フェイト・T・ハラオウン」と赤黒い光である黒い甲冑の騎士は二手に別れた
◇
「スマンな、遅くなった」
「いえ、陸士部隊で研修中で特別捜査官、八神はやて一等陸尉です! 臨時で応援部隊の指揮を任されてます!」
遅れて到着した陸士部隊指揮官の「ゲンヤ・ナカジマ」がはやてに挨拶をし、はやてはリインを預けて、自らのストレージデバイス「シュベルト・クロイツ」をセットアップすると、消火活動の為に飛び立った
◇
「管理局です!」
先程の本局02「フェイト・T・ハラオウン」と本局03は空港内の救助者の下へとたどり着いていた
救助者の周りには何故か藍色のバリアが張ってあり、全員その中にいた
「ん…?ディフェンサー…?」
「すぐに外まで案内しますから」
「あ、あの、このバリアを張ってくれた魔導師の女の子が妹を探しに行くって……!」
「えっ!?」
「チッ、そう言う事か…。テスタロッサ、陸上なら俺の方が速い。救護隊に引き渡してくるから、お前はその女の子の方へ行け」
「…うん、解った」
「休日返上してやってんだ。全員助けるぞ」
「うん」
そう言うとフェイトは少女を探すために、少女の向かったという方向に走り出した
◇
その少女は細い螺旋状の道を膝を引きずる様な格好で歩き、妹を探している。
「スバル?スバル返事して……。お姉ちゃんが、すぐに助けに行くから」
少女は震える身体を堪えて妹…スバルを探し続ける。
そこに丁度フェイトが到着し、少女に呼びかける。
「そこの子!!じっとしてて!すぐに助けに行くから!」
少女はそれに気付いて振り返るが、直後に少女の足元にヒビが入って足元が崩れ落ちてしまう。
「きゃあああ!!?」
「あっ!」
『Sonic move!』
「ごめんね、遅くなって……」
だがその時、天井が崩れて落ちてフェイトとギンガに振りかかろうとする。
「あっ!」
『Strike edge.』
突如、黒い刃が瓦礫を破壊しフェイト達は助かった。刃の方を見てみると、そこには刃を背中から伸ばした先程の黒騎士が浮遊していた
「まったく…変なところで気を抜くから…」
「ごめん…■■」
「良いから、早く出るぞ。飛行は得意じゃ無いんでな」
「うん、わかった」
そうして、フェイト達は空港からの脱出を図った。
「妹さん、名前は?どっちに行ったか解る?」
フェイトが少女に語りかけ、黒騎士は周囲の爆風から2人を守っている
「あ、あの、エントランスホールではぐれてしまって…名前はスバル・ナカジマ、11歳です」
「ほう、中々しっかりしてんだな、まだ小さいのに」
『こちら通信本部、スバル・ナカジマ11歳の女の子、同じく11歳のタクミ・ムトウ君と共に、無事、保護されています。救出者は高町なのは教導官です』
「流石だなあいつ(しかし、タクミ?…まさかな…)」
「スバル…よかった…」
「了解、こっちはお姉さんを保護。お名前は?」
「ギンガ、ギンガ・ナカジマ陸士候補生です」
少女…ギンガはそう名乗った
「候補生か…未来の同僚だ」
「恐縮です」
「ま、でも陸士候補生か、じゃあ俺が教えてやれるかもしれないな」
「えぇ?そうなったら私、追い抜かれちゃうかも…」
「ははっ、ま、あくまで可能性だよ。でも…本当に追い抜くかもな」
「ちょっと!もう…」
その後、はやてにより消火活動はほぼ完了。同じタイミングで本局からの支援が到着、空港火災は何とか治まった。
◇
翌日の朝、なのは、フェイト、はやてはとあるホテル内のベッドで目を醒ましていた。
どうやらはやては今回の事件の事もあり、自分の部隊を持ちたいという夢を話していた。
「あぁ!勿論、2人の都合とか将来の夢とかもあると思うんやけど…」
「もう!何言ってるの!はやてちゃん!水くさいよ!」
「そうだよ、小学校3年からの付き合いでしょ?」
「逆に、そんな楽しそうな部隊、誘ってくれない方が怒るよ?」
「うんうん。■■もそう思うよね?」
『いきなり回線繋いで何言ってんだよ。まぁ、どうせ部隊を造りたいとかそんなんだろ?ま、良いんじゃね?』
「ホントに昔から勘がええなぁ…。おおきに…ありがとうな、3人とも」
『まぁ…それはいいとして…』
「何?」
『お前等なぁ…もうちょっと格好考えて回線を繋げぇぇぇ!』
ブチッ
そこで回線が途切れ、改めて自分達の格好を見直した3人は悲鳴を挙げたとか…
こうして、特務機動部隊「機動六課」はスタートする訳だが、本来フェイトの部隊の副官「ライトニング2」を勤める筈だった黒騎士が…
謎の失踪を遂げた
―――――――
はい、元駄人間の駄堕惰でございますm(_ _)m
やっと長いプロローグが終わりました…
次回からは修達の転生後のストーリーを、というか巧はもう出てますけど…
今回登場したオリキャラの黒騎士は名前は明かせません。その内出てきます
ではではノシ