小説『少年は職員です(旧フェアリーテイルでがんばるお話)』
作者:ビタミンふぁいぶ()

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異世界からの来訪者

目が覚めたらジャングルだった
気が狂ったと思った
自分の頭を叩いて
自分の手をかんで
夢かどうか確かめたりしたんだが
どうも現実っぽいんだ

いやいやいやいやちょっと待て
どうなってんだよ
いきなりジャングルとかやめてくれよ
ジャングルがどんだけ怖いかしってんのか
未知の動物や虫がいっぱいいるんだぞ
ジャングルだといつも踏み潰してるありですら脅威の存在になるんだぞ


少し落ち着いてきた
何でここにいるかなんて考えても意味がない
とりあえず万が一を考えて川を探そう
川に行けば水もあるし魚もいる
まずは川に行ってから考えよう

ん?身長が低くないか?
手もやたらふっくらしてるし
どうなってんだ?
まぁとりあえず川に行こう
川に行ってから考えよう



〜〜〜少年移動中〜〜〜〜

かわぁどこにあるんだよ
素人がジャングル移動するんじゃなかった
やべぇ日が暮れてきてるし
夜になれば夜行性の動物が出てくる
そうなればさすがに足の速い俺でもまずい
1.5kmを3分で走れる俺でもまずい
え、何でこんなに早いかって
これでも遅い方だよ
クラスで15番目だよ
1番の奴は1分台だからな

〜〜〜〜数時間後〜〜〜〜〜




足がいてぇ
つーかここが地球かどうかすら怪しくなってきてきてんじゃねーか

あのトラやベーよ3mくらいあったよ
あんなのにもう一回あったら死んでしまうよ
命いくつもあっても足りねーよ
のどが渇いたし
腹も減った
草や木ですれたところからも血が出てるし

「死んじまうのかなぁ」

人もいない
川もない
食料なんて取れるわけない
しかも3m級のトラだっているんだ
こんな弱肉強食の世界で生き残れるわけねーよ

生きたいなぁ
死にたくないなぁ

大学行くまでがんばって勉強して
やっと受かったらこんなクソみたいなところ

誰でもいい人間に助けてほしいなんて贅沢はいわねぇ
トラでもいいゴブリンでもいいスライムでもいい
何ならドラゴンでもいいから

「頼む、助けてくれ」

そう願って気を失った

やたらごつごつした背中に乗って













朝日がまぶしい今日はまだ春休みだったはず
まだ寝ても大丈夫だろう
草木のかおる場所でもうひとねむ・・・・

ん?
草木の香る?
何でこんなところに



思い出したジャングルにいたんだ俺
早くどこかに隠れなければ
夜は運良く食われなかったが
次はどうかしらねぇ
とにかく急いで『起きたか、人間の子よ』





へ?

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