小説『FAIRY TAIL 光の魔法剣士』
作者:ライデン()

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 〜最初で最後〜


 side エルザ

 ミラ「エルザ!?」

 グレイ「エルザ、その傷は…!?」

 エルフマン「ここも偉い事になってんな……」

 私が呼ばれ振り返ると、そこには私より先にファントムに向かった二人と…いつの間にか来ていたミラがいた。

 エルザ「お前達…」

 ミラ「大丈夫なの!?」

 エルザ「あ、あぁ。問題ない。さっきそこのバカを倒したところだ。」

 エルフマン「そこのバカって…アリアの事か!?」

 グレイ「よく見ると目ぇ開いてるし…さすがだなエルザ。」

 エルザ「ふ、私なんてまだまだだ。私よりジュピターを受けた上にシェイド達と戦っているハルの方が……っ!」

 そうやってミラ達としゃべっていると、急にいやな空気を感じたこれは……。

 エルザ「死の気配……!」

 すると通路の奥から誰かの拍手の音が聞こえてきた。

 ?「いやいや見事でしたよ〜、フェアリーテイルの魔導士の皆さん。まさかここまで楽しませてくれるとは、正直思っていませんでしたよ。ジュピターを破壊し、エレメント4を降して…我が魔道巨人を跪かせるとはねぇ…。」

 エルザ「マスタージョゼ!」

 エルフマン「こいつが!?」

 グレイ「ファントムロードのマスターか!?」

 ミラ「なんて邪悪な魔力なの!?向き合っているだけで吐き気がする!?」

 その拍手の音の元は、マスタージョゼだった。

 ジョゼ「さて、楽しませてもらったお礼をしませんとなぁ…」

 グレイ「エルフマン!」

 エルフマン「おうよ!」

 ジョゼ「…たっぷりとねぇ…」

 そう言うとジョゼはゆっくりと手をかざした。
 グレイとエルフマンはそれぞれ自らの魔法を使い、ジョゼに攻撃しようとした。

 グレイ「アイスメイク…!」

 エルフマン「ビーストアーム!」

 エルザ「待て!早まるな!!」

 ジョゼ「笑止!」

 そしてジョゼの魔法が放たれた。
 しかしその魔法はグレイ達には当たらなかった。何故か。それは二人が空中で突然消えたからだ。

 ジョゼ「何!?」

 ジョゼの魔法はそのまま部屋の隅に当たり、壁が少し崩れた。

 ?「よっと!」

 するとどこからか声が聞こえた。後ろからだ。振り返るとそこにはグレイ達を抱えた男がいた。

 ?「ったく、少しは自分の体ぐらい気遣えねぇのかよお前らは。」

 グレイ「くっ…何でお前がここに…!?」

 ?「ん〜。まぁシェイドじゃ物足りなかった……なんてのは冗談で…」

 そう、その男とは……

 ジョゼ「…ハル…グローリー……!!」

 ハル「…こっからは、俺が相手だ。マスタージョゼ。」

 外でシェイドを相手に戦っている筈のハルだった。

 side out





 side 三人称

 エルザ「ハル…なんでお前がここに…!?」

 ハル「だから同じ事聞いてくんじゃねぇよ!全く…」

 そう言いながら頭をポリポリとかくハル。

 ジョゼ「…貴様はジュピターを防いで動けなかった筈…」

 ハル「だが現に俺はここにいる。その事実は変わらねぇだろ。」

 ジョゼ「ふ、そうですね…ですが手負いのあなたなど、私の敵でゴフゥ!」

 ハル「手負いかどうかは、これで判断つくだろ…」

 ジョゼがしゃべっている途中、ハルが急に動き出しジョゼを殴り飛ばした。とても私がギルドから離れたときとは違う。

 ジョゼ「グッ…何故だ。何故あなたのどこにこんな力が…!?」

 ハル「こっちにも強力な味方がいてくれてよ。回復を手伝ってもらったんだ。」

 そう言ってハルは説明し始めた。


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 そう、それは魔道巨人となったファントム本部がアビス・ブレイクの魔法陣を書き始めたときだった。

 ?『俺に考えがあるんだが…』

 ハル『考えって言ったって、どうすんだよ?トノ。』

 前回の話の最後に、ハルに声をかけたのはトノ・ラビッツだった。彼を知る人は少ないだろうが、彼は原作の漫画にのみに紹介された作者がアシスタントをモデルにした人物だ。彼はギルドの中で現在最年少、そして光魔法の使い手だ。
 実はハルは以前、彼に出会ってから時々チームを組んで仕事に出た事がある。初めて会ったときはハルも驚いた。なんせ始めはこの世界はアニメ基準かと思っていたからだ。

 それはさておき、そのトノが提案した考えとは。

 ハル『お前の魔法で俺の魔力を回復させる!?』

 トノ『おう。』

 そう、トノが光魔法を使ってハルの魔力を回復を早めると言う事だった。

 ハル『ちょっと待て!そんな事したら、後々お前が危険に』

 トノ『俺の事なんかどうでもいいんだ!』

 ハル『っ!…トノ?』

 トノはハルの言葉を遮って叫んだ。その目には涙が浮かんでいた。

 トノ『今の俺には…今ここで戦う力はない。確かに俺はまだまだ弱いけど…それでも誰かの為になりたい!ルーシィの助けになりたい!』

 ハル『トノ……』

 トノ『だから…ヒッグ!…俺、一生懸命に考えた…それで…それで……』

 そう言いながら泣き始めてしまったトノ。そんなトノの頭にハルは手を乗せた。

 ハル『…ありがとよ。お前の気持ち、聞かせてもらった。』

 トノ『ヒッグ……ハル…』

 ハル『でも、自分はどうでもいいなんて事、言うんじゃねぇよ。』

 トノ『っ!』

 ハル『トノ、お前はお前だ。他の誰でもない。お前が出来ない事が他人に出来て当然なんだ。そして…他人に出来ない事が、お前にはある。それが俺の魔力の回復、だろ?』

 トノ『………』

 ハル『自分が弱いと思うなら、今から強くなれ!グレイやエルザ、俺なんか超える気持ちでな!』

 トノ『……ハルぅ…』

 そう言うとまたトノは泣き出してしまった。

 ハル『泣くんじゃねぇよ、男だろ!?…大丈夫、俺がお前の…皆の思いを引き継ぐ。そして…必ずジョゼの野郎をぶっ飛ばしてきてやる!』

 トノ『…ハル、約束だよ…』

 ハル『あぁ、約束だ!それまで、お前泣くんじゃねぇぞ!』

 トノ『…うん!』

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 ジョゼ「…私を倒すだと?笑わせるな!マカロフのガキごときに、聖十の私が倒せる訳がない!」

 ハル「じゃあ、試してみるか?」

 ハルの話を聞き、ジョゼはハルの考えを否定した。そしてハルはTCMを地面に刺し、肉弾戦の構えを取った。

 ジョゼ「ほざけぇ!」

 ジョゼはそう言い放ち、闇属性の魔法を放った。ハルはそれを避け、ジョゼの懐へ入った。

 ハル「光竜の鉄拳!」

 ジョゼ「ふっ!」

 ハルはそのままジョゼへ光を纏った拳を突き出した。だがジョゼはそれをあしらうかのように避けた。

 ジョゼ「どうしたのですか!?そんなのでは私は倒せませんよ!」

 ハル「うっせぇんだよ!」

 そしてハルはそのまま拳を連続で繰り出し、ジョゼを攻撃した。だがそれもジョゼは避け続けた。

 ハル「くっ!」

 ジョゼ「はっはっはっは!当たりませんねぇ!」

 当たらないのがわかったのか、ハルはその場からジャンプして後退した。

 ハル「はぁ、はぁ、はぁ……ふぅ…」

 ジョゼ「ふふふ、さすがですねハル・グローリー。ジュピターを防ぎながらもこの私に挑むとは……。だが、はやり動きが鈍いですよ!」

 ハル「っ!があぁ!」

 エルザ「ハル!」

 ジョゼは再びハルに闇の衝撃波を放ち、ハルはそれをもろに受けた。

 エルザ「くっ……」

 ジョゼ「まだ立ちますか、ハル・グローリー。何故そこまでするのですか?」

 ハル「勿論、仲間の為…そしてギルドの為だ!」

 ジョゼ「仲間?ギルド?ふん、くだらない。あなたのような魔導士がそんな戯れ言を言うとはねぇ。」

 ハル「お前にとっては戯れ言かもしれねぇが、俺にとっては命の次に大切なもんなんだよ!」

 ジョゼ「命の次にねぇ……。ですが、あなたの言う大切な物が今まさに壊れようとしていますが?」

 ハル「何……!?」

 ミラ「どういう事よ!?」

 ジョゼ「おや、見たいのですか?それではお見せしましょう。」

 ジョゼがそう言うと、ジョゼの後ろに大きなスクリーンのような物が現れた。

 皆(ジョゼ以外)「っ!!」

 そこに映し出されたのは、シェイドが一つになった塊がギルドを殴り潰しているものだった。

 ミラ「そんな……!?」

 グレイ「俺達のギルドが…!」

 エルフマン「俺達の……!」

 エルザ「家が……!」

 ハル「………」

 ジョゼ「おっと、もう壊れてましたか。これであなた達が守ろうとした物が一つ潰れました。どうです?大切な物を失った気持ちは?」

 ジョゼはハルに問いかけた。

 ハル「…………」

 しかしハルはスクリーンを見たまま黙り込んでいた。

 ジョゼ「おや?どうしました、ハル・グローリー。まさかこんなので戦意喪失なんて事はないですよねぇ?」

 エルザ「ハル……」

 ミラ「………」

 エルザもミラも、グレイやエルフマンもわかった。ハルは今とてつもない怒りを覚えているのだと。ハルと初めてあったとき、ラクサスの攻撃がエルザに当たりそうだっただけであんなに怒ったんだ。そして今、大切なギルドが壊された。そしてこんな事をしたジョゼを許しはしないだろうと。
 しかし静かにしていたハルは急につぶやいた。

 ハル「……もういいや…」

 エ・ミ・グ・エルフ「「「「っ!?」」」」

 それは四人が考えもしなかったつぶやきだった。

 ジョゼ「ほう、諦めましたか。もう少し骨があると思っていましたが…」

 エルザ「ハル!どうして…」

 ハル「あの人が来るまで時間を稼ぐつもりだったけど、もういいや。」

 ミラ「え?」

 エルザ「それって…?」

 グレイ「何言ってんだ?」

 エルフマン「どうしたんだ?」

 またハルはつぶやき、四人はその意味が理解できなかった。

 ジョゼ「全く言ってる意味が分かりませんが、まぁいい。今すぐここで死なせてあげますよ!」

 ジョゼはそう言って魔力をため始めた。

 エルザ「っ!ハル…!」

 ミラ「避けて!」

 ジョゼ「もう遅い!死になさい、ハル・グローリー!」

 そしてジョゼの魔法が放たれた。







 だが、


 ハル「ごめん、マスター…」

 バチィィィ!

 ハルは光を纏った左腕を振るい、ジョゼの魔法をはじいた。

 ジョゼ「な、何!?」

 はじかれた魔法はギルドの壁に当たった。

 ハル「…もう我慢できねぇや……」

 ハルはそう言うと自然な姿勢になり、小さくつぶやいた。

 ハル「……『練』……」

 その瞬間、ハルえを中心に突風が吹いた。エルザ達は思わず目を瞑った。
 風が落ち着いてから目を開く。するとハルの体から何かが放出されているように見えた。

 ハル「…さぁ、始めようかジョゼ。最初で最後の俺とアンタの戦いを…。こっからが俺の…ショータイムだ!」

 side out








あとがき
 遅くなりました!ライデンです!なんとか一話分書けました!ちょっと時間が足りなかったので雑かもしれませんが……。
 でも実は、テストは終わっていません!そして今日がテストの初日!終わりは水曜なので、その日更新できればいいなと思っている次第です。
 ではまた!テストがんばってきます!

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