小説『ゼロの使い魔 世界を渡る転生者【R−18】』
作者:上平 英(小説家になろう)

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『第29話 襲撃と哀れな『炎蛇』と連合の敗走と『殿』する才人 』





 「う……、うぅぅ……、わたしは……」

 アニエスは窓から差し込まれる光に目を覚ました。

 酒臭いし、頭がガンガンする……、昨日なにがあったんだ……?

 体を起こし、痛む頭を左手でさする。

「ん? なんだコレは?」

 起き上がったアニエスは気づいた。右手で太い棒みたいなモノを掴んでいる事を。

 アニエスは右に視線を向ける。

 …………言葉を完全に失った。

「なっ! 何故ルシファーが裸で寝ているんだ!? うわっ!!?」

 手に掴んでいたものの正体を知ったアニエスはぱっと離した。

 なんでる、ルシファーのペニスを掴んでいたんだ!?

 アニエスは両手で頭を挟みんで唸る。

「アニエス様」

 そこにルシファーの左側に隠れるようにシーツを被って寝ているミシェルが声を出した。

「ミシェル!? お前まで裸なのか!?」

 アニエスはさらに頭を抱えた。

 わたしはいったいなにをしたんだ……。

 アニエスの疑問に答えるようにミシェルは微笑みながら口を開いた。

「覚えておられないんですか? アニエス様とわたしがワインを飲みながら話し合った結果。アニエス様は武芸の達人であるルシファー殿に自分から処女を差し上げにいった事を」

「なっ……!!?」

 ハンマーで殴られたような感覚。

 アニエスはシーツを捲り上げて、自分の股を確認する。

 すると、やはり数的の赤い染みに、股間に固まった精液の残りが付着していた。

「ああ…………」

 一気に昨夜の記憶が蘇ってくる。ミシェルに勧められるままにルシファーに処女を捧げ、獣のように交じり合った記憶が。さらに最後には三人でやってしまった事を。

 アニエスは股に棒でも挟んでいるかのような痛みが、現実だと教えてくる。

「アニエス……」

「ひゃっ!!?」

 アニエスか昨夜の記憶を赤面しながら思い出していると、尻が撫でられた。

 視線を移すとルシファーが尻を撫でているんだと分かった。

 アニエスは拳を振りかざそうとした瞬間。ルシファーが呟いた。

「アニエス。昨日は可愛かったぞ」

「な、な、な、なな…………!!!」

 続いて、ミシェルが呟く。

「可愛らしかったですよアニエス様」

「ぅぅぅぅぅ…………」

 アニエスは爆発してしまった。あまりの羞恥でアニエスは子共のように泣き出し、ルシファーとミシェルは呆気に取られた。

「なあ、どうするミシェル?」

「そうですね……」

 ルシファーとミシェルはベッドの上で丸くなっているアニエスに背を向けて小さな円陣を組んで相談する。

 そして、しばらく相談すること十分。ミシェルに一つの案を掲示した。

「ルシファー殿。アニエス隊長は酒の勢いのまま処女を散らした事と、体を見られたことなどに羞恥して泣いておられるのですから、その羞恥を取り除けばいいんじゃないですか」

「羞恥を取り除くというと?」

「それは……、もう、やはり、心を溶かすような熱いセックスしかないでしょう。昨夜一度アニエス隊長は堕ちていますし、今度は酒の酔いではない普通の状態で堕とし、羞恥を羞恥として思わなくなるまでセックスし続ければ泣き止むと思います」

「ほうほう……」

 まったく理屈にも作戦としても成立しないが、いい手だ。

 俺もまだまだ抱き足りていないし、羞恥に涙する女銃士を抱くのも楽しそうだし……、ていうか、ミシェルも昨夜何十と犯したのにまだ足りない様子。

「作戦としては成立してないが、いい手だな」

「ふふふっ、では……」

「ああ。その作戦に乗らせてもらうよ」

 ミシェルと悪い笑みを浮かべて握手を交わす。

 そこから俺が最初にシーツに包まるアニエスに近寄り、強引にシーツを剥いだ。

「なっ!? なにをするんだ!!」

 アニエスが叫び声を上げて、両腕で体を隠す。

「あまり昨日の事も覚えていないらしいから、初夜のやり直しをしようと思ってな」

「ヒッ!? ヒャンッ!」

 アニエスの鍛えられた足をとり舐める。ツツーと、舌を這わせながらアニエスの悶える姿を視姦する。

「こ、こら! なにを舐めている! ミシェル! おい! ルシファーを止めっ、止めろぉ!」

 アニエスはミシェルに助けを求めるが、ミシェルは股間から蜜を垂らしながら、アニエスを視姦するだけで動こうとしない。それどころかルシファーとアニエスをオカズに自慰を始めてしまった。

「綺麗だな、アニエス」

 ルシファーはアニエスの股の間に体を差し込むと、アニエスの両腕を自分の腕で拘束し、動けないアニエスの胸やわき腹などを舐め始めた。

「う、嘘をつくんじゃない……、わたしの、傷跡だらけで、筋肉だらけの体が、綺麗なはずは、ないだろうっ……!」

 アニエスは顔を背けて恥らった。

 どうやら身体に自信がないらしい。

「いや、綺麗だぞ。お前の体は味も形も最高だ……」

 アニエスの体には確かに、女には珍しく腹筋や腕や足の筋肉が発達していていたが、女の柔らかさや柔軟性は損なわれていないし、切り傷などの傷跡は彼女の美を逆に引き立てているぐらいだ。

「なにを……!」

 アニエスの傷跡に舌を這わせる。傷跡は皮膚が薄くなっていて、神経がむき出しになっているようなものなので、熱などの触覚が鋭敏に感じる。つまりは、痛みも感じやすいが、快感も感じやすくなっているのだ。

「ほら、傷跡を舐められると気持ちいいだろう」

「こ、こらっ!」

 アニエスは顔を左右に振って悶える。熱い舌が体中を舐める快感にすっかり翻弄されていた。ルシファーの舌が這い回るたびに、股間が熱くなり、シーツに湿り気が増す。体から力が抜け落ちる。ルシファーしか見えなくなる。

「ほら、アニエス。もうここも準備できたみたいだし、挿入しようか」

「あ……、ぅうう…………」

 挿入しようとするルシファーを拒否しようと思うが、自分の中のもう一人が、ルシファーを引き寄せるように両腕を広げてしまう。股を大きく開いてしまう。

 くちゅり……。ルシファーのペニスがオマンコに触れ合う。熱く滾るペニスに腰を引きそうになるがルシファーはすでに両腕で腰を掴んでしまっているので逃げられない。

 ルシファーのペニスがずぶぶぶっと挿入されていく。

「あ、ああ、ああああっ…………!!」

 ルシファーが|挿入(はい)ってくる。熱した鉄の棒を無理やり挿入れられているようだが、痛みはない。やはり自分の処女は昨夜なくなったんだと理解した。しかし、喪失感などはなく、まるでパズルのピースをはめ込むような感覚。自分に足りないものを補われているみたいで、不思議と嬉しいと思えた。

 ルシファーの体にまわした腕が、彼の鍛え込まれた肉体と力強さを教えてくれる。ルシファーの大器に自らの体を捧げたいと感じた。

「ん、んんっ! うむっん……、はぁ……、はぁ……」

 ルシファーが唇を交わしてくる。唇をわり開き口内を舌で蹂躙してきた。腰を激しく打ちつけながら、胸を揉んだり、乳首を摘んだり、指で弄んだりと、体中を蹂躙された。

「気持ちいいかアニエス!」

「あ……、ああっ! ……すっ、すごい、すごいぃいいっ!!」

 アニエスの中で何かが崩壊していくのを感じた。先ほどまで感じていた羞恥などを忘れ、自らルシファーに舌を伸ばして舌を絡めたり、両手両足でルシファーに抱きつき蹂躙される悦びを感じた。

「さあ! アニエス! まずは一回目だ! 射精すぞぉおおっ!!」

「うぐぅぅぅうううううう!!!」

 アニエスの子宮に放出される精液。アニエスは子宮に感じる熱に驚きはしたが、すぐに幸福と快楽を感じ絶頂しながらも、ルシファーにしがみ付き、ルシファーの精液を残さず子宮で飲み干した。

「さあ、アニエス! 続けるぞ!!」

「ちょ!? まふぇ! まふぇんだ!!」

 アニエスが絶頂に悶えているにもかかわらず、ルシファーは挿入したまま後に倒れ、今度は騎乗位でアニエスを犯し始める。

「ほらほら! アニエス! 今度は自分で動いてみろ!」

 アニエスはルシファーの胸に両手をついてなんとか上体を立たせていたが、ルシファーに下から突き上げられる度に腕から力が抜け、もたれかかりそうになる。しかし、ルシファーはそれを許さずに尻を叩いた。

「ひぐぅぅっ!!?」

 痛みに悲鳴をあげてしまう。尻を叩かれた痛みが、振動が、膣に収まったペニスや、子宮に注がれた精液を揺らし、強い快楽を生み出し、気つけ薬のような効果をもたらした。

「さあ、アニエス。乗馬と同じように体を揺らすんだ! 自分の好きなように気持ちいいと感じるところを探すんだ!」

「は、はふぃぃいいっ!!」

 アニエスは半ば自棄になりながら、上下に腰を動かした。銃士として馬にはよく乗っていたので慣れたものだ。上体を後ろに反らせたり、上体を前に倒したりとテンポよく腰を振るった。

「ああ、いいっ!! いいぞぉ! すごく気持ちいい!! 最高だぁああ!!」

「いいぞ! アニエス! もっと乱れろ!!」

 ルシファーは両手でアニエスの両の乳首を摘んだり、揉んだりと楽しんだ。

 アニエスは、子宮を突き上げられる時の痛みに近い快楽が気に入ったようで、激しく上下に腰を動かし喘いだ。

「あああぁぁぁああああああああ!!! い、いくぅぅぅぅうううううう!!!!」

 アニエスの膣がぎゅるるるる〜と、締まった。さすが銃士、昨夜と違い酔っていない分、今回の締りは最高で、まるで万力のように締め付けてくる。

「射精するぞぉぉおおおおおっ!!!」

 アニエスの子宮に再び、おびただしい量の精液が流し込まれ、アニエスの腹をふっくら膨らませた。

「ああ……、最高です……。最高ですよ。隊長……」

 ベッドの隅で股間を弄っていたミシェルもアニエスに呼応するように絶頂したみたいだ。

「最高だったぞアニエス」

「ふぁ……」

 ルシファーが倒れ込むアニエスを抱きしめ頭を撫でる。アニエスは頭を撫でられ気持ちよさそうに目を細め、その可愛らしい様子に発情したミシェルが飛び掛ってきた。

「ルシファー殿! 今度はわたし! わたしに……!」

 ミシェルはルシファーから了解を貰うと、ベッドに四つんばいになり、両腕を尻にまわして、オマンコの割れ目を開き、挿入をねだった。

「さあ! ルシファー殿!」

 ミシェルは尻を揺らしてペニスを求める。

「ああ! ミシェル! 今すぐ挿入てやる!」

 ルシファーはアニエスからペニスを抜くと、ミシェルを貫いた。

「うぐぅぅ!! ふ、ふふふっ! あぁああ!! いいです! 最高ですっ!!!」

 ミシェルは蕩けた顔で狂乱し、悦び、ルシファーもパンパンと音を響かせながらミシェルを蹂躙した。

「す、すご……ぃ」

 その獣のようなセックスに呆気に取られたアニエスだったが、すぐに快楽と快感に自分も加わりたいと思い、ミシェルを後から突き続けているルシファーを抱きしめ、唇を這わせた。

 そんな淫靡な空気を切り裂くようにドアがバンっ! と開かれた。

「っ…………!!!!?」

 ドアの開く音で一気に正気に目覚めるアニエス。とっさに体を隠してうずくまり、ドアの方を見る。

「なっ!!? お、お前達!!?」

 アニエスはドアを開けた者たちの正体に驚きの声をあげた。ドアを開けた者たちが自分の率いる銃士隊の面々だったからだ。

「こっ! これは、そのっ……!」

「隊長! ずるいですよ!!」

「わたしたちも、もう我慢できません!」

「そろそろ交代してくださいよ!!」

 アニエスはルシファーとの行為や、ミシェルとも一緒にセックスした事などを後ろめたく思い王宮に報告されるのではないか、などと色々な不安が駆け巡り、自分のいままでのプライドなどが音をたてて崩れ去るのを感じていたが、それは入室してきた彼女達の言葉によって吹き飛んでしまった。

「なっ、なにを……??」

 アニエスが顔を真っ赤にして体を隠している間に、銃士たちは鎧を脱ぎ去り、抱きついてきた。

「お、おい!!?」

 あっと言う間に両手両足を拘束されるアニエス。

「ふふふっ、一度隊長としてみたかったんですよね〜」

「昨夜も可愛かったですけど、さっきも可愛かったですよ」

「隊長、処女卒業おめでとうございます」

「なっ、なっ、なにを!?」

 アニエスは拘束してくる銃士を振りほどこうとするが、なにせ覆いかぶさる銃士の数がが数だ。見張りの銃士以外の銃士が集まっていて、そのほとんどの銃士で拘束されていた。

「ひゃっ! こ、こらぁっ!!?」

 一人の銃士がアニエスの股の間に入り、オマンコから漏れる精液を舐め始めた。

「ふふふっ! わたしたちも始めましょうか」

「ええ、そうですね!」

 その言葉を皮切りにアニエスの体に銃士たちが群がった。

 アニエスは群がる銃士に体中を蹂躙され始める。

 数人の舌が、手が、指が、体中のいたるところを蹂躙し、理性が蕩けた。

 アニエスはなんども絶頂され続け、とうとう小水を漏らしてしまうが、その小水までも銃士に飲まれ、アニエスはとうとう崩壊してしまう。

 ルシファーはと言うとミシェルを後から突きまくり精液を流し込んだ後、近くにいた銃士にフェラチオをさせたり、膣やアナルを次々に犯し、蹂躙した。

 その大乱交は夕方に終わり、セックスの後に正気に戻ったアニエスが、シーツに包まったまま泣き続け、ミシェルと銃士のみんなで一緒に慰めたわけだが、昨夜の事を『銃士隊の全員』が除いていた事がばれてしまい。アニエスは立ち直れないほど羞恥し、夜まで全員で慰め続け、最終的に銃士隊の全員と再び乱交させて、アニエスをなんとか立ち直らせた。

 ちなみのこの日の軍事教練は臨時で休みになり、見張りで乱交に参加していなかった銃士も、きちんと交代して大乱交に参加した。











 アニエスの処女をいただいて二日後。ルシファーが魔法学院からゲルマニアに出発する日の早朝四時。

 未だに日は昇らず、空は暗い。

 ルシファーはやっと生理を終えたキュルケとタバサとセックスを楽しみ、三人で眠っていたが、学院に近づく敵意のようなものを察知したルシファーが気づいた。

「キュルケ……、おい、キュルケっ。シャルロットも起きてくれ」

 ルシファーはキュルケとタバサを急いで起こす。

「どうしたのダーリン? まだやりたいの?」

「やりたいならいいよ?」

「そうだったら、いいんだが……、賊が来たみたいだ」

 ルシファーがそう呟くと、二人は顔を引き締めた。

「とりあえず、隠れよう」

「ええ」

「了解」

 ルシファーの提案に頷く二人、素早くマントを羽織り魔法学院の制服に着替えた。

 三人は魔法学院の中庭に隠れた。

「賊は空から、小さな艦に乗ってこちらに向かっているようだ」

「賊の狙いはなにかしら?」

「おそらく、人質」

「ああ。それぐらいしか襲う理由はないだろうな。おそらく貴族を人質にとってトリステインに無茶な要求でもするんだろうな」

 キュルケの問いにタバサが変わりに答え、ルシファーが頷いた。

「これからどうするの? 賊の艦ごと撃ち滅ぼす?」

 キュルケが杖を取り出して言うが、ルシファーは顔を横に振る。

「賊はもうそこまで来ているし、落しもらしがゲリラ戦を行い泥沼になる可能性もあるからだめだ。俺の力を使えば鎮圧も迅速に行えるが、そんな大きな力を出せば、それこそ今度はトリステインやゲルマニアの軍人貴族がキュルケ達を人質にとって、俺を決戦兵器としてアルビオンへと送るだろう」

 ルシファーは言葉を一度切って続ける。

「だから、ワザと賊を学院に入れる。賊は少数精鋭だろうし、短時間で生徒を捕らえるだろう。そして、交渉と見張りを効率化と篭城するために一箇所人質を集める。俺達は集まったところを銃士隊と協力して打つ」

 ルシファーの作戦にキュルケが眉を顰めた。

「なら、ダーリンは学院の生徒が犠牲になるかも知れないのに見ているだけなの? ダーリンは銃士隊の人たちと仲良かったのに見捨てるの?」

 ルシファーは首を振る。

「そんなわけないだろ。俺は妻じゃなくても抱いた女には愛情を注ぐし、切り捨てるようなマネはしない。学院の人間も世話になったりした奴もいるしな。だから、俺は単独で賊に気付かれないように監視をする。賊を引き込むために見張りの銃士を見捨てるなんてしないさ。気づかれないように『身代わり人形』と入れ替えて助ける」

 そこまで説明してキュルケは笑顔になった。

「うん。やっぱり、ダーリンね」

「うん」

「じゃあ、俺は『遍在』を作って賊の監視、見張りと『人形』の入れ替えをするから、賊が人質を一箇所に集めるまで隠れていてくれ。一応、結界と護衛も渡してあるから大丈夫だと思う」

「分かったわ」

「うん」

 ルシファーは作戦を開始しようと立ち上がって、動きを止めた。

「どうしたの?」

「ん?」

 ルシファーはキュルケとタバサを抱いて囁く。

「誤解するといけないから言っておく。俺は、女は抱くいて愛するが、妻と女はきちんと分ける方だからな。俺はキュルケたちと抱いた事がある女を天秤にかけられたら、俺は迷わず妻を取るし、妻同士が天秤にかけられたら、天秤を壊して両方手に入れるからな」

「ダーリン……」

「…………」

 潤んだ瞳で見つめ返すキュルケとタバサに口づけしてルシファーは、作戦を開始した。











  キュルケたちと別れたルシファーは『偏在』を使用して分身をつくり五人に別れて、空から進入してきた賊を監視を行った。

 ルシファーは遠目で無骨で大きな戦杖を持った隊長格の男、メンヌヴィルが顔に火傷を負い仮面を着けている事と瞳の色から目が見えていないかもしれないと予測し、観察。目は見えていないようだが普通に歩いている事で熱や、振動、様々な可能性を考慮し、完全に存在を消してから行動した。

 とりあえず、見張り役の場所は乱交のときにアニエスがミシェルに話している事を聞いていたので分かっていたので、見張り役の場所に向かい、案の定殺されそうになっていた銃士隊の二人を『身代わり人形』と入れ替えた。

「る、ルシファー殿?」

 驚く二人の口を塞いで賊が来たことと、作戦を説明する。一週間も乱交した仲だ。二人は素直にルシファーの言う事を聞いた。

 見張りを始末し終えたと思って賊の一人が地図を見て、隊長格の男に告げた。

「隊長、目標は三つです。本塔、そして寮塔、そして、こいつらが駐屯していると思わしきこの塔です」

 ルシファーと見張りの銃士は敵の狙いを知り、お互い顔を見合わせ笑う。

「これでやつ等の狙いは確定したな、『遍在』をそれぞれに派遣して監視。作戦通り賊が一箇所に集まったところを始末するぞ」

「なっ!? ルシファー殿はメイジだったのですか!?」

「それに『遍在』って風のスクウェアにしか使えない魔法じゃ!?」

 音声も結界で遮断しているので賊には聞こえないが、ルシファーは一応大声を出さないように注意して、驚く二人に笑顔で言う。

「魔法は使えるが俺は貴族じゃないぞ? それに俺の武芸は純粋な鍛錬で培ったものだし、なにより魔法が使えるからって威張る気はないし、俺は俺だ」

「ルシファー殿……」

 銃士の二人はルシファーの言葉に顔を赤らめた後、すぐに「今は非常時だった!」と表情を引き締めた。

 それからルシファーと銃士たちは、寮と本塔の監視を『遍在』に行わせ、銃士隊の駐屯する火の塔に行き、アニエスたちと合流した。

 アニエスたちはルシファーがメイジであった事を話さなかった少し不快に感じていたが、武芸は鍛錬で得たもので魔法に頼らず、自分は自分だと威張らないルシファーをさらに尊敬した。

「じゃあ、賊達は現在食堂にたて篭もっているのか」

 アニエスがルシファーの作戦内容を聞き、ルシファーの指揮下に入り、現在はキュルケたちと合流し食堂近くに隠れて敵の情報を交換し合っていた。

 賊の姿などから賊の隊長はおそらく伝説の傭兵で『白炎』の二つ名を持つメンヌヴィルだということを知り、他の賊はその配下のメイジという事と、ルシファーがメンヌヴィルは目が見えていないことなどを予測。作戦を伝達させた。

 作戦はまずアニエスたち数名が賊の注意を引くために、食堂の前の扉で賊の要求を尋ねる。

 その間に両側に回り、体温で存在がバレないように温度を下げる氷魔法が得意なタバサと銃士数名、ルシファー(遍在)の部隊を左側に待機させ、右側にはルシファー(本物)がキュルケ、残りの銃士を待機させた。

 それから人質の位置を確認、『遍在』を通して通信。位置でタバサ、ルシファーの『遍在』と銃士が人質救出を行い。ルシファー本人とキュルケ、銃士がタイミングを計って窓をぶち破り、派手に攻撃を仕掛け、それに呼応する形でアニエスたちが正面からドアを破り、タバサの救出部隊の誘導、奇襲を行う手はずだ。

「聞け! 賊ども! 我らは陛下の銃士隊だ! 我らは一個中隊で貴様らを包囲している! 穂と自治を解放しろ!」

 アニエスの『一個中隊』ははったりだ。現在正面にはアニエスを合わせて五人ほどしかいないし、銃士隊は全員合わせて二十人もいない。

 アニエスは作戦通り、賊の要求をしぶしぶ呑んだような演技をして賊たちに待つように言う。

 ルシファーたちはアニエスが大声で「わかった! 要求をのもう!!」と叫んだのをきっかけに窓をぶち破って食堂に奇襲をかけた。

「な、何事だ!!?」

 メンヌヴィルは焦った。さっきまでは何もなかったところからいきなり熱が現れ、さらに熱が広範囲に広がったからだ。

「隊長……!」

「ぐはっ!!」

「げふぁ!!?」

 メンヌヴィルは次々と聞こえてくる仲間の悲鳴に焦り周囲を確認しようと見えない目を見開いていたが、周りは熱が広がり何が起こったか何一つわからなかった。

 メンヌヴィルたちが混乱している間にルシファー達は迅速に作戦を終わらせていた。

 そう。ルシファー(本物)がメンヌヴィルの顔に熱の層を作り視界を塞ぎ、ルシファー(遍在)が生徒たちの縄を解き、銃士が出口へと先導し、タバサとルシファー(遍在)が|殿(しんがり)を務め、食堂の入り口の部隊が脱出を引き継ぎ外へと逃がす。

 ルシファー(本物)とキュルケはなるべく派手に暴れ周りながら敵をしとめていき、銃士は逃げ遅れがないかなどの確認と、賊を逃がさないように監視兼けん制。後続のアニエスと合流して掃討していく。

 作戦開始から五分をしない内にメンヌヴィル以外の賊を掃討し終え、こちらの被害は軽傷者が数名という結果になった。

「さあ、覚悟しろ!」

 アニエスが生き残りのメンヌヴィルに長剣を突き出し、メンヌヴィルをひきつけ、姿を隠したルシファーが後から殺すという計画を実行しようとした時。何故かコルベールがいきなり登場し、メンヌヴィルが二十年前のダングルテールの虐殺を行った隊長がコルベールだと暴露。アニエスが『故郷の仇』と作戦を無視してコルベールに突撃。メンヌヴィルの炎を後から受けそうになったところを、間一髪ルシファーがアニエスを回収。アニエスを庇おうとでもしたのか、コルベールがメンヌヴィルの炎をまともに受けた。

 火傷を負ったコルベールは瀕死になりながらも『火』、『火』、『土』のトライアングルスペル『爆炎』。『錬金』により、空気中の水蒸気を気化した燃料油に変え、空気と攪拌し、そこに点火して、巨大な炎球を作り上げて投擲した。

 メンヌヴィルは『爆炎』をまともに体に受けたが、コルベールが火力を加減してしまったようで殺しきれず、結局アニエスが長剣で後から刺し殺した。

「早く治療を!!」

「わたしは水のメイジよ!!」

 火傷を負ったコルベールにモンモランシーが『水』の魔法で治療していくが、復讐の豪華に燃えるアニエスがコルベールを殺そうとした。

 ルシファーは慌ててキュルケとタバサに念話を行いコルベールが死んだことにして運び出させた。

 暴れるアニエスにルシファーが、メンヌヴィルとコルベールの話を聞いて『コルベールは王軍からの命令を行っただけ』だと指摘し、『銃士隊の隊長のお前も上から命令があれば嫌でも殺さなければいけなくなるだろ』と諭し、泣き崩れるアニエスをひたすら抱きしめ続けた。

 次の日、身寄りのないコルベールの遺体を同じ『火』の系統魔法の使い手のキュルケがゲルマニアに埋めると言い。学院でかんたんな葬儀を行ってからルシファーは、キュルケとタバサの三人とコルベールの遺体入り棺を持って学院からゲルマニアに旅立った。

「それで、結局コルベール先生が『火』のすごい使い手って事で銃士隊の隊長さんの仇だって分かったけど……」

「作戦の邪魔にしかなってない」

 キュルケがコルベールが入れられた棺を見ながら呟き、タバサもキュルケがなにを言いたいのか分かり言葉の先を続けた。

「そうだな……」

 ルシファーも深いため息をつき、襲撃事件で生徒を守ると作戦に介入して、無駄に怪我し、メンヌヴィルに強力な魔法をぶつけるも、賊に手加減してしまい結局、アニエスが止めを刺し、唯一の死傷者(仮)になってしまったコルベールを擁護する者は誰一人として存在しなかった。












 一方、ルイズと才人はアルビオン上陸作戦を任され、『始祖の祈祷書』から発見した虚無の呪文『イリュージョン』という幻術魔法を使い、大量のカカシを作り出し、怯んだ敵を討ち負かしてトリステインとゲルマニア連合艦隊をアルビオン大陸へと上陸した。











 学院からゲルマニアに出発して二日後、ルシファー達はキュルケの実家へ到着した。

「ほほう……、ルシファー殿がそこまで言う方なのですか」

「はい。彼の発明に出資すれば必ず、ツェルプストー家に利益が生じるでしょう」

 ルシファーはツェルプストー家にやってきてすぐに、キュルケの父親にコルベールの売込みを行い。領地に匿う事と研究資金の出資の約束を取り付けたのだ。

 コルベールの研究が成功した場合の成果の説明や、研究資金の半分をルシファーが荒稼ぎした金をツェルプストー家経由で出資するので、キュルケの父親はコルベールの受け入れを快く承知してくれた。

 そういう経緯を経てコルベールはゲルマニアで研究を始め、トリステインの魔法学院には研究が成功してから帰る事に話がまとまった。

 ルシファー達はと言うと、キュルケの実家で家族と一緒に会食したり、領地経営の改善点をまとめた本をキュルケの父親に贈り、喜ばれた。

 キュルケもタバサも久しぶりに親に会えて喜んだ。ルシファーはそんな二人を微笑ましく眺めたり、領地にある小さな森に遊びに行ったりとバカンスを楽しんだ。

 途中、タバサに本を読む約束をしていた日にガリアからまた指令所が送られ、『タバサとの時間を邪魔されるわけにはいくか』とルシファーが速攻で指令を片付けたり、酒の席で周りに聞こえないようにキュルケの母親に夜の相手をしないかと軽く誘われたりした。ルシファーは断ったが……。

 ルシファー達はその後。降臨祭が行われる少し前に住居を砂漠の城に移した。












 その頃。ルイズと才人たちはと言うと、アルビオンのシティオブサウスゴーダを攻め落とした後。降臨祭という事で二週間の休戦になり、降臨祭の空気を『貴族の名誉』を一番に考え、国のために死ぬ事を疑問に思わないルイズと、『貴族の名誉』など知った事ではない命が大切な才人はギスギスしながら迎えていた。











 砂漠では、ブラミル教徒ではないルシファー達は始祖ブリミルの降臨祭という認識ではなく、新しい年の始まりと言うことで盛大に祝っていた。

 降臨祭が始まってすぐ、ルシファーや孤児院の子共達は、ルシファーの妻で孤児たちの母親兼姉のキュルケたちから毛糸で編んだ帽子やマフラー、セーターをプレゼントされた。

 どうやら、はぶられていたのは、このプレゼントが原因のようで、後で聞いてみたところ、縫い物が得意なキュルケとティファニアが、縫い物が得意でないマチルダと、縫い物初心者のタバサに教え込んでいたために、はぶられたようだ。まあ、手作りのプレゼントを作るためだったと知って、すごく嬉しかった。

 ルシファーを始めとする大人組みは孤児達からは廃材を加工した置物や料理、似顔絵などをプレゼントされた。

 ルシファーから妻にはドレスを送り、孤児達には新しい服やおもちゃなどをプレゼントした。

 降臨祭初日をご馳走を食べたり、高級ワインを飲んだり、踊ったりとした後。ルシファーたち五人は後宮に戻った。

 ルシファーは現在、大きなベッドの上で妻達の登場をまだかまだかと待ち望んでいた。

 部屋のドアがゆっくり開かれる。

 まず登場したのは、赤色で露出が普段よりもさらに多いネグリジェに身を包んだキュルケだった。そして、ルシファーがキュルケを絶賛していると、いつもと違う水色のキャミソールを着たタバサで、次に緑色のスケスケのネグリジェ姿のマチルダ、爆乳を強調している胸元のがばりと開いたワンピース姿のティファニアで、ファッションショーデモするかのように一列に並んで、くるりと回った。

 ルシファーは野獣のような視線で射抜き、飛び掛りそうになるのを必死で抑えていたが、キュルケから順にルシファーが厳選して選び送ったエロ下着を見せつけられると、ルシファーの理性は崩壊し、四人の妻に襲い掛かった。











 ルシファーが後宮で楽しんでいる一方。またまたシティオブサウスゴーダでは、出張『魅惑の妖精亭』でギーシュが街の攻略戦の際、一番槍を果たし勲章を貰ったという自慢話で『名誉ある死』にカチンと来た才人がギーシュに「名誉なんかクソくらえだ! 死んだら全部無駄じゃねぇか!」と怒鳴った事をきっかけに、ルイズが「名誉をバカにしないで!」と怒り、色々な不満や戦争への不安でいっぱいになった才人はルイズを店に残して外へと飛び出した。

 飛び出した才人を『魅惑の妖精亭』店長で叔父のスカロンについてアルビオンまで才人を追いかけてきた学院のメイド、シエスタが追いかけた。

 居酒屋の地階の部屋を借り、その部屋でシエスタは才人を押し倒し、なんどもキスをした後。『ルイズが才人を戦争の道具にして無茶な要求をした場合はこれを使って逃げてください』とシエスタは才人に眠り薬を渡していた。

 十日間の降臨祭の最終日。相変わらずルイズとギスギスした関係を続けていた才人は、夜の街を騒がれる爆音に混乱していた。

 あちこちで爆発が起き、兵たちの怒声が響き、兵の一部が反乱した事を知り、味方の反乱に混乱した上層部の貴族や才人たちは、アルビオンに着陸するときに制圧したロサイスまで撤退した。

 ロサイスまで撤退した後。ルイズは『ゼロ機関』という特殊部隊の『兵器』としてアルビオン大陸から撤退する軍の殿(捨石となって敵軍と足止めする)を命令される。

 ルイズに下された命令書を見た才人は、小さなご主人さまで好きな女の子のルイズの代わりに追撃してくる七万のアルビオン軍を足止めする事を決心した。

 ルイズは死ぬ前に結婚したいと才人に言う。才人は表面でルイズの死地に送るような素振りを見せ、ルイズの願いに応じる。

 ルイズと才人は誰もいない寺院で結婚式を挙げることにした。

 杯にワインを注ぎ、誓いの言葉を言い愛の言葉を交わす。

 才人がルイズに告白し、ルイズも才人に告白しようとして、ルイズは意識を失った。杯に才人がシエスタから貰った眠り薬を入れたからだ。

 才人がルイズを抱きかかえて寺院から出ると、ロマリエの神官でイケメンの竜騎士ジュリオが立っていた。

「やあ、使い魔くん」

「何だよお前、覗いてたのかよ。趣味わりいな」

「まったく、指揮をあげるなら呼んでくれよ。これでも神官なんだよ」

 ジュリオは笑顔を絶やさずに、言った。

「ちょうどいい、ルイズを頼む」

 壊れ物を扱うようにルイズを両手に抱いて、ジュリオは応えた。

「任せておいてくれ。無事にフネに送り届けるよ」

 才人は手を振って、寺院に来るために使った馬に跨ろうとした。

「ありがとう。じゃあな」

 そんな才人を、ジュリオは呼び止める。

「どこへ行くんだい?」

 つまらなそうな声で、才人は答えた。

「逃げるんだよ」

「方向が逆だな、そっちはアルビオン軍だよ」

「そうか」

 気にせず馬に跨った才人を、ジュリオはまた呼び止めた。

「一つ聞きたいんだが」

「なんだよ」

「どうして行くんだ? はっきり言うが、きみは確実に死ぬよ。名誉のために死ぬ、そんなのはバカらしいんじゃなかったか?」

 才人はちょっと考えていたが……、やれやれと眉をひそめて首を振った。

「言っちまったからなあ」

「ないを?」

「好きだって、言っちまった」

「あっはっはっは! ばくたちロマリア人のようなおとこだねきみは!」

「いや、好きな女のためというよりは自分のためのような気がする」

「よければその意味を教えてくれ」

 才人はまっすぐ前を見て、言った。

「ここで行かなかったら、好きって言ったその言葉が嘘になるような気がするんだよ。自分の言葉が嘘になるのは許せない。自分の気持ちが、嘘になるのはたまらない」

 ジュリオは額に指をたてて、悩む仕草をした。

「俺、おかしいこと言ってるか?」

「きみは貴族ではないし、ぼくも貴族ではないが」

「うん」

「その考えかたはとっても貴族らしいと思うよ」

「褒めてんのか? それ」

 手綱を握り締め、才人は馬の腹を蹴飛ばした。

 暗くなり始めた道を、まっすぐに駆けてゆく。

 その背を見送りながら、微笑を浮かべて小さくジュリオは呟いた。

「随分と不器用だねぇ。ガンダールヴ」











 シティオブサウスゴーダの南西百五十リーグに位置する丘の上まで夜通し馬を飛ばしてやってきた才人は馬から降り、地響きとなって行軍してくる七万のアルビオン軍を見据えた。

 遠くに武器を持った兵隊、強力な魔法を使うメイジ。大砲。オーク鬼やトロル鬼なんかの亜人、竜騎士、幻獣に跨った騎士。

 才人は恐怖を通り越した声で呟いた。

「はぁ、なんで俺、あんなのに突っ込まなくちゃならねえんだろ」

「わかってて聞くかね。味方が船で撤退しようとしているからだろうが。どうしても時間を稼がなくちゃならないんだろ?」

 伝説の使い魔の剣デルフリンガーが応えた。

「いや、そうじゃなくて……、まあいいや」と才人はため息をついた。

 才人の頭の中で昔の記憶が走馬灯のように駆け巡る。

 才人はデルフリンガーに向かって呟いた。

「なあデルフ」

「なんだね?」

「俺、死ぬのか?」

「たぶん」

 才人は黙り、デルフリンガーを構えた。

 才人がアルビオン軍七万を足止めするための、好きな女の子を守る戦いが……、始まった。














【後書き】




 最初はすぐに炎蛇に移るつもりでしたが、『詩さん』が感想のリクエストを受け銃士隊との絡みをすこしだけ増やしました。

 『yuki』さんのケティは少し難しいですが、なんとか挟み込みたいですね。ケティは小説でもいいキャラしてましたし。

 『あびゃく』さんのシェフィールドはきついです。追加したいのはやまやまですが……どうしましょ……ジョセフからのNTR……いえいえ、なんでもありません……。

 『まかた』さんジェシカは次回予定です!

 『まんたろ』さん今後の展開にご期待を!

 『kazu113』さんの翼人キャラは追加します!

 原作とあまり変わらない箇所は省略というかダイジェクト化します。

 あと、原作離反をもうそろそろ行う予定です。

 でも、バットな感じにはならないのでご安心を。

 あと、ウェールズに憑依転生する話も面白かったし、カトレア一筋の、商人から王様までのし上がる転生モノも面白かったから、内政モノのゼロの使い魔読みたい……。

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