小説『歌詞書庫』
作者:楢歌鬼(音楽隊長暗殺計画)

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 昔し買った古いギターを引っ張り出して弾いてみた

 歌ったのは君が好きだったラブソング

 この歌を君の前で歌ったことはなかったね

 
 下手糞だから恥ずかしくて歌えたもんじゃない

 でも 君といるのがあの日で最後になるとは思わなくて

 どうせなら歌っておけばよかったかな



 初めて君にあったときのあの衝撃を覚えてる
 
 人生に1度のことだと思う
 
 もう君はいないけど


 この声が届いて 君が来る気がして

 大声で歌うよ

 「さよなら」なんて冗談だって笑って

 嘘だったと言って

 そう願っても君は帰ってはこないんだろう


 
 立ち直るためって歩きだして気づいたんだ

 足音がいつもと1人分足りなかった

 こんなとこにも君の存在は残ってるよ


 むしろこれは嫉妬深い君の怨念なんだろうか

 そうだったら嬉しいけどそんなはずないって知ってるよ

 君にはもう嫌われてしまったからね

 
 

 初めて君と本気で喧嘩したときのことを覚えてる

 その後何回もあったね

 いつも僕が謝った




 

 この声が届いて 君が来る気がして

 大声で歌うよ

 「さよなら」なんて冗談だって笑って

 嘘だったと言って

 そう願っても君はもう帰ってこないよ


 ずっと歌った声は涸れて

 やっぱり君は帰ってこないんだろう

 でも今も君の幸せを望んでるよ
 

 
 この声が届いて 君が来る気がして

 大声で歌うよ

 「さよなら」なんて冗談だって笑って

 嘘だったと言って

 そう願っても君はもう帰ってこないよ

 



 


 

 


 

 
 

 

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