ハッ ハッ ハッ… 気づいたときには外へかけだしてた。 立ち止まろうと思っても体は前へ進むばかり。一歩ずつ、一歩ずつ矢木矢さんの家から距離を置いていく。 嗚呼―――――。 見なければ、見てはいけないもの、だった。 あの手紙は。 他人の秘密ごとなんてけして。 見てはいけないものだった。