小説『IS〜ただ一発の魔弾として〜』
作者:ディアズ・R()

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プロローグ





藍越学園。
それが、私が入学する筈だった高校。
IS学園。
それが、私が入学させられた高校。
世界最強の兵器【インフィニット・ストラトス】、通称【IS】。
ISなんて物があるから、女尊男卑があって、私がIS学園に入る破目になったんです!
まあ、IS便利ですが。
私の編入が決まった時には、入学式が終わっていた。
なので、転入と言う形で入学する事になりました。
……ありえない。
とりあえず、隣に死んで欲しい、言い方が悪いですね……隣に消えて欲しい、あんまり変わりませんね。
ちなみに、私の席は真ん中の最前列。
一つ言うなら、転入生の席ではないですね。
私の入学した理由が、理由だからですかね?
そして、隣の席は……男。
私、男性苦手なんですが……てか、何故男?
ISは、女性専用の筈……だからこそ、IS学園は女子高になっていると聞いたのですが……この男、小説なら主人公なんでしょうか?
やっぱり、テレビは見るべきでしたかね?
テレビ、嫌いなんですよ。
現在、一年一組にて自己紹介中で、後ろの席の金髪ドリルヘアの女生徒が、自己紹介している。
セシ、セシルイ?最近、耳が遠くて……うるさいからって、聞き流してるわけじゃありませんよ?
それにしても……全員、美少女と言えるぐらい綺麗ですね。
私は普通だから、羨ましいです。
おや、隣の男子生徒の自己紹介の番が、回ってきたみたいです。
回ってきたのですが……考え事をしているのか、反応が無い様です。
副担任の山田麻耶先生が、オロオロしています。
男性は苦手ですが……まあ、何故ここに男がいるのか気になりますし、とっとと自己紹介させましょう。
山田先生が、可哀想と言うのもありますがね。
鞄からねこじゃらしを取り出して、隣の耳をくすぐる。

「うわぁ!?何だ!?」
「早く自己紹介をして下さい……山田先生が困っています」
「え?あ……す、すいません」
「いえいえ!それじゃあ、自己紹介してくれるかな?『あ』から始まって今『お』で、織斑君の番なの」

おりむら?織村?
隣の男子の名前の漢字を考えていたら、山田先生が小声で「ありがとう!」と言ってきた。
犬の様に見えてキュンとした。
私、動物好きなんです。
あ、山田先生って逆から呼んでもヤマダマヤですね。

「え〜織斑一夏です……よろしくお願いします」

そこで、一旦区切る織村君。
周りは、もっと何か話して!と言った視線を向けている。
どう出る!織村君!

「……以上です」

自己紹介を終了させた。
織村君の背後に、多分担任が現れた。
担任の出席簿攻撃。

パァン!

織村君に、痛みが広がった。

「自己紹介もまともに出来んのか、馬鹿者」
「げぇっ、関羽!?」

担任の関羽先生に、ハリセンを差し出してみた。
視線で礼を言われた。
何故ハリセンを持っていたかは、気にしないでもらおう。

バシンッ!!

「誰が三国志の英雄か」

うむ、とても痛そうだ。

「い、いや、だけど千冬姉!」
「学校では織斑先生だ、馬鹿者」

千冬、織村?
織村千冬?
どこかで聞いたような……やはり、テレビは重要ですね。
ちなみに、周りの女子が騒いでいますが、聴覚をシャットダウンしているので、うるさくない。
読唇術が出来るので、会話には困らない。

「私は織斑千冬だ。私の仕事は、一年間でお前達を使い物にする事だ。私の言う事は聞け、良いな?良いなら返事をしろ、良くなくても返事をしろ、私の言う事には返事をしろ、いいな」

関羽先生、厳しいですね。

「折角だ、お前、自己紹介しろ」

お前って誰?
何故、私を見ているんですか?

「ふむ、お前だ魅神(みかみ)」

みかみ?あ、私だ。
自己紹介するんですか?

「えっと、私の名前は魅神癒螺(ゆら)と言います。身長は147センチ、この茶髪は地毛です。諸事情により、転校と言う形で入学しています。特技は、日常生活で役に立たない事で、趣味は、料理と散歩と動物と戯れる事です。これからよろしくお願いします!」

完璧です!
私の事がよく分かる自己紹介ですね!

「魅神、お前は専用機持ちだろ?それについてはどうした?」
「忘れてました!あと、お腹空きました!」
「……もういい、次の者」
「は、はい!」

くぅ、何か食べたい。
私のISの待機形態である、銃弾型のペンダントが、寂しそうに揺れた……気がする。

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