〜ナツ、村を食う〜
クローバー大峡谷、蜘蛛の巣谷
よう、ハルだ。まぁわかってると思うが…。
そして俺達は今……。
ルーシィ「あー、もう!あんたまた迷ったでしょ!歩いても歩いてもマグノリアの街に着かないじゃないの!この方向音痴ネコ!」
ハッピー「またって失礼しちゃうな。こないだは迷わなかったよ!今回が初めてなんだ。」
そう、絶賛迷子中なのだ。ヤバいな…腹が…。
ナツ「は〜、腹減ったな〜。」
グレイ「言うな!余計腹減るだろうが!」
ナツ「減ったもんは減ったんだ!」
グレイ「だから、減った減った言うんじゃねぇ!」
マカロフ「確かに減ったの〜。」
ナ・グ「「だーかーらー!」」
マスター、言っちゃいかんて……。
エルザ「よせ、(グ〜!)……」
ちょうどそのときエルザの腹が鳴った。
ナツ「今グ〜って言ったぞ、グ〜って。」
エルザ「鳴ってない、空耳だ。」
グレイ「すごい言い訳だ、おい。」
流石に無理があるよな…。
するとハッピーが…。
ハッピー「あー、あ〜〜〜!!」
ナツ「何騒いでんだ?」
ハッピー「ナツ、あれ見て!」
ナツ「あ?」
ハッピーが見る先を見ると、そこには羽根をつけた魚が飛んでいた。
ハッピー「幻の珍味、羽魚だ!あれむちゃくちゃ美味しんだ〜。うま、うま!」
ハッピー、あれは実は……。
グレイ「幻の珍味…」
エルザ「羽魚…」
ナツ「うまそうだな。」
マカロフ「でかしたハッピー、よく見つけたの〜。」
マスター、泣かなくても……。
そしてそんなこと言ってる間にもみんなの腹から音が出まくっている。
ルーシィ「みんなお腹空き過ぎです。」
グ〜〜…
グレイ「お前もな。」
ルーシィ「あい……。」
グレイに突っ込まれるとは…哀れ。
ハッピー「よーし、釣るぞー!」
そのいきだ!ハッピー!何事もポジティブに!
しばらくし……
グレイ「くそー、こいつら釣れねーな…」
ハッピー「おいら、頑張るぞー!」
ルーシィ「なんかあんまり美味しそうに見えないんだけど…。」
エルザ「黙って釣れ。この際食えればいい。」
ルーシィ「そんなに腹減り!?」
ハッピー「羽魚食べたいぞー!美味しいぞー!幻の珍味だぞぉぉ!
……………………………………………………………飽きてきました。」
ルーシィ「意志弱っ!?」
最初の元気はどこ行った、ハッピー。
ハッピー「だって全然釣れないんだもん。」
ルーシィ「お腹空いてるんでしょ?だったら頑張ろうよ、諦めないで!」
ハッピー「……ルーシィの意地悪ぅ〜!」
ルーシィ「えぇー!?励ましたんですけどーー!?」
しばらく釣りを続けたが、結局釣れたのは一匹だけだった。
ナツの炎で焼き魚にしたが、ちょっと…色が……。
ナツ「ハッピー食えよ!」
ハッピー「そんなのちょびっとずつ分けて食ったら、余計腹減るわ!」
マカロフ「遠慮するなぁ。食え、食えー!」
ハッピー「そう?じゃ、頂きまーす!」
ナツやグレイ、マスターはそう言ったものの、食いたいって顔をしながらハッピーを見ていた。エルザに至っては後ろを向いている。
ルーシィ「こんな魚を美味しそうに食べられるなんて、あんた本当に幸せね…。」
ハッピー「(もぐもぐ…)…まずっ!?」
ルーシィ「不味いんかい!?」
そうなんだ…こうなるんだよな……。
エルザ「そう言えばハル、何も言ってないが、お前はいいのか?」
ハル「ん?まぁな。こういうのにはなれてるんだ。昨日は食えたのあったからな。ここら辺はないけど……。」
皆(ハル、レット以外)「「「「「え……。」」」」」
何…恐いよ皆…。そんな顔しながら来ないでよ!恐い恐い!ちょっ…
ハル「ギャァァァァァァーーーー………」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
しばらく歩いていると村が見えた。
「村だ!」
「家だ!」
「だったら!」
「食いもんだーーー!」
皆村に走っていった。俺はというと……。
ハル「痛い………。」
レット「あれはハルが悪いと思う。」
ハル「あぁ、わかってる。わかってるけど……。」
あの後俺は皆に殴られ蹴られ…。散々だった…。
その後皆で村の中を散策したが、いた形跡があっても人は一人としていなかった。
そしてエルザの提案で村を調べるのと食料を探すので別れた。
調べ終わり、村の中心に集まった。そしてエルザが足元の亀裂に気づいた。
エルザ「この線は何だ?」
ハル「レット、飛んで上から見てくれ。」
レット「わかった。」
そう言ってレットはエーラを発動し、上から村中を見た。
ハル「レット、何か見えたか?」
レット「その線、魔法陣みたいな形になっているぞ。」
マカロフ「魔法陣じゃと!?」
エルザ「ならば一度離れた方がいいな…」
ハル「じゃあエルザ、ナツ達の方を頼む。」
エルザ「わかった。」
ナツ達を連れ、崖の上へ登った。すると村全体が光始め、怪物となった。
マカロフ「なるほど、さっきのはレットが見た通り魔法陣じゃったのか。しかもこれはかつて禁止された封印魔法、アライブを発動させる為のものじゃ!」
無機物を生物に変えてしまう魔法、アライブ。それを行ったのは村の住人だった闇ギルドの連中で、そいつらは逆に怪物の餌食になった、という訳だな。
マカロフ「じゃが、これぞ不幸中の幸い!奴らは生き物じゃ!だから大抵のものは…食える!」
ナ・グ・エ・ハ「「「「おぉっ!」」」」
ルーシィ「えぇっ!?」
マスターの発言にルーシィは驚いているものの、皆の腹から大きな音が鳴った。
ナツ「しゃー!食うかー!」
ハッピー「わーい、ご飯の時間だー!」
グレイ「この際、味がどうだなんて言ってらんねー!」
皆それぞれ言っていたが、その間にもエルザが真っ先に駆け出した。よっぽど腹減ってたんだな。
そしてそれぞれが調理し始めた。
ルーシィ「ハルは行かないの?」
ハル「あぁ、俺ができることはやってくれるからいいんだ。」
ルーシィ「はぁ……。」
そうしている内に、ナツ達は調理をし終えた。そして試食をしたら……。
ナ・グ・ル「「「マズいっ!?」」」
その後は原作通り怪物が消え、地面が割れて落ちていったが、マスターが助けてくれた。
まぁ結局のところ……。
皆「「「「「「「「腹減った〜〜…」」」」」」」」
何も変わらなかった、というな……。