小説『FAIRY TAIL 光の魔法剣士』
作者:ライデン()

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 〜ツッコミがないと意外に困る〜


 side ハル

 フェアリーテイル ギルド前


 ハル「ん、う〜……」

 エルザ「お、ハル。目が覚めたか?」

 ハル「エルザか。あぁ、まだ体がダルいけどな。」

 ミラ「おはよう、ハル。意外と早いのね。」


 今俺は二人に両側から抱えられていた。全く、お前ら俺が寝てからずっとそれだったのか?


 ナツ「お、生きてっかぁハル?」

 グレイ「いい夢見れたかよ?」

 ハル「生きてるよ。それに残念ながら夢は見てねぇよ。…で、今の状況は?」


 ナツとグレイが俺が起きた事に気づいて話しかけてきた。そして俺は今の状況を把握すべく、エルザに質問した。


 エルザ「うむ、まぁあれを見ればわかるだろう。」


 と言って俺の質問には答えず、ある方向を向いたエルザ。俺もそれにつられ、その方向を見た。そこには……


 ルーシィ「うわあああぁあぁああぁぁあぁぁぁぁ!」

 マカロフ「えーーーーーーーん!」


 号泣しているルーシィと、悲しみにくれているマスターがいた。……うん。


 ハル「マスターがルーシィ慰めて、その後マスターが泣き出した。と言ったとこか。」

 ミラ「さすがはハルね。ズバリその通り。」

 ハル「やっぱりか。ていうか二人とももう放せ。立てるから。」

 エルザ「何!?」

 ミラ「そんな遠慮しなくていいのよ。また後々つらいだろうから。」


 そう言う訳にもいかないんだよ。後ろにいるお前の弟が何故かこっち睨みつけてくんだぜ?やってられるか!それにエルザ、あからさまにがっかりすんな!
 そんなこんなでなんとか二人を説得し放してもらった。だが苦難はまだまだ続く。


 カナ「お?ハル起きたのか?」

 ハル「お、おうカナ。悪かったな、お前達置いてジョゼのところ行っちまって…」

 カナ「そんな事どうでもいいんだよ!お前、ジョゼ倒したんだって!?」

 ハル「あ、あぁまぁな……」


 俺が目を覚ました事に気づいたカナがしゃべりながらこっちに歩いてきた。そして俺の横まで来ると俺の肩に腕をまわしてきた。


 カナ「すごいじゃねぇか!これで一緒に酒を飲めるってもんだぜ!なぁ!」

 ハル「カナ、前にも言った筈だが俺は酒を飲む気はない。てかお前もう酒入ってんのか!?」

 カナ「なんでもいいじゃねぇか!おれおれ、一緒に飲もうぜぇ!」

 ハル「だぁ!後ろから乗っかるな!疲れてんだからゆっくりさせてくれ!」


 カナは俺の言い分も聞かず、後ろからもたれかかってきた。こうなると後々厄介だ。元はカナがやってるのに俺がシメられるんだからよ。誰かって?俺の後ろからさっきをまき散らしているあの怖い二人にだ。憂鬱だよほんとに………

 で、結局その後評議員の軍隊「ルーンナイト」がやってきて原作通り取り調べが開始された。まぁ特に悪い事をしているって訳じゃないしな。被害もうちのギルドだけだったし。



 その後、一週間が経って………


 ナツ「ウォラァーーー!!がっ!?」


 評議員からの取り調べも大分落ち着いて、俺達はギルドの再建を行っていた。ナツの奴、また無茶しやがって。


 グレイ「一度にそんな持つからだ、バ〜カ。」

 ナツ「んだゴラー!」

 グレイ「やんのかゴラ!」

 ナツ「チマチマ運んでんじゃねぇよ!」


 あ〜あ、またケンカ始めやがったよ。これじゃまたアイツが…


 エルザ「そこぉ!」

 ナ・グ「「ぐほぉっ!?」」


 その時、丁度エルザが角材を振り下ろし二人を地面にめり込ませた。


 エルザ「口より体を動かせ!一刻も早く、フェアリーテイルを再建するんだ!」

 ナ・グ「「あ゛い゛……」」


 工事現場の作業員の格好で仁王立ちをしながら言うエルザ。相変わらず迫力あるな〜。


 ミラ「ハル、そんなのよく持てるわね…」

 ハル「ん?あぁ、まぁな。」


 ミラがこう言うのは、俺が今片手で角材を十本ずつ、両手で二十本持っているからだろう。さっきまでこの状態で「神速」使って移動してたんだけど、ナツ達の騒動見てて足が止まっちまったみたいだな。こうするといい訓練になるんだ。因にオーラで腕強化してます、はい。
 それにマスターも巨大化して角材を組み立てている。あっちの方がすごいと思うのは俺だけか?ま、なんでもいいんだけど…。


 エルザ「監督〜、この角材はどちらへ!?」

 マカロフ「おぉ〜、あっちじゃ!」

 ジェ・ド「「なんだよ監督って…」」


 うん、普通はそう思うよな。突っ込む気持ちもわかる。その後、グレイがまたミラを泣かしておどおどしていたり、丁度お昼時にジュビア特製のキャラ弁(?)が現れたり、それが以外とうまかったりで色々あった。
 その時、


 ロキ「ナツ、グレイ、エルザ、それにハル。これ、ルーシィに渡しといてくれないか?彼女の鍵だ。」


 いつもの美形の顔が目の下の隈のせいで残念になっているロキが、ルーシィの鍵を持って現れた。


 グレイ「お前、しばらく見ねぇと思ってたら。」

 ナツ「ずっとこれ探してたのか?」

 ハッピー「大丈夫?すごく顔色悪いよ。」

 ロキ「ありがとう、大丈夫だ。」

 ハル「明らか大丈夫じゃなく見えるのは俺だけか?」

 ロキ「大丈夫だって。フェミニストはつらいね……」


 ファントムとの一戦の時より明らかに顔色が悪い。いつ倒れてもおかしくはない。


 ハッピー「ルーシィ来てないみたいだよ。怪我が痛くて動けないのかも…」

 ナツ「様子見にいってやっかぁ。ロキも来いよ。」

 ロキ「遠慮しておくよ。僕が星霊魔導士を苦手にしているの、知ってるだろ。」

 ナツ「そっかぁ?ルーシィはルーシィなのになぁ。」

 エルザ「ナツ、得手不得手は人それぞれだ。あまり詮索してやるな。」

 ハル「…………」




 ルーシィの家

 ハッピー「ルーーシィ!」

 ナツ「元気してっかー!」

 グレイ「窓から入ってんじゃねぇよ!」

 エルザ「貴様ら入り口から入れ、入り口から。」

 ハル「そうだぞお前ら、ここは人ん家なんだからよ。」

 ナ・グ「「お前らも何やってんだよ!?」」

 ハッピー「あい。」


 皆でルーシィの部屋に入ったんだが、ナツとハッピーがいつも通り窓から、グレイは煙突、エルザと俺はミラから借りた家の鍵を使って入った。そしてエルザは入って早々紅茶を、俺はコーヒーを頂いていた。因にレットはギルド再建の手伝いのため、ギルドの方に残ってもらった。


 ナツ「ん?あれぇ…」

 グレイ「いつもなら……」

 エルザ「『私の部屋ー!』、となる筈なんだが…」

 ハル「ツッコミがないねぇ…」

 グレイ「風呂かぁ…。『グレイのエッチー!』と、お約束の展開が待ってるようで〜、申し訳ねぇが…!」


 と言い、想像通りの展開を予想してグレイが風呂場をのぞいた。

 ナツ「ん、いねぇ!」

 グレイ「てか速ぇよ!つか入ってんじゃねぇ!」


 だがそこには服を着たまま風呂に入っているナツがいて、グレイは思わず突っ込んだ。いや、服もまま入ってる方にも突っ込めよ。


 エルザ「出かけているようだな…」

 グレイ「お前も何しに来たんだよ!?」


 そこに風呂に入ろうとしてタオルを巻いた姿になっているエルザもいて、グレイが突っ込んだ。


 ナツ「ん〜……」

 エルザ「どうもツッコミが半端だな。」

 ハッピー「ルーシィいないとテンポ悪いね。」

 ハル「やっぱツッコミ役はパーティーに必須の項目だな。」

 グレイ「なんのダメ出しだよ。つか半端で悪かったな、おい。」


 しばらくルーシィを探した。途中ハッピーがルーシィのエロい(?)下着をみつけたのは別にいいだろう。因に俺は見なかったぞ。……嘘じゃねぇからな!


 ハッピー「うぅわああぁぁぁぁ!!」


 その後、ハッピーが何かをぶちまけてしまった。


 ハッピー「ムギュゥ……」

 エルザ「なんだこれは?」

 グレイ「手紙だな。」

 ハル「なんでこんなたくさん…」


 まぁ知ってるんだけどな。


 ナツ「ママ、あたし遂にあこがれのフェアリーテイルに入る事が出来ました…」

 グレイ「おいおい、勝手に読むんじゃねぇぞぉ!?」

 ナツ「今日は、エルザさんとハルさんって人に会ったの。エルザさんは格好良くてきれいで「…ッ!///」、ハルさんは見た目優しいんだけどとっても強くてね。「へぇ、そう思ってたのか…」ナツとグレイがね…」

 グレイ「これ全部…ママへの手紙か?」

 ハッピー「みたいだね。」

 ナツ「なんで送ってねぇんだろ?」

 ハル「理由があんじゃねぇか?」


 まぁこれも知ってるけどな。
 するとエルザが机の上にあった書き置きを見つけた。

 エルザ「…書き置きだ。「「「ん?」」」これはルーシィの書き置きだ…」

 ハル「ん?内容は…「家に帰る」…だってよ…」

 ナ・グ・ハッピ「「「な…なんでぇーーー!!?」」」


 書き置きの内容は俺が読んだけど、お前ら息ぴったりだな。それにしてもルーシィの奴、俺達がここに来るって予想してたのか?だとしたらすげぇよな……。



 ハートフィリア家領 レイラの墓

 俺達はルーシィを探しに、ルーシィの実家(?)のある場所までやってきた。途中、エルザが人にルーシィの事を聞いて、墓地の方向に向かったと言われそこに向かった。

 「「「「「ルーシィーー!!」」」」」

 ルーシィ「なんでぇー!?」


 向かった先でルーシィを発見。その後フェアリーテイルを出て行くのか訪ねたが、ルーシィが詳しい話をしてくれて、皆目を丸くしていた。
 そして、ルーシィのお屋敷の皆さんに見送られながらフェアリーテイルに戻った。


 ルーシィ「ホント、心配かけてごめん。」

 エルザ「気にするな、早合点した私達にも非はある。」

 ハル「ここに来た理由が、親父の説得と墓参り、かぁ…」

 グレイ「取り越し苦労だった訳かぁ。」

 ナツ「ハッピーなんかずぅっと泣いてたぞ。」

 ハッピー「ナツだっておろおろしてたじゃないか。」

 ナツ「うぐっ、してねぇって…//」

 ルーシィ「な、なんかホントごめんね…」

 グレイ「しかしまぁ、無駄に広い町だなぁ。」

 エルザ「のどかで良いではないか。」

 ハル「空気もうめぇしな!」

 ルーシィ「あ、違うの。ここはうちの庭だよ。あの山の向こうまでがあたしん家。」


 そんな会話をしていると、ルーシィがここの周りで一番高い山を指差しながらそう言った。うん、確かにでかい…。前世でもいないと思うな、こんな広い土地を持っている人は。
 それを聞いたナツ、グレイ、エルザ、ハッピーはだんだんと白くなっていった。


 ルーシィ「あれ?どうしたの皆?」

 グレイ「オ姫様キターーーー!!!」

 ナツ「サリ気自慢キターーーー!!!」

 ハッピー「ナツとグレイがやられました!エルザ隊長、一言お願いします!」

 エルザ「…アァ……空ガ、青イナァ……」

 ハッピー「衛生兵!エルザ隊長が故障したぞー!!」

 ナ・グ「「ウパーーーー!!」」

 ハッピー「頼れるのはあなたしかいません!ハル副隊長、一言!」


 ん?なんか期待されてるし、言っておくか。


 ハル「……今日ノ風ハ…騒ガシイナ……」

 ハッピー「衛生兵!ハル副隊長までもが故障したぞー!」


 こうして俺達は日が沈む中、フェアリーテイルへ戻っていった。

 side out

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