小説『FAIRY TAIL 天候魔法の眠り姫』
作者:唯野歩風呂()

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八、天候魔法の欠点


 「す、すごい……」


 ルーシィは黒焦げのシロワイバーンを見て腰を抜かす。
 そしてなにより、あの寝てばかりのレーナがこんなすごい魔法の持ち主だなんて――。


 バリバリバリ!!


 「きゃーっ!」


 再び雷が落ちた。


 「ちょ、レーナ!もういい『バリバリドカーン』ギャーッ!」


 近くに!近くに落ちた!


 「おーい!レーナ!ルーシィ!」

 「二人とも無事―?」


 ナツとハッピーの声がし、見るとハッピーがレーナの所へ飛んできて、ナツはその後から走ってきた。


 「雷が聞こえたからもしかして、レーナだと思って『バリバリドゴーン』ギャアアアアッ!」

 「「ナツーーーーーっ!!!!」」


 雷がナツに直撃し、ナツは焦げた。
 倒れたナツの口からは煙が上っている。


 「ちょ、レーナ!攻撃止めてよ!」

 「ムリー」

 「はぁ!?」


 そういう間にも、雷はいたるところに落ちている。
 この場にいるのはとても危険だった。


 「何で無理なのよ!」

 「あい!それは、レーナの天候魔法が、広域攻撃を専門とした魔法だからです!」

 「広域って……」

 「広い範囲」

 「……つまり?」

 「無差別イェーイ」

 「イェーイじゃない!!」


 ルーシィは、ブイブイとピースするレーナに殺意が湧いた。








 ※※※※※※※※※※








 ガ、ガアアアアアアッ!


 「ま、まだ動いてる!」

 見ると、黒焦げになっシロワイバーンが雄叫びを上げて立ち上がる所だった。

 どうやら、硬い鱗が雷から身を守ったらしい。

 それでも、満身創痍だが。


 「ふむ。もう一発……」

 「きゃっ!」

 「ルーシィ!」

 「ん?」


 ルーシィの短い叫び声が聞こえた気がし後ろを振り向く。


 「ウッホ!今の内!」

 「きゃああっ!レーナ、助けて!」

 「おー……」


 ルーシィがヴァルカンにさらわれていた。


 「あんた逃げたんじゃなかったの!」

 「ウッホ!女はオレのもの!」

 「レーナーっ!助けてぇぇ!!」


 うむ。このままでは仲間がさらわれてしまう。


 「【稲妻(ブリッツ)】」

 「え、ちょ、『バリバリバリ!!』ぎゃーっ!死ぬーっ!」


 ルーシィは死ぬかと思った。
 しかし、雷はヴァルカンとルーシィにあたらず、別の所に次々と落ちていく。


 「む……雷は高いところへ落ちる」


 ここは山。別に高いところがありすぎて狙いが定まらない。



 そうこうしている内に、ルーシィは見えなくなってしまった。
 山を全部壊せばみつかるだろうが、そのときにはルーシィは巻き添えで生きていないだろう。


 こうなったら、ナツの人間離れした鼻に頼るしかない。


 「ハッピー、ナツを起こして」

 「あい!……レーナは?」

 「私は――――グー」


 「寝たーーーーっ!!」




〜あとがき〜

天候魔法の欠点は、そのほとんどが広域の魔法ということ。
誰かひとりを狙うということができません。
一人を中心に被害が大きいです。

ナツとハッピー出てきましたが、すぐにナツやられました。
こんなことはよくあるんです。

-8-
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