『第21話 夏季休暇の過ごし方 前編 』
魅惑の妖精の亭で一夜を明かしてから学院へと戻ってきた一行は、女子寮の前で解散した。
「うーん。じゃあ、とりあえず昨日タバサが言った騎士になるってどういうことだい?」
キュルケの部屋に戻ったルシファーはベッドに腰掛けタバサに尋ねた。
「わたしはあなたに恩がある。わたしは騎士として忠義を尽くしたい」
タバサは真っ直ぐとルシファーの目を見て言った。
ルシファーは少し悩むと、「まあ、いいか。お前がそうしたいならいいぞ」と答えた。
「ありがとう」
タバサは、ほんの少し顔を赤くして微笑んだ。
「ふふふっ! タバサったら、どーしちゃったのかしらねー」
キュルケが面白そうにタバサの頬を指でふにふにと突いた。
「なんでもない」
ぷいっと顔を背けるタバサの耳元でキュルケは「あたしは別に何人お嫁さんが増えようと気にしないわよ」と小声でタバサに呟くと、タバサの顔が真っ赤に染まった。
「どうした?」
キュルケの言葉はしっかり聞こえていたが、タバサに尋ねた。
「なんでも、ない」
ルシファーが顔を近づけたのでタバサは、ばっと身を翻して部屋から飛び出していった。
「ふふふ、やっぱりダーリンってモテモテね」
顔を赤らめて出て行ったタバサを微笑みながら見送ったキュルケは、ルシファーの隣に座って言った。
「まあ。大魔王だからな」
「ダーリン。さっきも言ったけど、あたしは別に何人妻をつくってもいいわよ。もともとダーリンは一夫多妻の生き物なんだからね。……でも、これだけは約束して、きちんとあたしも愛する事。他の女にかまけてあたしを疎かにしないでよ」
「うむ。約束しよう」
ルシファーがキュルケの瞳を見ながら真剣な表情で答えた。
「約束よ」
キュルケはそう言って唇を交わすと妖艶な顔で誘った。
「じゃあ、何人でも愛せるって事を証明して」
「わかった。証明しよう。覚悟しろよ」
「えっ?」
◆
あれからキュルケとの情事が始まり、ルシファーはいつも通り中出しを決めると、抜く事はせずに、惚けいているキュルケの腰を掴んで、そのままピストンを開始した。それから、ルシファーは抜かずに7回ほど、キュルケの子宮に出すと、キュルケの下腹は妊娠でもしたかのように少し膨らんだ。ルシファーはそこで一旦ペニスを引き抜き、息も絶え絶えとなっているキュルケの膣に指を差込み、精液で溢れかえる膣道に指を使って精液を塗りこんだ。キュルケがもう無理だと叫んでもルシファーは止まることなく今度はアナルを犯し、キュルケの頭はアナルを掘り進むペニスに頭の中まで白く染め上げられ、口から漏れる声は叫びや歓喜の声に変わった。それから思考能力が低下したキュルケ自身に騎上位やフェラチオをさせ、楽しんだ。そして、やがてキュルケの限界が訪れ、ぷつんと意識を失い崩れ落ちた。
キュルケが目を覚ますといつもの天井が見えた。
「ん、ん! ……あら? あたしは……あんっ、なに?」
「ああ、キュルケ。起きたか?」
「え、ええ」
ルシファーはキュルケが起きた事を知ると、隣に寝転がった。
「ほんとにすごいわね」
隣に寝転がったルシファーに先ほどの情事を思い出したのかキュルケの顔が赤く染まり、俯いた。
「まあな」
ルシファーは当然とばかりに頷き、キュルケの肩を抱いた。
「ほんとに動けなくなっちゃった……」
キュルケは手足に全く力が入らない事に驚き、呟いた。
「すまんすまん。きちんと、念入りにマッサージしてやるよ」
ルシファーはそう言うと手をわきわきと動かし始めた。
「ちょ! ダ、ダーリンっ!? 少し待って! あたし今ほんとに動け……あぁん〜〜〜〜!」
それから、一時間ものマッサージという名称の全身愛撫を受けたキュルケは、再び意識を失った。
後日。悪戯だと思われマッサージだったが、ルシファーが行ったマッサージは、かなりの効果があったらしく、キュルケの体から疲労は完全に抜け落ちていた。
◆
トリステインから離れた白の国アルビオン。サウスゴータの森の中、朝もやを裂いて一人の男が現れた。
赤いトレンチコートに身を包んでいても只者ではない雰囲気を身から出し、腰の辺りまで伸ばした黒髪が朝露に濡れ鴉の濡れ羽のように煌く。
いつもの青く、豪華な衣装ではないがルシファーだ。
ルシファーは内乱中のアルビオンに住んでいるマチルダとティファニア、そして孤児院の子供達の様子を伺いに来たのだ。
一応、皆が住んでいる村には過剰戦力を持たせているが心配なのは心配だ。
ルシファーがアルビオンについたのは二日前だが、その二日間を暴挙を働いているた盗賊などの駆除を行っていたので、ウエストウッド村の皆とは今日が久しぶりの再開になる。
街道をしばらく歩いていると小さな家が見えてきた。
ティファニアとマチルダの家だ。
「ティファ。ルシファーだ」
ルシファーがそう言いながら家のドアをノックすると「はーい」という返事が返ってきた。
ガチャとドアが開くと、白い帽子を被り緑色のワンピースに身を包んだティファニアが笑顔で出迎えてくれた。
「おはようございます。ルシファー」
ティファニアは嬉しそうにルシファーの腰に抱きついてキスを求めるように顔を見上げる。
ルシファーはそんなティファニアの頬に片手を添えて唇を交わす。
たっぷりと時間をかけて唇を交わし終え、ルシファーは家の中に入る。
「そういえば朝食はもう食べましたか?」
木で出来たテーブルの椅子に腰掛けたルシファーにお茶を出しながらティファニアが尋ねる。
「いや、まだだよ」
「それならこれから一緒に食べませんか?」
「ああ」
ルシファーが頷くとティファニアは火にかけている鍋に向かい煮込んでいたシチューを皿にそよってルシファーにさしだした。
「ありがとう、ティファ」
さすがティファ。すごくいい匂いで美味そうだ。
木のスプーンで一口啜ると舌に旨みが広がり体の芯から温まる優しい味だ。
「美味しいよティファ」
「ふふふ、ありがとう」
ティファニアは微笑むと「マチルダ姉さんを起こしてきますね」と家の奥に消え、数分後に戻り自分と、マチルダの分のシチューをよそい、ルシファーと反対側の席についた。
ルシファーとティファニアが談笑しながら朝食を摂っていると、ローブに身を包み、少しだけ化粧をしたマチルダがやって来た。
「久しぶりだね、ルシファー」
マチルダは勝気な態度で軽く挨拶し席についた。
「ああ、久しぶりだな」
ルシファーが微笑んで返すと、マチルダは少し頬を赤らめてシチューを食べ始めた。
「ところでルシファーはいつまでここにいるんだい?」
「そうだな〜。3日ほど滞在したら学院に戻ろうと思う」
「それなら、村の家の修理を手伝ってくれないかい? 古くなったベッドとか直してもらえると助かるんだけど」
「ああ。喜んで手伝うよ」
◆
朝食を摂り終えた3人は村に向かいマチルダの先導の元家々を回りながら古くなった家具や雨漏りしている屋根の修理を行った。
家の修理は村にほとんど人が住んでいない事もあり昼には終わり、その後は村の子供達と長机に座って昼食を摂り、午後からは子供達の遊び相手を務めた。
そして夜。
ルシファーはティファニアが先に寝付いた後。マチルダと二人肩を並べてワインを飲みながら現在のアルビオンとトリステインの情勢について話をしていた。
「トリステインはアルビオンへ向けての侵略作戦が持ち上がっているそうだ」
「侵略作戦? 小国のトリステインにそんな力あったのかい?」
「いや、そんな力なんかない。空に浮いているアルビオンに侵略作戦なんて愚作としかいいようがないし、トリステインとゲルマニアが連合したとしても、勢いがあるアルビオンには勝てないだろう。それに、持久戦になればトリステイン側に補給路の確保などの問題もでてくるし、それ以前に戦力が足りない。基本、国を攻めるには敵の三倍の戦力を持たないといけないのにアルビオンと同じぐらいの戦力では奇跡でも起きない限り勝利する事は不可能だ」
「そうだろうね」
「今は、トリステインの王女様がなんとか資金をかき集めて戦列艦の製造や兵士達の武器の購入、傭兵集めをしているから侵略作戦はたぶん今年の冬に行われるだろうな」
「……そうかい」
マチルダの雰囲気が暗くなり、ルシファーに寄りかかる。
「あと、アルビオンで略奪などを行っていた盗賊はあらかた片付けて回ったから少しは治安もよくなったと思うよ」
マチルダはルシファーの言葉に少しだけ驚くと、苦笑して口を開いた。
「そうかい。昨日街に買いだしに行った時に耳にした『真っ赤な死神』ってあんただったのかい」
「ん? なんだ『真っ赤な死神』って?」
「二日ほど前からアルビオンで噂になってるんだよ。真っ赤な服を着た男がアルビオン中の盗賊を狩って回ってるってさ」
「そ、そうか『真っ赤な死神』って呼ばれてるのか俺は……」
苦笑いを浮かべたルシファーにマチルダは微笑むが、すぐに息を吐いてグラスに注がれたワインに視線を這わし、呟く。
「戦争になるのか……」
マチルダの心を不安が埋め尽くしていると、ルシファーはそんなマチルダの腰に手をまわして話し始めた。
「戦争になる前にここから皆で引っ越さないか?」
「引越し?」
「ああ。いつまでも子供達を森の中で暮らさせるわけにはいかないし、ティファにももっと広い世界を見せてあげたいしな。ここよりも安全で暮らしやすいところに引越ししようかと考えているんだ」
「それはいいと思うけどどこに引っ越すんだい? ハルケギニアにそんないいところはないし……、もしかして砂漠かい?」
「まあ、砂漠は砂漠だがエルフ達が使っていない砂漠だな」
「でも砂漠は住みにくいんじゃ?」
「それは普通の砂漠ならな。俺は、あの広大な砂漠を開拓して国を作ろうかと思っているんだよ」
「国?」
マチルダは驚いてルシファーの顔を見上げた。ルシファーはマチルダと正面から見つめあいながら口を開いた。
「ハルケギニアではブリミル教が浸透しているから、エルフであるティファは住めないし、ブリミル教徒には嫌な奴が多いからな。それに、砂漠民エルフにつくのもどうかと思う。エルフは人間が嫌いらしいからな。だから、俺はこのハルケギニアに新しい国を作ろうと思う」
「そんなことが……」
「出来るさ。俺は世界を統一した『元』大魔王さまで、何よりもお前の男だぞ?」
マチルダの頬が酔いではない赤に染まる。
「ここでは子育ても安心して出来ないし、俺は早くマチルダとの子共が欲しいんだ」
「……ルシファー」
ルシファーはマチルダと唇を合わせながら手をローブに伸ばす。
「んんっ」
ローブに手を差し込み、太ももから撫でるようにオマンコへと手を這わせて、割れ目を指で擦ると、少しずつ湿気を帯び始めた。
「ベッドに行こうか?」
「……ええ」
惚けた表情でマチルダはルシファーの問いに頷く。ルシファーはマチルダの体に手を差し込んで持上げ、横抱きにして寝室へと向かう。
「ま、まち……んんっ……ああ……」
マチルダがローブを脱いで黒い下着を脱ごうと腰を屈めた瞬間。先に服を脱ぎ終え、すでに我慢が出来なくなっていたルシファーは、マチルダの胸を後ろからワシ掴み、尖り始めた乳首を指先で弄りながら、首筋へと舌を這わせた。
「こ、こらぁっ! る、るしふぁーっ、ああんっ!」
マチルダが腕から逃れようともがくと、ルシファーは片腕でびしょ濡れのパンツをずらして膣に指を1本指し込みかき回す。
「やっぱりマチルダには黒が似合うな」
ルシファーはそう言いながらマチルダの尻の間に勃起したペニスを挟めて動かす。
黒く薄い下着をペニスから漏れ出るカウパーが濡らし変色させてゆく。
「んあっ…………はげ、激しすぎ……るっ! 久しぶりだから、もう少しゆっくり……」
ルシファーはマチルダの頼みを無視して、ベッドに押し倒すと、仰向けのマチルダに覆いかぶさり、唇を合わせ、口を舌で割り、マチルダの口内を蹂躙した。
「久しぶりなのは俺も同じだ。俺はもう我慢できないんだ。今すぐマチルダを感じたい」
ルシファーは体を起こすと、マチルダの下着を強引に剥ぎ取り、膣口に亀頭をあわせた。
「ああっ! んんっ、入って……来るっ!!」
ズブブブッ! とペニスはマチルダの膣に吸い込まれるように差し込まれてゆき、コツンとマチルダの最深部。子宮口へとペニスは差し込まれた。
マチルダは立て続けに送られる快楽にもうすでに絶頂に達していた。そして、そんなマチルダに欲情をさらに強くしたルシファーは「動くぞ」と呟き。腰を動かしはじめた。
「ま、待ってぇええ! イッてるの! わたし、今、イって……ああぁあああぁぁぁ!!」
ルシファーはマチルダに腰を動かしながら、マチルダの乳首を甘噛みしたり舌で転がしたり吸ったりと愛撫を行い。マチルダを追い込む。
「だっ! ダメよ! いっ、今そこはダメぇぇぇっ! ああんっ! イッ、イクぅぅぅうううう〜〜〜!!!」
ルシファーがクリトリスを指先でこねると、マチルダは腰を反らせながら潮を漏らし絶頂に達し、マチルダの膣がぎゅぎゅぎゅーーっとペニスを締め上げ、射精を促し、ルシファーも我慢することなく欲望を解放した。
「あっ、熱い……」
マチルダは息も絶え絶えになりながら子宮辺りを両手で擦り、精液の熱に酔いしれていた。
そしてそれから、騎乗位で交わり、中出しすると、次々に体位を変えながら交わり続けた。
翌朝。
マチルダを起こしに来たティファニアは、裸で抱き合いながら眠るルシファーとマチルダに珍しくティファニアは怒り、朝起ちで天に向けて立っていたルシファーのペニスに股を濡らし、仕返しとばかりにフェラを行い。目を覚まさないことに暴走に拍車をかけ、裸になって挿入した。
それから、ルシファーとマチルダが目覚めるまで欲望のまま腰を動かした。
ルシファーとマチルダが目覚め、マチルダがティファニアを叱ろうとすると、ティファニアは逆に抜け駆けしたマチルダに怒り、結局、朝から昼近くまで3人でセックスする事になった。
二日目は昼から行動し始め、ルシファーはマチルダと近くの街へ食料など日用品や、衣服などの買い物に付き合ったり、夜はティファニアの希望で二人っきりでセックスしながら眠った。
三日目は、孤児院の子供達に文字や机などの物作りの授業を行ったり、マチルダとティファニアの三人で沐浴などを楽しんだ。
そして三日目の夜は、3人でたっぷりとセックスを楽しみながら一つのベッドに眠った。
四日目――――。
つまりトリステインへと帰る朝。
ルシファーはマチルダとティファニアと唇を交わしてからトリステインへ向かい足を進めた。