〜新たなる世代〜
side ハル
ミラ「皆〜!今日から仕事の受注を、再開するわよ!仮説の受付カウンターだけど、ガンガン仕事やろうね!」
「「「「「「「「「「おぉーー!」」」」」」」」」」
この前のルーシィの一件から数日。ギルド再建も順調に進み、仮説のカウンターもできようやく仕事ができるようになった。ファントムの事件の前あまり仕事に出ていなかった奴もクエストボードにたまっていた。
ルーシィ「何あれ〜。普段仕事もしないでだらだらしているだけなのに。」
ハル「そのだらだらするのにも金がいるし、ルーシィみたいに家賃を払わなきゃいけない奴もいるんだよ。ファントムの事件から仕事出来なかったしな。」
ルーシィ「ははは、確かに…。そういや、ロキいないのかな?」
ミラ「あ〜あ、ルーシィもとうとうロキの魔の手にかかっちゃったのね〜。」
ルーシィ「な、違いますー!」
ハル「鍵の事のお礼、だろ?」
ルーシィ「そうなの。ロキが落とした鍵見つけてくれたみたいで、お礼でもしようかと思ってて。」
ミラ「あら、そうなの。見かけたら、伝えておくわ。」
因に俺は仮説カウンターでルーシィと一緒に座っていた。まぁルーシィとミラの雑談中に俺がコーヒーでも飲もうと来ただけなんだが。
ミラ「それより、星霊に怒られなかった?鍵落としちゃって。」
ルーシィ「あ…あははは、そりゃもう、怒られるなんて騒ぎじゃなかったです………。思い出しただけで、お尻がズキズキ……」
ミラ「あらら……(汗)」
思い出してそれか……。さぞかしつらいお仕置きだったんだな……。
するとグレイが近づいてきて手を冷やしながらルーシィに話しかけてきた。
グレイ「冷やしてやろうか?」
ルーシィ「さりげないセクハラよ、それ。」
ハッピー「ルーシィ、赤いお尻見せて〜」
ルーシィ「堂々としたセクハラよ、それ!」
ナツ「(ボゥッ)もっとヒリヒリさせたらどんな顔すっかな?」
ルーシィ「鬼かお前は!」
うん、何だろうなこの会話……。やっぱりツッコミはルーシィがいいな!グレイよりキレがいいな!
すると今度は酒樽が飛んできてナツに当たった。投げられた方向を見ると……。
エルザ「もういっぺん言ってみろ!」
グ・ル「「…エルザ…?」」
ラクサス「この際だ、はっきり言ってやるよ。弱ぇ奴はこのギルドに必要ねぇ!情けねぇなオイ。ファントム如きになめられやがって。つか、お前ら名前知らねぇや。」
ジェ・ド「「………」」
ラクサス「それに元凶のテメェ、星霊使いのお嬢様よう。テメェのせいで…」
ミラ「ラクサス!もう全部終わったのよ。誰のせいだって、そんな話最初っからないの!戦闘に参加しなかったラクサスにもお咎めなし。マスターだってそう言ってるのよ!」
ラクサス「…そりゃあそうだ。俺には関係ねぇことだ。俺がいたらこんな無様な目には遭わなかったがな。」
エルザ「…貴様!「待てやゴラァ!」っ!ナツ!」
ラクサスの一言にエルザが突っかかろうとした時、ナツも耐えられずラクサスを殴ろうとした。しかし……。
ス……ザンッ!
ナツ「ッ!?ハル…!」
俺がTCMを抜き、ナツの進路を妨害するように地面に刺した。
ハル「ナツ、動くな。今のお前ではまだアイツに振れる事も出来ない。」
ナツ「だけど!」
ハル「ラクサス、お前は余計な事をしゃべりすぎるんだよ。お前がいたらこんな無様な目に遭わずにすんだだと?そんなこと、実際に居なかったお前が言う権利はねぇぞ。」
ラクサス「ハッ、言ってくれるじゃねぇの!だが…今回お前は他の奴らより大きな仕事をしたとかいうじゃねぇか。ファントムのジュピター止めて、ジョゼを倒した。そんなお前みてぇな強ぇ奴がどうしてこんな奴らの肩を持つ。」
ハル「フン、バカかお前は。ナツ、グレイ、エルフマン、エルザのエレメント4の撃破、さらにナツは鉄の滅竜魔導士のガジルと激戦の末の勝利。それに俺はジュピター受けた直後は動けなかったんだぞ。それを仲間が助けてくれた。他の奴らが居なかったらどうにもならなかっただろうぜ。」
ラクサス「笑わせるぜ!そんな甘ぇ事、こんな弱い奴らに囲まれながらいつまで言い続けられるかな!俺がこのギルドを継いだら弱ぇもんは全て削除する!そして歯向かう奴も全てだ!最強のギルドを作る!誰にもなめられねぇ史上最強のギルドをだ!!ふははははは…!」
ラクサスは笑いながら稲妻となって消えていった。
ルーシィ「…継ぐって、何ぶっとんだこと言ってるのよぉ。」
ミラ「それがそうでもないのよ…」
ルーシィ「え…?」
ハル「実はラクサスは、マスターの実の孫なんだ。」
ルーシィ「え?…えぇぇーー!?」
ルーシィの疑問にカウンターの近くに来た俺が答えた。ルーシィは俺が不意に答えたからか最初は変な顔していたが、俺の言った言葉の意味がわかって驚いた。
ルーシィ「ハル、今の事本当なの!?」
ハル「あぁ、マジだ。」
ミラ「だから、マスターが引退したら次のマスターがラクサスの可能性はすごく高いの。」
ルーシィ「そ、そんな…。でも、私はいやだな。仲間の事をあんな風に思っている人がマスターになるなんて…」
ハル「そりゃあ俺だってエルザだってミラだってそう思っている。当然マスターも。だから安心して引退出来ないっていう噂もあったりするんだ。」
ルーシィ「あ、そうなんだ…」
ルーシィの言っている事はもっともだ。ギルドの奴らを何とも思っていない奴がギルドのマスターになったら、それこそギルド崩壊の危機だ。それにしても……ラクサスの奴、昔はあんなに仲間を蔑むような行為はしなかった筈なんだけどな…。
ナツ「あんの野郎…!」
エルザ「もういいナツ。アイツに関わると疲れる。それにハル、すまなかったな。わざわざお前が出てくるところでもなかったのに。」
ハル「別にあんなの、俺にとっちゃ何でもねぇよ。気にするな。」
エルザ「そう言ってくれるなら。それよりどうだろう。仕事にでも行かないか?」
ハル「ん?俺か?」
エルザ「そうだ。勿論ナツもグレイも、それにルーシィもだ。」
ナ・グ「「げぇ!」」
ルーシィ「はいぃ!?」
ハル「グレイ、服脱げてるぞ。」
グレイ「うおぉ!?」
エルザ「アイゼンバルドの一件から、常に一緒にいる気がするしな。」
なんかエルザに仕事に誘われた。まぁなんでもいいけどさ。さっきの憂さ晴らし程度にならなるか……。
ワカバ「いつも一緒にいる気がするって…今頃かい!」
マカオ「誰がどう見たってそうだっただろうが。ちゃんと自覚していなかったのか?」
カナ「さすがエルザ…」
うん、まぁ…あの三人のツッコミは無視の方向で。
エルザ「この際チームを組まないか?私達五人で。いや、ハッピーとレットを入れれば七人、だな。」
ルーシィ「……でも…私なんかでいいのかな…?」
ナツ「なんかじゃねぇ!」
ルーシィ「え?」
ナツ「ルーシィだからこそいいんだ!」
ハッピー「あい!」
ナツ「お前がいないと、何となく締まりがねぇからな!」
ルーシィ「………ははっ//」
ハル「それに、パーティにはツッコミ役がいないと困る事もわかったしな…」
グレイ「…そこで俺を見るんじゃねぇ…」
グレイじゃ役不足だし、俺はそんなキャラじゃないからな。
カナ「フェアリーテイル最強チーム、正式結成だね。」
マカオ「こりょあいいや。」
ワカバ「つか、ルーシィ最強か?」
アル「僕はアクエリアスを出されると、勝てる気がしないよ。」
ドロイ「ツッコミもすごいしな。」
ジェット「いろんな意味で最強。」
そう言えば俺もエルザも、ちゃんとしたチーム組むのは初めてか……。
ナ・グ「「こ、こいつと…!」」
エルザ「不満か?」
ナ・グ「「いえ!うれしいです」」
あの二人はいつもの調子。うん、元通りになったって感じだな。
エルザ「ルピナスの城下町に暗躍している、魔法教団を叩く!行くぞ!」
「「「「「「おおぉーー!!」」」」」」
side 三人称
夜 フェアリーテイル工事現場
マカロフ「んぐっ、んぐっ、んぐっ…ぷはぁぁ!」
評議員のお呼ばれから戻ったマカロフは、工事現場で酒を飲みながら思考を巡れさていた。
マカロフ「……引退、かぁ……。ギルドも新しくなる。ならばマスターも次の世代へ……。ラクサス…あやつは心に大きな問題がある…。ミストガンは、ディスコミニュケーションの見本みたいな奴じゃあ…。だとすると、まだ若いがエルザ、それにハル。特にハルは他の者共からの信頼もある…」
マカロフがそこまで考え込んでいると、不意に声をかけられた。
ミラ「マスタ〜!こんなところにいらしたんですか〜!」
マカロフ「ん?」
ミラ「また、やっちゃったみたいです!」
マカロフ「はぁ!?」
声をかけてきたのはミラだった。下にいたミラを見ると、手には書類があった。その時点で何かいやな予感がするマカロフ。
ミラ「エルザ達が、仕事先で町を全壊にしちゃったそうです!」
マカロフ「かぁあぁぁ……(°Д°)」
ミラ「評議員から、早々に始末書の提出を求められてますよ〜!」
マカロフ「………(サラサラサラ…)」
ミラ「あれ?マスター!?」
マカロフのいやな予感は見事的中し、しかしその事実にマカロフは驚愕し、遂には灰のようになって風に飛ばされかけてしまった。
マカロフ「引退なんかしてられるかぁぁーー!!!」
マカロフは夜空に向かいながら泣き叫んだ。その叫びはとても切なかったという。
side end
あとがき
どうも!作者のライデンです!書けましたよ、今回も!そして私が待ち望んでいた冬休みがようやくやってきました!やっほ〜!
で、いきなりなんですが、小説の更新及び小説を書くのが来週いっぱい出来ないかもしれません。理由としては来週は学校の行事で信州の方まで行ってたり、そうじゃなくとも宿題やらなんやらをやらなければいけないからです。生存を確認しておきたい方は、ツイッターの方をご確認していただくとよろしいかと思います。
では足早に退散ということで、また今度の機会に!