『第11話 性教育って大事だよね 前編 』
さてさて、どうしましょうか?
現在は、ティファニアを2人向かい合いながら食事しています。
マチルダさんは、熟睡してます。
ティファニアさんは、料理を味わうのも忘れて、真っ赤になってます。
どうしましょう?
う〜ん。ティファニアを才人に渡すのも勿体無いから、俺がいただいちゃいますか!
ティファニアが才人に惚れる=思わせるだけの失恋不幸ルート直進だからな〜。
しかも、ティファニア自身が望んでないのに、虚無とか言われて利用されるのも嫌だしっ!
と言うことで、貰いましょう!
◆
食事を終え、食器も片付け終わって、くつろぎ始めた頃。邪魔が入らないように家の周りに人払いの魔法と防音の魔法をかけた。これで、この家は完全な密室となった。
食後のお茶を飲みながら、未だに赤い顔でこちらを覗っているティファニアに話しかける。
「ティファニア? どうしてずっと見てるんだ?」
「えっ! あっ…………いえっ、す、すいませんっ」
慌てた様子で、俯いて頭から湯気を出し始めたティファニア。昨夜の光景を思い出したんだろう。
「えーと……ティファニア?」
「…………はい」
「昨日の晩。部屋を覗いた?」
「っ!!!!」
ティファニアは、がたっと椅子を鳴らして立ち上がった。いいリアクションだ。
「見たんだね」
ティファニアが覗いているのを知りながら、思いっきり濡れ場を見せ付けど、白々しく聞いてみた。
「はい…………すみません……」
涙目になって頭を下げた。どうやら昨夜の行為が、見てはいけないモノだという事は、理解しているらしい。
「まあ、いいさ」
とりあえず。ティファニアの頭を帽子越しに撫でる。
「ルシファーさん」
「ティファニア。それで昨晩はどこまで覗いていたんだい?」
「えっ、えっと…………」
◆
【ティファニア】
ティファニアは思い出し始める。
目の前の男性。ルシファーさんが昨夜、姉のような存在であるマチルダと行っていた行為を。
昨夜は風もなく静かな夜だった。いつものようにベッドに入り、後は目を閉じて寝るだけだった。
しかし、目を閉じていると隣の部屋から洗い息づかいの様な音が聞こえてきた。
隣から漏れ出す。肉を叩くような音と、じゅぶじゅぶという水の音が気になって、ドアに耳をつけてなにをやっているのか考えてみたが分からなかった。
マチルダ姉さんの大きな叫び声が聞こえて、マチルダ姉さんが酷いことをされているんだと思って、ドアを少しだけ開けて部屋の中を覗いてみた。
ドアの隙間から覗くと、2人とも裸で、マチルダ姉さんが四つんばいになっていて、その後ろからルシファーさんがマチルダ姉さんのお尻に向かって腰を打ち付けていた。
詳しく観察すると、マチルダ姉さんの股から白いものがポタポタと落ちていた。
目を離そうと思っても、離せなかった。
何故だか分からなかったけど、目が離せなかった。
しばらく覗いていると股が濡れてきた。おしっこが漏れたと思って手で確認してみると、ほんのり生臭くて、ねとねとと粘り気があった。
股を触った瞬間。今まで感じたことのない感覚が生まれた。その感覚が気になって更に指を這わせると頭が焼ける感覚が理性を溶かした。
ティファニアが生まれて初めて『性的な快感』を感じた瞬間だった。
股を弄りながら覗いていると、ルシファーさんが突然マチルダ姉さんの両膝を掴んで抱えあげた。
そして、ルシファーさんはドアの……わたしが覗いている方を向いた。
わたしは驚いて声をあげそうになった。
マチルダ姉さんの股の間にルシファーさんの股から生えた太い棒が差し込めれてのだ。マチルダ姉さんの下腹をもりあげ、棒が体内に差し込まれているのが分かった。そして、棒とマチルダ姉さんの股の間。繋がっている部分から白いドロドロの液体がもれ出ていた。
マチルダ姉さんに無理やり腰を打ちつける様子に、なんて酷いことを……。そう思った。
でも、マチルダ姉さんの表情は今まで見たこともないような、艶かしい表情で、背後から腰を振っているルシファーさんの後ろ手に求めるようにさ迷わせ、キスを求めるように首を回し口を開いて舌を出した。
ルシファーさんもマチルダ姉さんに応えるように、唇を交わした。
わたしはその光景に動くことが出来ずにいると、ルシファーさんの腰を振る速度と共にマチルダ姉さんが発する声が大きくなり、徐々にルシファーさんの棒が膨らみ始め、マチルダ姉さんの叫び声と共に、白い液体が結合部からあふれ出て、マチルダ姉さんは幸せそうな、満足そうな表情で、ルシファーさんと見詰め合っていた。
それから、なんどもなんども2人は腰を打ち付けあった。
わたしは、2人の行為が終わるまでずっとその様子を見ていた。
そして、その行為は朝方に終わり、ルシファーさんがマチルダ姉さんをベットに寝かせ、ドアの方……つまりわたしがいる方に来ようとしていたので、わたしは慌てて隣の自分の部屋に入った。
部屋に入ってシーツを頭から被り、マチルダ姉さんが行っていたことや自分が覗きをしてしまったことを思い出して、なんて事をしてしまったんだろうと後悔した。
それからしばらくして、ドアの隙間からいい匂いが香ってきた。そして、いつも起きる時間になったわたしは、寝巻きから緑色のワンピースに着替えて、居間に向かった。
居間では、ルシファーさんが料理をしていた。
わたしは顔を合わすことが出来ずにルシファーさんが用意した朝食を食べた。
どうしよう。顔を見ることが出来ない。
マチルダ姉さんは、まだ寝ているし、どうしようかと思っていたら、ルシファーさんから話しかけてきた。
『どこまで覗いていたか?』
その問いの答えは、全部だといえるだろう。
初めから、水音が聞こえ始めて、すぐに部屋の様子を覗い始めたんだから。
どうしよう。怒られる。
アレがいけないことだという事は、なんとなくだけど分かった。
わたしは、何も言えずに黙ってしまった。
◆
【ルシファー】
ティファニアが、ずっと沈黙しているので、こちらから助け舟? をだすことにした。
「まあ、いいか」
「えっ?」
「だから、もういいよって言ってるの。怒ってないよ」
そう言って、優しくティファニアの頭を撫でる。
「えっと……すいませんでした」
ティファニアは申し訳なさそうに頭を下げた。
「まあ、ティファニアも興味が出てくる年頃なんだし、仕方がないさ」
「えっ?」
ティファニアは、俺の言葉に頭をかしげた。
「ティファニアは、赤ちゃんがどうやって生まれてくるか知ってる?」
セクハラまがいな事だが、大切な事なので聞く。
「えっと……愛する2人が、愛し合えば出来るんじゃないですか?」
「愛し合うって具体的に分かる?」
「………………」
これは驚いた。どうやら、マジで性に対しての知識が皆無のようだ……。
しかも、一生懸命頭を捻っているけど分からないらしい。
やはり、この女の子は危ないっ! なんの知識も持たないにこんな爆乳美少女を野放しにしておいたらヤバイ!
『ここには、同世代の男の子がいませんから』とか、才人には原作で言ってたみたいだから性に対して疎いのは分かるけど、15歳を超えてもこれじゃあマズイだろ!
変な男に何も知らないままホイホイついて行きそうで怖いぞ。
ああ、俺の中の父性が、子供を持つ父親としての義務が、今までのティファニアを堕とす算段を忘れて、ティファニアの肩を両手で掴んで言った。その行動に移してしまった。
「ティファニア! 今から性教育の授業をします!」
「へっ?」
ティファニアが間抜けな表情になったが無視だ!
この娘の両親の代わりに俺が性教育や危機管理を教えないといけない!
才人みたいな優柔不断な男なんかに引っかからないように、きちんと教育を施さないといけない!
天国にいるか地獄にいるか分からないけど、ティファニアのお父さん、お母さん。ご安心ください!
俺とマチルダが代わりにティファニアに性教育と女の子としての危機管理能力を教え込みますので!