小説『ゼロの使い魔 世界を渡る転生者【R−18】』
作者:上平 英(小説家になろう)

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『第39話 人員確保! メイド修行開始! 』





「まったくもうっ、髪も髪もベトベトするわ」

「ゴメンゴメン」

「胸を揉みながら謝られても説得力がないわ」


 先日の夜から次の昼まで盛ってしまい、先ほど夜もふけた頃に目覚めて、お互いに行為の残り香と体液で汚れ、部屋にも飛び散っているままでは寝れないと、部屋の掃除をして、現在はベッドの上でルシファーはジャネットの体を清めていたのだ。

 当然、【浄化】の魔法を使えば一瞬で全ての汚れが落ちるのだが、ルシファーは騎士で『元素の兄弟』のジャネットに未知の魔法を見せるべきではないと判断して、手間をかけて部屋の掃除をしたのだ。

 そして現在、ルシファーは部屋の掃除を終わらせ、楽しみにしていたジャネットの掃除に取り掛かっていた。

 ある程度の体液を拭き取ったジャネットをベッドに座らせて、桶に溜めたお湯とタオルを使い清めていく。

 ジャネットの紫色の鮮やかな髪を丁寧にタオルで拭いたり、その柔らかく真っ白でスベスベとした肌をゆっくりと、丁寧に清めながら、役得とルシファーはその美しい胸や、ヴァージンピンクでぷにぷにしたオマンコやスラリと細い四肢に手を這わせた。

 まるで下僕のように嬉々として女の体を拭くルシファーの様子に、ジャネットは呆れて体を自由に触らせた。

「はぁ……」

 なんで触られて嫌な気持ちにならないのかしら? ジャネットはルシファーに触られて気持ちいいと感じている自分自身にも呆れてため息をはいた。

「ん? どうした?」

「……なんでもないわ」

 それから二時間……。

 ジャネットはたっぷりと、ルシファーに文字通り、全身を清められた……。











 翌日の朝、ルシファーはジャネットと別れて当初の目的へ向けて動き出した。

「さてと……、始めは馬車を買いたいが……。ハルケギニアの馬車は簡易な造りで性能が悪いからな。これは自分で作った方が早いし、金もかからないな」

 それに目的のメイドは奴隷商から買い上げる予定だし、買う数も多い、馬車は丈夫で、馬も生き物だったら、定期的に馬も休ませないといけないし……。

 ルシファーはメイドの人員をガリアからゲルマニア、トリステインと渡って奴隷を集め、教育してメイドにしようと考えていた。

 始めはロマリアに溢れた難民を国民にしようと考えていたルシファーだったが、ガリア王国で情報収集したり、実際にロマリアを観察して、諦めた。

 ロマリアの難民は始祖ブリミルを心の底から信仰し、妄信していたからだ。

 新魔国にはハーフエルフであるティファニアもいるし、国王であるルシファーは人外。そこにブリミル教徒の難民を入れれば、かなりというか、確実に争いが起きる。

 建国してすぐにそんな火種を孕みたくなかったのだ。

 逆に、身寄りの無い奴隷の娘達だったら、1日を3年にしたとしても、もともと外に身内がいないので、さほど時の差に困る事はないし、ハルケギニアから新魔国へ連れて行っても、誰にも気にされる事はないのだ。

 ちなみに、今回購入する奴隷は全員女だ。

 これは奴隷に女が多い事が起因する。

 ハルケギニアでは男と女の価値に明確な差が出ているのだ。

 男は家を継げるし、多く働けるので口減らしで売られる場合も、女が優先で、男の奴隷もいるが、男の奴隷は力仕事や警備員などと使い道が多いのですぐに買われるか、そのまま強制労働させられていた。

 女の場合は男よりも働けないし、立場が弱い。

 そのために女の奴隷は多いし、そもそも、ルシファーは女に優しい分、男には厳しいタイプなのだ。

 これは男として本能的なモノと言えるだろう。

 男が男に厳しいのは当たり前だ。

 それと、奴隷を買う代金や国を回すために金の方の心配もない。

 ルシファーはトリステイン王国とアルビオン、レコン・キスタと戦争する際に土を練成して両軍に装備を売り払ったり、ハルケギニア大陸中を回って賞金首を狩ったり、元土くれを練成して宝石や金を作って名のある貴族達に売ったりと、大陸全土から金を巻き上げて荒稼きしていたので、現在新魔国の金庫には800万エキューほどの大金が納められていた。

 ちなみに割合は金貨2割、新金貨1割、銀貨2割、銅貨5割だ。

 さらに宝石や金塊もまだ多く存在しているので、国民はいないが、ハルケギニア大陸で一番の大金持ちの国だった。

 ルシファーはとりあえず30人ほど乗れる屋根付きの馬車と、牽引する馬型のガーゴイルを2頭を二組、魔法を使って作成した。

 そして、二台の馬車を人型ガーゴイルに見張らせてから、あらかじめガリア王国で情報収集した奴隷商人の店と、奴隷のオークション会場へと向かう。

 そして、一方その頃宿屋では……。

「何よこれ!? 2万エキューも、しかも全部金貨で入ってるじゃない!!? こんな大金をぽいっと差し出すあいつって何者なの!? こんな大金、お兄さまたちにどう説明すればいいのよ……」

 ルシファーが差し出した大金が入った袋を、苦笑いで、わなわなと震えた手で持つジャネットがいた……。










 ルシファーは奴隷商の店へと向かう。

「おお、これは貴族の旦那」

 店の扉を開けると丸く肥えた男が、マントを羽織り、杖を腰の見える位置に挿して貴族に偽装したルシファーにへこへこと頭を下げてきた。

「商品は?」

 ルシファーはいつもの柔らかい態度ではなく、冷徹な貴族の態度で平民に向かって一言呟いた。

「へい、こちらに」

 奴隷商人の男はルシファーの態度にも笑顔を浮かべたまま、奥の部屋へと案内する。

 奥の部屋には木で出来た牢屋が二つ並んで置いてあり、左側の牢屋には簡単な麻の服を着た男達が座っており、右側には同じく麻の服を着た女達が座っていた。

 二つの牢屋は汚く汚れていて、牢屋の中の人間はそろって足にロープが括られていた。

「旦那。いかがでしょう?」

 奴隷商の男が尋ねる。

 ルシファーは目的である女の牢屋の前に立ち、中を見る。

 牢屋の中には8人。

 10にもならないだろう女の子が6人、15〜20ぐらいの傭兵風の気の強そうな女が2人だけ他と違い、奥の壁に並んで殺気をふりまいていた。

「ふむ……」

 ルシファーが牢屋の女を見ていると奴隷商が、商品の説明を開始してきた。

 なんでも10にもならない女の子達は口減らしや借金で売られた子共で、壁際で殺気をふりまいているのは、もともと二人組みの傭兵でどこぞの領主に逆らって、先日奴隷商に売られてきたそうだ。

「では、全員貰おう」

「へ?」

 ルシファーが呟くと奴隷商の男は間抜けな声を漏らした。

「全部買う、と言っている」

「へ、へい! 少々お待ちを……」

 奴隷商の男はこりゃあ、上客だ! といやらしい笑みを浮かべて部屋の奥にいた痩せた男を呼びつけ女達を牢屋から出す用意をさせた。

 ルシファーは奴隷商の男に堂々とした態度で終始あたり、馬鹿な貴族ではないと印象付けていたので、奴隷商の男は下手に値段を吊り上げれば殺されると、恐縮した様子で女達の値段を教えた。

 結果、10歳以下の女の子は相場である5エキューとなり、傭兵風の2人は汚れていて態度こそ悪いが、元傭兵で、働き盛り、おまけに処女ということで1人70エキューとなった。

 10歳以下の女が安いのはあまり働けず、無理に働かせて途中で死んでしまう事が多いからだ。

 平民の女の相場は30エキューが相場だが、2人は元傭兵で、誰の手も付けられていない処女という事が値段を吊り上がり70エキューとなったのだ。

 女の子6人で30エキュー、そして傭兵風の女2人で140エキュー。

 全部で170エキューだが、全部買うという事で150エキューで商談は成立した。











 ルシファーは150エキューを奴隷商に渡して、奴隷商から女達を渡された。

「じゃあ、行くか」

 ルシファーはとりあえず馬車を置いた場所まで帰る。

 そして、馬車に着くと見張りのガーゴイルを解除して女達に向き直る。

「さてと……、とりあえず自己紹介でもするか」

 先ほどまでの冷徹な雰囲気がなくなり、ロープが解かれた事に女達は目を見開いた。

 傭兵風の女が女の子達を庇うように前に出て、ルシファーを睨む。

「まあまあ、うん。次の街に行かないといけないし、話しは移動しながらしよう」

 ルシファーはその視線を軽く受け流して馬車の荷台に乗るように指示し、女達も荷台に乗り込んだ。

 魔法で動かしているのでルシファーも荷台に乗り込む。

「俺の名は、ルシファー。ルシファー・ベルモンド・サーゼルベルグ。態度が変わって驚いてると思うが、これが地だからな。さっきのは、舐められないために見せただけだ」

 ルシファーが砕けた態度で自分の名を教えた事で場の空気がほんの少しだけ緩くなり、女達は恐る恐る警戒しながら自分の名を呟いた。

 二人組みの用兵風の女は、

 肩下まで金髪を伸ばし、青い目、均等のとれたスタイルに、冷たい印象を受けるつり目、赤い唇が印象的な18歳、クリスティーヌ。

 黒色がほんの少し混じった濃い青色の髪、翠目、胸が少し大きめで肉つきがよい、女らしいスタイル、気の強いだろう真っ直ぐな瞳と剣士という雰囲気を漂わせている。17歳、ルキニア。

 他の女の子達は、

 キャリー、8歳、金髪。

 ジェニ、9歳、赤髪。

 ロザ、6歳、金髪。

 アマンダ、9歳、薄い緑色の髪

 ミーシャ、7歳、薄い栗色の髪。

 ミーナ、6歳、濃い栗色の髪。

 ちなみにミーシャとミーナは姉妹で、肉付きはほとんど大差がない。

「じゃあ、自己紹介が一段楽したところで、まずは汚れた体をどうにかしないとな」

 ルシファーは呟きながら、物資の収容できる袋から、8つ桶を取り出して腰の杖を振るうモーションを見せて、桶の中にお湯を溜め、白い大きなタオルを人数分手渡した。

「こ、これは……?」

 白いタオルとお湯を渡されて戸惑う女達を代表して、クリスティーヌが尋ねる。

「これで体を洗うんだ。ん……? 洗い方が分からないか?」

「い、いえ……、えっと……、使っていいんですか?」

 ルシファーはああ、そうか……、と理解した。

「始めに言っておけばよかったな。俺はお前達を『奴隷』として扱う気はないって」

「え!?」

 その言葉に女達は驚く。

 奴隷は買われたら、買った者の所有物になり、どんな命令にも従わなければならないと知っていたからだ。

 敬語に慣れていないのだろうルキニアが、何か裏があるのか? と疑いの眼差しを向けて尋ねる。

「な、なんで……、ですか?」

 ルシファーはそれは……、言葉を溜めて注目を集めさせると笑顔で呟いた。

「俺の国でメイドになってもらうからだ!」

「め、メイド!?」

「俺の国って……、王様……?」

 声を上げる元傭兵達を無視してルシファーは呟く。

「最近土地に住み始めたんだが人がいなくてな。お前達には国民になってもらって、さらに城のメイドになってもらいたいから買い上げたんだ」

 子共達もその話を聞いて驚くがルシファーは話をやめない。

「これからまた隣街で行われる奴隷のオークションで人員増やして、次にラグドリアン湖からトリステイン、ゲルマニアと行く先々で人員を増やしながら、最後に国に帰ってメイドとして育てる計画だ」

「「「「…………」」」」

「あと、俺はものすごい女好きだから、体の洗い方が分からなかったり、洗って欲しかったら遠慮なく言ってくれ」 

 ルシファーが爛々と語る計画に呆れはじめる元傭兵達に、話についていけない女の子達だったが、さらに締めくくるように呟くルシファーに全員が呆れた……。












 奴隷商からルシファーに買われた元傭兵のクリスティーヌとルキニアは、ルシファーからの破格とも言える待遇に驚いていた。

 黒髪と黄金の瞳で服も一流で、ただものではない雰囲気で、そこらの貴族とは違う男だとは思っていた二人だったが、ここまで大物とは思わなかった。

 奴隷になったら、まともに生きる事の出来ない泥水を啜るような生活が待っている事を知っていた二人はなおさらだった。

 体を洗えと言われ、洗うところをずっと見られてはいたが、桶の水は冷たい水ではなくお湯で、しかも、綺麗なタオルを与えられ、麻の服から普通の、新品の服まで与えられた。

 その後も食事を与えられたが、固いパンなどではなく、美味しい柔らかなパンと干し肉、ワインまで与えられ、さらにルシファー本人も一緒になって同じものを食べたのだ。

 2人は馬車の荷台で一緒に眠るルシファーが襲ってこないか警戒していたが、その気配はない。

 それに牢屋の中で、いつ買われてしまのかと怯えていた子共達が、たった半日で笑顔にしてしまったのだ。

 毎日怯えて過ごし、心を閉ざしていた子共達が……、領主にだまされ理不尽に奴隷商に売られ、すべてに憎悪していた自分達まで笑顔を浮かべてしまいそうになるほど、ルシファーは温かく大きな存在だった……。

「よし! 最下位はクリスティーヌとルキニアだな!」

「お姉ちゃん達、あと一回負けたらすっぽんぽんだね!」

「あと、1まーい!」

「脱がすー!」

 移動中の遊びで負けた人間の服脱がすという、教育に悪いゲームをするほどエッチなのが、欠点だったが……。

 まあ、無理矢理強要して物のように扱わないし、優しいから、これぐらいはサービスしてもいいか、とルシファーに与えられたショーツ一枚になって次の勝負に挑む元傭兵で、メイドに就職予定の2人だった……。











 それから、ガリア王国で一番大きいとされている奴隷オークションでルシファーはさらに37名を増員し、ラグドリアン湖につくまでの街で15名をさらに増員した。

 そして、馬型のガーゴイルに休まず働かせ、トリステインへと密入国した。

 ちなみにガリア王国で追加して購入した奴隷は全員女で、10歳以下が20人、11〜20歳までが27人、20〜25歳まで5名の52名となり、その内、15歳と12歳の翼人の姉妹が2名が含まれ、ガリア王国全体で60名の人間を引き抜いた。

 ルシファーは不可視と存在を消す結界を常時発動させ、全員でわいわいと騒ぎながらトリステインに渡ると、新たな馬車を2組作成したが、財政不安で金の無いトリステインは奴隷の数が多く、ゲルマニアに渡るまでに105名ほど追加で増員し、さらに領主に捕まって殺されそうになっていた女の翼人6名も金を払うことで『なかった事』にしてもらい、トリステインで追加したメンバーは全部で111名となった。

 ルシファーはさらに30名が入る馬車を10組に増やしてゲルマニアに渡った。

 ルシファーは全員始めに縄を解いて体を清めさせ、新しい服に着替えさせて、馬車を転々を渡りながら、女達とスキンシップをはかって、馬車を留守にするどころか、見張りすらいない馬車が多数存在したが、逃亡者の数は0だった。

 翼人の先住魔法(精霊魔法とも言う)に怯える人間も多々居たが、ルシファーがまったく怖がらずに全員同じように接した事と、あまり休まずに移動しているために馬車の中でほとんど何もする事がないので話をするために、ゆっくりと打ち解けていった。

 そして、ゲルマニアに入ったルシファーは砂漠へ向かいながら、街や村により、64名増員した。

 あと一時間も進めば、砂漠へと出る一本道を通る。

 馬車は全部で10台。全体で235名となった。

 10歳以下の奴隷がトリステインに溢れていたので、全体の6割を占める事になり、11〜20歳までが2割、20〜25歳まで2割となっていた。

 ちなみに、大勢の奴隷を買った後など、金銭と女目当ての盗賊や、奴隷商に雇われた傭兵などが襲ってきたが、ルシファーは女達に気づかれもさせずに、後で金になる賞金首は、動けなくして異次元へぶち込み冷凍保存して、他は全員始末した。











「さてと……、もうすぐだな」

 ルシファーは先頭の馬車の御者席に座り、呟いた。

 ルシファーの声を両側に座って聞いた、ガリア王国で初めて買った奴隷の元傭兵で現在の女達のまとめ役の一人となっている、クリスティーナとルキニアが尋ねる。

「えっと……、この先にあなたの国があるんですか?」

「この先は、確か……、砂漠しかなかったような……?」

 ルシファーはふっ、と笑うと呟く。

「ああ。俺の国は砂漠に作った国だからな」

 2人は驚いた。

 砂漠は砂だけで人が住むには厳しい土地で、さらにエルフの土地と聞かされ、恐怖の土地だと思っていた場所に、国を作ったとルシファーは呟いたのだ。

 ルシファーは森と砂漠の境目に馬車を横一列に停車させ、女達を整列させる。

 そして、女達の前で、全員に聞こえるように大きな声で呟いた。

「これから行く土地は俺が創った国だ。場所は砂漠の中にあり、今は姿を消している。皆にはその国に移住して、俺の城のメイドとして働いてもらう」

 ざわざわと女達は騒ぐがルシファーはそれでも話を止めることなく続ける。

「俺の創った国は貴族制度になるが、ハルケギニア大陸のような虐げる貴族制度ではなく、俺の国、独自のルールに従ってもらう事になる」

 言葉を止めて全員の顔を見渡す。

 女達は騒ぐのを止めてルシファーに視線を集めた。

 視線が集まったところでルシファーはもう一度、『本題』を話した。

「それから皆には1日が3年になる特殊な場所でまずは修行してもらい、短期間でメイドにする予定だが……、全員に拒否する権利はある。拒否するなら国まで送ろう、とうぶんの生活費も渡す」

 ルシファーの言葉に驚く女達だったが、すぐに静まった。

 数日間の旅で女達はルシファーの人なりを気に入っていたのだ。

 ハルケギニア大陸で平民は虐げられ、貴族に振り回される運命にある自分達、しかも奴隷を救い、清潔な馬車に乗せ、きちんとした服を着せ、食事も自分と同じものを与え、体を開けと強要せず、人間として扱い、優しく、楽しいルシファーから離れたいと思う者は誰一人としていなかった……。

 さらに嬉しい事に、翼人までも生まれた国へ帰ることは選ばすに残った。

「ありがとう」

 ルシファーは笑顔で呟いた。

 そしてそれから、ルシファーの早かった。

 杖を振るうモーションを行い、馬車を6輪駆動の車の形に変えると、全員を車に乗り込ませ、簡易のシートベルトを付けさせると、物凄いスピードで砂漠を横断し始めたのだ。

 先頭の車で一時的に砂漠の砂を走りやすい地面に変えて爆走し、城門まであっと言う間に駆け抜けた。












 奴隷商から買われた女達は言葉を失っていた。

 車輪がいくつも着いた馬車が、ものすごいスピードで砂の平原が広がる砂漠を走ったかと思えば、一時間もしない内に景色が一変したからだ。

 先ほどまで砂漠を走っていたはずなのに、目の前には緑色の草原が広がり、さらに、森や山、大きな川や小鳥などの動物がいて、さらに遠くには城壁に囲まれた城と、そのまた奥にはさらに大きい城が見えた。

 ルシファーは速度を落してゆっくりと、近くに、練習用に作成した街へ向かって車を走らせた。

 そして、街を囲う3メイルほどの石壁に入り口として開けられた扉が無い門を潜り、草原や魚の泳ぐ川、遠くに見える森、遊牧されている様々な種類の家畜を眺めながら、城の城門を潜った。

 城の前に作成した広場に全員を並べて、一段高くした場所に立って呟く。

「これから、結界を張る。結界が完全に貼り終われば空が一度紫に染まるが、それでは朝や夜がといった時間が分からないだろうから、空はすぐに元に戻るからな。あと、これから全員この台に立って簡単に自己紹介を行ってくれ」

 と、ルシファーは全員に自己紹介させた。

 その後、城に入ってそれぞれの部屋に連れて行く。

 ここでも女達は再び驚いた。

 個室を与えられたからだ。

 奴隷はまとめて無理矢理小さなところに入れられる事が普通だったのに、ルシファーに個人の個室をしかも安物とはいえ全員の部屋に個人用のタンスや机に椅子、ベッドまで用意され、しかも鍵までついている部屋を与えられたのだから、驚かないわけが無かった。

 全員分の個室と鍵を渡したルシファーは、とりあえず今日は旅の疲れを癒すためにと、完全な休みを与え、料理が出来る女達と調理場で食事を創り、大食堂で全員座って食事を摂った。

 そして、ルシファーは食後、城の一番の自慢であるかけ流し温泉の大浴場に全員では入ろうと誘い、女達は呆れながらも大浴場へと向かうのであった……。












 大勢の女達と風呂に入り、体を洗ってもらいご機嫌のルシファーは、街を渡りながら隠れて作成していた制服を渡した。

 全部で3種類のメイド服で、長袖とロングスカート、カチューシャとオーソドックスなものと、大胆に胸の開き、ミニスカートの露出度が高いもの、フリルをあしらった『魅惑の妖精亭』を参考にした可愛らしいメイド服があり、色は黒と白で、汚れない、防刃、防弾、軽い、着心地最高のルシファー特性のメイド服で、翼人にも着れる様に背中の生地が開いたものも完備している。

 3カ国の市場で購入した新品の、様々な種類のショーツを予備も含めて1000枚取り出して、サイズ別に並べて好きなものを5枚ほど選ばせた。

 そして、最後にルシファーが一番手間をかけた装飾品。城のメイドの印を机に並べた。

「こ、これは……」

 女達がルシファーが並べた品に声を漏らした。

 ルシファーが並べた品が、かなり特殊な品だったからだ。

 まずは、リボンのようなチョーカーと、フリルをあしらった腕章。

 次に、皮製の腕輪と首輪。

 最後に、皮でできているところまでは同じだが、銀色の丸く小さなトゲが着いている首輪と腕輪だったからだ……。

 全員の視線がルシファーに注がれる。

 が、ルシファーは気にした様子もなく、むしろ得意げに呟いた。

「最後にコレが城仕えの証となる。この3種類の内好きな物をつけていいし、組み合わせも自由! 皮製の首輪は金具も付けれるようになっていてプレイにも使えるし、肌が傷つかないように処理済だ! さらに色も5色用意した!」

「……えっと……、ルシファーさま? 何故その形なんですか?」

 トリステイン王国の奴隷市で買った、真面目系知的タイプで腰上まで茶髪を伸ばした20歳のオルタンス(処女)が、ピクピクと口元を動かしながら尋ねた。

 ルシファーはその問いに間髪つけずに、いい笑顔で呟く。

「もちろん可愛いからだ!」

「「「「「「………………、はぁ〜〜〜……」」」」」」 

 ルシファーの言葉を聞いて呆れ果てる女達だったが、そんな尋常じゃないほど女好きなルシファーを誰も嫌いにはなれず、首輪と腕輪も全て受け取った。











 そして始まるメイド修行。

 炊事、洗濯、掃除から、繕い物や身を守るための護身術は当然の事、平民と貴族の違いいと言われている魔法についても学ばせた。

 教養もあって損はないと、ルシファーは教室を4つ用意し、バラバラに女達を分配、風のスクウェアスペルの【遍在】を使用して、まずはハルケギニアで共通言語とされるガリア語を始めとした文字の読み書きを丁寧に教えた。

 女達は飲み込みが早く、覚えるまで個人差はあったものの、3ヶ月で基本を覚えた。

 これには、自分達も魔法が使えると、女達が喜び、教養に前向きに取り組むようになったからでもあった。

 ちなみに座学は紙とペンは使わず、使い勝手のいい黒板と5色のチョークを支給し、魔法の授業では、一般的な魔法の発動体となる杖ではなく、メイド隊の証である首輪と腕輪を媒介にしていた。

 文字が覚えられた事で、ルシファーは次に暮らしに必要な様々な知識と、ハルケギニアの一般常識とこの国の常識の違いを教えた。

 とりあえず、この国がブリミル教を信仰する者もいるが、信仰は感謝するまでで、亜人、特にエルフや翼人といった者も差別せずに手を取り合うと教え、さらに妻にはハーフエルフと人に変身している韻竜がいる事を話し、さらに自分が人間でない事を背中に6枚の羽根を生やして明かした。

 人でないという事を告白して、ひと騒動あるかと懸念していたルシファーだったが、容易に受け入れられた。

 これには、信じられない事が重ねて起きた事と、自らルシファーに奉仕する事を申し出た長い翠髪で、蒼い瞳、女らしい肉つきした元娼婦のクラビィス、25歳を皮切りに、自ら奉仕し始めてきた女達を毎日何十人と相手しても、まったく疲れる様子もなく、むしろ嬉々として、女達の体を白濁に染めて悦ぶルシファーにうすうす人外ではないかと予想していたそうだ。

 妻に会えないルシファーは、まだ幼い子たちの息抜きや生活にハリを持たせるために、レクリエーションを開いたり、裏では10歳以上の女達全員と体を合わせた事もあり、ちょくちょく自由参加の乱交パーティーを開いて性欲を解放し、女の柔肌を楽しんだ。

 護身術の訓練や、食事がよい物になり、さらに温泉で毎日風呂で体を洗え、ルシファーに頻繁に抱かれる女達は美しく、可愛らしく着飾るようになり、さらにルシファーの治療によって傷跡だらけだった傭兵や元村娘達から傷跡が綺麗になくなり、女達の全員の体がゆっくりと進化し、美人や美少女ばかりになっていた。

 忙しくも楽しい生活を過ごし、結界内で1年が経ち、外では1年立っていないが、中でいつもより豪華なご馳走を食べて新年を祝った。

 2年目に入り、メイド修行を本格化させるルシファーだったが、ここで新たな進路を開示した。

 全員をメイドにしてもよかったのだが、家畜を育てる事が好きな女や、優れた武芸を生かしたいと思った女、縫い物が得意な女などが存在していたので、そちらの方へも就職できるように道を開示したのだ。

 それによって、家畜や稲作、ぶどう作りなどの農業を営む女が35名、武芸を生かすという事で初の軍人となった28名、縫い物やルシファーが教えた漁業や薬剤師、鍛冶職人などを45名が選択し、最終的なメイドの数は127名となった。

 さらに人口比率で言うとメイドを選択した者の多くは10歳以下の子共達で、後は炊事、洗濯、掃除が得意な女達で構成され、農家は11〜20歳が多く、軍人はバラバラ、他の職は15歳から上の女性が多かった。

 だが選択したとしても、今の【新魔国】では国民が少なすぎて国をまわす事はまだ出来ない。

 なので、メイド以外を選択した者達にも一応、メイド修行を続行させつつ、メインをなりたい職業の修行に移して仕事を覚えさせた。

 ちなみにルシファーは妻に会えないストレスを発散するために、縫い物を扱う職業を選択した女達と協力して、農家の娘たちなどが使いやすいようにと造った服と専門職用のッ服と、新に設立した王軍の軍服を作成し、その軍服をルシファーは好きなように弄り、ピッチリとした赤と黒を基調とした軍服に、緑と白の少しデザインが違う軍服、青と黒の軍服に、それぞれの色に合わせたズボンと、スリットの入った3種類の長さがあるスカートとズを全員に制服と言って渡した。

 そして、さらに、せっかくだからと、遊び心で穴あきショーツやほとんど透けている赤や紫と言った情欲を誘う下着も、衣服店希望の女達とあれこれ案を出し合いながら作成し、10歳になったばかりの少女にも記念として手渡した。

 もう一つ、ルシファーがやっていた事があり、鍛冶職人を希望した3人と兵士用の軽装備と重装備をそれぞれ、剣や槍を真面目に作って渡したところ、軍人希望の女達どころか、他の女達にまでにどこか悪いんですか!? と詰め寄られたが、続けて出した夜に楽しむため用の露出が異様に高く、実用性があまり無い鎧や、陰部だけぽっかりと孔の開いた鎖帷子や、着飾るためようの戦闘にかなり邪魔な装飾品を出して、再び深いため息をつかれたのは、言うまでも無い……。

 そうして楽しみながら、あっという間に2年が過ぎ、最後の3年目へと向けて日は昇る……。














<後書き!>

 やりたい放題! やりたい放題のルシファー! だが今回やばいシーンはありませんでした。

 +増えた国民を全員の紹介は数があまりに多すぎるので割愛!!

 とりあえず、国民が増えました!





 次回予告!

 次でメイド編が終わります。

-43-
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