小説『遊戯王 New Generation』
作者:吉良飛鳥(自由気侭)

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 「攻略不能とは大きく出たな……そいつで俺等を満足させられるのか?」

 「満足出来るかは君達次第だね……満足する間も無く負けるかもしれないけどねぇ!」

 3体ものモンスターをリリースして現れた『存在しえぬ神−ノーバディ』。
 醜悪な外見の攻撃力不明モンスター。

 その効果はまだ不明だが、アギトの自信から相当にトンでもないモンスターなのだろう。
 尤もそれも、洗脳主である雪花が与えた力であるのだが…


 「さぁ、このデュエルもいよいよ最終幕に入った!
  幕が下りるまで精々足掻いて、無様に踊るといいさ十六夜アキ、そして鬼柳京介!!」

 「無様なダンスとは行かないわね…貴方こそ私達の華麗な舞についてこれるかしら?」

 再びアギトから闇が溢れ出すも、もうそんな物は通じない。
 決着はデュエルでのみつくものだ…











 遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel75
 『瀬戸際での超覚醒』











 アキ&鬼柳:LP3100
 ピュアホワイト・ローズ・ドラゴン:ATK3000
 煉獄龍 オーガ・ドラグーン:ATK3000
 煉獄神 ナハトヴァール:ATK3000
 インフェルニティ・デス・フェニックス:ATK3000


 アギト:LP2500
 存在しえぬ神−ノーバディ:ATK?


 「先ずはノーバディの力の一端をお見せしようか…此れだけでも攻略は困難だと分るはずさ!
  ノーバディの攻撃力は、常にフィールド上の最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力に1000ポイントを加えた数値になる!
  今現在のフィールド最高攻撃力は3000!よってノーバディの攻撃力は4000ポイントとなる!」
 『ギャギャギャギャ…!』
 存在しえぬ神−ノーバディ:ATK?→4000


 存在しえぬ神の力は確かにとんでもないものだった。
 『フィールド上の最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力+1000ポイントの攻撃力』…此れでは戦闘での破壊は先ず不可能。
 如何なるモンスターでもその攻撃力を超えることは出来ない。
 幾ら攻撃力を上げても瞬時に1000ポイントも上回られてはどうしようもない。

 「此れは…なんて効果…」

 「とんでもないな…だが、その程度では満足にはまだ足りない…」

 「足りないかどうかはその身で確かめるんだね!
  バトル!ノーバディでピュアホワイトに攻撃!『デッドマンズスクリーム』!」

 その力をもってして、先ずはアキの純白薔薇龍を葬ろうとする。
 確かにアキの場に伏せかカーとはなく、普通なら此れで戦闘は成立の状態だ。

 だが、此れは変則デュエル。
 パートナーである鬼柳のカードがあるのだ。


 「アキを狙うか…悪くない手だがそれは通さない。トラップ発動『インフェルニティ・スルー』!
  俺の手札が0の時、デッキから『インフェルニティ』と名の付いたモンスター1体を墓地に送りバトルを終了する。
  デッキから『インフェルニティ・クィーン』を墓地に送り、貴様の攻撃を強制終了させてもらう。」

 前のターンで伏せたカードで応戦。
 バトルフェイズの強制終了ではこれ以上の追撃は不可能だ。

 「やってくれる…僕はカードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 しかし、如何に攻撃を防いだとて戦闘破壊は先ず不可能。
 更に、攻撃力の高いモンスターを出せば逆に不利になると言う状況なのだが…

 「私のターン!」
 ――いい引きね。此れなら行けるわ。


 ドローカードを確認しアキは微笑む。
 どうやら、ノーバディに対抗できるカードを引き当てたらしい。

 「私は魔法カード『黙する同調者』を発動。墓地のシンクロモンスター1体の効果を無効にし守備表示で特殊召喚するわ。
  この効果で、沈黙と共に蘇れ『ブラック・ローズ・ドラゴン』!」
 ブラック・ローズ・ドラゴン:DEF1800


 「更にチューナーモンスター『ローズ・フェアリー』を召喚。」
 ローズ・フェアリー:ATK600


 自身のエースを蘇生させ、更にチューナーを呼び出す。
 速攻ならばアキとて他のデュエリストに遅れはとらない。

 「魔性の薔薇が全てを包む、その力で世界を覆いつくせ!シンクロ召喚、天上界より現れよ『魔天使−ローズ・ヴァルキリー』!」
 『ハァァァァァァ…!』
 魔天使−ローズ・ヴァルキリー:ATK3200


 「ローズ・フェアリーの効果でカードを2枚ドローするわ。」

 呼び出したるは魔性の薔薇天使。
 3200と言う攻撃力を持つ、アキの切り札の1枚だ。

 だが、此れはこの状況では諸刃の剣。
 固定値の攻撃力ではローズ・ヴァルキリーが一番高い。

 「くくく…愚かだね十六夜アキ!この瞬間『神』の攻撃力も又上昇した!」
 『ウォォォォォォン…!』
 存在しえぬ神−ノーバディ:ATK4000→4200


 そうなればノーバディの攻撃力も上昇してしまうのだ。
 だが、アキもそれは計算済み。
 その上でヴァルキリーを呼び出したのだ。

 「分っているわ。けれど、私の本命はフィールドに2体の『ローズ』を揃えること――このカードを発動するためにね。」

 「なに?」

 「手札からマジックカード『茨の御封剣』を発動!
  私のフィールド上に『ローズ』と名の付くモンスターが2体以上表側で存在する場合にのみ発動できる。
  発動後、私のターンで数えて3ターンの間、相手フィールド上のモンスターの効果を全て無効にするわ!」

 「成程な…良い一手だ。」

 アキの本命は此れ――モンスター効果の無効化だったのだ。

 「ノーバディの攻撃力は常にフィールド上で最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力に1000ポイントを加えた数値になる。
  如何足掻いても戦闘で倒す事は不可能だけれど……同時にソレが最大の弱点でもあるわ。
  攻撃力不明のモンスターはその効果が無効になると攻撃力は0――一切無力でしょう?」

 正にその通りだ。
 攻撃力不明のモンスターは総じて自身の効果で攻撃力が決定或いは変動する。
 故にその効果が無効となれば攻撃力は0になってしまうのだ。

 「成程…狙いはそっちだったのか……訂正しよう、見事なものだこの神の唯一の弱点をこうも早く見抜くとはね。
  確かに君の言う通り、効果が無効になれば神の攻撃力は0――だが、残念だったね!
  トラップ発動!永続トラップ『偽鎧−ノーバディ』!このカードは発動後、装備カードとなり『存在しえぬ神−ノーバディに装備される。
  そしてこのカードを装備した神の効果は無効にならない!!更にこのカードは無効に出来ない!!」

 だが、アギトはソレの対策を確りとしていた。
 アキの反撃を潰す形でのチェーンコンボ。
 更に鬼柳のオーガ・ドラグーンにも阻害されないカードと来た。

 「そんな…!」

 「無効に出来ないんじゃ、オーガ・ドラグーンの効果も発動できないぜ…」

 此れではノーバディは倒せない。
 攻略できると思った一手を潰されたのは結構痛いものがあるだろう。

 「くくく…さぁて如何するんだ?まだ何か手が有るのかい!?」

 「く…カードを2枚伏せてターンエンド…!」

 倒せないのならばエンドしかない。
 その表情は悔しそうだ。

 「いいねぇ…攻略できると思ったのに対抗されたその悔しそうな顔は!
  もっともっと絶望に染め上げてあげるよ!僕のターン……僕はフィールド魔法『何者でもない者の聖域』の効果発動!
  このカードを墓地に送る事で『不明存在』と名の付くモンスター以外のモンスターを全て破壊する!!」

 「何ですって!?」

 「全体除去だと…?」

 フィールド魔法の恐ろしい効果。
 完全破壊を狙ってきた。

 「けれど、それじゃあ貴方のノーバディも破壊されるわ!」

 「心配後無用さ!ノーバディはカード効果では破壊も除外もされない無敵の存在なんだからねぇ!」

 「…反則効果も大概にだな…ならば俺は墓地の『インフェルニティ・ビショップ』の効果をオーガ・ドラグーンに適応。
  此れでこのターン、オーガ・ドラグーンは破壊されない。」

 ノーバディとオーガ・ドラグーンは破壊を免れたが他のモンスターは全滅。
 ノーバディの攻撃力も再度変化する。


 存在しえぬ神−ノーバディ:ATK4200→4000


 「へぇ、煉獄の龍は生き残ったか…けど無駄さ!
  僕の墓地に『不明存在』と名の付くモンスターが5種類存在する場合このカードを特殊召喚出来る!
  灼熱の溶岩を纏い、大地の底より現れろ!『不明存在−ファントム』!!」
 『Gyyyaaaaaaaaaaaa…!!』
 不明存在−ファントム:ATK4000
 存在しえぬ神−ノーバディ:ATK4000→5000


 それだけでは飽き足らず、アギトが新たに呼び出したのも攻撃力4000の超大型モンスター。
 アギトの墓地には『シン・サイズ』『シャドウ』『マリオネット』『フェティッシュ』『サルガッソー』の5種類の『不明存在』がある。
 故に条件を満たしたのだ。

 呼び出された其れは冷え固まった溶岩の鎧を纏った巨大な蜘蛛。
 その姿は蜘蛛でありながら、蠍の様な尾を持ち、その尾を収納すると思われる背中の割れ目からは燃え盛る溶岩が見えている。

 ノーバディの様な醜悪な外見とは違う、大迫力のモンスターだ。

 「こんなモンスターまで…!」

 「驚いたかい?さて…絶望を味わってもらおうか!
  バトルだノーバディで、煉獄龍 オーガ・ドラグーンを攻撃!『デッドマンズスクリーム』!」

 放たれた一撃。
 決まれば大ダメージは必須だ。

 「そうはさせないわ!永続トラップ発動『茨の防御陣』!
  私の墓地の植物族モンスターをゲームから除外し、戦闘ダメージを0にするわ。
  この効果は3回まで発動でき、3回目の効果を発動した後このカードは破壊される。
  私は墓地の『薔薇聖人』を除外し、このバトルで発生するダメージを0にするわ!」

 其れはアキが永続罠で対処。
 墓地コストが有るとは言え、戦闘ダメージを0にできるなら安いものだ。

 「ふぅん…中々便利なカードを使うものだね?植物族メインの君には正に誂えたようなカードさ。
  けど、それも此れで終わる!ファントムでオーガ・ドラグーンに攻撃!『アンノウン・ヴォルケーノ』!」

 今度はファントムの攻撃。
 このターン、オーガ・ドラグーンを破壊することはできない。
 戦闘ダメージもアキのカードで無効にされてしまうのだが…

 「『茨の防護陣』の2回目の効果!『ローズ・フェアリー』を除外してダメージを0にする!」

 矢張りダメージは通らない。
 だが、それでもアギトの顔には笑みが浮かぶ。

 「ダメージなど関係ないさ!ファントムの効果発動!
  ファントムは攻撃したとき、相手に与えた戦闘ダメージの有無にかかわらずフィールド上の表側表示のカード1枚を破壊できる!
  僕はこの効果で、その永続罠『茨の防護陣』を破壊する!」

 「な!?」

 アギトの目的はファントムでのバトルを成立させる事にあった。
 この効果ならば、攻撃さえ成立すれば表側表示カードを何でも破壊できる…なんとも恐ろしい効果だ。

 「まぁ、このターンはこれ以上は何も出来ないね。ターンエンド。」

 「俺の手札が0枚でナハトが破壊されたことで、エンドフェイズにナハトは復活する。」
 煉獄神 ナハトヴァール:ATK3000


 だが、鬼柳の場にもナハトヴァールが蘇る。
 此れならばまだ分らない。

 「俺のターン。ナハトの効果でドローする代わりに、デッキから『インフェルニティ・ブレイク』を選択しフィールドに伏せる。
  更に墓地の『インフェルニティ・クィーン』の効果をナハトに適応。
  此れでこのターン、ナハトは相手プレイヤーにダイレクトアタックが可能になる。」

 今度は鬼柳が反撃の狼煙を上げる。
 ハンドレスを維持しつつ戦術の構築が可能になるナハトの効果を利用し、更に墓地のモンスター効果でダイレクトを可能にする。
 このターンの攻撃が決まればアギトのライフは0になる。

 「バトル。煉獄神 ナハトヴァールでダイレクトアタック。貫け『ブリーティガエミッション』!」
 『Blutiger Emission.』


 闇色の無数の刃がアギトに向かって放たれる。
 此れが決まれば終わりだ。

 「戦闘で倒せないならプレイヤーを直に倒すかい?悪くないてだけど其れも無駄さ!
  ノーバディの効果、フィールド上に『不明存在』と名の付くモンスターが存在する時、相手モンスターの攻撃を無効に出来る!
  僕の場には『不明存在−ファンム』が存在している……よってその攻撃を無効にする!」

 しかしその攻撃も通らない。
 此処まで来るとノーバディの効果は反則以外の何者でもない。

 「…ターンエンドだ。」

 既にリバースも伏せ、攻撃を行った鬼柳には更なる手はない。
 又もターンはアギトに渡る。

 「僕のターン!…さて、死の間際まで歩いていってもらおうか!
  ノーバディで、ナハトヴァールに攻撃!『デッドマンズスクリーム』!」

 即時攻撃。
 一気にライフを削る心算だろう。

 「トラップ発動『インフェルニティ・ブレイク』。手札0枚の時、墓地のインフェルニティを除外しフィールドのカード1枚を破壊する。
  墓地の『インフェルニティ・ミラージュ』を除外し、ファントムを破壊する!
  更に『インフェルニティ・ビショップ』の効果をナハトに適応するぜ。」

 鬼柳も先程のターンで決着が付かなかった場合を見越してカードを伏せていた。
 その伏せカードと墓地カードのコンボで対処を試みる。

 ファントムを破壊できれば、ノーバディの攻撃力も下がり受けるダメージは軽減できる。
 更にモンスターの破壊を防げれば次のターンでの反撃も可能だ。

 「甘いよ鬼柳京介!ファントムが破壊される場合、代わりに墓地の『不明存在』を除外できる!
  僕は墓地の『不明存在−サルガッソー』を除外し、ファントムの破壊を回避する!」

 其れすらもかわされる。
 此れがかわされてはどうにもならない。

 既に攻撃命令を受けたノーバディの攻撃も止まらない。


 ――ドォォォォン!!


 「ぐぅぅぅぅ…」
 「きゃぁぁぁ!!」
 アキ&鬼柳:LP3100→1100


 一気にライフが削られる。
 しかもアギトの攻撃はまだ終わらない。

 「追撃…ファントムでオーガ・ドラグーンを攻撃!『アンノウン・ヴォルケーノ』!」

 更なる一撃。
 オーガ・ドラグーンはビショップの加護を受けていないので破壊されてしまう。

 「ぐぬ…」
 アキ&鬼柳:LP1100→100


 ライフは一気に100まで減少。
 危険域所の話ではない、何らかのバーンカードがあればそこで終わりだ。

 「ギリギリ生き残ったか…だがもうjなす術は無いだろう?まぁ、足掻いて見せてよ…ターンエンド。」

 圧倒的優位に立ちアギトは既に勝利を確信しているようだ。
 だが、アキの目からも鬼柳の目からも闘志の炎は消えていない。

 絶望的状況にありながらもまるで諦めていないのだ。

 「なす術が無いですって…其れは如何かしら?私たちのライフはまだ残されているわ。
  ライフが1ポイントでも残っている限りデュエルは終わらない――遊哉と遊星ならきっと諦めない!
  遊哉と遊星だけじゃない…霧恵もシェリーも、勿論鬼柳だってまだ諦めてない!
  諦めなければ道が開ける事を私は改めて皆から教わった……だからどんな状況でも諦めずにデュエルを続けるわ!」

 「ふ…よく言ったなアキ…それでこそ満足できるぜ。」

 アキの力が増大し、前髪を纏めている髪飾りがその力に耐え切れずに粉々に弾け飛ぶ。
 真紅のサイコオーラを纏ったその姿は正に『黒薔薇の魔女』。

 そして、デッキもその力に呼応する。



 ――キィィィン…



 アキのエクストラデッキが突然として光を放ち始めたのだ。
 其れはデュエリストとして新たな力に覚醒した証。

 鬼柳も其れに気付き満足そうな笑みを浮かべる。

 「土壇場でか…見せてやれアキ、お前の力を!コイツを倒して満足しようぜ。」

 「えぇ…勿論よ。私のターン!マジックカード『茨の宝札』!
  デッキからカードを3枚ドローする…ただし、このターン植物族モンスターを召喚・特殊召喚出来なかった場合2000ポイントのダメージを受けるわ。」

 引いたカードはハイリスクハイリターンの手札増強カード。
 場合によっては終わるが3枚のドローは大きい。

 「3枚ドロー!……行くわ、チューナーモンスター『夜薔薇の騎士』を召喚!」
 夜薔薇の騎士:ATK1000


 その1枚はチューナー。
 此れを出したという事は手札に特殊召喚出来る植物族がいるということだ。

 「『夜薔薇の騎士』の効果で、手札の『ロード・ポイズン』を特殊召喚!」
 『コレガDEATHゲーム!マサニDEATHゲーム!!マジデDEATHゲ〜〜〜イム!!』
 ロード・ポイズン:ATK1500


 相変わらず謎現象だが、アキのパワーに反応したのかロード・ポイズンも相当に気合が入っている様子。
 これで新たなシンクロの準備が整った事になる。

 「シンクロ?だが、君のデッキのレベル7のシンクロモンスターは『ブラック・ローズ・ドラゴン』だけのはず!
  仮にどんなモンスターを出したとしてもレベル7のモンスターのステータスじゃ僕のフィールドの2体には及ばないよ?」

 確かにアギトの言うようにレベル7のモンスターでは攻撃力は2800が良いところ。
 しかもノーバディの効果の前では攻撃力が如何に高くとも無意味だ。

 「其れは如何かしら?」

 だが動じない。
 エクストラデッキが放った光…其れが何なのかはアキには分っていた。

 「私は今この時、新しい力を得たわ。貴方を倒し、未来へと進むための力を!」

 「なに?」

 「その目で確かめなさい!レベル4のロード・ポイズンに、レベル3の夜薔薇の騎士をチューニング!」

 新たな力…其れの鼓動が高まったのかアキはシンクロを慣行。
 夜薔薇の騎士が3つの輪になり、ロード・ポイズンを包み込む。

 「清廉なる花園に芽吹きし孤高の薔薇よ、青き月の雫を得て咲き誇れ!」

 そして力は高まり、新たな存在の降誕を歓迎するかのように光が弾ける。
 其れにアキのサイコパワーと、鬼柳の煉獄オーラが重なり、アギトの闇瘴気すら押し返す勢いだ。


 シンクロ特有の光の柱はその輝きを増し、遂にその存在が姿を現した。

 「シンクロ召喚、現れよ『月華竜 ブラック・ローズ』!」
 『キョェェェェェェェェ!!』
 月華竜 ブラック・ローズ:ATK2400

















   To Be Continued… 






 *登場カード補足



 存在しえぬ神−ノーバディ
 レベル10   闇属性
 悪魔族・効果
 このカードをアドバンス召喚する場合、自分フィールド上のモンスター3体をリリースしなければならない。
 このカードの攻撃力と守備力はフィールド上に表側表示で存在する最も攻撃力の高いモンスターの攻撃力+1000ポイントの数値になる。
 このカードはカード効果では破壊されず、除外もされない。
 自分フィールド上に「不明存在」と名の付くモンスターが表側表示で存在する場合、相手モンスターの攻撃を無効にできる。
 ATK?    DEF?



 不明存在−ファントム
 レベル10   炎属性
 悪魔族・効果
 このカードは通常召喚出来ない。自分の墓地に「不明存在」と名の付くモンスターが5種類以上存在する場合にのみ特殊召喚出来る。
 このカードが攻撃した場合、攻撃終了後相手フィールド上の表側表示のカード1枚を破壊できる。
 このカードが破壊される場合、代わりに墓地の「不明存在」と名の付くモンスターをゲームから除外できる。



 黙する同調者
 通常魔法
 自分又は相手の墓地のシンクロモンスター1体を選択する。
 選択したモンスターを守備表示で自分フィールド上に特殊召喚する。
 この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効になる。



 茨の御封剣
 通常魔法
 自分フィールド上に「ローズ」と名の付くモンスターが2体以上表側表示で存在する時に発動できる。
 発動から(自分のターンで数えて)3ターンの間、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターの効果を無効にする。



 茨の宝札
 通常魔法
 自分のデッキからカードを3枚ドローする。
 このターン、自分が植物族モンスターを召喚・反転召喚しなかった場合、エンドフェイズに2000ポイントのダメージを受ける。



 インフェルニティ・スルー
 通常罠
 自分の手札が0枚の時に発動できる。
 デッキから「インフェルニティ」と名の付くモンスター1体を選択して墓地に送り、バトルフェイズを終了する。



 茨の防御陣
 永続罠
 自分の墓地の植物族モンスターをゲームから除外する事で戦闘ダメージを0にできる。
 この効果は3回まで発動でき、3回目の効果を発動後、このカードを破壊する。



 偽鎧−ノーバディ
 永続罠
 このカードの発動と効果は無効に出来ない。
 このカードは発動後装備カードとなり、自分フィールド上の「存在しえぬ神−ノーバディ」に装備される。
 装備モンスターの効果は無効にならない。



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