小説『FAIRY TAIL 光の魔法剣士』
作者:ライデン()

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 〜vsファントム〜


 side ハル

 ハル「………と、言う訳だったんだが…」

 ファントムのギルドへの攻撃から帰ってきた皆は、想像以上に落ち込んでいた。俺は今ナツ、エルザ、グレイ、起きたルーシィと近くにいたエルフマンだけに、何故ルーシィが狙われたのか、ソルから聞いた事を説明したところだ。勿論、皆にも説明したがこっちの方がより詳しい説明だ。

 グレイ「…そう言う事だったのか…。それにしてもハル、お前その顔…」

 ハル「…気にするな…」

 そう、俺の顔は今めちゃくちゃボロボロだ。俺がファントムに行かなかったのがエルザの癇に障ったのか、帰ってきたときにたこ殴りに会った。

 ハル「すまないが、俺はちょっと外の風に当たってくる。」

 そう言って俺はその場を離れ、外に出た。原作通りならここに本部ごと攻めてくるが、俺があの時ルーシィを助けたせいで来ないなんて事は……ないか。どちらにしろ奴らはルーシィを手に入れないと意味が無いんだからな。

 しばらくギルドの外にいると、大きな揺れが起きた。やはり来たか、ファントムロード本部。下にいた皆もあがってきて、その光景に驚いていた。

 マカオ「ど、どうする!?」

 エルザ「…想定外だ……こんな方法で攻めてくるとは……!」

 ファントム本部は少し歩くと腰を降ろすような動きをして止まった。そして巨大な砲台が中から出てきて、エネルギーをため始めた。

 エルザ「まずい!全員伏せろぉーーー!!」

 エルザはそう叫び、一目散に換装を行いながら走った。止まるとエルザは「金剛の鎧」へと換装した。

 エルザ「ギルドはやらせん!」

 ハル「ったく、アイツはアイツで無茶しやがる!」

 そう言うと同時に俺も走り始めた。

 ナツ「エルザ!ハル!」

 俺はエルザの前に出ると、エルザを思いっきり後ろへ押した。

 エルザ「ハル、何を!?」

 ハル「危ねぇからどいてろ!」

 そう言いつつTCMをルーン・セイブに変え、魔力を最大限に込めながら構えた。

 その瞬間、魔道収束砲ジュピターが放たれた。俺はジャンプし、剣を振り上げた。

 ハル「(これは賭け、うまくいってくれ!)でぇぇぇりゃぁぁぁぁぁ!!」

 俺の「ルーン・セイブ」は「RAVE」のとは違い、高威力・高圧力の魔法に対してはそのまま切り掛かると切れない。封印の時と同様に、魔力を込めなければならない。今回のジュピターも高威力のもの。だから全魔力を注ぎ込むぐらいでいった。

 俺の剣とジュピターは少しの間競り合ったが、剣がそのまま振り切られ、ジュピターを見事切った。ジュピターは二つに分かれ、そのまま進んでいった。だが、俺が剣を振り上げるように切ったせいで方向が少し上に向かい、ギルドに当たる事も、町に被害が及ぶ事もなかった。
 そして俺は魔力を使いすぎたせいか、何も出来ないまま空から落ちた。

 エルザ「は、ハル!大丈夫か!?」

 ナツ「ハル!」

 俺を心配してか、エルザとエルザは俺に近づいてきた。

 ハル「あ、あぁ…意識はある……」

 エルザ「よかった……」

 ナツ「それにしてもすげぇなハル!」

 ハル「そうでもねぇよ…。こんなんでへばるとは、俺も…まだまだだ…」

  ジョゼ『…マカロフ…そしてハル・グローリーも、今のジュピターの一発でしばらくは動けまい。エルザが健在とはいえ、もう貴様らに我々に勝てる訳がない。今すぐルーシィ・ハートフィリアを渡せ。今すぐだ!』

 俺が倒れたのを確認してからか、ジョゼはルーシィの引き渡しを要求してきた。

 アルザック「ふざけんな!」

 ビスカ「仲間を敵に差し出すギルドがどこにある!」

 マカオ「ルーシィは仲間なんだ!」

 ジョゼ『渡せ!』

 俺は魔力を使い果たし、元のアイゼンメテオールに戻ったTCMを支えに立ち上がった。

 ハル「ふざけるなよ、ジョゼ!自分達の「家族」を見捨てるようなバカ野郎が、このギルドにいると思ってんのか!」

 エルザ「…そうだ!仲間を売るぐらいなら、死んだ方がマシだ!」

 「「「「「「「オォーーーー!!」」」」」」」

 ナツ「俺達の答えは何があっても変わらねぇ!お前らをぶっ潰してやる!」

 ギルドの皆は俺とエルザ、ナツの言葉に呼応するように大きく声を出した。

 ジョゼ『…ならばさらに特大のジュピターを食らわせてやる!装填までの15分、恐怖の中で喘げぇ!』

 それを聞いたジョゼはそう言い放ち、皆を恐怖させた。

 ハル「くっ!」

 エルザ「ハル!?」

 ハル「だ、大丈夫だ…」

 ジュピター…ここまでの威力だったか…。ほんとに来るんだったら本気でマズいな……。
 するとファントムの城から黒い兵が飛んできた。

 ジョゼ『地獄を見ろ、フェアリーテイル!貴様らに残された選択肢は二つ!我が兵に滅ぼされるか、ジュピターで消し飛ぶかだ!』

 マカオ「ありえねぇ!仲間ごとジュピターで消す気かよ!?」

 ワカバ「お、脅しさ、撃つ筈がねぇ…」

 カナ「いや、撃つよ!」

 マ・ワ「「えぇっ!?」」

 カナ「あれはジョゼの魔法、シェイド!人間じゃないのさ。ジョゼの魔法が作り出した幽鬼の兵士。」

 ビスカ「何!?シェイドって…」

 アルザック「お化け!?」

 ハル(ビクッ!!)

 カナ「…あ、しまった…」

 俺はアルザックの「シェイド=お化け」発言に反応し、頭を抱えてうずくまってしまった。お化け怖い、お化け怖い、お化け怖い……。

 カナ「ハルもこんなんだし、ジュピターをなんとかしないと……」

 ナツ「俺がぶっ壊してくる!15分だろ?やってやる!!ハッピー!」

 ハッピー「あいさー!」

 ナツはハッピーと共にファントム本部へ。その後グレイ、エルフマンも突入していった。

 カナ「こっちは私達で守りを固める!いいね!」

 「「「「おう!(えぇ!)」」」」

 そんな中、俺はまだうずくまっている。だってお化け怖いんだもん!

 エルザ「ハル、さっきの威勢はどうした!お前がそんなんじゃ、守れる物も守れないぞ!」

 そんな俺にエルザは声をかけてきた。

 エルザ「私はグレイ達と共に行くが、ここはお前に任せる。行けるだろ?」

 ハル「あ、当たり前だ!」

 エルザ「…足が震えてるぞ。」

 ハル「っ!これは……いや、弁解は意味ないか。」

 エルザ「頼んだぞ!」

 エルザは無責任にもそう言って城の方に向かった。考えてみればそうだよな。ここにうずくまっていても仕方ない。やるしかないんだ!

 ハル「レット、俺はここでしばらく魔力回復に専念する。カナにはそう伝えてくれ。」

 レット「わかった。」

 ハル「それと…」

 そう言って俺は換装の魔法で木の棍棒を出した。

 ハル「シェイドは触ると命の力を吸い取る。こいつを使えば何とかなるが……」

 レット「あぁ、使いこなしてやる。だから安心して回復していてくれ。俺はハルを支える為に強くなってきたんだ!」

 ハル「それじゃあ頼む。」

 レット「おう!」

 レットはそう言うと俺が持っていた棍を受け取りカナ達の方へ向かっていった。

 ハル「それじゃ、俺も始めますか。」

 俺は光を纏い、太陽の光を出来るだけ吸収するよう専念した。
 そんな中、カナ達がシェイドに苦戦しているのが見えた。

 ハル「頼むぞ、皆……!」






 しばらく経ち、俺の魔力も大分回復してきた。もうすぐ15分……ナツ達、うまくやってくれよ…。
 するとファントムの砲台にエネルギーが溜まり始めた。15分…になった瞬間、砲台が崩壊し、ジュピター発射を未然に防いだ。

 ビスカ「あれ見て!砲台が…!」

 アルザック「やったぞ!ジュピターの破壊に成功したぞぉぉぉ!!」

 「「「「「「「オォーーー!!」」」」」」」

 ハル「ふぅ……ナイス、ナツ…!」

 自然に俺は一息つき、安心した。するとファントムの城全体が動きだし、人型に変形し、魔道巨人ファントムMk-?となった。てか何気にかっこいいな……。

 ジョゼ『平伏すがいい、クソガキ共。そしてその身の程を知れ!絶望の中で己の最後をたっぷり味わうがいい!』

 人型となったファントム本部は一歩ずつ歩いてきた。そして再びシェイドが襲ってきた。

 アルザック「ジェイドがまた来るぞ!」

 ビスカ「巨人と幽霊、どうしろって言うのよ!?」

 カナ「アタシらはジェイドに集中!巨人は、ナツがきっと止めてくれる筈!」

 ワカバ「つってもよう…」

 マカオ「ナツは乗り物…」

 「「「「「「「あぁ〜〜……」」」」」」」

 マカオの一言を聞いた皆(俺以外)は真っ白になった。

 ハル「とにかく、まずはギルドだ!なんとしても守る!」

 「「「「「「「オォーーー!!」」」」」」」

 カナ「ハル、アンタもういいの!?」

 ハル「ジェイド相手なら普通に戦える!」

 そう言って俺は最前列に向かった。

 ハル「来いやシェイド!どうせお前らはジョゼの魔法。お化けでも何でもねぇ!」

 最前列に到着した俺は、光を纏いながらそう言った。ていうかそう考えたいって言う俺の願望なんだけど!

 ハル「行くぜ!光よ集いて、我が道を開け!エルライト!」

 俺は纏っていた光を放出し、球状にまとめジェイドにぶつけた。
 するとファントムMk-?は動きを止め、魔法陣を描き始めた。そう、マグノリアを破壊できる程の魔法、「アビス・ブレイク」の魔法陣を。

 ハル「くっ、さすがにあれはきついよな……」

 ナツ達が止めてくれるかもしれないが、原作が変わる可能性も……

 ?「ハル、ちょっといいか?」

 ハル「ん!?お前は……」

 そう考えていると、不意に後ろから声をかけられた。

 ?「俺に考えがあるんだが…」

 ハル「…?」

 side out







あとがき

 どうも!作者のライデンです!今回はご報告がありまして……。来週の土曜から私の学校の「中間考査」が始まります。それにつきまして、次の小説の更新が遅くなります。下手すれば更新できない可能性もあります。(息抜きとして書いていけば一つぐらい更新は…)時間と報告する事がありましたらコメントのところに書いておきます!なんとか考査を生き抜いてきます!

 それとついでに……。ついに私もTwitterを始めました!これから活動報告や雑談、アンケートなどもそこに載せる予定です。よかったら見てください!

 それではしばしのお別れ(?)を!さよなら〜

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