小説『遊戯王 New Generation』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

しおりをはさむ/はずす ここまでで読み終える << 前のページへ 次のページへ >>

 「さて、覚悟は出来てる?」
 「出来てなくても関係ないけどね!」
 霧恵:LP4000    SC2
 聖水霊魔導師−エリア:ATK2500


 「な…!そんなバカな!アンタの霊魔導師は全て葬ったはずだ!!」
 千春:LP4000    SC2


 「霊魔導師は不滅よ!新たな力を得て私に元に戻ってきてくれた…さぁ、此処からが本当のデュエル!来なさい似非デュエリスト!」

 「ほざくな小娘が!もう一度、今度は本当に地獄に叩き落してやる!」










 遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel40
 『継承された力と魂』










 復活した霊魔導師の1体であるエリア。
 其の姿が以前よりも何処か力強く見えるのは単にシンクロ化した影響だけではないだろう。

 そして、最高の相棒達を取り戻した霧恵に最早死角は無いだろう。

 「銀仁郎の効果発動。銀仁郎がレベル8の魔法使い族シンクロモンスターのシンクロ召喚に使用されて墓地に送られた場合カードを2枚ドロー出来る。
  …手札を1枚捨て『THEトリッキー』を攻撃表示で特殊召喚!」
 THEトリッキー:ATK2000


 「カードを1枚伏せ、この伏せカードを破壊して墓地のチューナーモンスター『星砕く魔導師』を特殊召喚!」
 「競いましょう、どちらが強いのか。」
 星砕く魔導師:ATK1400


 「ま、又シンクロだと?」

 余りの速攻に戦慄するが、今更だ。
 遊哉をして『マジにキレた霧恵は誰よりも強くおっかない』と言うほどに『冷たい怒り』を宿した霧恵は強いのだ。

 「星砕く魔導師の特殊召喚のために破壊したカードは、トラップカード『ダブルトリック』。
  セット状態のこのカードが破壊された時、デッキからカードを1枚ドローする!
  霊魔導師の力、見せてあげるわ!レベル5、THEトリッキーにレベル3、星砕く魔導師をチューニング!
  猛る炎の魔導師よ、紅蓮の魔導で我を導け!シンクロ召喚、焼滅の力『聖火霊魔導師−ヒータ』!」
 「覚悟しやがれ、この屑野郎!」
 聖火霊魔導師−ヒータ:ATK2700


 今度は炎の霊魔導師がお目見え。
 手にした杖に宿る金色の炎が、矢張り力強さを感じさせる。

 「星砕く魔導師の効果でデッキから『蒼雷の魔導戦士』1体を手札に加える。
  そしてヒータの効果、アタシの墓地の魔法使い1体に付き攻撃力が300ポイントアップ!
  墓地の魔法使いは5体、よって攻撃力は1500ポイントアップ!」
 「今のアタシは、神をも越えるぜ!!」
 聖火霊魔導師−ヒータ:ATK2700→4200


 恐るべきパワーの増強。
 1ターンで此処までのモンスターを召喚するのは流石と言えるだろう。

 「コーナー争いで先攻後攻を決めた場合、通常のデュエル同様先攻プレイヤーは攻撃できない。カードを1枚伏せてターンエンド。」

 攻撃は出来なくとも、行き成りレベル8のシンクロモンスターが2体、しかも1体は攻撃力がオーバー4000。
 状況は如何見ても霧恵が有利だ。


 ――この小娘…この前とは雰囲気が全然違う!
 「ちっ…私のターン!」


 霧恵:SC2→3
 千春:SC2→3


 「スピードスペル『Sp−オーバーブースト』発動!スピードカウンターを4つ増やす!」
 千春:SC3→7


 「スピードスペル『Sp−スピード・フュージョン』!手札の魂を削る死霊とナイトメア・ホースを融合!
  生者の魂を刈り取り悪夢を見せてやれ!融合召喚、『ナイトメアを駆る死霊』!」
 ナイトメアを駆る死霊:ATK:800


 「ナイトメアを駆る死霊はダイレクトアタックが出来るモンスター。更に戦闘ダメージを与えればハンデスの効果を持ってる上に戦闘耐性も有る!
  じわじわ削って嬲り殺しにしてやるから楽しみにして…「残念だけど其れは無理。」…なに?」

 「エリアの効果発動!相手フィールドに現われたモンスターの効果をこのターンのみ無効にする、『水縛の礎』!」
 「其の力封じます…ってね!」

 エリアから放たれた水の鎖がナイトメアを駆る死霊を拘束し、其の力を封じ込める。

 「モンスター効果の無効!?限定的とは言え其の効果は…まさか!」

 「気が付いた?アンタ達によって葬られたアリオスの力よ!」
 「アリオスちゃんはもう居ない。けど其の魂は死なないよ!」
 「アイツは死んじまったけどな、其の力と魂はアタシ等に受け継がれてんだ!!」


 ペガサスが霊魔導師をシンクロ化させて蘇らせた際に付加した能力が此れだ。
 元からの効果の強化だけではなく、失われたアリオスの効果の一端を持たせる事で其の魂を6体の霊魔導師に振り分けたのだ。

 「で?アタシを嬲り殺すとか何とか言ってたみたいだけど、攻撃力800で如何するの?」

 「小娘の分際で…!スピードワールド2の効果発動。スピードカウンターを7つ取り除いてデッキからカードを1枚ドローする。」
 千春:SC7→0


 「カードを3枚伏せる。このターンのエンドフェイズにオーバーブーストの効果で私のスピードカウンターは1になる。
  更にナイトメアを駆る死霊の効果も復活する!ターンエンド。」
 千春:SC0→1


 カードのデメリットを逆手に取った戦術そのものは評価に値する。
 モンスター効果が復活した事もあり伏せカードで迎え撃つ気だろう。

 「…『アストラルバリア』『宮廷のしきたり』『スピリットバリア』。」

 だがそれも余り意味は無い。
 霧恵は完全に読んでいるのだ。

 「!!!何で分かった?」

 「戦闘耐性のダイレクトアタック持ちときたら誰だって伏せカードに大凡の見当は付くでしょ?
  ナイトメアを駆る死霊の効果でライフと手札を削りつつ相手の攻撃をシャットアウトするのがアンタの戦術。
  でも、思い通りにはさせない。アタシのターン!」


 霧恵:SC3→4
 千春:SC1→2


 「スピードスペル『Sp−沈黙の蝋人形』を発動。スピードカウンターが3つ以上有る時、自分の墓地からモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
  アタシは墓地から『THEトリッキー』を特殊召喚。」
 THEトリッキー:DEF1200


 「この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式の変更は出来ない。でも各種コストやシンクロなんかの素材には出来る。
  チューナーモンスター『蒼雷の魔導戦士』を通常召喚!」
 「それじゃ、楽しく遊ぼうか♪」
 蒼雷の魔導戦士:ATK1700


 「又シンクロするつもり?ならお前が読んだとおりの伏せカード3枚を全て発動する!
  永続トラップ『アストラルバリア』、永続トラップ『スピリットバリア』、永続トラップ『宮廷のしきたり』!
  この3枚でロックをかけさせてもらうよ。さぁ如何する小娘!?」

 「本当に其の3枚だったんだ…でも曝してくれてアリガト。このターンで終わりにするわ!
  レベル5のTHEトリッキーに、レベル3の蒼雷の魔導戦士をチューニング!
  疾駆する風の魔導師よ、蒼空へと舞い上がれ!シンクロ召喚、吹き荒れよ『聖風霊魔導師−ウィン』!」
 「吹き飛ばす…全てを!」
 聖風霊魔導師−ウィン:ATK2500


 3体目は風の霊魔導師だ。
 僅か2ターンでレベル8のシンクロが3体…此れだけでも相当なものだが勿論此れだけではない。

 「蒼雷の魔導戦士がシンクロに使用された事でデッキから『闇総べる魔導王』を手札に加える。
  更にウィンの効果発動!手札1枚を捨ててフィールド上の魔法・罠を全て墓地に送る!
  手札に加えた闇総べる魔導王をコストに効果発動!『晴嵐・雅』!」
 「全部吹き飛べ〜〜〜!」


 吹き荒れる暴風。
 『破壊』ではないこの効果の前には『宮廷のしきたり』も無力だ。

 加えて、

 「ウィンの効果で墓地に送られた『幻惑魔術〜ミラージュサモン』の効果発動。
  伏せ状態のこのカードが墓地に送られた時、デッキから攻撃力1500以下の魔法使い1体を特殊召喚する。
  アタシはデッキから攻撃力1200の『次元魔導師ガイツ』を特殊召喚。」
 次元魔導師ガイツ:ATK1200


 「攻撃力1200…馬鹿にしてるのか小娘!」

 「まさか。言っとくけどねアタシはこう見えて相当に怒ってるの。だから…アンタ等全員デュエルで叩き潰す!全力全壊で!
  デッキの1番上のカードを除外し、墓地の『闇総べる魔導王』を特殊召喚!」
 「ふっ、闇の真髄見せてやろう。」
 闇総べる魔導王:ATK1600


 止まらない速攻は又してもシンクロの素材をそろえる。

 「レベル5の次元魔導師ガイツに、レベル3の闇総べる魔導王をチューニング!
  堅牢なる大地の魔導師よ、砕けぬ意志を示現せよ!シンクロ召喚、金城鉄壁『聖地霊魔導師−アウス』!」
 「出番だね。新たな私達の力を見せてあげるよ。」
 聖地霊魔導師−アウス:ATK2300


 「そ、そんなバカな…!たった2ターンでレベル8のシンクロモンスターが4体も!」

 驚かずには居られない。
 しかも先程のウィンの効果でロックカードが除去され攻撃を止める手段など無くなった。

 「墓地の魔法使いが合計3体増えた事でヒーターの攻撃力は更に900ポイントアップする!」
 「今のアタシに、勝てるモンなら勝ってみやがれってんだ!」
 聖火霊魔導師−ヒータ:ATK4200→5100


 「こ、攻撃力5100…差分ダメージ4300!?」

 「其の通り!更にヒータは戦闘を行う相手モンスターの効果を無効にする!つまりナイトメアを駆る死霊の戦闘耐性は無効!
  此れで終わり!カードを1枚伏せ、ヒータでナイトメアを駆る死霊を攻撃!『焦熱のイグニッション・バースト』!」
 「アリオスの仇だ…喰らいやがれぇぇぇぇぇぇ!!!」


 ヒータが放った爆炎が、有無を言わさずナイトメアを駆る死霊を焼き、爆破炎上させる。
 物理的質量があるのではないかと思うほどの其の炎は千春に襲い掛かり其のライフをも焼き尽す。

 「うわあぁぁぁぁぁぁ!!」
 千春:LP4000→0


 『決まった〜〜!!チームアウトローのセカンドホイーラー三島千春も何も出来ずに撃沈〜〜!!
  強い、強いぞ迦神霧恵〜〜!!しかも見た事もない霊魔導師のシンクロモンスター!!
  後が無くなったチームアウトロー!果たして一矢報いる事は出来るのか!それともこのまま霧恵が3人抜きを達成するのか〜〜!!』


 最強、無双とは今の霧恵のような事を言うのだろう。
 常に相手の手を読みつくし、其の戦術を崩し、そして勝つ…正に隙無しだ。


 バックストレートを通過する際にチームのピットを見ると全員が親指を立ててサムズアップ。
 しかしそれだけでは終わらず、遊哉だけは其の親指を自分の首の前で真横にスライドさせた。

 早い話が『首を掻っ切る』ポーズをして見せたのだ。

 其れを見た霧恵はそれに頷く。

 他のメンバーには何の事かさっぱりだろうが、此れは子供の頃に遊哉がふざけてやった同様のポーズが元。
 何時の間にか其れは遊哉と霧恵の間であることのサインになっていた。

 其れはつまり『容赦なくブッ倒せ!』だ。

 勿論霧恵も言われるまでも無く其のつもりだ。


 『さぁ〜チームアウトローのラストホイーラーは谷崎竜二!圧倒的不利な状況を覆す事はできるのか〜〜!!』


 「「デュエル!」」


 霧恵:LP4000   SC4
 竜二:LP4000   SC2


 「俺のターン!」


 霧恵:SC4→5
 竜二:SC2→3


 ――デュエルでダメならDホイールをクラッシュさせれば良いだけの事だ。この前みたいにコントロールを奪ってやるぜ!


 何処までも外道な考えを持つものだ。
 チームアウトローのリーダーである、この谷崎竜二と言う男は勝つためならイカサマだろうと何だろうとほんとに手段を選ばない。

 現実、竜二のDホイールには他のマシンのコントロールを奪う事ができる違法な装置が搭載されているのだ。
 此れを使って霧恵をクラッシュさせるつもりのようだ。


 ――けっへっへ…喰らえ!


 其の装置を作動させるが…


 ――シーン…


 何も起こらなかった。

 「な、何だと!?」

 「残念だけど、アタシのDホイールは操れないわよ?
  この前の事以降、アタシ達『チーム遊戯王』のDホイールは遊哉と遊星の手で一切の外部干渉を受けないようにしてあるんだから。」

 「ぐ…!」

 「それ以前にデュエルの大会に於いてデュエル以外の方法で勝とうだなんて恥を知りなさい虚け者!」

 愚かにも竜二の反則の一手は霧恵の怒りを増大させただけだった。
 加えて、最初からクラッシュでの勝利を狙っていた為デッキはまともに組んだ物ではなく、デッキとも呼べない40枚のカードの束…
 打つ手は無い…

 「く、クソッタレ!スピードスペル『Sp−MAXピード』!発動ターンのエンドフェイズにスピードカウンターは0になり、
  発動後3ターンの間はスピードカウンターは増えないがこのターンスピードカウンターを最大の12まで増やす!」
 竜二:SC3→12


 「更にスピードスペル『Sp−ソニックリカバー』!
  互いのスピードカウンターの合計数×1000ポイントのライフを回復し、その後俺のスピードカウンターを全て取り除く!
  俺とお前のスピードカウンターの合計は17!17000ポイントのライフを回復だ!」
 竜二:LP4000→21000   SC12→0


 故に出来るのは悪足掻きに過ぎない。
 ライフを一気に増強したもののやれる事はこれまでだ。
 もう、手札には発動できるスピードスペルは無いし伏せられる罠も無い。
 有るのは召喚できない上級モンスターのみだ。

 「ターンエンド…!だがなぁ!!」

 それでも今度はDホイールでの体当たりを仕掛けてきた。
 装置がダメならラフプレーで物理的にと言う事だろうが、スピード特化の霧恵は簡単に其れを避けて一気に其の距離を開ける。

 「何処までも救いようが無いねアンタ等って。こんなデュエルはこのターンで終わらせる!
  これ以上、アンタ等にデュエルを汚させはしない!!アタシのターン!!」


 霧恵:SC5→6
 竜二:SC0


 「リバースカードオープン。永続トラップ『百式・魔導拡張結界』!
  このカードが存在する限り互いのプレイヤーは魔法使い族モンスターを、魔法・罠ゾーンにも召喚する事が出来る。
  更に墓地に『星砕く魔導師』『蒼雷の魔導戦士』『闇総べる魔導王』が1体ずつ存在する場合、手札から『紫天の魔導主』を特殊召喚できる!」
 「さぁ、行きますよ!」
 紫天の魔導主:ATK1500


 「紫天の魔導主の特殊召喚に成功した時、墓地の『星砕く魔導師』『蒼雷の魔導戦士』『闇総べる魔導王』を1体ずつ特殊召喚する!」
 星砕く魔導師:ATK1400
 蒼雷の魔導戦士:ATK1700
 闇総べる魔導王:ATK1600


 1枚の永続罠を残し、霧恵のフィールドは文字通りモンスターで埋め尽くされた。
 しかもチューナーと素材モンスターが居る状態だ。

 「レベル5の紫天の魔導主に、レベル3の闇総べる魔導王をチューニング!
  聖なる力を受け継いだ光の魔導師よ、其の力を揮え!シンクロ召喚、眩い光『聖光霊魔導師−ライナ』!」
 「えへへ〜、パワーアップして復活〜〜!」
 聖光霊魔導師−ライナ:ATK3000


 「まだまだ!蒼雷の魔導戦士をリリースし、『魔導忍者クレナイ』をアドバンス召喚。」
 魔導忍者クレナイ:ATK2100


 「レベル5のクレナイに、レベル3の星砕く魔導師をチューニング!
  漆黒の闇の魔導師よ、秘めたる力を此処に現出せよ!シンクロ召喚、正しき闇『聖闇霊魔導師−ダルク』!」
 「俺達の怒り…思い知れ。」
 聖闇霊魔導師−ダルク:ATK2800


 出揃った6体の霊魔導師。
 其の身に纏う力は、夫々が以前よりも強力になっている。

 ダルクに至っては性格まで変り、すっかり男らしくなったようだ。


 「墓地の魔法使いが更に2体増えてヒータの攻撃力は600ポイントアップ!」
 「アタシの炎は、もう誰にも消せねぇ!」
 聖火霊魔導師−ヒータ:ATK5100→5700


 「さぁ…覚悟は良いわよね?この前のお礼と、アリオスの仇…!
  バトル!先ずは聖光霊魔導師−ライナでダイレクトアタック!『閃光のライトニング・バレット』!」
 「撃ち抜け〜〜!」


 ――バァァン!


 「おわぁぁぁ!」
 竜二:LP21000→18000


 「2発目!聖闇霊魔導師−ダルクで攻撃!『漆黒のダークネス・パニッシュ』!」
 「黒き裁きを受けろ!」


 ――ドォォン!


 「がぁぁ!」
 竜二:LP18000→15200


 「3発目!聖地霊魔導師−アウスで攻撃!『堅牢のグランド・ストライク』!」
 「アリオスが受けた痛み…その身で味わいなさい!」


 ――ゴガァァァァ!


 「うぎぃぃぃ!」
 竜二:LP15200→12900


 「4発目!聖風霊魔導師−ウィンの攻撃!ウィンはバトルフェイズ中に2回攻撃できる!『疾風のソニック・レイヴ』!」
 「行け〜〜!」


 ――ザシュ、ザシュッ!


 「ひ、ひぃぃぃ!」
 竜二:LP12900→10400→7900


 「5発目!聖火霊魔導師−ヒータで攻撃!『焦熱のイグニッション・バースト』!」
 「燃え尽きろ、この屑野郎!!」


 ――ゴォォォォ!!


 「ひぎゃぁぁぁ!!」
 竜二:LP7900→2200


 「此れでトドメ!聖水霊魔導師−エリアでダイレクトアタック!全てを押し流せ、『清流のクリスタル・ストリーム』!」
 「アリオスちゃんの無念、霧恵の悲しみ…そして私達の怒り!その身で思い知れぇぇぇ!」


 エリアから放たれたトドメの一撃。
 膨大な水が竜二を飲み込み、Dホイール共々押し流す。


 ――グゴォォォォォォォォォ!


 「ゴバッ!う、うぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 竜二:LP2200→0


 『決まった〜〜〜!!!なんと迦神霧恵ノーダメージ1ターンキルでの3人抜きを達成!!
  それ以前にお前は一体何しに出てきた、谷崎竜二〜〜!本当にデュエリストか!?
  兎に角、Winner『チーム遊戯王』!予選を無傷の3連勝で突破したぞ〜〜!!』


 圧倒的としか言い様の無い戦いだった。
 その圧倒的力を見せ付けた霧恵の元に仲間達も集まってくる。

 「やったな霧恵!ま、当然の結果だけどよ。」
 「まぁね。てかアンタが『アレ』やった以上はこうなるでしょうに。」

 「だが、見事だったぞ迦神。完全復活だな。」
 「アリガト。…さて、どうしてくれようか、あいつ等は…」

 勝ちはしたものの、このまま連中を野放しには出来ないが…


 「動くな!チームアウトロー!違法デュエルと器物損壊、そして傷害と殺人未遂で全員逮捕する!」


 突然会場に突入してきた警官隊によって一網打尽にされてしまった。

 此れにはチーム遊戯王の面々も驚くが、


 「はっはっは!証拠がバッチリ押さえられたからね!会社の力使って機動警官隊に来てもらったのさ!」

 やったのはレンだった。
 なんと言うか見事な手際だ。

 恐らくはデュエルが終わるまで待機させていたのだろう。

 「見事ねレン。」
 「さすがだわ。」

 アキとシェリーも感心するばかりだ。

 「まぁ、前科が有る上に今度は此れだ。暫くは出てこれねぇな。相手には不満足だが、霧恵復活には満足したぜ。」

 鬼柳も満足したらしい。


 「おかえり皆。又一緒に戦ってくれる?」

 そんな中、霧恵はデッキの霊魔導師達に問うが答えなど決まっている。

 「勿論だよ!」
 「ったりめーだ!」

 代表するようにエリアとヒータが答える。
 ウィン、アウス、ライナ、ダルクも頷いている。


 デュエリスト・迦神霧恵は此処に完全復活を遂げた。








 ――――――








 「復活したか…尤もあんな雑魚共にやられる程度じゃないでしょうけど…さて、準備は出来てるの?」

 「うふふふ〜バッチリよ〜ん。此れで遊星ちゃんも…グフフフフ♪」

 「(無視)じゃ始めよう?」

 「ウム…行けいファントム達よ!デュエリスト共に恐怖を与えてやれ!」


 童実野町の廃工場地帯の一画でファントムがなにやら画策していた。
 すぐ傍には大きな廃倉庫が。


 「この大量のファントムを前に…さぁ如何する緋渡遊哉、不動遊星!」


 その倉庫から大量のロボットDホイーラーが発進され、一路童実野町のデュエルレーンに向かって行った








 *補足


 Sp−沈黙の蝋人形
 スピードスペル
 自分のスピードカウンターが3つ以上あるときに発動できる。
 自分の墓地からモンスター1体を守備表示で特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターは表示形式を変更できない。



 Sp−MAXピード
 スピードスペル
 自分のスピードカウンターを12にする。
 このカードを発動したターンのエンドフェイズに自分のスピードカウンターは0になる。
 このカードを発動してから3ターンの間自分のスピードカウンターは増えない。



 Sp−ソニックリカバー
 スピードスペル
 自分と相手のスピードカウンターの数×1000ポイントのライフを回復する。
 其の後自分のスピードカウンターを全て取り除く。



 ダブルトリック
 通常罠
 フィールドにセットされたこのカードが破壊された時、デッキからカードを1枚ドローする。



 幻惑魔術〜ミラージュサモン
 通常罠
 フィールドにセットされたこのカードが墓地に送られた時、
 デッキから攻撃力1500以下の魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。



 百式・魔導拡張結界
 永続罠
 このカードが表側表示で存在する限り、互いのプレイヤーは魔法使い族モンスターを魔法・罠ゾーンにも召喚できる。
 このカードがフィールドを離れた場合、魔法・罠ゾーンに召喚されたモンスターを破壊する。
















  To Be Continued… 

-40-
<< 前のページへ 次のページへ >> ここまでで読み終える