〜ハルの怒りと本気〜
キィーー…チャキン。
ハル「ふぅー…。」
俺は刀をしまい、一息ついた。エルザはというと…座りこんでしまっていた。周りも騒がしいし、珍しいことみたいだな…。
ハル「いい勝負だったな。ほら、立てるか?」
エルザ「あ、あぁ……。」
俺はエルザの方に手を伸ばし、エルザも俺の手に捕まった。
ハル「どっこいしょ。」
エルザを立たせ、エルザの顔を見た。その表情は呆然としていた。なんかかわいいな…。
そのとき妙な気配を感じた。俺はエルザを抱えて神速でその場を離れた。次の瞬間……
バチ、ドゴォォ―――ン!!
さっき俺達がいた場所に突如電撃が飛んできた。それは俺が使うようなものではなく、もっと強力な雷だった。雷は地面に当たり、砂埃が舞った。
今俺のいる場所はあの雷を放った奴に一番近い家の屋根の上。早めに動いたから当たりはしなかったものの……。
ミラ「ハル!エルザ!!」
マカロフ「!ラクサス!何をしておるんじゃ!!」
皆は俺達が当たったと思ってるみたいだ。しかし、やっぱりアイツだったか…。
ラクサス「うるせぇ!エルザとは終わったんだろ!だったらさっさと始めろよ!こっちは退屈すぎて我慢出来ねぇんだよ!まぁ、あれ食らって終わりだけどな。」
アイツ、そんなことで…!俺は屋根から飛んで降り、ラクサスの後ろに着地した。
シュ…スタ。
ハル「おい……。」
ラクサス「!!てめぇ、いつの間に…。」
マカロフ「おぉ、無事じゃったか!」
ミラ「!ハル!お前何してんだ!」
二人の反応はいいとして、ミラジェーンは俺を指差しながら言っていた。しかも表情を見るかぎり怒っている。
何を怒っているんだ?俺はただエルザを、世間的に言うお姫様抱っこで抱えて立っているだけじゃないか。まぁそのせいか、エルザの顔は真っ赤になってるけど、やっぱり辛いかな?俺はエルザを下ろし、背中を押してその場から離れさせた。
そして、手元にある刀を鞘ごと地面に差し、俺はラクサスに聞いた。
ハル「てめぇ、ラクサスだよな…。攻撃の理由は本当に退屈してたからか?」
ラクサス「あ、あぁ。そうだが…それがどうした?」
ハル「そうか。それなら……本気でいかせてもらう!」
皆「!!」
俺は光を体中に纏わせてそう言った。皆(シバ以外)驚いてるよ
ハル「いくぞ……。」
ダン!!!
ラクサス「なっ!!」
俺はオーラで足を強化し、ラクサスの懐に入った。ナツやミラジェーンでやったやつなんて目じゃないようなスピードだ。そして光を右手に集中させて…。
ハル「光竜の鉄拳!!」
ラクサスの腹目掛けて放った。
ラクサス「ぐはぁぁ!!!」
ドゴォォォォォン……。
ラクサスは光の速さの拳を受け吹き飛び、物置のような小屋に突っ込んだ。
あの雷は結果的には当たらなかった。だけどもし……。
ハル「もしエルザにも当たっていたら、どうすんだよ!!」
俺は仲間ごと攻撃してきたお前を許せねえ!!