小説『遊戯王 New Generation』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 遊哉と遊星の前に現われた、謎のD・ホイーラー。
 それが見せた未知の戦術『アクセルシンクロ』。

 謎だらけだが、此の2人がそれに怯む事などない。
 いや、怯むどころか…

 「こんなん見せられたら黙ってらんねぇぜ!」
 「あぁ、全力で行こう!」
 遊哉&遊星:LP4000   SC1
 邪龍皇−ヴァリアス:ATK3100(ブロンズ・ドラグーン素材)


 寧ろやる気は限界突破のMAX状態。

 「遠慮は要らない。さぁ来い!」
 Unknown:LP4000   SC1
 TGストライク・ブレイカー:ATK3300


 対する謎のD・ホイーラーもやる気充分。
 高い技量を持つデュエリスト同士の戦いは、始まったばかりながら既にテンションは最高潮だった。










 遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel32
 『シンクロを超えた力』










 対峙する両者だが、


 ――とは言ってもどうするか…ヴァリアスの効果は此のターンは使えねぇし…


 遊哉は次の一手を考えていた。
 ヴァリアスの効果が不発に終わった上に攻撃力は相手の方が高い、おまけに手札にはもうモンスターは無い。


 ――攻撃反応型の罠もねぇな…しゃーない、200ポイントのダメージは覚悟すっか。まぁ、遊星なら返しのターンで何とかすんだろ。
 「俺はカードを3枚伏せてターンエンド。」

 遊哉は此れでターンエンド。
 パートナーである遊星の腕を信じ、次に繋がる一手を打っておいて。

 「ふ、私のターン。」


 遊哉&遊星:SC1→2
 Unknown:SC1→2


 「TGストライク・ブレイカーの効果発動!1ターンに1度デッキから『TG』と名の付くモンスター1体を手札に加える。
  私は此の効果で、デッキから『TGカタパルト・ドラゴン』を手札に加え、そのカタパルト・ドラゴンを召喚!」
 TGカタパルト・ドラゴン:ATK900


 「そして此の瞬間カタパルト・ドラゴンの効果発動。
  このカードの召喚に成功した時手札からレベル3以下の『TG』と名の付くモンスターを特殊召喚できる、来い『TGワーウルフ』!」
 TGワーウルフ:ATK1200


 「レベル3のモンスターとチューナー…」
 「何つー速攻だよ…攻撃力3300を従えた上で今度はレベル5のシンクロだと!?」

 モンスター効果をフル活用した速攻に2人とも息を呑む。
 攻撃力では優位に立つモンスターを従えて尚、攻める手を緩めないのだ。

 「シンクロフライトコントロール、リミッター解放レベル5!
  ブースター注入120%、リカバリー・ネットワークレンジ修正、オールクリア、Goシンクロ召喚!カモン『TGパワー・グラディエーター』!」
 「ムオォォォォ!!」
 TGパワー・グラディエーター:ATK2300


 現われた新たなシンクロモンスター。
 ステータスではアクセルシンクロモンスターに大幅に劣るとは言え、此の状況での2体目は大きい。

 「バトル!TGストライク・ブレイカーで邪龍皇−ヴァリアスを攻撃、『クロスドライバー』!」

 ストライク・ブレイカーの攻撃でヴァリアスが破壊され、ライフが減る。


 遊哉&遊星:LP4000→3800
 ――ぐ…なんつー衝撃だよ。此れもアクセルシンクロの力か?だが、俺の龍皇は簡単には死なねぇ!!
 「トラップ発動『龍皇転生』!此のターンに破壊された龍皇1体を墓地から特殊召喚する。
  そして此の効果で特殊召喚した龍皇の攻撃力は500ポイントアップする。冥府より蘇れ『邪龍皇−ヴァリアス』!」
 「我が魂は不滅!」
 邪龍皇−ヴァリアス:ATK2800→3300


 200ポイントのダメージこそ受けたが、追撃は食い止める。
 更に残りの2枚のカードは次のターンで遊星が攻勢に出るための布石に他ならない。

 「俺のフィールドに龍皇が特殊召喚されたことで2枚目のトラップ発動『皇の秘術〜同調』!
  龍皇がシンクロ召喚以外の方法で特殊召喚された時、
  同じレベルの龍皇を効果を無効にした状態でエクストラデッキからシンクロ召喚扱いで特殊召喚する。現われろ『炎龍皇−アグニ』!」
 「効果が使えなくとも我が炎は無敵よ!!」
 炎龍皇−アグニ:ATK2900


 一気にレベル8のシンクロモンスターが2体。
 例え攻め込まれても、あくまで攻撃型の姿勢は崩さないのが遊哉流。
 現われたアグニが相手では、謎のD・ホイーラーが召喚したシンクロモンスターでは太刀打ちできない。

 「ライフを大幅に削れるかと思ったが、そう簡単には行かないようだ。」

 「ったりめーだ!そう簡単にやられっかよ、3枚目のトラップ発動『ドラゴンブリッツァー』!
  俺のフィールドにドラゴン族のシンクロが2体以上存在するとき、そのレベル合計の半分の数だけ自分のスピードカウンターを増やす。
  俺の場のドラゴンシンクロのレベル合計は16…よってスピードカウンターを8つ増やす!」
 遊哉&遊星:SC2→10


 「此の状況でスピードカウンターを増強させるとは…」

 「俺1人だったら結構やばかったけどな、此れは変則デュエルでこっちは2人なんだぜ?
  だったら相方が全力出せるように布石打っとくのも戦術だろうが!」

 全く以ってその通り。
 1vs1のデュエルならば兎も角、タッグや今のような変則デュエルの場合パートナーの為に行動することも大切なのだ。

 「ふ、敢えて変則デュエルを挑んだ事の意味は理解しているようだ。私はカードを1枚伏せてターンエンド。」

 如何やら変則デュエルを挑んできた事も意味があったようだ。
 さて、次は

 「俺のターン。」


 遊哉&遊星:SC10→11
 Unknown:SC2→3


 遊星のターンだ。
 スピードカウンターは略満タンで使える戦術は非常に広いといえる。


 ――緋渡のおかげでスピードカウンターは充分にある、そして此の手札なら…!
 「『Sp-エンジェル・バトン』を発動。スピードカウンターが2つ以上あるとき、デッキからカードを2枚ドローしその内1枚を墓地に捨てる。
  俺はチューニング・サポーターを墓地に捨てる。
  更に手札のボルト・ヘッジホッグを墓地に捨て、チューナーモンスター『クイック・シンクロン』を特殊召喚。」
 クイック・シンクロン:ATK700


 「そして俺のフィールドにチューナーが存在する時墓地の『ボルト・ヘッジホッグ』を特殊召喚できる!」
 ボルト・ヘッジホッグ:ATK800


 「レベル2のボルト・ヘッジホッグにレベル5のクイック・シンクロンをチューニング!
  集いし想いが此処に新たな力となる、光射す道となれ!シンクロ召喚、燃え上がれ『ニトロ・ウォリアー』!」
 「ムゥゥハァァ!!」
 ニトロ・ウォリアー:ATK2800


 得意のシンクロンからの速攻シンクロが炸裂。
 更に大量のスピードカウンターは、その速攻に磨きをかける。

 「手札から『Sp−スピード・フュージョン』を発動。スピードカウンターが5個以上有るとき、モンスターを融合召喚出来る。
  俺は手札の『マックス・ウォリアー』と緋渡の場の『炎龍皇−アグニ』を融合!現われろ、融合召喚『波導竜騎士ドラゴエクィテス』!」
 「ファァァァァア!」
 波導竜騎士ドラゴエクィテス:ATK3200


 遊星のフィールドに蒼い鎧に身を包み、巨大な槍を携えた竜騎士がその姿を現す。
 加えて此の一手は、戦闘で有利な状況をも誘発する物だ。

 「スピードスペルを使用したことでニトロ・ウォリアーは此のターンのダメージ計算時に1度だけ攻撃力が1000ポイントアップする!
  更にドラゴエクィテスの効果発動。墓地のドラゴンを除外しその効果を得る。俺は炎龍皇−アグニを除外し、その効果を得る!」
 「フィールドでは無効になっちまった効果だが、墓地では関係無ぇ!!ブチかませ遊星!!」

 正に阿吽の呼吸。
 遊哉が用意した『次に繋がる一手』を遊星が見事に機能させ状況を一変させたのだ。

 「あぁ、龍皇の効果を得たドラゴエクィテスの効果発動!手札のドラゴンを捨ててその攻撃力を吸収する。
  手札の『スター・ブライト・ドラゴン』を墓地に捨て、ドラゴエクィテスの攻撃力を1900ポイントアップさせる!」
 波導竜騎士ドラゴエクィテス:ATK3200→5100


 遊星のターンはまだ終わらない。

 「スピードスペル『Sp−同調宝札』を発動。スピードカウンターが8つ以上有るときに発動できる。
  全てのプレイヤーは手札がフィールドのシンクロモンスターの数と同数になるようにデッキからカードをドローする。(最大5枚まで)
  フィールドに存在するシンクロモンスターは4体。よって手札が4枚になるようにデッキからカードをドローする。」

 消費した手札をも補い、準備は万端。
 一気に攻勢に出る。

 「バトル!波導竜騎士ドラゴエクィテスでTGストライク・ブレイカーを攻撃!貫け『スパイラル・ジャベリン』!」

 打ち出された槍は効果で強化され、一撃必殺の威力を持っている。
 アグニの効果を得たこの状態ならば、決まれば其処でゲームエンドだ。

 だが、早々簡単にはいかない。

 「いい攻撃だ。だがその攻撃は私には届かない!ストライク・ブレイカーの効果発動!
  相手のターンに1度このカードを除外できる。そして此の効果を発動したターン、相手の攻撃を1度だけ無効にする!」

 「「何だと!?」」

 フィールドからストライク・ブレイカーが消え、ドラゴエクィテスの攻撃は波紋のように消えてしまう。

 「攻撃無効化かよ…だが、まだ終わりじゃねぇ!行け、遊星!」
 「あぁ、勿論だ!ドラゴエクィエスの攻撃は無効にされたが俺達の場には未だモンスターが居る。
  行けニトロ・ウォリアー!パワー・グラディエーターに攻撃、『ダイナマイト・ナックル』!」
 ニトロ・ウォリアー:ATK2800→3800


 自身の効果でパワーアップしたニトロ・ウォリアーの拳が迫るも、謎のD・ホイーラーは慌てない。
 それどころか、攻撃してきた事に満足しているようにさえ見える。

 「そう来なくてはな!永続トラップ『TGチェーン・シールド』を発動。
  このカードは発動後装備カードとなり、私の場の『TG』と名の付くモンスターに装備される。
  そして装備モンスターは戦闘では破壊されず、1ターンに1度だけ私に対して発生する戦闘ダメージを0にする!」

 「なに!?」
 「今度は防御系のカード…隙の無いバランスタイプって事かよ!」

 攻守に渡っての強力効果。
 攻撃型の遊哉、カウンター型の遊星が単体で挑んでいたら、或いは敵わなかったかもしれないほどの実力。
 が、その手強さは寧ろ此の2人の闘志を燃え上がらせる材料にしかならない。

 「やるな。だが、戦闘ダメージ0の効果は1ターンに1度のみ、まだ緋渡の邪龍皇での攻撃は残っている!
  力を貸してくれ!邪龍皇−ヴァリアスでパワー・グラディエーターを攻撃、『エグザス・ダーク・フォース』!」

 2度目の攻撃に対してはダメージ0の効果は無い。
 強烈な闇の波動が謎のD・ホイーラーを強襲しライフを削り取る。

 「く…流石にやるな!」
 Unknown:LP4000→3000


 「俺はカードを1枚セットしターンエンド。」
 ニトロ・ウォリアー:ATK3800→2800

 ターンエンドを宣言するが、此の瞬間にアクセルシンクロの効果が発動することになる。

 「エンドフェイズに自身の効果で除外されたストライク・ブレイカーはフィールドに舞い戻る!」
 TGストライク・ブレイカー:ATK3300


 「な、攻撃を無効にした上に帰還できるのか?」
 「殆ど除去不能じゃねぇか!まぁ、確かに機皇帝に対しては無類の強さを発揮するかもだけどよ…」

 驚きの効果に2人とも息を呑む。

 「私のターン!」


 遊哉&遊星:SC11→12
 Unknown:SC3→4


 「ストライク・ブレイカーの効果でデッキから『TGギア・ランチャー』を手札に加える。
  そしてチューナーモンスター『TGナイトジャスティス』を召喚。」
 TGナイトジャスティス:ATK1000


 「更にギア・ランチャーの効果発動。手札のこのカードと自分フィールドのチューナーをゲームから除外し『TG』と名の付くモンスターをシンクロ召喚する。」

 速攻に継ぐ速攻。
 更に防御まで考えつくされた戦略……間違いなく超一流の域に居る此の男。
 デュエルはドンドン白熱していく。

 「リミッター解放レベル6。パワーエンゲージ出力安定、ブースターショット・コンディションブルー!
  オールクリア、Goシンクロ召喚!カモン『TGカタストル・スライサー』!」
 TGカタストル・スライサー:ATK2400


 「今度はレベル6のシンクロかよ…だが、早々簡単には行かないぜ!
  俺の墓地の『龍皇転生』をゲームから除外して効果発動!墓地のこのカードを除外する事で此のターンの相手のバトルフェイズをスキップする!」

 新たなシンクロに対して此処は防御の一手を打つ。
 墓地からの効果は基本的に阻害されない事を利用したカウンターだ。

 「ふむ…ならば私は此れでターンエンド。」

 「俺のターン!」


 遊哉&遊星:SC12
 Unknown:SC4→5


 「俺はカードを3枚セットし、スピード・スペル『Sp−ディメンジョンシンクロ』を発動!
  スピードカウンターが9個以上ある時デッキからチューナーとチューナー以外のモンスターをゲームから除外しモンスターをシンクロ召喚する。
  俺はデッキからレベル3のウィンド・バルディッシュとレベル5のチューナー、フルメタルドラグーンをゲームから除外してチューニング!
  闇を暴きし聖なる龍よ、幻惑の衣を纏いて此処に降臨せよ!シンクロ召喚!光の化神『幻龍皇−アシェル』!」
 「ふ、遂に出番が来たか。待ちくたびれたぞ!」
 幻龍皇−アシェル:ATK3000


 現われたるは『戦いの王国』で入手した幻龍皇。
 遂にその姿を現した。

 「バトルだ!ヴァリアスでパワー・グラディエーターを攻撃!」

 「ストライク・ブレイカーの効果発動。このカードをゲームから除外しその攻撃を無効にする!」

 「だよな…ならドラゴエクィテスでパワー・グラディエーターを攻撃だ!穿て『スパイラル・ジャベリン』!」

 放たれた槍がパワー・グラディエーターを貫くも、装備した永続罠の効果で破壊されずダメージも1度だけ0に。

 「だが此れでダメージが通るぜ!行けニトロ・ウォリアー、ぶっ飛ばせ『ダイナマイト・ナックル』!」
 ニトロ・ウォリアー:ATK2800→3800

 「甘いぞ!手札の『TGラウンド・グラップラー』の効果発動。
  ダメージ計算時にこのカードを手札から捨てることで、TGの攻撃力は戦闘を行う相手モンスターの攻撃力と同じになる!」
 TGパワー・グラディエーター:ATK2300→3800


 「な、オネスト系のカードだと!?」

 此れで攻撃力は互角だが、パワー・グラディエーターは戦闘破壊されない。
 つまりニトロ・ウォリアーだけが一方的に破壊されてしまう。

 「ちぃ…すまねぇ遊星、ニトロ・ウォリアーを犠牲にしちまった。」

 「気にするな。アノ効果では仕方ないさ。だが、攻撃はまだ可能だ。」

 「そうだな。頼むぜ…幻龍皇−アシェルでカタストル・スライサーを攻撃!」

 「残念だが、カタストル・スライサーは自分と同じ属性以外のモンスターと戦闘を行う時、ダメージ計算を行わずに相手モンスターを破壊する。
  アシェルの属性は『聖』でカタストル・スライサーの属性は『水』。アシェルは自滅だ!」

 驚くべき効果だが、遊哉の龍皇とて普通ではない。

 「そいつは如何かな?アシェルは戦闘を行う相手モンスターと同じ属性になる!
  よって此のバトル中のみアシェルは水属性!カタストル・スライサーの効果は発動しねぇ!!吹き飛ばせ『セイン・エクリプス』!」
 「我が前に斯様な小細工は無意味だ!」


 相手モンスターの上を行く効果。
 此れならば攻撃は有効だ。

 「やるな、幻龍皇の名は伊達ではないか…」
 Unknown:LP3000→2400

 「ターンエンド。」

 TGパワー・グラディエーター:ATK3800→2300

 「ストライク・ブレイカーはエンドフェイズに舞い戻る。私のターン!」
 ストライク・ブレイカー:ATK3300


 遊哉&遊星:SC12
 Unknown:SC5→6


 「『TGバレル・ライガー』を召喚。」
 TGバレル・ライガー:ATK1700


 「更に手札から『TGアーク・ドライバー』の効果を発動。
  此のターンこのカード以外のカード効果の発動を封じる代わりに、フィールド上のTG1体に他のTGの攻撃力を集約させる。
  私はストライク・ブレイカーに全ての攻撃力を集約!」
 TGストライク・ブレイカー:ATK3300→7300


 「攻撃力7300…!」
 「今更ビビルほどのモンじゃねぇが…喰らったら1Killの攻撃力だぜ…」

 一番攻撃力の高いヴァリアスが攻撃されても差分ダメージは4000と、決まればそれでゲームエンドだ。
 そう、決まれば!

 「此の効果を使用したターンは攻撃力を集約したモンスターでしか攻撃出来ない。
  バトル、ストライク・ブレイカーでドラゴエクィテスを攻撃『クロスドライバー』!」

 「そうは行くかよ!トラップ発動『ライフセイバーZERO?』『守護の龍皇』!」

 一撃必殺の攻撃に対し2枚の罠で対抗。
 特にライフセイバーの効果で此のターンの負けは無くなったと言える。

 「守護の龍皇の効果で相手の攻撃を龍皇に移し変える。そしてライフセイバーの効果で俺達のライフは此のターン1ポイント残る!」

 此の効果でストライク・ブレイカーの攻撃はヴァリアスに向かう。
 当然ヴァリアスは戦闘破壊されるが、それすらも反撃の狼煙になる。


 遊哉&遊星:LP4000→1
 「わりぃなヴァリアス…だが、ヴァリアスの魂は新たな龍に引き継がれる!トラップ発動『チェインソウル−ドラゴンズ・ハート』!
  ドラゴン族のシンクロモンスターが破壊された時、ライフを半分払う事で同レベルのドラゴン族シンクロモンスターを、エクストラデッキから特殊召喚する。
  俺達のライフは1だからライフの変動は無い!そして此の変則デュエルでは相方のエクストラデッキも対象に出来る!
  俺は遊星のエクストラデッキからスターダストを特殊召喚する!邪龍皇の魂を受け継ぎ、現われろ『スターダスト・ドラゴン』!」
 「クァァァァァァ!」
 スターダスト・ドラゴン:ATK2500


 この変則デュエルの特性を生かした戦術。
 更に遊星も動く。

 「流石だな緋渡。トラップ発動『クラッシュスター』!
  フィールドのシンクロモンスターが破壊された時手札と墓地から攻撃力1000以下のモンスターを1体ずつ特殊召喚する。
  現われろ『救世竜セイヴァー・ドラゴン』『チューニング・サポーター』!」
 救世竜セイヴァー・ドラゴン:ATK0
 チューニング・サポーター:ATK300


 一気に並んだモンスター。
 しかもストライク・ブレイカーでしか攻撃できない上、此のターンはどうやっても遊哉と遊星のライフは削れない。

 「此れは予想以上だ…ターンエンド。」

 「俺のターン。」


 遊哉&遊星:SC12
 Unknown:SC6→7


 デュエルはいよいよ佳境に入る。

 「此のターンで決着を付ける!レベル8のスターダスト・ドラゴンとレベル1のチューニング・サポーターにセイヴァー・ドラゴンをチューニング!
  集いし星の輝きが、新たな奇跡を照らし出す!光射す道となれ!シンクロ召喚、光来せよ『セイヴァー・スター・ドラゴン』!」
 「クォォォォォォン!」
 セイヴァー・スター・ドラゴン:ATK3800


 救世の力を宿した星の龍がその雄叫びを上げる。
 眩いばかりの蒼銀の身体は夜の闇をも明るく照らし出すようだ。

 「セイヴァー・スター・ドラゴンの効果発動。1ターンに1度相手モンスター1体の効果を無効にしその効果を得る。
  ストライク・ブレイカーの効果は貰う!『サブリメイション・ドレイン』!」

 「その効果にチェーンしてストライク・ブレイカーの効果発動。このカードを除外し、此のターン1度だけ攻撃を無効にする。」

 又しても攻撃無効効果を発動しようとするが、それこそが遊星の狙いだ。

 「その効果の発動を待っていた!セイヴァー・スターの効果発動!
  相手がカード効果を発動した時このカードをリリースする事でその効果を無効にし相手フィールドのカードを全て破壊する!
  薙ぎ払えセイヴァー・スター・ドラゴン!『スターダスト・フォース』!」

 「何…まさかそんな効果が!」

 セイヴァー・スターが高速で突進し、謎のD・ホイーラーのフィールドを全滅させる。
 此れでもう身を守るモンスターは居ない、ストライク・ブレイカーの効果も不発に終わった今攻撃を防ぐ手立ても無い。

 「此れで終わりだ。ドラゴエクィテスでダイレクトアタック。貫け『スパイラル・ジャベリン』!」

 「うあぁぁぁぁぁ!!」
 Unknown:LP2400→0


 激闘決着。
 だが、此のデュエルは実に激しいものだった。

 遊哉は計3体の龍皇を投入し、遊星もシンクロ融合にセイヴァーまで呼び出す事になった。
 勝利したとは言え、相手の実力の高さと、アクセルシンクロの強力さを知る結果であったといえるだろう。

 「見事だ。私が見込んだだけのことはある。」

 「お前は一体…」 
 「それにアクセルシンクロって、確かに強ぇが、俺と遊星にもそれができるってのか?」

 2人の疑問は尽きない。
 余りにも謎だらけなのだ。

 「今はまだ全てを明かす時ではない。だが君達ならば必ず己の限界を超えられる筈だ。
  そう遠くない内に、又会うことになるだろう。その時に君達がどのように進化しているかを楽しみにしているぞ!」

 そう言って、謎のD・ホイーラーはその場から光速で消え去った。
 既に数キロ先まで移動していることだろう。

 残された2人はと言うと…

 「如何思うよ遊星?」

 「確かにアクセルシンクロは強力だった。そしてアノ効果なら確かに機皇帝とも渡り合える。
  限界を超えるとは如何言う事なのか、今は謎だらけだが…」

 「目の前に新たな壁が現われたんなら、そいつをぶっ壊して先に進むだけだぜ!」

 「あぁ、アクセルシンクロ…必ず習得して見せよう!」

 疑問も謎もなんのその。
 寧ろ、新たな課題を楽しんでいるようにさえ見える此の2人。

 予想だにしなかったデュエルも此の2人には確りと身になっていたようだ。


 新たな目標を得た2人だが、会場に戻った所で霧恵からきっつ〜いお説教をされた事を追記しておく。













  To Be Continued… 

-32-
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