小説『あぁ神様、お願いします』
作者:猫毛布()

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‐魔道書、夜天の書の情報
‐古代ベルカにて作成
‐蒐集をして頁を増やす
‐総ページ数は666頁
‐守護騎士プログラム【ヴォルケンリッター】
‐剣、鉄槌、湖、盾
‐保有している情報の限り、夜天の書が完成しだい持ち主は死亡済み
‐夜天のプログラムが欲しい
‐夜天に解析をかければ…
‐無理やり捕まえて、バラすか
‐11年前、行方知れずだった夜天の確保
‐護送中に夜天が暴走
‐恐らく夜天の防御プログラムが発動したのだろう

「……はぁ」
「どうしたの?」
「喋りかけるな猫耳二号…いや一号?どっちでもいいその口を閉じて回れ右だ。それも出来ない駄猫ならその辺で這いつくばって爪でも研いでろ」
「もうその悪態にも慣れたよ。あと民間協力者だからって、管理局にそういう口を叩くのはどうかと思うよ?」
「ご忠告感謝。そんな猫耳に言ってやろう、知ったことか」

 テクテクと歩きながら本に解析の帯を伸ばしていく。
‐古代ベルカでは…
‐ミッドチルダの完成には管理局の…
‐元管理世界、通称ロストナンバーでは…
‐ベルカと現ミッドとの戦争は…
‐ロストロギアとは…

「しっかし、すごいねぇ」
「……」
「ねぇ、なんでそんなに管理局を恨んでるか知らないけどさ」
「……」
「君ならきっと管理局でも上手く生きていけるよ」
「……」
「そんな窮屈な生き方じゃ、肩もこっちゃうでしょ?ほら、お父様はかなりお偉い様だから」




「オイ…誰が喋れって言った?」

 スフィア展開。
‐おいおい、落ち着けよ
‐オーライ、まずはこのクズ猫に魔力弾をありったけぶち込んでからな
‐管理局に入れだと?
‐あんなことを軽々する管理局に?
‐必要もないことだったのに?
‐カット
‐カット
‐カット
‐カット
‐スフィア解除
‐深呼吸しろよ

「……頼むから、喋ってくれるな」
「……はいはい。わかったよ」
「すまない。悪いとは一欠片も思えないがね」
「…ずいぶん深いなぁ」
「深くはないさ。濃いんだ、それこそ星一つ程度な」

 カット。

「あ、ミカゲ来てたんだ」
「スクライアか…いいところに来たな」
「え?」
「はい」
「これは…夜天の書?」
「簡単にここで得た情報をまとめた」

 まぁある程度は抜いたけどな。
‐管理局にやれる情報なんて、上辺だけのものだけどな
‐尤も、ここで情報を集めればどうとでもなるだろうが
 さてさて、残念な事に情報は奥底へと隠れてしまった。いやはや、何故だろうか。


















「よぉ、ザッフィー。ご機嫌よう」
「あぁ、少しは休んだか?」
「お前がくる五分ほどな…なんだ今日は珍しくシグナムも一緒か」
「…………」
「どうした?そんなに口を開けて…俺の逸物でもぶっこんで」
「黙れ」
「ヤー。仕方ねぇな、僭越ながらよく喋る口でね」
「そして、なんだその背丈は」
「擬態魔法がイイように働いてくれてな。リーチも伸びるし元の俺だと分からんだろう?」

 今の格好は褐色の肌に短く乱雑に切られた朱髪。あとはザッフィーと似たような服…袖付き着用で完成。
‐うむ、御影夕とは何だったのか
‐背格好もザッフィーより細いくて少し低い程度だ

「なぜ今更…」
「管理局とは戦っただろ?」
「……あぁ」
「あれらの手伝いをさせられてる身分でね」
「ッ!?」
「剣を向けるんじゃないよリッター」

 両手を軽くあげて肩を竦める。

「腐ったクソ共に軽々しく主の情報を渡すとでも?」
「……あぁ、お前はそういうヤツだったな」
「そういうヤツなんだよ。とにかく今回集めたモノな」
「……すまない」
「頭を下げるなリッター。好きでしてることさ」

 リンカーコアを渡して、少しだけ背骨を伸ばす。
 パキパキと音がなり疲労が溜まっていたらしい事をようやく気づく。
‐この体でも鳴るんだな
‐一応擬態してても自分の体ってことか
 ポケットから錠剤を取り出し、口に放り込む。

「……」
「何?」
「…いや……お前は休んでいろ。あとの蒐集は私がする」
「あー、ここらのムカデさんは面倒だぞ。それこそ耐久力がオカシイ」
「……ヴィータから聞いた」
「そうかい。なら俺はテキトーに休ませてもらおうかね」
「そうしろ…主が悲しむことの無いようにな」
「ハッハ、それは困る…」

 砂をゆっくり踏みしめて足を進める。
 用事を思い出して足を止める。

「そうだ。お前らの事…少し見ていいか?」
「は?」
「どういうことだ?」
「いや、夜天は俺に触れられたくないらしいからな。リッターも一応この本の一部だろう?解析魔法で調べればある程度の糸口見つかるかも…程度だ。いやなら構わんよ」
「いや、好きにしろ」

‐好きに…だと…!?

「カット。なら失礼」

 シグナムの腕を掴む。
‐おい!よく考えろよ!
‐腕じゃない!胸だろ!
‐乳房をムンズってするのが一番いいだろ!
‐ほら、適当な理由を付けて揉もうぜ!
‐あれだ、心臓に近いほうが的な
‐解析開始
‐ぁぁぁ…
‐神よ…無慈悲だ…
‐解析完了
 カット。ザッフィーも同じようにして解析を進める。

「ふむ…」
「何か分かったか?」
「その…お胸が大きいですね」
「ッ……」
「失敬。剣を下げてくれ、他意はない」

 ザッフィーの事を言ったつもりだったんだけどな。
‐イヤハヤ、カンチガイトハ
‐マッタク、ケシカラン
‐けしからんおっぱいだ
‐ナイス、オッパイ
‐しかしながら、表情が表に出てきたな
 いいことさ。

「では、俺はちょっと休むわ」
「あぁ、すぐにどこかへ行け。私のレヴァンティンの届かないところへな」
「連結刃にしたら結構リーチあるだろ…」

 まったくもって無茶な条件だ。





******************************

〜シグナムさん
 表情が表に出てきて恥ずかしがったり、少し顔を赤くしたり、胸を両手で隠しても実は隠しきれずに溢れんばかりになっていることを彼女は理解していない

〜擬態ユウ
 痣を隠すための行使している擬態魔法を少し改変して変身している。擬態魔法は変身魔法からの変型だが、ユウが色々と弄りすぎて原型は行方不明
 背格好は文中にて、容姿に関しては強制的に人間の平均をとる形となっている


〜耐久力のオカシナムカデさん
 御影君が容易く倒せているのはアンヘルによる暴食とそれに伴う解析魔法から弱点の算出、そこを一点攻撃しているため。シグナムたちに言わないのは個体別で弱点が微妙に変わっていたため



〜ナイス、おっぱい
 ナイスおっぱい

〜今回
 ちょっとした伏線回。闇の書はもちろんの事、御影夕に深く関わることを多分二つほど

〜ボツの37話
 実はフェイトたんとの『キャッキャウフフな勉強会!?(回答の)ポロリもあるよ!』を書こうとしたけど書き詰まったからやめた。でも必要回なので、適当な位置に持ってくる予定

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