〜一筋の光線〜
夜 ガルナ島、海岸
ナツ「いや〜、終わった終わったー!」
ハッピー「あいさー!」
ルーシィ「ほんと〜、一時はどうなるかと思ったよ。すごいねウルさんって!」
ナツ「これで俺達も、S級クエスト達成だー!」
ハッピー「やったー!」
ルーシィ「もしかしてあたし達、二階に行けるかなぁ!」
グレイ「ふっ。」
デリオラが死に、リオン達との戦いが終わった俺達は、海岸で一休みしていた。ナツ達は喜んでいるけど……
ハル「お前等、何言ってんだ。まだ仕事は終わってねぇぞ。」
ルーシィ「ハル?」
ナツ「なんでだよ!デリオラは死んだんだからもういいんだろ!?」
ハル「俺達への依頼は「島の呪いをとく」こと。デリオラが死んだからって、とけた訳じゃない。」
ルーシィ「じゃあなんで村の人達はあんな姿に……」
エルザ「おそらく、ムーンドリップの膨大な魔力が人々に害を及ぼしたのだ。」
ハル「そういう事だ。」
ルーシィ「そ、そんな……」
ナツ「んじゃ、とっとと治してやっか〜」
ハッピー「あいさー!」
グレイ「どうやってだよ?あ、おいリオン!」
グレイがリオンを見ながらルーンドリップの事を聞こうとしたが、その前にリオンが答えた。
リオン「…言っておくが、俺は知らんぞ。」
ナツ「何だとぉ!?」
ハッピー「と〜!?」
リオンの話は長いので省略。ていうかあんま聞いてなかった。
エルザ「奴にも奴なりの「正義」があった。過去を難じる必要はもうない。行くぞ。」
エルザがナツを止め、村に向かおうとした。
ナツ「行こうったって、どうやって呪いをとくんだよ!?」
ハル「ナツ、俺に考えがある。」
それを聞いた俺は、他人から見たら「子供が悪戯を思いついたように見える」ような顔で振り返りながら言った。
ハル「だから村長さんの言う通り……月を壊しに行く!」
グ・ル・ハッピ「「「えぇぇーーーーー!!」」」
ナツ「マジかよ!?」
俺の一言に、グレイ達三人は驚き、ナツは目を輝かせていた。因みにエルザは普通、レットはなれてるかのような顔をしていた。
ハル「あぁ、本気だ。」
グレイ「だが、いかにハルでも…」
ハル「それは見ればわかるさ。」
その後、村人達がいるであろう資材置き場に向かったが、誰一人居なかった。グレイは傷薬と包帯を取りにテントの中に入った。すると、
「皆さん、戻りましたか!た、大変です。とにかく村まで急いでください!」
そう言われ、村に戻ると村が元通りになっていた。時のアークによるものだろうけど、便利な魔法だなぁ。俺も使いたいな……
見渡すとルーシィが村長ともめているのが見えたので、そこに向かった。
ハル「村長さん。月は俺が壊してみせます。」
「「「「えぇ!?」」」」
グレイ「お、おい。とんでもねぇ事シレっと言ってるぞ。」
ハッピー「あい、それがハルですから。」
ハル「だが、その前に確認したい事が……」
そして俺は村の人達を集め、原作のエルザのように質問した。結果は原作同様、調査できなかったと帰ってきた。因に落とし穴にはハマらなかった。
まぁこれで確認したい事はすんだ。後は……
ハル「それじゃ、これから月を破壊する!」
ナツ「おぉ!!」
ルーシィ「ほ、ほんとにやるの!?」
ハル「あぁ。そうしなきゃ解決しないからな。」
グレイ「ハルならほんとにやりそうに思えるのは俺だけだろうか?」
ハッピー「大丈夫だよグレイ。オイラもそう思ってるから…」
村の人達を俺から遠ざけ、俺は中心に位置した。
ハル「さて……」
俺は背負っていたTCMを地面に突き刺し、魔力を送った。
ハル「TCM…第八の剣…「ミリオンサンズ」!」
そしてTCMをミリオンサンズに変えた。ミリオンサンズは自ら光り始め、俺はその光を浴び、魔力を回復させた。
ルーシィ「ま、眩しい!?何なのアレ!?」
レット「あれは「ミリオンサンズ」。TCMの中でも、光を扱う剣。あの方法ならば、魔力を回復させるだけじゃなく、増幅させる事も出来るんだ。」
しばらく光を浴びた俺は、TCMを元のアイゼンメテオールの状態に戻した。そして俺の体にはいつも異常に光が纏われていた。
ハル「さぁ行くぜ!光竜の…咆哮!!」
回復した魔力でブレスを放つ。光の速さと、闇に対して効果のある光の魔法ならば……
そして光は空に映る月に当たり、空にヒビが入った。
村人「「「「「「「「「「おぉ!!」」」」」」」」」」
ル・グ「「嘘だぁーーー!?」」
空のヒビは広がっていき、ついに空が割れた。
ナツ「月ぃ!?」
村長「これは!?」
ルーシィ「割れたのは月じゃない。空が割れた!?」
ナツ「どうなってんだこれは!?」
エルザ「この島は邪気の膜に覆われていたんだ。」
ルーシィ「邪気の?」
ナツ「膜?」
ハル「そう、ムーンドリップの影響で出来た…な。それで、月が紫色になっていた訳だ。」
村の人達の足下が光りだし、変化が訪れた。
エルザ「邪気の膜は破れ、この島は本来の輝きを取り戻す。」
だが、村の人達の姿は変わらず、悪魔の姿のままだった。
グレイ「元に…戻らねぇのか?」
ハッピー「そんなぁ!」
ハル「いや、これでいいんだ。」
エルザ「そう、邪気の膜は彼等の姿ではなく、記憶を侵していたのだ。」
ハル「『夜になると悪魔になってしまう』という、間違った(・・・・)記憶だ。」
ルーシィ「え!と、言う事は……まさか!」
ハル「実は皆、元々悪魔だってことだ。」
「「「「えぇーーー!!!」」」」
グレイ「ま、マジ!?」
「え、いや、うん…言われてみれば…。まだちょいと混乱してますが…」
ハル(さすがに驚き過ぎだろ……)
そして村に聞き覚えのある声が響いた。
?「君達に任せてよかった。」
「「「えっ!?」」」
?「魔導士さん、ありがとう!」
そこには俺達がここに来る為に船を出してくれた、あのボボがいた。
ハッピ・ル「「ゆーれぇーー!?」」
グレイ「船乗りのおっさんか!?」
ナツ「なっ!?」
村長「ぼ…ボボ!?」
俺とエルザを抜いた全員が驚いていた。まぁそうだろう。記憶が変えられた状態だったんだから。
グレイ「あ、あんた…船の上から消えたr「シュッ!」うわっ!?」
グレイが訪ねたら、ボボは羽根を生やして空を飛んだ。
ボボ「あのときは本当の事が言えなくて済まなかった。」
グレイ「おぉお!?」
ボボ「俺は一人だけ記憶が戻っちまって、この島を離れたんだ。自分達が人間だと思い込んでいる村の皆が怖くって。あっははははは!」
村長「ボ……ボ…ボボ…」
村長はボボの姿を見て、泣きながら羽根を生やし、ボボのところに飛んでいった。
村長「ボボォーーーー!!」
ボボ「やっと正気に戻ったな!親父!」
それを見ていた他の村人達は、同じように羽根を生やし空を飛び始めた。
「生きてたーー!」
「ボボが生きてたぞ!」
「やったー!」
「めでたいぞー!」
エルザ「悪魔の島か…」
それを見ていたエルザがつぶやいた。
ナツ「でもよぉ、皆の顔見てっと、悪魔というより…天使みてぇだな!」
ナツの一言に、皆が微笑んだ。
村長「今宵は宴じゃー!悪魔の宴じゃー!!」
ルーシィ「悪魔の宴って、すごい響きね…」
ハッピー「あい…」
かくして宴が始まった。
ナツは松明についた火を食べて、グレイは島の女性達にモテていた。グレイの奴、意外にモテてるな…
しばらく宴が続いたが、途中太眉毛のユウカと、痛い子シェリーがやってきた。
エルザ「何のようだ?」
ユウカ「零帝リオンは、お前達にやられて動けそうにないのでな…」
シェリー「私達が借りを返しにきたのです。」
話を聞くに、奴らはけじめをつけにきたとか。村の人達は俺達に任せっぱなしは嫌だと言っているが、そういう訳にはいかない。
エルザ「ここは私に「いや、この仕事は俺が受けたんだ。厄介事は、俺がやる。」…そうか、任せた。」
てなわけで、俺は二人の前に出た。
シェリー「フェアリーテイル、「光の魔法剣士」ハル。」
ユウカ「あのときは油断したが、今度はそうはいかない。」
ハル「……ふ、けじめか…」
シェ・ユ「「?」」
ハル「やめにしないか?俺は一方的な戦いは好きじゃないんだ。」
ユウカ「なっ!?」
シェリー「何故わかったのです!?」
ハル「まぁ何となくだが…」
ルーシィ「え?何の事?さっぱりわからない!?」
俺達の会話を聞いていたルーシィが慌てていたが、レットがそれを鎮めた。
レット「おそらくアイツ等はわざとヤラれに来たんだ。」
ハッピー「“借りを返す”ってそう言う意味だったんだ!」
ユウカ「こんな事で償いになるとは思わんがな…。せめてものけじめのつもりだ。」
シェリー「だからどうか私達を「やだっつってるだろ」何故です!?」
ハル「お前等がリオンについていったのはお前等の意志だ。デリオラを倒して欲しいから、リオンについていった。そうだろ?」
ユウカ「それは…そうだが…」
ハル「デリオラは死に、村の問題も俺達が解決、村自体も元通り、お前達の憎しみも消えた。何の問題のない、全てが元に戻ったんだ。お前等のつけるけじめなんて、もうねぇ筈だぜ?」
シェ・ユ「「………」」
ハル「それでも、けじめをつけたいって言うんだったら……お前等、宴に参加しろ!!」(ニヤッ)
シェ・ユ「「…はぁ?」」
ナツ「そうだぜ!お前等、一緒に飯食おうぜ!」
ユウカ「な、何故そうなる!?俺達はさっきまで敵「そんなことどうでもいいんだよ!楽しくやるぞ!」うぉ!?」
そう言ってナツはユウカとシェリーを抱え、宴の席に座らせた。
ナツ「さぁ、盛り上がるかぁ!」
ハル「楽しんでいこう!」
皆「「「「「「おぉーーー!!」」」」」」
こうして俺達の宴はユウカ、シェリーを巻き込んで翌日まで続いた。
あとがき
はいどうも、作者のライデンです!まずはバカな高校生が書いているこの小説を読んでいただき、本当にありがとうございます!この一ヶ月で、実は総アクセス数が20万を突破しました!私自身、この小説がこんなになるなんて思いもしませんでした。
そして、今回あとがきを設けたのはアンケートをとってみたいと思ったからです。実はフェアリーテイルのアニメの「チェンジリング」。これをこの小説で書こうか迷ってます。ここまでアニメ沿いで書いてきた為、そこだけ抜かすのもなんだと思っていますが、今ネタが思いつかず……。なので私情ながらアンケートをとらせていただきます!何かご意見、ご要望などありましたらコメントをお願いします!以上、作者のライデンからでした。