小説『ゼロの使い魔 世界を渡る転生者【R−18】』
作者:上平 英(小説家になろう)

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『第31話 救出といろいろと問題と 前半 』





 ルシファーたちはアーハンブラ城周辺の美しい小さな宿屋町の、小さな居酒屋『ヨーゼフ親父の砂漠の扉亭』に来ていた。

 現在は作戦会議中で、どうやって城に潜入するかを考えていた。

「とりあえず『遠見』の呪文を使って城を調べた限り、城にはやっぱり兵士達が居たよ。しかも駐屯している兵士の数はガリア軍一個中隊どころか、二個中隊はいたよ。兵隊が三百人、貴族の将校が十人ちょいってところかな」

 偵察に行ったマリコルヌが説明した。

「タバサが囚われているのは間違いないみたいね」

 ルイズが呟く。

「じゃあ、さっさと乗り込もうぜ! 早くしないとタバサが」

 才人が席から立ち上がり、城へ向かおうと歩き出す。

「ちょっと! 作戦もなしに城へ乗り込む気なの!?」

 ルイズが才人を慌ててとめる。

「じゃあ、どうするんだよ!」

「あんた、やっぱりヘンよ! 姫さまから騎士の称号貰って騎士団つくったり、もとの世界に帰る手段を捜そうともしないし、ヘンな使命感に目覚めてるし、どうしちゃったのよ!!」

 ルイズと才人が言い争いを始めてしまう。

 ルシファーたちはやれやれと二人に言う。

「さっきも説明しただろう。あの城には兵隊に加えて『エルフ』もいるんだぞ。それに『エルフ』を傷つけたとしてもハルケギニアでは問題にならないが、ガリアの兵隊を俺達が過剰に傷つけたり、殺害すると、最悪の場合は国際指名手配だぞ?」

「そうよ。派手に乗り込んで兵隊倒しちゃったら、タバサを救い出しても一生追われる身になるのよ」

 ルシファーとキュルケの言葉に意気込んでいた才人は自分の間違いに気づいて席に座りなおした。

「じゃあ、兵隊を倒さないでどうやってタバサを救い出すのよ」

 モンモランシーが呟く。

「それならいい手がある。今の俺らは旅芸人なんだから、旅芸人らしく城に忍び込めばいいだろう」

 ルシファーが悪い笑みを浮かべる。

「作戦を説明するぞ。まあ、作戦と言っても簡単だが、まずこのオアシスの酒を買い占める。そしてその酒に『眠り薬』を入れる。芸と酒を売るという名目で城に潜入。眠り薬入りの酒を飲ませる。俺とキュルケが城に潜入してタバサと母親(身代わり人形)を回収。といった手順だ」

「それはまた口で言うのは簡単だけど、実際は難しいわね。どうやって酒を全員に飲ませるの?」

「だから『芸』を売るんだよ。場を盛り上げれば酒のペースは上がるだろ」

「芸を売るって、まさか、私達が踊るの!?」

 モンモランシーが顔を真っ赤にして叫ぶ。

「まあな。幸いオアシスでルイズの衣装も手に入れたし、美人の踊り子が五人も入れば盛り上がるだろ。それに酒を飲まない奴には気づかれないように魔法で眠らせればいいだけだし、『エルフ』は基本無視。俺がいないときに『エルフ』と戦う事になったら時間稼ぎをしてくれ、俺が倒すから」

「そ、それなら……」

 ルイズとモンモランシーはしぶしぶと了承した。










 アーハンブラ城への潜入は簡単に済んだが、現在のルシファーの機嫌は悪かった。

「もう、ダーリンったら、そんなに心配しないでも大丈夫よ」

 キュルケがルシファーに抱きついて頬にキスをする。

 何故、ルシファーが機嫌が悪いかというと、城に駐屯している将軍がキュルケに『後で個人的に取調べする』などと下種な視線でキュルケの体を見ながらそう呟いたからだ。

「おい! そろそろ始めないと兵士達が怒るぞ!」

 才人の呼びかけを聞いて、耳を澄ませば、城の広場に急遽設置されたステージに向かって兵士達の「早く始めろ!」などという野次が飛び始めていた。

「……みんな。作戦は変更だ」

「なっ!?」

 ルシファーの突然の言葉に踊りを売る準備をしていた面々が固まる。

「なにを言ってるんだよルシファー!」

「そうよ! どうしたのよ!!」

 才人やルイズたちがルシファーに詰め寄る。ルシファーは真剣な顔つきでキュルケを抱いて宣言するように堂々と言った。

「俺は、キュルケをあんな好色将軍のところにやるなんて嫌だ!」

「ダーリン……」

 キュルケがルシファーに抱きついて桃色の雰囲気をかもし出す。周りはやれやれといった表情になり、その代表としてギーシュが呟く。

「じゃあ、どうするんだね。キュルケを抜いて踊りをさせるのかい?」

「いや、俺はキュルケが踊りを見せる事自体には別にいいと思う、が、あの好色そうな将軍のことだ踊りぐらいじゃ酒を飲まないだろう」

「だからどうするんだね?」

 ギーシュの問いにルシファーは言葉を溜めて言った。

「俺が……、歌うんだよ」











「ほんとに大丈夫なんだねルシファーは」

 ギーシュはステージの上でギターを持って立っているルシファーを見ながら呟いた。

「それは分からないわ。あたしはダーリンの歌なんて聞いたことないし」

 キュルケがギーシュに向かって答えた。

 キュルケたち残りのメンバーが舞台袖でルシファーを見守っていると、ルシファーがギターを弾き始めた。

 テンポが速く、心が踊り出すような演奏に、兵士達の野次は収まる。

「初めて聞く曲だが、上手いな」

 ギーシュが呟いた。広場がルシファーの奏でるギターに支配される。

 演奏で魅了され始める兵士。ルシファーは広場の視線と関心が自分に集まる瞬間を狙って叫ぶ。

「俺の歌を聞けぇぇぇえええええええええええ!!!!!!!!!」

『おおおおおぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜〜!!!!!

 ルシファーの叫びに呼応するように魅了された兵士達も叫び声を上げる。

「行くぜ! 特攻ラブハート!!!」

 ルシファーはギターを高速で弾きながら歌い出す。

 ルシファーの世界で流行った。人型に変形する戦闘機に乗って歌で戦争を止める伝説のロックスター。『熱湯バサラ』の曲だった。

 ルシファーはその歌手に以前出会い歌の手ほどきを数年かけて指導もらっていたのでかなり上手かった。

「上手いわね」

「すごいな……」

「お兄さまってお歌が上手かったのねーー!!」

「すごいわダーリン!!!」

 ルシファーの歌に舞台袖に居たルイズたちまで心を奪われる。イルククゥは爛々と歌にあわせて体を揺らし、キュルケは瞳を輝かせながら聞きほれていた。

「次だぁぁああああ!!!」

『うぉぉぉおおおおおおお!!!!』

 ルシファーの歌声に兵士達は席から立ち上がり、興奮したように叫びながら酒を飲む。兵士達ははじめは美女の踊りと酒を飲めるというだけで広場にやってきたが、傭兵風の服装の男のルシファーの演奏に、好色そうな将軍や硬い軍人、見張り役の兵でさえ心を奪われていた。

 ルシファーは眠り薬が効き始める一時間になろうかというところで、演奏をゆっくりバラードのようなおとなしい演奏にかえた。

 好色将軍などを含め兵士達は全員眠り薬入りの酒を飲んだようで、ひとりまたひとりと眠り始めていた。

 演奏が終わると同時に広場に居たモノたちは眠りに落ちた。

「終わりだな」

「ダーリンっ!! もう最高よ! なんで歌が上手い事を隠してたのよぉ!」

 キュルケはルシファー抱きついた。すっかり興奮しているようでなんどもルシファーの頬にキスをした。

「ちょ、キュルケ……」

 ルシファーは抱きついてくるキュルケをなんとか宥めて言う。

「いつかは聞かせるつもりだったんだよ」

「じゃあ、また聞かせてくれるのね!!」

「ああ、何度でも聞かせてやるよ。それよりも今は先にタバサを助けに行こう」

「ええ! そうだったわね!」

 ルシファーとキュルケは未だにどこか放心しているルイズたちを広場を任せて、タバサが囚われている場所へと飛行した。ちなみにイルククゥは隠密に向いていないので広場に残している。

 ちなみに、将軍には酒を確実に飲ませるために、『洗脳』の魔法を将軍にかけていたことはみんなには秘密だ。











 タバサはアーハンブラ城の一室で、本を読んでいた。

 いつも読んでいた『イーヴァルディの勇者』という本で優しい勇者の話だ。

 タバサは数日前、ルシファーがいない時にガリアからの指令所が来て『才人を殺す』という任務を請負い、失敗した。知り合いを殺せなかったのだ。

 タバサは任務を失敗した事で『シュヴァリエ』の称号を失い、母親(身代わり人)を人質に国に出頭するように言われた。

 母親は偽者だったので無視してもよかったが、タバサは無視すると母親が偽者だったという事が気づかれ、ゲルマニアにいる本物の母親に危害が及ぶかもしれないと思ってしぶしぶ応じたのだった。

 タバサは実家であるオルレアン邸に向かい。エルフの先住魔法に倒されてしまい。アーハンブラ城に幽閉された。

 エルフでビダーシャルと名乗った男が母親と同じように心を奪う薬を飲ませると言ったときは怖くなったが、すぐにその気持ちは払拭される。

 タバサの母親(身代わり人形)を通してルシファーが会話して来たからだ。

 会話の内容は六割が説教で残りがタバサの身を案じる内容だった。

 ルシファーはもうそこまで着ている。幽閉された部屋まで届いた歌声はルシファーのものだった。

 タバサは本を閉じた。自分の勇者様がもうそこまで着ている。

 コンコン。窓がノックされる。

「やあ、お姫さま。あなたの勇者が救いに来ましたよ」

 振り返るとわたしの勇者様が笑顔を浮かべていた。










 ルシファーは音もたてずに窓の鍵を壊して部屋に侵入すると、タバサを抱きしめた。

「まったく、心配させやがって……」

「ご、ごめんなさい……」

 タバサはルシファーに抱きしめられた事で今まで感じていた不安が噴出し、涙をこぼして大声で泣き始めた。

 キュルケは二人の雰囲気を読んで、黙って『サイレント』を部屋にかけた。

「ほんとに心配したんだからね」

「キュルケ……、ごめんなさい」

 キュルケも涙を浮かべてタバサを抱きしめる。

 それからしばらく抱きしめた後、ルシファーとキュルケは部屋から脱出するために立ち上がる。一応、母親が偽者だという事がバレないようにルシファーが母親を肩に担ぎ、キュルケとタバサは自分に物をを浮かせる魔法『レビテーション』を使って部屋から脱出した。

 ゆっくりと地上へ向けて降下していると、広場の方で大きな音が聞こえた。どうやらなにかあったようだ。

「急ごう」

「ええ」

 キュルケ達を視線を合わせたルシファーは速度を上げて音がした方へ向けて移動する。

 移動したルシファー達が見たものは、エルフと戦闘しているルイズたちだった。

 ルシファーが加勢に行こうとした瞬間。ルイズの『虚無』の詠唱、『解除(ディスペル)』が唱え終わり、才人の長剣デルフリンガーに纏われ、エルフに向かってその剣を振り下ろした。エルフの先住魔法『カウンター』で弾かれる。と思いきや、『カウンター』の障壁をデルフリンガーが切り裂き、エルフにダメージを与えた。

 エルフは忌々しげに呟く。

「シャイターン……。これが世界を汚した悪魔の力か!」

 適わぬと見て取ったか、エルフは左手を右手で握り締める。指輪に封じ込められた『風石』が作動する。ビダーシャルは糸で引かれた人形のように、宙に飛び上がった。

「悪魔の末裔よ! 警告する! 決してシャイターンの門へ近づくな! そのときこそ、我らはお前たちを打ち滅ぼすだろう!」

 空えと消えていくエルフを見つめながら才人たちはへなへなと地面に崩れ落ちた。ほっとして気が抜けたのである。

「よくやったなサイト。まさかエルフを倒すとは思わなかったぞ」

 ルシファーは怪我を負った才人たちに水魔法を使って回復させる。

「ルシファー! 無事にタバサを助け出したのか!」

 回復した才人がルシファーの隣にいるタバサとタバサの母親に気づいて尋ねる。

「まあな。これで救出作戦終了だ」

「みんな、ありがとう」

 タバサがいつもの無表情を崩して、お礼を言った。

「タバサって笑ったら可愛いんだな……」

「ああ……」

 才人の呟きにギーシュが同意し、その後ルイズとモンモランシーに耳を引っ張られていた。

 ルシファーとキュルケは笑いながら呟く。

「あとは、トリステインに戻るだけだな」

 言った瞬間。トリステイン組みは固まってしまった。

「……………………そ、そうだった……」











 タバサを救出した一行はとりあえず、フォン・ツェルプストーの領地へと向かった。タバサの母親(偽者)がツェルプストー家に連れて行ったと才人たちに見せるためだ。

 キュルケとタバサは恩人を騙すようで少し悩んだが、『ここで母親の事が偽者だとばらせば直接トリステインに向かう事になる。そうなればガリアは小国で弱いトリステインにタバサの母親を匿ったとして戦争を仕掛けるかもしれない。ゲルマニアなら、もしばれても大国なので戦争になる可能性は低くなる』というルシファーの説明に納得したようだ。

 ルシファーたちは敵からの追撃もなく、結界とルシファーの索敵能力もあり、安全にツェルプストー家に着き、屋敷で旅の疲れを癒した。











 フォン・ツェルプストー家にはキュルケの他にも子共がいるので、次期当主はすでに存在し、領民にはキュルケは一国の王に嫁入りすると説明されていて、さらに、ルシファーとキュルケの婚姻が決まってから、フォン・ツェルプストー家の領地収入が潤いに潤っているので、ルシファーとフォン・ツェルプストーの人間との仲は良好。いきなりガリアからトリステイン人の友人を連れてきたとしても嫌な顔されずに、むしろ手厚い歓迎を受けていた。

 現在、ルシファーは屋敷の一室で救出隊の男勢(才人、ギーシュ、マリコルヌ)の四人でワインを傾けていた。

「お前ってほんとにキュルケと結婚するんだなぁ……」

 才人が羨ましそうに呟いた。

「まあな。まだ正式な婚姻はまだだが」

「いいなぁ……」

 同じ使い魔でも、すでに両親に結婚まで認められているルシファーに才人は羨ましそうに呟き、モンモランシーとの仲がなかなか進まないギーシュもうんうんと頷き、マリコルヌにいたってはワイン壜に直接口をつけて飲んでいた。

「俺はルイズに一度も好きだと言って貰ってないんだぁ……」

「僕なんかモンモランシーずっと一緒にいるのにキス止まりで付き合っているかすらもわからない……」

「僕なんか! 僕なんか! 女の子と付き合ったことすらないのにぃぃいいい!!!」

 三人の悲痛な叫びが部屋の中で木霊した。

 ルシファーは自棄酒を飲む三人にひたすら酒を注いでやった。

 こりゃあ、キュルケの他にシャルロット(タバサ)と、ティファニアにマチルダのあと三人も嫁がいるとは言えないな……。











 ルシファーたち男組みと別に女組み(キュルケ、ルイズ、モンモランシー)でも、ワインを飲みあいながら語り合っていた。ちなみにタバサとイルククゥはタバサの母親(本物)のところで睡眠中であった。

「あんたってほんとにあの男と結婚するの?」

 ルイズがワインをちびちび飲みながら、キュルケに向かって呟く。

「ええ、そうよ。当然じゃないの」

 キュルケは嬉しそうに言う。

「で、でも、あああ、あの男って酒場の女の子なんかにも手を出してたのよ? 浮気ばかりする男のどこがいいのよ」

「ふふふっ、あなたは浮気浮気って言うけど、彼はきちんと『妻』と『遊び相手』には一線をきちんと張っているわよ。それに、男の大半は浮気する生き物だし、隠れてされないだけマシじゃないの。ふふふっ、どこかの誰かさんたちみたいなマネはしないわ」

「どっ、どこかの誰かさんって誰よ! どこかの誰かさんって!」

「それはもちろん、あなたたちよ」

「なんですってぇ!!」

「まあまあ、落ち着きなさいよルイズ」

 キュルケに飛び掛ろうとしたルイズをモンモランシーが止める。

 キュルケはワインを飲みながら呟く。妖艶な女の顔で。

「まったく……、あたしが言いたい事はね。あなたたちもいつまでも子共のままの恋愛でいいのか、ってことなの」

「またわたしの事を……」

「言っておくけど体が子共って言う事じゃないわよ? あたしが言っているのは心の事」

「「心?」」

 ルイズとモンモランシーが分からないと呟いた。

「あなたたちの心って純粋って言うか、幼すぎるのよ。男は潔癖で自分だけを見ていないと許せないって、自分に自信がないのが見えみえで、他の女に好きな男を取られて自分が捨てられるかも知れない。逃げられるかもしれないっていつも怯えて、相手をガチガチに束縛する。……でも、相手を束縛するだけでなんの見返りもない。あなたたちって恋の駆け引き以前に子共の恋なのよ」

「「…………」」

 キュルケの言葉に黙ってしまう二人。

「あたしたちはお互いの事を信じ合ってるの。それこそ魂までね。ダーリンはあたしを捨てない、見捨てない、裏切らない。あたしもダーリンを捨てないし、見捨てない、裏切らない。あたしと彼は切れない絆で繋がっているの。……まあ、確かにダーリンは色んな女にてを出したりするけど、それはあたしに会う前からで、しかも、『ハーレム』、後宮をつくる種族だからこればっかりは仕方ないわね」

 キュルケははっきりと言う。胸の奥熱く滾る物がルシファーとの繋がりと愛を証明してくれる。

「でも……」

「好きな男の子が他の女と一緒にいるのは……」

 ルイズとモンモランシーはまだ納得がいかないみたいにキュルケを見る。

 キュルケはちょいちょいとそんな二人に顔を寄せるように指で誘うと、決め手となる言葉で、ある意味爆弾を投げた。

「あたしも最初からダーリンが他の女を抱く事を許したわけじゃないのよ」

「じゃあ、なんで今は平気なのよ?」

「そうよ。何があったら浮気を許せるようになるのよ?」

 キュルケはうふふっと笑うと満面の笑みで呟いた。

「ダーリンって、…………すごいのよ」

「「…………なにが??」」

 二人は一言だけじゃ足りないようだ。

 キュルケはやれやれと教える。

「そりゃあ、なにって言ったら、『ナニ』よ。決まっているでしょ? ダーリンってあっちの方がすっごく強いのよ」

「な、ななな! なに言ってるのよ!!」

「ああ、あああんたってなんでそういつも色ボケなのよ!!」

 キュルケは初心すぎる反応を見せる二人に、頭を抱えた。二人ともキスまで済ませているはずで、ルイズにいったっては同じベッドで眠り始めてから半年以上経っているのにこの反応は年頃の娘としては駄目だろうと思った。

「まったく……、好きな男とならヤッテ当然でしょが、あなたたちこそ初心すぎてコッチが逆に引いちゃったわよ……」

「う、う、うるさいわよ!!」

「余計なお世話よ!!」

 ルイズとモンモランシーは顔を真っ赤にして怒鳴った。

「まあ、いいわ。話を続けるわよ? ダーリンはあたし一人じゃ、とても相手できないほどの絶倫なのよ。しかもテクニックも最高だし、男らしいし、経済力なんかもとんでもないし、包容力も最高! 一緒にいてすごくドキドキするの! それも『微熱』が『灼熱』に変わるほどにね! ダーリンは普通の男なんか相手にならないほどの愛を注いでくれるの! そう、そうよ! 夜の秘め事の際なんか特にすごいのよ!」

 キュルケは両手を一度大きく広げて、自分の体を抱き、幸せそうに呟く。ルイズとモンモランシーはキュルケの話に興味があるようでを真っ赤になりながらも聞き続ける。

「ダーリンのってこれぐらいはあるのよ」

「な、そ、そんなに大きいの!?」

「男の子のってそれぐらいが普通なの?」

「そんなわけないじゃない。ダーリンが特別なのよ。でもね、普通のサイズでもこれぐらいはあるそうよ」

「そんなのがついてるの……」

「サイトにも……」

「でね、初めて挿入る時はお腹を押し上げられてるみたいできつかったし、あたしは多くの男と付き合ってたけど、セックスはしたことなかったから処女だったの」

「え、そうだったの?」

「はっ、初めてってやっぱり痛かったの?」

「ふふふっ、少しだけピリッとして痛かったには痛かったけど、ダーリンが上手だったからすぐに気持ちよくなって最高の一夜になったわ」

「そ、そうなの?」

「あんまり痛くないんだ……」

「ああ、一応注意しておくわね。あたしのときは相手が数えきれないほどの女を抱いた経験者で、女の扱いに慣れていて、あたしの愛するダーリンだったからよ。家のメイドに聞いてみたら、体外の娘は初めてはすごく痛いそうよ。なんでも傷口を擦られるぐらいで、下手な男にあたったら傷ついちゃったり、トラウマになるぐらいにね」

「そ、それは……」

「いやね……」

「そうそう、ダーリンってアレの量もすごいのよ」

「アレって……アレよね」

「あ、あんた! それしちゃったら子共が出来るんじゃないの!?」

「あら、ルイズ。あなたも少しは知ってるじゃないの。そうよ、普通なら子共が出来るわね。でも、大丈夫よ。今は作る気もないから魔法の秘薬できちんと避妊してるのよ。まあ、いずれは欲しいし、彼もあたしを孕ませる気満々だし、遠くない未来生まれるわねっ」

「孕ませるって……」

「…………ぅぅぅぅ」

「ああ、あなたたちも避妊薬が欲しいならあげるわよ?」

「「…………」」

 そこからルイズとモンモランシーは永遠とルシファーのすごさをキュルケから話され続けるのであった……。














【後書き&アンケート結果!】



 アンケートを閉めきりました!

 短い期間のアンケートでしたが100件以上もアンケートをしてくれた皆様に感謝しています!


 では、集計結果です!


・1位  ネギま!                 38票

・2位  toLOVEる                 37票 

・3位  コードギアス               36票

・4位  学園黙示録                35票

・5位  真・恋姫無双               31票

・6位  セキレイ                 28票

・7位  NARUTO               27票 

     ONE POCE     

・9位  境界線上のホライゾン           25票

・10位 機動戦士ガンダムSEED         24票

・11位 エヴァンゲリオン             23票

・12位 FAIRY TAIL           15票

     Fate

     ブリーチ

・15位 バカとテストと召喚獣           14票

・16位 精霊使いの剣舞               8票

     ギルティ・クラウン

・18位 つきツキ!                 5票

・19位 機巧少女は傷つかない            4票






 と、なりました〜!!  まさかの0票がなかったので嬉しいです!


 とりあえず1位〜4位までの二次創作を書くことにします!!

 現在の小説と平行執筆なので更新は遅いですが、頑張って執筆します!

 なお、他の作品につきましても、手が開けば取り掛かろうと思うしだいです!




 最後に次回予告!

 

 カトレアさんにフラグ立て!?

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