小説『遊戯王 New Generation』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 「機皇帝ウリエル…」
 遊哉:LP4000
 SC:3
 邪龍皇−ヴァリアス:ATK2800


 「フフフフ、驚イタカ!」
 ファントム:LP4000
 SC:3
 機皇帝ウリエル:ATK2500


 「まぁ少しはな…」









 遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel23
 『驚愕!機皇帝ウリエル』









 「だがそれ以上に、羨ましいなこの野郎!!」

 吼えた。
 一体何が羨ましいのか?

 「合体巨大ロボットだと!?男子永遠の憧れをこうもあっさりやってのけるとは悪者ながら天晴れ!
  つーか何処で手に入れた!?最新のブースター?兎に角そのカードの出所を教えろぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 「………」

 「何だよ?教えてくれても良いだろ!?」

 「…………」

 「無視か、このケチンボめ!!」

 「煩イ!サッサトデュエルヲ進メロ!!」

 その通り、確かに今はデュエル中。
 普段だったら『毒』吐こうとこうは成らない遊哉だが、合体巨大ロボ『機皇帝』は琴線に触れたらしい。


 「主よ、敵に注意されるのは如何かと思うぞ?」
 「スマン。正直興奮しすぎた。先ずは野郎を打ち倒す!!その上でカードの出所を吐かせる!!」
 「何が何でも欲しいのか!?其れにそのセリフは主人公でなく悪役のセリフだぞ我が主よ!!!」
 「遊星と比べたら俺は悪役全開だ!!」

 開き直った。


 「それじゃあデュエル続行だ!(攻撃力はヴァリアスの方が上だが…あの伏せカード。…考えるだけ面倒くさいぜ!!)
  バトル!邪龍皇−ヴァリアスで機皇帝ウリエルを攻撃、『エグザス・ダーク・フォース』!!」

 強引にデュエルに戻りバトルを仕掛ける。
 ファントムには伏せカードがあるが、良くも悪くも遊哉は基本伏せカードが有ろうとも先ず攻撃のタイプ。

 「フフフ、タッタ1枚ノ伏セカードニ怯エル様ナデュエリストデハナイカ。
  ダガ、ウリエルGノ効果発動!相手モンスターノ攻撃対象ヲコノカードニ変更スル!」

 攻撃対象の強制変更。
 此れによりヴァリアスの攻撃は守備表示のウリエルGに向かう事となる。
 となれば当然ダメージは通らないが、其処は攻撃型の遊哉、守備モンスター対策だってしている。

 「厄介な効果だな。だがソードウィング・ドラゴンを素材にしたドラゴン族のシンクロモンスターが戦闘で相手モンスターを破壊した時、500ポイントのダメージを与える!」

 「グァァァァァ!」
 ファントム:LP4000→3500
 機皇帝ウリエル:ATK2500→2300


 「!!(攻撃力が下がった?…成程、機皇帝は1体のモンスターに見えるが5枚のパーツ文字通り合体して1体のモンスターの様に見せてるのか…)」

 ウリエルの攻撃力が下がった絡繰を即座に見抜く。

 「守備モンスターヲ除去シツツダメージヲ与エルトハ…ウリエルGノ効果発動。
  コノカードガ戦闘デ破壊サレタ時、デッキカラ『ウリエル』ト名ノツクカード1マイヲ手札ニ加エル事ガ出来ル。
  私ハデッキヨリ『ウリエルG3』ヲ手札ニ加エル。」

 「サーチ効果まで有るのかよ…流石は合体ロボ。カードを2枚伏せてターンエンド。」

 「私ノターン!」
 遊哉:SC3→4
 ファントム:SC3→4


 「ウリエルG3ヲ守備表示デ召喚!」
 ウリエルG3:DEF1800
 機皇帝ウリエル:ATK2300→2800


 「攻撃力が上がった…やっぱりパーツによってステータスが上下するみたいだな。」

 「ソノ通リダ。更ニウリエルAヲ墓地ニ送リ、ウリエルA5ヲ特殊召喚!」
 ウリエルA5:ATK1800
 機皇帝ウリエル:ATK2800→3400


 「攻撃力3400だと!?1ターンでマジかよ…」

 僅か1ターンでヴァリアスの攻撃力は超えられてしまった。
 そしてファントムの猛攻はまだ続く。

 「リバースカードオープン『ウリエルチェンジ』。コノ効果デウリエルTヲ墓地ヘ送リ、デッキカ手札カラウリエルT2ヲ特殊召喚!」
 ウリエルT2:ATK800
 機皇帝ウリエル:ATK3400→3900


 「うっそだぁ…」
 「流石に此れはきついな…」

 遊哉とヴァリアスもこの畳み掛けにちょいと引く。

 「未ダダ、機皇帝ウリエル∞効果発動!1ターンニ1度相手フィールドノシンクロモンスター1体ヲ吸収スル!」

 「何だと!?」

 ウリエルの胴体部分より無数の縄状の物が放出されヴァリアスを拘束する。
 抵抗するも逃げる術は無い、そのままヴァリアスは機皇帝の内部へと吸収される。


 「ヴァリアスが…吸収された?」

 「驚イタカ。此レコソガ機皇帝ノ効果…『シンクロキラー』ダ!
  コレニヨリウリエルノ攻撃力ハ吸収シタシンクロモンスターノ攻撃力分アップスル!」
 機皇帝ウリエル:ATK3900→6700


 「攻撃力6700…其の程度か!」

 「何?」

 「舐めんなよ!つい3日前には遊星とデュエルしてたら何時の間にか互いのモンスターの攻撃力が5万超えてたわ!」

 …一体普段どんなデュエルをしているのか…

 「ホザクナ!貴様ヲ守ルモンスターハ居ナイ!此レデ終ワリダ、機皇帝ウリエルデダイレクトアタック!」

 「温いわ戯け者!トラップ発動『緊急警報−シグナル・レッド』!俺がダイレクトアタックを受ける時に発動。
  手札からレベル4以下のモンスター1体を特殊召喚する、来い『メタル・バリアント』!」
 メタル・バリアント:DEF2000


 「壁ヲ出シタカ。ダガウリエルA5ノ効果ニヨリ貫通ダメージガ貴様ヲ襲ウ!」

 「残念だがそうは行かない。メタル・バリアントは1ターンに1度だけ戦闘では破壊されない。
  更にシグナル・レッドの効果で特殊召喚されたモンスターが戦闘を行う事によって発生するダメージは此のターンのみ0になる!」」


 鉄壁なる壁。
 此れにより機皇帝の攻撃を何とか凌いだ。

 「成程…如何ナル場合ヲモ想定シタ戦術カ。其レデイナガラ攻撃型ノデッキトハ…ターンエンド。」

 「俺のターン!」
 遊哉:SC4→5
 ファントム:SC4→5


 「(良し次のターンが来ればコイツが使える。なら此処は我慢のしどころだな。)カードを4枚伏せてターンエンド!」

 5枚フルに伏せられたカード…大胆な戦略だ。
 其の頭の中では既に勝利への戦術が出来上がっているらしい。


 「私ノターン。」
 遊哉:SC5→6
 ファントム:SC5→6


 「ククク万策尽キタカ?此ノターン戦闘ダメージハ0ニハナラナイ。此レデ終幕ダ緋渡遊哉!機皇帝ウリエルデメタル・バリアントヲ攻撃!」

 6700もの攻撃力を備えたモンスターの攻撃力が迫る。
 貫通効果によって発生するダメージは4700…通ればゲームエンドだ。

 「だから甘いんだよ!トラップカード『ライフセイバーZERO?』!此の効果で此のターン俺のライフは必ず1ポイント残る!」
 遊哉:LP4000→1


 罠でライフをつなぐ。
 其の効果で此のターン遊哉のライフを削りきる事は不可能となる。

 「往生際ガ悪イナ、ターンエンドダ。」

 「俺のターン!」
 遊哉:SC6→7
 ファントムSC6→7


 「俺はフィールド魔法『スピードワールド2』の効果発動。自分のSCを7つ取り除きデッキからカードを1枚ドローする!」
 遊哉:SC7→0


 効果発動で遊哉のD・ホイールが大きく減速する。
 だが、そんな事には構わない。

 「更に手札よりスピードスペル『Sp−ゼロ・アクセル』を発動。俺のSCが0の時デッキからカードを2枚ドローする。(良し、揃った!)
  トラップ発動『舞い降りる龍』。此の効果で手札のドラゴン1体を特殊召喚する。来い『サーヴァント・ワイバーン』!」
 サーヴァント・ワイバーン:ATK1500


 「行くぜ!レベル4のメタル・バリアントにレベル4のサーヴァント・ワイバーンをチューニング!
  天空を翔ける金色の翼、轟く雷鳴の咆哮、虚空を打ち貫き此の地に降り立て!シンクロ召喚!迅雷の化神『雷龍皇−イズナ』!」
 「さて、如何してくれましょうか…」
 雷龍皇−イズナ:ATK2800


 雷を纏いし金色の龍皇が舞い降りる。
 だが遊哉の戦術はまだ終わらない。

 「俺がモンスターをシンクロ召喚した時手札の『ドラグ・シンクロン』を特殊召喚できる。」
 ドラグ・シンクロン:ATK500


 「そして此の効果でドラグ・シンクロンを特殊召喚したとき墓地からレベル4以下のドラゴン1体を特殊召喚する!蘇れ『ヴォルケイノ・ドラゴン』!」
 ヴォルケイノ・ドラゴン:ATK1900


 「貴様一体何ヲ!?」

 「良く見ておくんだな。此のターン俺は未だモンスターを通常召喚していない。来い『龍使いルシア』!」
 「はぁ!」
 龍使いルシア:ATK1000


 「燃やしてやるぜ!レベル4のヴォルケイノ・ドラゴンとレベル3の龍使いルシアにレベル1のドラグ・シンクロンをチューニング!
  燃え盛る紅蓮の双眸、そして灼熱の牙よ、全てを焼き払い此処に降臨せよ!シンクロ召喚!烈火の化神『炎龍皇−アグニ』!」
 「出番が無いものかと思った、待ちかねたぞ!」
 炎龍皇−アグニ:ATK2900


 そして遊哉のエース、紅蓮の炎を其の身に宿す真紅の龍皇が降臨する。
 雷と炎の龍皇が並ぶ其の様は正に壮観と言うほか無い。


 「2体ノ龍皇カ…ダガ攻撃力6700ノウリエルヲ相手ニ如何スルツモリダ?」

 「其の答えは自分で確かめやがれ!バトルだアグニでウリエルG3に攻撃!『インペリアル・ストライク・バスター』!」
 「滅せい!」

 紅蓮の炎が機皇帝に迫る。


 「ウリエルCノ効果発動、1ターンニ1度相手ノ攻撃ヲ無効ニスル!」

 アグニの攻撃は阻止されてしまう。
 だが、其れは計算済み。


 「雷龍皇−イズナでウリエルG3に攻撃!そして此の瞬間イズナの効果発動、攻撃宣言時に相手の魔法罠カード1枚を破壊し其の後でダメージ計算を行う。
  俺は装備状態の邪龍皇−ヴァリアスを破壊する『マナ・デストロイ』!」
 「邪龍皇…今は耐えてください!」


 イズナが其の力でウリエルに吸収されたヴァリアスを吹き飛ばす。
 此れによりウリエルの攻撃力は大幅にダウンする。


 機皇帝ウリエル:ATK6700→3900
 「ク…ダガウリエルG3ハ1ターンニ1度ダケ破壊サレナイ!」

 「そいつも計算済みだ!トラップ発動『不死の龍』!俺の墓地からドラゴン1体を蘇生させる。冥府より蘇れ『邪龍皇−ヴァリアス』!」
 「ふ…某の力を吸収するとはな。だが其の程度の戦術我が主遊哉には通じぬ!」
 邪龍皇−ヴァリアス:ATK2800

 蘇るは漆黒の龍皇。
 此の為にイズナの効果を発動したのだ。

 「3度目の攻撃、邪龍皇−ヴァリアスでウリエルT2に攻撃『エグザス・ダーク・フォース』!」
 「ふ、此の攻撃も見せ技に過ぎぬか…だが勝利のために行かせて貰うぞ!」

 「グゥ…ウリエルG3ノ効果デ攻撃ヲコノカードニ移シ変エル!」

 「だが今度は戦闘破壊できるよな?」
 「砕けるが良い!」


 例え攻撃対象を変えられようと龍皇の攻撃力は各パーツを凌駕する。
 放たれた暗黒の炎は、ウリエルの左腕部分を粉砕する。


 「オノレェェ…」
 機皇帝ウリエル:ATK3900→3400


 「4枚目のトラップ発動『バスター・モード』!此の効果でアグニをリリースしリリースしたモンスターの名前を含む
  『/バスター』と名の付くモンスター1体をデッキから特殊召喚する!紅蓮の鎧を纏い現れろ『炎龍皇−アグニ/バスター』!」
 「此の鎧も久方ぶりだな…漲ってくるぞ!」
 炎龍皇−アグニ/バスター:ATK3400


 燃え盛るマグマを思わせる紅蓮の鎧を纏った炎の龍皇。
 其の姿はより猛々しく力強い。


 「そして今5枚目のカードを発動する!トラップカード『クロス・ドライヴ』!此の効果で俺の場のモンスター1体に他のモンスターの攻撃力を集中させる!」

 「何ダト!」

 「アグニ/バスターにイズナとヴァリアスの攻撃力を集中させる!」
 「某の力、預けるぞ炎龍皇!」
 「私の力も預けましょう。」
 「ウム…主等の力確かに受け取った!!」
 炎龍皇−アグニ/バスター:ATK3400→9000


 「バ、馬鹿ナ。攻撃力9000ダト!?」

 余りの攻撃力に驚くファントム。
 だがそれ以上に自分が主導権を握っていたはずなのにこの展開が待っていようとは思いもしなかった。


 「此れで終わりだ!!炎龍皇−アグニ/バスターで機皇帝ウリエル∞に攻撃!『ブレイズ・エンペラー・キャノン』!」
 「消え去るが良い!」

 放たれた熱線はウリエルを貫通し爆発させる。

 「ウオワァァァァァァァ!!」
 ファントム:LP3500→0


 決着が付き本来ならばD・ホイールは強制停止される。
 だが、衝撃に飛ばされたファントムは其の勢いのままレーンの外へ…


 「!おい、マジか!?」

 其れを見た遊哉は慌ててレーンを降りファントムが落ちた場所へと向かう。






 だが、ファントムが落下した丁度其の地点に1人の男が居た。

 「ライフ1からの大逆転…そう来なくてはな。何れ又な緋渡遊哉。」

 男はそう言うとD・ホイールからデッキを外し何処かへと消えた。





 数分後到着した遊哉が見たのは大破したD・ホイールとライディングデュエル用に作られた1体のデュエルロイドだけだった…


















  To Be Continued… 

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