小説『遊戯王 New Generation』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 第1試合の興奮冷めやらぬ会場。
 デュエルリングには第2試合のデュエリストが既に上がっている。
 片や不動遊星。
 片や石動岩次郎。

 観客の期待を受け…


 「それでは1回戦第2試合、デュエル…スタート!!」


 「「デュエル!!」」
 遊星:LP4000
 石動:LP4000

 デュエルが開始された。








 遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel15
 『岩石を砕け!!』〜遊星vs石動〜








 「改めて名乗るぞ不動遊星!ワシは石動岩次郎。人呼んで『巌の岩次郎』じゃい!!」

 「巌…」

 「ワシの岩石で押しつぶしてやるから覚悟するんじゃ!!」

 「面白い奴だな。お喋りは此れくらいにして始めようか。お前のターンからで良い。」

 あくまでクールな遊星と、暑苦しそうな岩次郎。
 性格的には正反対のこの2人のデュエルは何とも面白そうだが…




 「…暑苦しい奴。」
 「絶対彼女居ないわね。」
 「知り合いレベル…でいいかな?」
 「モアイみたい。」
 「てか本当に10代?」
 「…実力はあるのに酷い言われようね…」

 上から、遊哉、霧恵、氷雨、響、美咲、アキの順。
 アキ以外の5人は失礼にも程がある。

 「まぁ、デュエルは見た目じゃないからな。」

 ご尤もである。




 「ワシのターン!磁石の戦士λ(マグネット・ウォリアーラムダ)を守備表示で召喚!」
 磁石の戦士λ:DEF2000

 「更にワシのフィールドに磁石の戦士λが守備表示で存在するとき、磁石の戦士θ(マグネット・ウォリアーシータ)を攻撃表示で特殊召喚できる!」
 磁石の戦士θ:ATK1800

 「ターンエンドじゃ。」

 1ターンに2体のモンスターを揃えた。
 普通ならばどちらか1体は次のターンまで残り、リリースやシンクロにつなげることが出来るが…

 「俺のターン。相手フィールド上にのみモンスターが存在する場合手札のソニック・ウォリアーを特殊召喚できる。」
 「テァ!」
 ソニック・ウォリアー:ATK2000

 「更にチューナーモンスター『ニトロ・シンクロン』を通常召喚!」
 「に〜〜〜」
 ニトロ・シンクロン:ATK300

 「レベル5ソニック・ウォリアーに、レベル2ニトロ・シンクロンをチューニング。
  集いし思いが、此処に新たな力となる。光差す道となれ!シンクロ召喚、燃え上がれ『ニトロ・ウォリアー』!」
 「ウゥゥン!」
 ニトロ・ウォリアー:ATK2800

 遊星も1ターン目でレベル7のモンスターをシンクロ召喚。
 手加減など存在しない。

 「ニトロ・シンクロンの効果によりカードを1枚ドロー。バトル!ニトロ・ウォリアーで磁石の戦士θを攻撃!『ダイナマイト・ナックル』!」



 ――ドゴォ!



 「θの効果、コイツは自分の場に磁石の戦士θ以外の岩石族モンスターが存在するとき
  自身が戦闘を行うことによって発生する戦闘ダメージを0にするんじゃ!!
  更に、θは戦闘で破壊されたときデッキから『磁石の戦士マグネット・バルキリオン』を手札に加えられるんじゃ!」

 「だが、こっちもニトロ・ウォリアーの効果発動!
  ニトロ・ウォリアーは戦闘で相手モンスターを破壊した場合、相手の守備モンスターを攻撃表示にし強制的にバトルを行う!」

 「なんじゃとぉ!?」
 磁石の戦士λ:守備→攻撃   DEF2000→ATK800

 「立ちはだかる壁を打ち砕け!『ダイナマイト・ナックル』!!」
 「ウガァ!!」



 ――バォォォン!!



 「やるのう!じゃがλはワシの墓地のモンスターが岩石族のみの場合受ける戦闘ダメージを半分にするんじゃ!」
 石動:LP4000→3000

 「更にλが戦闘で破壊された時デッキから『超電導騎士リニア・マグナム±』を手札に加えられるんじゃ!」

 1000ポイントのダメージは受けたが強力な上級モンスターを2体も手札に加えてきた。
 やはりアカデミアの上級クラス、一筋縄ではいかない。

 「(レベル8の上級が手札に2体…)カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「ワシのターン!手札より『融合』を発動、マグネット・バルキリオンとリニア・マグナム±を融合!
  出番じゃい!『超磁力電導戦士−リニア・バルキリオン±』!!」
 「ヌゥゥゥン!!」
 超磁力電導戦士−リニア・バルキリオン±:ATK4100

 「攻撃力4100…」

 「それだけじゃないわい!リニア・バルキリオンは1ターンに1度デッキか手札からレベル4以下の岩石族モンスターを2対まで特殊召喚出来るんじゃ!
  ワシはデッキから『磁石の戦士α』とチューナーモンスター『磁石の戦士ζ(ゼータ)』を特殊召喚!」
 磁石の戦士α:ATK1400
 磁石の戦士ζ:ATK1600

 「チューナー…シンクロ召喚か!」

 「その通りじゃ!レベル4の磁石の戦士αにレベル4の磁石の戦士ζをチューニング!
  大地に眠る鉄より硬い岩石の魂よその地から見せ付けたれい!シンクロ召喚、気張れや『鬼岩龍』!!」
 「ガァァァァァァ!!」
 鬼岩龍:ATK2500


 上級のシンクロと融合…状況は一気に逆手した。


 「鬼岩龍はワシの墓地の岩石族モンスター1体につき攻撃力が300ポイントアップする!
  ワシの墓地の岩石族は6体!攻撃力は1800ポイントアップじゃあ!!」
 「グギョォォォ!!」
 鬼岩龍:ATK2500→4300




 「攻撃力4300!」
 「不味いよ。此れ喰らったら遊星は…」

 客席の美咲と響は慌てるが…

 「まぁ遊星なら。」
 「大丈夫よね。」

 遊哉と霧恵は何処までも冷静だった。




 「このターンで終いじゃぁ!鬼岩龍でニトロ・ウォリアーに攻撃!『大落石』!!」

 この2体の攻撃を喰らえば確かに終わりだが遊星とて甘くは無い。

 「その攻撃は通さない。伏せ(リバース)カードオープン。罠(トラップ)カード『くず鉄のかかし』。相手モンスター1体の攻撃を無効にする。」

 伏せカードでしっかり対処してくる。

 「じゃが、くず鉄のかかしはこのターンはもう使えん!リニア・バルキリオン追撃じゃあ!『リニア・ザンバー』!!」



 ――ズバァ!!



 「く…」
 遊星:LP4000→2700

 「まだまだじゃ。メインフェイズ2で永続魔法『岩石発掘』、永続魔法『巌の意地』、永続魔法『大岩の結界』、永続魔法『地裂隆起』の4枚を発動!」

 「4枚の永続魔法?」

 「そうじゃ。『岩石発掘』はワシのターンのスタンバイフェイズ毎にワシのフィールドの岩石族モンスターの攻撃力を300アップさせる。
  『巌の意地』はワシのターンのエンドフェイズ毎にワシのフィールドの岩石族モンスター×500のダメージを相手に与え
  『大岩の結界』がある限り岩石族以外のモンスターは攻撃できず、『地裂隆起』で岩石族以外のモンスターはエンドフェイズに破壊されるんじゃ!」

 「何だと?これは…!」

 「そうじゃ。此れこそがワシの岩石ロック。名づけて『鋼鉄よりも硬い岩石の誇り』じゃぁ!!
  エンド・フェイズワシの場の岩石族は2体、1000ポイントのダメージじゃあ!」

 「ぐぅ…!」
 遊星:LP2700→1700


 完全に形勢逆転。
 だが、遊星は非常に楽しそうだ。


 「やるな。強力な2体の上級モンスターに、相手の行動制御。正直言って驚いた。」

 「伊達にオベリスク・ブルーに所属し取らんのじゃ!恐れ入ったか!」

 「あぁ。だが、俺も負けはしない。俺のターン。手札より魔法カード『劣化同調』を発動。
  相手フィールド上のシンクロモンスター1体を選択し選択したモンスターより低いレベルのシンクロモンスターを召喚条件を無視して特殊召喚する!」

 「召喚条件無視じゃと!?」

 「俺はお前のフィールドのレベル8の鬼岩龍を選択しエクストラデッキからレベル7のシンクロモンスターを特殊召喚する。
  現れろ、『セブン・ソード・ウォリアー』!!」
 「覇ぁ!!」
 セブン・ソード・ウォリアー:ATK2300


 7本の剣を操りし黄金の戦士がその姿を現す。
 だが、それでも2体のモンスターには及ばないが…


 「セブン・ソード・ウォリアーに装備魔法『断絶剣−アンチ・スペル』を装備しセブン・ソード・ウォリアーの効果発動!
  セブン・ソード・ウォリアーに装備カードが装備されたとき相手に800ポイントのダメージを与える、『イクイップ・ショット』!」

 「ぬぅぅ…」
 石動:LP3000→2200

 「更にセブン・ソード・ウォリアーの効果。1ターンに1何処のカードに装備されたカードを墓地に送る事が出来る。
  そして、このカードに装備された装備カードが墓地に送られた時相手モンスター1体を破壊する!
  俺は超磁力電導戦士−リニア・バルキリオン±を破壊する!」



 ――バリィン!!



 「じゃが墓地の岩石族が増えた事で鬼岩龍の攻撃力は更に300ポイントアップじゃい!打つ手を間違えたようじゃな!」
 鬼岩龍:ATK4300→4600

 「其れは如何かな?」

 「なんじゃ?」

 「断絶剣−アンチ・スペルの効果発動。装備状態のこのカードが墓地へ送られたとき相手の魔法(マジック)・罠(トラップ)を全て破壊する!」

 「なんじゃと!!」



 ――バガァァン!



 「此れでロックカードは消滅した。チューナーモンスター『ライティ・ドライバー』を召喚!」
 「うにょ。」
 ライティ・ドライバーATK100


 「レベル7セブン・ソード・ウォリアーに、レベル1ライティ・ドライバーをチューニング!
  集いし願いが、新たに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚、飛翔せよ『スターダスト・ドラゴン』!」
 「ショァァァァァァ!!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500

 星屑の輝きを纏いし白銀の龍。
 遊星のデッキのエースがその姿を現す。




 「(スターダスト…てーとあの伏せカードは…遊星の勝ちだな。)」

 其れを見た遊哉は遊星の勝ちを確信する。




 「スターダスト…じゃが攻撃力は鬼岩龍の方が上じゃ!」

 「確かに今のままならスターダストは鬼岩龍には敵わない。だが、罠(トラップ)発動『スターダスト・オーバー・ドライブ』!
  俺の場にスターダストが存在するときフィールドのモンスター1体の攻撃力を3倍にする。
  此れによりスターダストの攻撃力は2500から3倍の7500にアップする!」
 「ショァァァァァ!!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500→7500

 「攻撃力7500じゃとぉ!!!」

 石動の手札は0で伏せカードは無い。
 勝負は決した。

 「バトルだ。スターダスト・ドラゴンで鬼岩龍を攻撃!響け『シューティング・ソニック』!!」



 ――ドシャァァァァァァ!!



 「ぎゃぉぉぉ!!」
 石動:LP2200→0





 「Winner不動遊星!!」


 「「「「「「わぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁあ!!!!」」」」」」




 沸きあがる歓声の中遊星は石動に近付いて行く。

 「良いデュエルだったな。」

 「そうじゃな…全くワシの岩石を砕くとは大した男じゃ。次も頑張れよ!」

 「あぁ。」


 こうして1回戦第2試合は遊星が勝利を収めた。




















  To Be Continued… 

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