小説『FAIRY TAIL 光の魔法剣士』
作者:ライデン()

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 〜鉄の森(アイゼンヴァルト)の目的〜

 side 三人称

 クローバーの町、定例会会場にて

 ?「マカロフちゅわ〜ん。アンタんとこの魔導士ちゃんは、元気があっていいわぁ〜。」

 奇妙な声でフェアリーテイルのマスター・マカロフに話しかけたのは、青い天馬(ブルーペガサス)のマスター・ボブだ。そのマスター・ボブの背中には何故か羽が生えていた。そしてこの人は一応「男」である。

 ボブ「聞いたわよ〜。どっかの権力者コテンパンにしちゃったとか?」

 マカロフ「おお、新人のルーシィじゃな?あいつはえぇぞぉ!モチモチッ、ボヨヨ〜ンじゃ!!」

 ボブ「きゃ〜!?エッチ!?」

 マカロフの発言に恥ずかしがるボブ。

 ?「笑ってる場合か?マカロフよぉ。」

 マカロフ「ん?」

 そのマカロフに対し、冷静な声がかかった。その声の主は定例会に参加しているギルドの一つ、四つ首の番犬(クワトロケルベロス)のマスター・ゴールドマインであった。

 ゴールドマイン(以後マイン)「元気があるのはいいが、テメェんとこはやり過ぎなんだよ。評議員の中には、いつかフェアリーテイルが町一つ潰すんじゃないかって心配してる奴もいるらしいぞ。」

 マカロフ「ニョホホホ、潰されてみたいのぉ、ルーシィのボディーで。」

 ボブ「もうだめよ、自分のとこの魔導士ちゃんに手を出しちゃ。」

 マカロフはゴールドマインの話を聞いてないのか、セクハラ発言を続ける。
 すると、青い鳥が割り込んできた。この鳥は魔法の手紙を届けるための魔法鳥だ。

 『マスター・マカロフ、マスター・マカロフ。ミラジェーン様ヨリオ手紙デス。』

 マカロフ「ほいごくろう。」

 『マイド』

 そう言って魔法鳥はマカロフの前に手紙を落とした。マカロフがそれをあけると魔法陣が展開され、ミラジェーンの映像が現れた。

 ミラ『マスター、定例会ご苦労様です。』

 マカロフ「どうじゃ、これがうちの看板娘じゃ!まんこいじゃろ〜。」

 「「「「「「「おぉ〜。」」」」」」」

 ボブ「あらま〜」

 マイン「ミラジェーンちゃんか。すっかり大人っぽくなりやがったな。」

 ミラのことを自慢するマカロフ。ゴールドマインはミラをほめた。

 ミラ『実はマスターがいない間に、とってもすてきなことがありました。』

 マカロフ「ほぉ。」

 ミラは満面の笑みで……

 ミラ『なんと、エルザとハル、そしてあのナツとグレイがチームを組んだんです。これって、フェアリーテイル最強のチームかと思うんです。一応、ご報告しようと思いまして、お手紙しました。』

 マカロフ「……………なっ、なっ、なぁぁぁ!?」

 ミラ『それでは〜』

 笑顔でそれだけ言って、ミラの映像は消えた。

 ボブ「あらら〜」

 マイン「これは心配事が実現しそうだな、オイ。」

 マカロフはバタッと倒れ、

 マカロフ(なんと言うことじゃ、ハルがいるとしても奴らなら本当に町一つ潰しかねん。定例会は今日終わるし、明日には帰れるが…それまで何事も起こさずにいてくれぇ!頼むぅ!!)

 心の叫びを叫んだ。

 side end





 side ハル

 クヌギ駅、崖の上



 クヌギ駅で騒ぎがあった。原作通り列車は奴らに乗っ取られたか。

 ルーシィ「馬車や船ならわかるけど、列車を乗っ取るなんて…」

 ハッピー「あい、レールの上しか走れないし、あんまりメリットがないよね。」

 エルザ「だが、スピードはある。」

 ハル「なんか急いでんじゃねぇか。列車乗っ取るぐらいだし。」

 グレイ「確かにそうだな。」

 ルーシィ「てか何故脱ぐ!?」

 俺の意見に賛同してくれたグレイだが、本当に服着ろよ。

 ルーシィ「でもまぁ、軍隊も動いてるし、捕まるのは時間の問題なんじゃない?」

 エルザ「だといいがな。」

 そう言ってエルザは魔道四輪を動かし、次の駅に向かった。てかナツ、哀れだな。



 オシバナ駅前


 駅前は騒がしくなっていた。聞けば人身事故と言っているが、実際は占拠されたらしい。
 そしてエルザは……

 エルザ「君、駅内(なか)の様子は?」

 「ん?何だね君は「ガンッ!」グァッ!?」

 エルザ「駅内(なか)の様子は?」

 「ヒィー!?」

 質問し、即答できなかった奴に頭突きをかましていた。やり過ぎだぜ、エルザよ。

 ルーシィ「即答出来る人しかいらないってことなのね…」

 グレイ「エルザがどうゆう奴か解ってきたろ?」

 ルーシィ「また何故脱ぐし!?」

 グレイに関してはもういいや。

 エルザ「アイゼンヴァルトは中だ、行くぞ!」

 グレイ「おう!」

 ハル「即答できた人いたのか……」

 ルーシィ「てかこれって私の役!?」

 ナツもいいや。ルーシィいるし。

 エルザ「軍の一個小隊が突入したが、まだ戻ってきてないらしい。おそらく、アイゼンヴァルトと戦闘中なのだろう。」

 ルーシィ「えぇ!?軍の小隊でもヤバいって、どんだけなのよ〜!?

 しかし、よく聞けたなそんなこと。ま、いいか。

 しばらく走っていると、

 ルーシィ「あっ!?」

 ハッピー「全滅してるよ!」

 ハッピーの言う通り、たくさんの兵達が倒れていた。しかもどれも重症だ。

 エルザ「相手は全員魔導士。軍の小隊では話にならんか。」

 エルザは倒れている兵達を見ながらそう言った。
 そして……

 ?「ふふふ、やはり来たな。フェアリーテイルのハエ共。」

 その声の先にはアイゼンヴァルトが待ち受けていた。

 ルーシィ「な、何この数!?」

 ルーシィは完全に蒼白と言える顔でそう言った。ギルド一つなんだ。当たり前だろ。

 エルザ「貴様!貴様がエリゴールか!」

 エルザがエリゴールにそう言った。後ろではルーシィがナツを起こそうとしている。

 カゲ「ハエがぁ!お前らのせいで俺はエリゴールさんに!

 ナツ(ん、この声は?)

 エルザ「貴様らの目的は何だ!?ララバイで何をしようとしている!」

 エリゴール「わからねぇのか?駅には何がある?」

 エリゴールはそう言って空中に飛んだ。

 ルーシィ「飛んだ!?」

 ハッピー「風の魔法だ!」

 そしてエリゴールは、スピーカーの上に降りた。

 エルザ「ララバイを放送するつもりか!?」

 エリゴール「ふははははっ!この駅周辺には、何千人という野次馬共が集まっている。いや、音量を上げれば町中に響くだろう。死のメロディーがな。」

 エルザ「何の罪の無い人達に、ララバイの笛の音を聞かせるつもりか!?」

 エリゴール「これは静粛なのだ。権利を奪われた者達の存在を知らずに権利を掲げ、生活を保全している愚か者どもへのな。この不公平な世界を知らずに生きるのは罪だ。よって、死神が罰を与えにきた!!」

 ルーシィ「そんな事したって、権利なんか戻ってこないのよ!てゆーか、アンタ達が連盟から追い出されたのは、悪い事ばっかしてたからでしょ!!」

 確かにルーシィの言う通りだ。筋が通ってない。

 エリゴール「ここまで来たら欲しいのは権利じゃねぇ、権力だ!権力があれば全ての過去を水に流し、未来を支配する事も出来る!!」

 なんかイラッとくるな。

 ルーシィ「あんたバッカじゃないの!?」

 カゲ「残念だなハエ共!闇の時代を見る事なくあの世行きとは!」

 確かカゲだったか?そいつがそう言って影を操り攻撃してきたが、

 ナツ「その声…やっぱりお前か!」

 いいタイミングで復活したナツが防いだ。

 カゲ「てめぇ…!?」

 ルーシィ「ナイス復活!」

 ナツ「おーおー、なんかいっぱいいるじゃねぇか!」

 ルーシィ「敵よ敵!みーんな敵!」

 ナツ「へっ、面白そうじゃねぇか!」

 エリゴール(かかったなフェアリーテイル…全ては俺様の予定通り。笛の音を聴かせなきゃならない奴がいる。必ず報復しなくちゃならねぇ奴がなぁ!!)

 別にいいよな、ネタバレして。

 ハル「おい、エリゴールっつったか。」

 エリゴール「ん?」

 ハル「つくならもう少しましな嘘をつけよな。俺たちを馬鹿にし過ぎだぜ。」

 エリゴール「何!?」

 エルザ「どういう事だ、ハル!?嘘とは何だ!」

 ハル「ララバイを放送で流す。確かに効果的な方法だ。それを食らえば中にいる俺たちだけでなく、外にいる町の人々にも聴かせられる。」

 エリゴール「何が言いたい!?」

 ハル「つまり、今ここにいる全員が聴く事になる。そう、お前の仲間(・・・・・)もな!」

 グ・エ・ハ・ル「「「「!!!」」」」

 ナツ「??」

 エリゴール「っ!!(こいつ、気づいていたのか!?)」

 ハル「それなのにお前の顔は、それでもいいという覚悟の顔でなく、そんな余裕のある顔をしてんだ。」

 エリゴール(このままではバレるのも時間の問題。ならば!!)

 そしてエリゴールは俺に風の魔法を放った。だがそれは予想済み。俺は会話中に右手に纏わせたオーラを刃物状に変化させ、それを凪って奴の魔法を防いだ。

 エリゴール「ちっ!!」

 エルザ「ハルの話で奴らは慌てた!という事は……」

 グレイ「ハルの推測は正しく、奴らの本当の狙いは別にあるという事か!」

 エリゴール「くそっ!テメェら、殺れぇ!」

 「「「「「「「「「「オォーーーーー!!」」」」」」」」」」

 ルーシィ「こっちはフェアリーテイル最強チームよ。覚悟しなさい!」

 ルーシィ、口だけじゃどうにもならんぞ。行動しろ、行動。

 エリゴール「後は任せたぞ!闇ギルドの力を思い知らせてやれ!」

 エリゴールはそう言ってその場から消えた。

 エルザ「ナツ、グレイ!二人で奴を追うんだ!」

 ナツ「何!?」 グレイ「こいつとぉ!?」

 こいつ等、まだ言うか。

 エルザ「お前達の力を合わせれば、死神エリゴールにだって負ける筈がない!」

 ハル「そう言うこった。「「ハル!?お前まで」」エルザの話を聞いてなかったのか?」

 ナ・グ「「………。」」

 エルザ「速く行け!お前達!」

 ナ・グ「「あいさ〜」」

 ハッピー化すんな、気持ち悪い。

 「あ、逃げた!」
 「エリゴールさんを追う気だ!」

 レイユール「任せろ!このレイユール様が仕留めてくれる!」

 カゲ「俺も行く!あの桜頭野郎だけは許せねぇ!」

 アイゼンヴァルトのカゲとレイユールって奴はナツとグレイを追いかけた。

 エルザ「こいつ等を片付けたら、私達もすぐに追うぞ!」

 ハル「了解!」

 レット「うむ。」

 ルーシィ「ちょっと、あの数を三人で!?」

 「さて、銀髪倒して小娘達と遊ぼうかね。」
 「ハエ共め、羽根をむしり取ってやるぜ!へへへ」

 なんかほんとにうざいな。

 ルーシィ「かわいすぎるのも、困りものね。」

 ハッピー「ルーシィ帰ってきて……」

 おい、今戦闘中だぞ。

 エルザ「下劣な!これ以上フェアリーテイルを侮辱してみろ!貴様等の明日は保証できんぞ!」

 そう言ってエルザは換装で剣を出した。

 ルーシィ「あれはハルと同じ!」

 「珍しくもねぇ!」
 「こっちには魔法剣士はぞろぞろいるぜ!」

 そう言ってアイゼンヴァルトの奴らも剣を取り出した。

 ハル「エルザ、半分やらせろ。」

 エルザ「解った。順番は?」

 ハル「お先にどうぞ。レディファーストだ。」

 エルザ「では行くぞ!」

 戦闘だ。腕が鳴るぜ!新技でも試すかな。

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