小説『あぁ神様、お願いします』
作者:猫毛布()

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目を覚ました。
‐思考クリア
‐内部解析異常あり
‐カット
‐アンヘル侵食進行
カット。

「知らない天井…って訳でもないか」
「起きたか」
「ゲェ!烈火の将!」
「元気な所悪いが、首を飛ばすぞ?」
「それは体が軽くなりそうだ」

随分と体が重い。
‐首が飛んでったらその分軽くなる
‐脳が意思だとするなら随分軽い体だな
‐ピンクの悪魔みたいに一頭身だけどな
‐スカッ
カット。
左手を確認すればキッチリと宝石が輝いている。
‐意識を失えばやはり効果は消えるか
‐魔力を勝手に使う形に変更だな
‐擬態魔法行使

「……うむ、まぁとりあえずはいいか」
「なにがいいか、だ馬鹿者」
「馬鹿はいつもさ、墓は最期にとってるんだから」
「ザフィーラから聴いていたが、無理をし過ぎるな」
「お前は俺に何も言えないさ」
「あぁ、そうだ。お前との誓いで私はお前にとやかく言える立場ではない」
「騎士と友人……今は味方でも明日の敵の可能性だからな。あの時に釘を刺しててよかった」

たぶん刺してなかったら、シグナムに強制的に休ませられる。
‐オッパイに看病されるなら中々いいけど
‐どうせ放置なんだろ?
‐オッパイな看護師とかオッパイな女医とか

「よかった、起きたのね…」
「シャマル先生怖いよ!後ろに影背負ってるよ!」
「黙りなさい」
「ハイ……」
「さて、どこから責めようかしら?
貴方が私の制止を振り切り出ていった事から?
それとも消費が早い栄養剤の事?
それとも貴方が疲労と寝不足、あとは風邪だったのに休まなかった事?
私と会うときははやてちゃんと一緒で私の説教を回避してた事?
先に言うけれど、全部説教をするつもりだから、今は反省しなくていいわ。今から反省すると貴方の反省で貴方の存在が否定されていくから」
「……………こう、どうにか軽くなりません?」
「なりませんっ!」
「……シグナム」
「諦めろ」
「何ふて寝しようとしてのかしら?」
「ほら、うん、病人らしいし」
「起きたら説教が待ってるけど?」
「今から反省する事にします」
「よろしい、では――――――」

わぁい、スゴく耳が痛いよ。
‐自覚しながらしてたのにねー
‐あははーお花畑が見えるよー
‐わーちょうちょさんだー
‐あはははは
‐うふふふh

「聴いてます?聴いてなかったわね。最初から言うわ。貴方はこんな年齢から栄養剤ばかり食べて―――――」

真面目に聴くことにしよう。
‐シャマル先生怖い
‐シャマル先生怖いよ
カット。また最初からループとか嫌だ。







「深く深く反省致しました。もう海よりも深く海面より高く反省しております」
「……もう無茶しちゃダメですよ?はやてちゃんも心配しますし」
「善処するさ」
「直す気はないのね」
「馬鹿は死んでも直らないさ」

十二分に理解してるつもりだ。
‐無限ループって怖くね?
‐シャマル先生怖いよ
‐幾度の説教を受け
‐一度の後悔も無く
‐我が体は、無限の反省で
カット。反省しても直せる気はない。


ノックの音が聞こえ扉を向けば、八神家の主がひょっこり顔を覗かせていた。

「えっと、入ってええ?」
「大丈夫ですよ、診察も終わりましたし」
「…診察?いや、診察でした」
「なんやあったんか?」
「シャマル先生が実にいやらしい手つきで俺の体を蹂躙した以外は何もなかった」
「そんなことしてません!」
「もうお婿に行けない!責任はとってもらいますからね!」
「シャマルあかんよ。夕君は私がもらうねんから」
「え?」
「ん?どないかしたん?」
「……いや、なんでもない」

ふむ、いつもの掛け合いとは随分違う感じに取れたけど……。
‐勘違い乙
‐自惚れ乙
‐はいはい現実を見ようなー

「冗談はさておき、迷惑かけたようで悪いな」
「別に気にしとらんよ、寝不足やったらしいけど…」
「遅くまで本を読んでたら、な」
「な、て…別段無理して会いにこんでもええのに」
「無理ではないからなぁ」
「私としては嬉しいけど、やっぱり倒れる程無茶はされたくないよ?」
「次からは倒れないようにするさ」

‐倒れると心配もかけるしな
‐いやはや、どうしたものか

「なんや、こっちの言うてることを曲解してるなぁ」
「極論屋だからな」
「はい、いいえ、意外にも答えはあるよ」
「疑問疑答は楽しみだけで使うものさ」
「自問自答も是非だけならば楽しくないやろ?」
「是が非でも、非が是でも、自問している時点である程度の答えは既に人間持ってるものだ」
「強者の意見やね」
「弱者の決意さ」


八神は溜め息を吐いて、口を開く。

「……聞いててわかったけど、無理は続行するんやね?」
「善処はするさ」
「それは私がどう言った所で直す気はないんやろ?」
「…直る気がしないだけだ」
「うん。わかっとるよ……私は夕君に何も命令することは出来んし、命令したところで夕君は聴かんやろうし」
「聞きはする」
「その通り動かんやろ?……夕君は何をそんなに焦ってるの?」
「焦ってない」
「焦ってるよ。寝る時間を削ってでもせなアカンことなん?」
「…………あぁ」
「ホンマに?」
「当たり前だ。しなくちゃいけないんだ」
「頑張り屋さんなんやね」
「違う」
「……誰かの為に頑張ってるのに?」
「俺の為に動いてるんだから、単なる馬鹿さ」
「夕君がそういう性格じゃないことは、よう知っとるよ」
「……笑うなよ」
「笑うよ。夕君と居るときは痛みも感じへん位に笑うよ

夕君が無理してるのはわかってまうし、それを隠してる夕君にも気づいてた。
夕君が頑張ってるのも、薄々感じてた。

だからな、夕君。頑張るな、とは私は口が裂けても言われへんし言う気もない。ただ一つ言うことを聴かせれるなら、無理せずに私を笑わせて?夕君は騎士でもなくて、私の友人やろ?」


「……なんだろ、はやてにはこの先口喧嘩とかで勝てない気がしてきた」
「今も昔も後も先も、夕君が相手なら絶対に勝てるわ」

ふふん、と鼻を鳴らしたはやてに溜め息。
‐あぁダメだ
‐関わってはいけない
‐これ以上はいけない
‐気付くな
‐カット
‐カット
カット。俺には勿体ない気持ちであり、無駄な気持ちだ。持ちようがない。
両腕も背中も、もう空きはないのだから。
************************************************
〜ゲェッ!○○!?
呂布だぁぁぁぁあああああ!

〜友人
友人を笑わせる存在。人生を歩むために不可欠らしい

〜無限ループって
テレビの中に自分がいて、そのテレビの中の自分もテレビをつけるとさらに自分がいて、さらにその…………が繰り返され、怖くなってテレビを消していく。さて、最初の自分がテレビを消して上を見ると?

〜シャマル先生
口調が安定しない。故にこの小説で現在扱いにくい人の中にランクインしてしまった可哀想な存在

〜幾度の説教を…
〜一度の後悔も…
御影夕の固有結界。これが展開されると範囲内にいる生物全てが反省しだす、ある意味恐ろしい固有結界。




体は触手で出来ている
血潮はエロで、心は煩悩
幾たびのトラウマを埋めて不変
ただ一度の感謝もなく
ただ一度の理解もなし
担い手はここに独り
肉の丘でエロを蔓延らす
故に、生涯に忌みはなく
この空間は、きっと触手で出来ていた

範囲内の女性全てに一定量の赤黒い触手が襲いかかる空間作成の詠唱。男性は死にます。担い手は空間が作成された瞬間に空間と一体化。
空間を破壊するような概念武装や物理的攻撃を受けた瞬間にその攻撃を演算、及び否定式を打ち出し無効化する鬼畜空間。否!夢と浪漫溢れる空間が仕上がる。

脱出の為にはある程度空間の端に近づき可愛らしくお願いするとすんなり開く。
あまり使い道はないが、外部から空間にアクセス可能でアクセス者には内部の触手感覚が伝えられる

ごめんなさい

-30-
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