〜グレイとリオン〜
夜 神殿屋上
ユウカ「くそぉ。昼起きたせいで眠い…。」
トビー「おお〜ん…(眠)」
ユウカ「結局、侵入者も見つからなかったし。」
トビー「本当にいたのかよ!!」
零帝につれられ屋上にやってきたさっきの三人組と零帝。てかトビー、眠ぃんじゃねぇのかよ。そんな大声出して。
シェリー「悲しい事ですわ、零帝様。昼に侵入者がいたようなのですが、取り逃がしてしまいました。こんな私には、「愛」は語れませんね…。」
だから「愛」っておい…。
零帝「侵入者……。」
グレイ「っ!!」
ナツ「あいつが零帝か…。」
ルーシィ「なんか偉そうな奴よねぇ。変な仮面付けちゃって。」
ハッピー「そっかな。かっこいいよ。」
レット「今はそんな事言ってるときではないだろ。」
ハッピーの仮面格好いい発言に突っ込んだレット。こいつもツッコミスキルがあがってるな。
零帝「デリオラの復活はまだなのか?」
シェリー「この調子だと、今日か明日には、と「どっちだよ!!」…。」
シェリーの言葉を遮りながらトビーが突っ込んだ。あいつもやるなぁ。そんな中グレイは零帝の声に驚愕の顔をしていた。
零帝「…いよいよなのだな。侵入者の件だが、ここに来て邪魔をされたくはない。」
シェリー「えぇ。この島は外れにある村にしか人はいない筈。」
零帝「村を消してこい。」
シェ・ユ・ト「「「はっ!(了解!)(ワンッゴォ!)」」」
ナツ「何ぃ!?」
ルーシィ「村の人達は関係ないのに!」
ナツ「どうもこうもねぇさ!」
ていうかトビーの声には突っ込まないのね、誰も。
零帝「血は好まんのだがな…。」
グレイ「…この声…。おい…嘘だろ…。」
グレイは零帝の声の主がわかり、さらに驚いていた。
すると……
ナツ「もうコソコソするのはごめんだぁ!!」
ナツが石の上に立ち、口に炎をため始めた。そして…。
ナツ「邪魔しにきたのは、俺たちだぁーーー!!」
火を吹き奴らの注意をこっちに向けた。思ったままやったんだろうけど、的確な行動だな。
ルーシィ「もう、なるようにしかならないわねぇ!」
リラ「私どうすればいい!?歌おっか!」
ルーシィ「あんたは戻って。」
リラ「えぇつまんない。」
リラはそう言いながら消えた。そして奴らはナツの肩に付いたフェアリーテイルの紋章に気づいた。だが、
零帝「何をしている。とっとと村を消してこい。」
零帝はシェリー達にそう命令した。
ルーシィ「えぇ!?」 ナツ「なんで!?」
零帝「邪魔する者、それを企てた者。全て敵だ。」
ナツ「なんでーーーーー!!!」
ナツが走り出した瞬間、グレイも同時に、だが、ナツよりも速く走り出した。
グレイ「てんめぇー!!このくだらねぇ儀式を、辞めやがれぇ!!」
そして造形魔法を発動し、零帝に攻撃を仕掛けた。シェリー達三人はよけ、零帝本人はよけた後、同じ氷の造形魔法でグレイの魔法を相殺した。
グレイ「リオン!!」
ナツ「えぇ?」 ルーシィ「リオン?」
グレイ「てめぇ、自分が何をやってるか、わかってんのか!?」
零帝「ふ、久しいな、グレイ。」
グレイ「何のまねだよこりゃあ。」
零帝「村人が送り込んできた魔導士が、まさかお前だったとはな。知っててきたのか?それとも偶然か?ま、どちらでもいいが…。」
ユウカ「零帝リオンの知り合いか?」 トビー「おおぉん」
零帝「速く行け。ここは俺一人で十分だ。」
そう言うと三人は去っていった。
ナツ「行かせるかっての!」
そしてナツが奴らを追うとして走り出した。
グレイ「よせ、ナツ!動くなー!!」
すると零帝が冷気を発生させ、ナツを冷気だ取り囲んだ。さすがに見てるだけはしたくないな。
ハル「音速の剣(シルファリオン)!!」
俺はTCMのシルファニオンを使い、ナツを冷気の中から担いで脱出した。
ルーシィ「ハル、ナツ!」
グレイ「ハッピー、ルーシィを頼む!」
ハッピー「あい!!」
ハル「レット!お前もこいつを連れて村に急げ!俺たちも後で行く!!」
ナツ「うおぉ!?
レット「わかった!!」
そうしてハッピーはルーシィを持ち上げ、レットは俺が投げたナツを空中で受け止め、そのまま村に向かった。
それを見た零帝は魔法を使おうとするが、グレイの攻撃によって阻まれた。
ルーシィ「ハッピー、レット!グレイ達を置いていくの!?」
ハッピー「あいつは空間を冷気の包んでいたんだ!あのままじっとしてたら、おいら達は全員凍りずけにされてたよ!」
ルーシィ「でもグレイ達の加勢ぐらいは「それではだめだ!」レット!」
ナツ「離せレット!おろせよ!!」
レット「そしたらナツ、村はどうするんだ!」
ナツ「そ、それは……。」
ハッピー「レットの言う通り、おいら達が加勢したら村は消される!そうさせないためにグレイとハルはおいら達を先に行かせたんだ!」
ルーシィ「ハッピー……。」
レット「それにグレイにはハルがいる。相当なことがない限り、大ジョプブだ。」
ナツ「………。」
そしてハッピー達は村へ飛んでいった。さてと……。
零帝「隙を作って奴らを逃がしたか。まぁいい。奴らごときじゃ、シェリー達は止められんだろう。」
ハル「大丈夫。俺は少なくともあいつ等を信じているからな。」
零帝「大した自信だ。ならこれならどうだ?」
そう言って零帝は冷気を操り始めた。たく、何を見てたんだか。
ハル「シルファリオン!!」
俺はまたも剣の能力で素早くかわし、奴の攻撃をよけた。
零帝「ほう、やるな。」
ハル「おほめいただき、ありがとうございます。てか?」
グレイ「いい加減にしろよ!リオン!」
零帝「ふん。それなのにお前は何も変わってないな、グレイ。」
グレイ「先輩面すんじゃねぇよ。お前はもう、ウルの弟子じゃねぇ!」
零帝「それはお前もだろ、グレイ。」
そして零帝は、付けていた仮面を取り、その素顔、リオンの顔を出した。
リオン「ウルはもう、この世にはいないのだからな。」
グレイ「デリオラを封じるために命を落としたんだ!ウルの残したものを、てめぇは壊そうとしてるんだぞ!」
リオン「…記憶をすり替えるな。ウルは、お前が殺したんだ。よくおめおめと生きていたものだな、グレイ。」
リオンとグレイの魔力が、少しずつ高ぶっているのがわかる。もうすぐ、魔力のぶつけ合いが始まる。
リオン「もう一度言うぞ。ウルを殺したのはお前だ。名前を口に出すのもおこがましい!」
そしてリオンは冷気を氷に変え、グレイにぶつけた。
グレイ「ぐおぉ!!」 ドゴォン!
ハル「グレイ!」
攻撃を受けたグレイはその勢いで石壁に当たった。
グレイ「リ、リオン…!」
リオン「どうした。後ろめたくて手を出せんか?ならば邪魔をしないでほしいな。俺はデリオラを復活させる!」
グレイ「……させねぇよ!!」
グレイの言葉にリオンは持っていた仮面を捨て、魔法を出す構えをとった。
リオン「それでいい!久しぶりに手合わせをしよう。アイスメイク…イーグル!」
グレイ「アイスメイク…シールド!」
リオンは鳥のような形をした氷を大量に飛ばし、グレイは氷の盾を作り出した。が、リオンの氷は縦横無尽に動き、グレイの盾をかわし攻撃してきた。
グレイ「ぐあぁぁ!!」
リオン「お前は「物質」の造形が得意だったな。「静」のアイスメイク。俺の造形は「生物」、「動」のアイスメイク。動き回る氷だと忘れたのか!」
そんな中、グレイは氷の鳥の攻撃をしのぎ、ジャンプした。
グレイ「アイスメイク…ハンマー!」
リオン「アイスメイク…エイブ!」
空中にいたグレイは、ハンマーの形をした氷を作り出し攻撃するが、それはリオンが作り出したゴリラ型の氷によって阻まれた。
リオン「話にならん。造形魔法に両手を使うのも相変わらずだ。」
グレイ「ウルの教えだろ!片手の造形は、不完全でバランスもよくねぇ!」
リオン「俺は特別なんだ。ウルの力も、とうの昔に超えてしまった。」
グレイ「うぬぼれんなよ!」
リオン「その言葉、お前に返そう。一度でも俺に攻撃を当てた事があったかな?」
リオンの言葉を聞き、魔法を出すための構えをとり始めたグレイ。
グレイ「あの頃と一緒にするんじゃねぇ!アイス…ゲイザー!」
グレイの氷によりリオンは包まれたが、それはすぐに砕け、そこにはほぼ無傷のリオンが立っていた。
リオン「一緒だ。俺はお前の兄弟子であり、お前より強かった。俺は片手で造形魔法を使え、お前は出来なかった。」
グレイ「くっ!」
リオン「何も変わらない。互いに道は違えど、俺たちの時間は、あの頃のまま凍り付いている。」
そしてリオンは、片手を上げ、魔法を発動すると、グレイの足下から竜の形の氷が飛び出した。
グレイ「ぐあぁぁ!」
ハル「グレイ!」
リオン「だから氷を溶かす!塞がれた道を、歩き出すために!」
リオンの攻撃でグレイは吹っ飛び、がれきにぶつかった。
リオン「ウルは俺の目標だった。ウルを超える事が、俺の夢だったんだ。しかしその夢はお前に奪われた。もう二度とウルを超える事が出来ないと思っていた。だが、一つだけ方法がある。ウルでさえ倒す事が出来なかった、あのデリオラを倒す事が出来たら、俺はウルを超えられる。夢の続きを見られるんだよ!」
グレイ「正気か!?そんな事が目的「ありがとよ、リオンとやら。」っ!ハル!」
俺はグレイを止めた。これ以上やると、後々グレイの体が持たないからな。
ハル「お前がべらべらしゃべってくれたおかげで、お前の本当の目的がわかった。後はそれを止めるべく、俺たちが動けばいい。」
リオン「フン!貴様なんぞに出来るものか。所詮グレイと同じ「なめるなよ。」っ、な!」
リオンが俺を馬鹿にするようにしゃべり始めたが、俺がシルファリオンで背後に周り、剣を首筋に構えた。
ハル「お前等がやり合ってる間に、他の奴らは潰しておいた。まぁ、死んではいない筈だ。」
リオン「なっ!」
そう、さっきの攻防の間に、他の覆面をした奴らを動けなくしておいたのだ。
ハル「こちらはこの場から引くが、迎撃なんてするなよ。してきたら、お前を八つ裂きにするからな。」
リオン「……。」
そして俺はシルファニオンでグレイの元に行き、グレイを担ぎ上げた。
グレイ「お、おい!降ろせ!」
ハル「今回の仕事は俺がリーダーだ。従ってもらうぞ。」
そう言ってシルファニオンで走り始めた。この速さなら迎撃も出来ないだろう。そう思いながら村に全速力でその場を離れた。