小説『あぁ神様、お願いします』
作者:猫毛布()

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

またつまらぬ文を書いてしまった…。
書き直しはしません。コレを作るのは、些か疲れます。




*********************
 殺されたい。
 なんて思い始めたのはいつのことだっけか。

 この白い空間を埋め尽くす程度に式を書いたが失敗し。
 この白い空間には小さい文字の答えには行き着かない。

 不甲斐ない。
 意味がない。
 意図もない。

 たった一度の肯定が、那由多も越える否定に到達した。
 全て、肯定した結果に繋がってしまう。
 全て、肯定したくなかった結果に繋がってしまう。

 誰か達の想いをずっと聴いていた。
 ソレも無視して式を書き続けていた。

 その想い達を全部抱えて、
 その重い死体を全て抱えて、
 その思いを叶える為に。

 俺は彼女を殺す為の一手を投じなければならない。

◆◆

「なんだ、場所の指定もさせてもらえるとは思わなんだ」
「こんな辺鄙な場所でいいのか?」
「こんな辺鄙な場所の方がいいのさ」

 草一本生えることのない荒野。
 地平線まではっきりと見えている。
‐あぁ、懐かしい
‐懐かしいと思える程度に口惜しい
‐本当に

「七年…いや、八年ぶりか」
「ん?」
「いや、なんでもないさ」

 頭を横に振って思考を戻す。
‐帰ってきた、なんて思うな
‐ココを壊したのは誰だ?
‐お前に資格などない
‐権利などない
 そうだ。当然だ。

「ではルールの確認をしよう。と言ってもルールらしいルールなんて物はない」
「どういうことだよ」
「死ねば、終わる。もしくは邪魔が入れば終わるさ」
「邪魔?」
「管理局にはわかるように、この場所に転移したんだ。どうせ見てるんだろう?」

 少しだけ上を向いて、解析でエラーが出ている所を向く。
 そこには見えないし、解析も出来ないが、何かはある。
‐そこだけエラーってのは
‐まぁどうでもいいさ
‐見られている方が都合がいい
 カット。

「先に言うが、手加減などするなよ。したら消し飛ばすからな」
「わかってる……と、思う」
「なんだ、自信がないのか?」
「お前を殺したら……って思うと」
「なんだ、そんな心配か」

 全く、目の前の馬鹿は何を思っているんだか。
‐馬鹿らしい
‐あぁ本当に思考が足りていない
‐思考しているのか?
 さて、常に考えている俺にはさっぱりだ。

「殺したなら殺したで構わんさ。生憎、殺されてやる、なんて自殺紛いの事は出来ないんでな」
「?」
「まぁいい。ではスタートを決めよう」

 手にコインを持ち、それをスメラギに放り投げる。
 片手で綺麗にキャッチしたそれをマジマジと見るスメラギに少しだけ苦笑してやる。

「なんだ、五百円玉がそれ程珍しいか?俺に勝てればやるよ」
「いらねぇよ……」
「そうか……古典的だが、そのコインを弾いて、地面に付けば攻撃可能、と在り来たりな始まりにしよう」
「ホント、在り来たりだな」
「ちなみに、何度も言うようだが、模擬戦ではなく、コレは殺し合いだからな」

 一応、釘を刺しておく。
‐当然だ
‐さぁ、戦闘に思考を向けよう
‐空間解析開始
‐肉体強化開始

「じゃぁ、行くぞ」
「あぁ、いつでもどうぞ」

 スメラギがコインを弾く。
 高い音が耳に響き、目の前のアイツは緩やかに構えていく。
 コインがクルクルと回る。

 一回転

 二回転

 三回転

 四回転


 山なりに弾かれたコインが山頂に到達して、あとは地面に向けて落ちるだけとなった。
 落ちる速度は重力に従い、加速度を増す。
‐さぁ、仕掛けよう
 俺はコインが地面に着く前、それこそ山頂に到達した時点で一歩目を踏み出す。
 ちょうどアイツとの距離を移動の二歩程度に収めていたのはこの為。

「え?」

 アイツの間抜けた声が聞こえる。
 当然だ、どうせ、コインが地面に着いたら開始、というのを読み違えたのだろう。
 しっかりと浮いているコインを下に叩きつけて、更に一歩踏み込む。

 コインが俺の手によって加速し、スメラギの目の前、それこそ懐に入る頃に地面と接触した。

「――――――」

 鳩尾に深く突き刺さった肘。アイツの肺から酸素が意図せずに出ていく。
 グルリと腰を回転させて、片手を地面に着く。そのままの勢いを保ち、踵をスメラギの頬に直撃させた。

「――ガッ」

 勢いに負けて、スメラギが地面を二転三転して転がっていく。
‐どうやら死んでないようだ
‐惜しい惜しい
‐さてさて、どうするかね
 どうもしない。それこそ、立ち上がるのはわかっている事だ。

「どうした、スメラギ。まさかコレで終わり、なんて事はないんだろう?」

 答えはない。
‐動作はしているが
‐肋骨が刺さったか?
‐否、それ程強く打ち込んではいない

「げほ、げほ、卑怯だぞ!!」
「卑怯?殺し合いと言ったはずだ。油断したヤツから死ぬ。当然の事だろ」
「ルールはどうしたんだよ!!」
「ちゃんと守っただろう?コインが地面に着いてから、お前に攻撃した。コインを叩きつけるのは禁止、とは言ってないだろ」
「ッ!!」
「まぁソレも終わった事だ。俺はお前を殺すよ、スメラギ」

‐キャー!!ユウクンカッコイー!!
‐サイコー!!
‐こちらユウ、目標を駆逐する
‐お前を、破壊する……!!
 畜生め。解析魔法を解くワケにはいかないから思考が纏まらない。

「本気で、オレを殺す気か……!?」
「……今更か?…いや、今からか?」
「だって!!お前は、オレを許したんだろ!?」
「許す、なんて俺には出来ない、と言ったはずだが?」

 ゆっくり一歩踏み出す。
 倒れていたスメラギは少しだけ後ずさる。
‐まるで屠殺される豚だな
‐家畜の方がまだいいさ
‐喋る人間なんざ、食料にすらなりはしない
 全くだ。本当に、面倒だ。

「第一、お前は俺に殺されるつもりだったんだろ?丁度いいじゃないか」
「オレは……だって、」
「ツマラナイ戦いだったよ。目標攻略の目算にも成りはしない」
「死ぬ……オレが……?」
「あぁ、死ぬよ、お前は。さようなら、スメラギ」

 赤黒い剣を編み込む。見た目だけなら切れそうだが、残念な事に、そこまで刃先は鋭くないし、鈍器としても二流のハリボテだ。
‐さぁハッタリはここまでだ
‐さぁそろそろ自覚しろ
‐ここが現実だ

「う、うわぁぁぁぁぁ」

 ようやく、と言っていい程に鈍い理解に内心溜め息を吐きながら、口だけはニヤリと嗤ってやる。
 目の前には彼の英雄王と同じ能力を持ちながら、無様に逃げる庶民。
‐恥辱の極みだ
‐あぁいっそ殺してしまおうか
‐否、それでは間に合わない
‐応、間に合わせよう

「逃げるか。ソレもいい。さぁ逃げろ、追いつかれるなよ?追いつけばその出来のいい身体を出来の悪いプラモデルみてぇに解体してやっからよぉおおおおおおおおお!!」

 剣を下に向けて突進する。
 ソレと同じ様に、スメラギの逃げる速度も増す。まぁ追いつく気がないのだけど。
‐ショタと追いかけっこか
‐オジサンと追いかけっこしようか?ハァハァ
‐ショタコンはお帰りください
 追いついた所で解体出来るような刃物は持ち合わせてない。

「逃げるだけかぁ!?ソレでお前は俺の星を壊したのか!?容易いな!!容易すぎるぞ!!スメラギィィィィイイイイイイ!!」

‐声帯に炎症
‐治癒
‐叫びすぎだ
‐危機感を煽ろう
 振り向いて攻撃を始められれば、あとはどうにでもなれ。

「クソッ!!来るなぁぁぁアアアアアアアアア!!」

 宙を歪ませ、武器たちが射出される。
 狙いは乱雑。散漫。呆れてモノも言えない。
‐前の方が戦力になったのでは?
‐それではコイツは管理局の駒に成り下がるだろ
‐大切な友人を守る
‐至極、面倒な願いだよ
 全くだ。バレない様にクスリと笑う。
 立ち止まって、迫り来る剣を体で受け止める。
 痛覚は遮断しているから、痛みは感じないが貫かれた感触があるのは、なんとも不思議な感覚だ。

「え……?」
「ふむ、まぁ、もう少しだな」
「な、なんで避けなかったんだよ!!」
「アレだけの攻撃を避けれるのは余りいないさ」

 ズルリと銀色の刀身を体から抜く。
 抜いた剣は赤い液体を滴らせ、太陽の光を反射させれば液体を少し透かせている。
‐中々に綺麗だ
 ふむ。全くだな。

「あぁ止血を忘れていた」

 剣を捨てて、貫かれた腹部に左手を当てる。
 グジュルと傷口に溢れる赤黒いソレ。それらは何度も蠢き、傷を編み込んでいく。

「な、なんだよ、ソレ!!」
「大切な、俺の力さ」
「ちか…ら?」
「さぁ、ようやく気持ちを決めたな?殺されるのは嫌だろう?ならば抵抗しろ。それこそ、必死にな……いや、必死に死を抵抗とはオカシナ表現だな」

 一人、笑ってしまう。
 そんな俺を見て、相変わらず緊張したままのスメラギ。どうしようもなく、警戒している。
 それでいい。まだ終わっていない。終わりはしない。

「さぁ、仕切り直しだ。スメラギ……いや、ライト。殺し合いを再開しよう」

 俺は左手から触手を溢れさせて、ライトへの一歩を踏み込んだ。




******************
〜必死に死を抵抗する
 死を抵抗したら必ず死ぬ方法だなんて、中々にシュール

〜本気()
 一応、大切な友人として認めてしまった彼と本気の戦闘など出来はしない

〜殺し愛
 友愛。まぁ芽生えても歪んでいるだろうが、歪んでる二人には丁度いい塩梅

〜死の自覚と恐怖と
 ようやくを持って、彼は覚醒への二歩目。打ち勝つことが出来れば、英雄らしくなる筈

〜ユウの怪我
 自分の攻撃で友人が傷つく事で責任を呼び起こしましょう

〜殺し合い(レッスン)
 自分の力の使い方を正しく、責任も学びましょう

〜言いわ、アトガキ
 戦闘描写を書けません。
 故に、思考を一転させました。

 一方的に殴ればいい!!レベルを上げて物理で撲殺!!

-104-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える




魔法少女リリカルなのはStrikerS フェイト・T・ハラオウン バニーVer. (1/4スケール PVC製塗装済み完成)
新品 \11362
中古 \9710
(参考価格:\17800)