六、ハコベ山
現在位置 ハコベ山
ナツ、ハッピー、ルーシィ、レーナの四人は、三日で帰ると言ったマカオが一週間たっても帰ってこないというロメオの話を聞き、マカオを探すため、このハコベ山に来ていた。
「寒い〜っ!いくら山の方とはいえ、今は夏でしょ?こんな吹雪おかしいわ〜っ!」
「そんな薄着してっからだろ?」
「あんたも似たようなものじゃない。……てか、レーナもしかして寝てる!?」
「ぐー」
レーナは現在、歩きながら眠っていた。
レーナの特技の一つであり、大抵の場所は寝て歩けるが、時々転ぶ。
そして一旦転ぶと起きるまでそのままである。
「レーナ!こんな冬山で寝ちゃ駄目よ!起きて〜っ!!」
「ぐーかー」
ルーシィがレーナの肩を掴んで揺さぶるも、レーナは一向に起きない。
「静かに寝かせてやれよルーシィ」
「てか、よくこんな冬山で寝られるわね」
「あい。それがレーナです」
※※※※※※※※※※
「『マカオさんはこんな場所に何の仕事に来たのよ』と申しております」
ルーシィは現在、あまりの寒さに耐えきれず、己の星霊であるホロロギウムの中に入りこんでいた。
しかも、マカオの仕事が凶悪モンスターヴァルカンの討伐と聴き、「『あたし帰りたい』と申しております」……と言うしまつ。
そんなルーシィに、ナツとハッピーは若干呆れている。
「マカオ―っ!いるかーっ!」
「マカオ――っ!!」
ナツとハッピーが山に向かって叫ぶ。しかし、その叫びはすぐに吹雪へと吸い込まれて消えた。
その時、雄叫びを響かせて何かがナツ達の頭上に落ちてきた。
ナツは避け、落ちてきたものを睨む。
「ヴァルカンだ!?」
ナツは戦闘態勢をとるも、ヴァルカンの様子がおかしい。
「フゴフゴ」
「?」
「!ウフォ!!」
「おいこら!」
ヴァルカンが何かの臭いを嗅いでいたかと思うと、突然ナツとは別の方向へ飛んでいく。
ルーシィはホロロギウムの中で寒さに震え目を閉じていた。ちなみに、転んだレーナも中に入って寝ている。
そしてルーシィはホロロギウムが揺れた衝撃で目を開けた。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「人間の女だ。しかも二人」
ナツはヴァルカンがしゃべるのを聞き、嬉しそうに炎をまとった拳を打ち合わせた。
「しゃべれんのか」
まぁ、その間にホロロギウム――つまりその中に入った二人はヴァルカンに連れ去られているのだが。
「『てか助けなさいよ〜』『ぐー』と申しております」
ルーシィの叫びはホロロギウムの壁に遮られ、ちゃんと届くことはなかった。
〜あとがき〜
長いので二つに分けました。
次回は、レーナの魔法が明らかに!(タイトルでばれてますが)