小説『FAIRY TAIL 光の魔法剣士』
作者:ライデン()

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 〜星霊って厄介事が多いらしい〜


 side ハル

 マグノリア東部 とある盗賊団のアジトにて


 タウロス「モォオォオォオォォォォォ!!」

 「ダァァ!?」(ドサッ)

 ルーシィ「やったね!いっちょ上がり!」

 タウロス「モォォ!すてきです、ルーシィさん&#9825;」


 俺達は今、チームで盗賊団を仕留めるクエストをやっている。だがあまりにも手応えがなく、ナツやグレイは満足してない様子…


 ナツ「歯ごたえのねぇ奴らだなぁ!」

 グレイ「弱ぇくせに盗賊なんかやってんじゃねぇよ。」

 「俺らにこんな事して、ただで済むと思うなよ…」

 「デボン様が、黙っちゃいねぇぞ…」

 ハッピー「そいつとっくに潰れてるよ!」

 エルザ「こっちも片付いた。」

 ハル「そっちはやったんだろうな。」

 ルーシィ「さっすがエルザにハル!」

 「ひ、ヒィイィィ!」


 すると生き残っていた盗賊の一人が逃げ出そうと動いた。それにエルザは反応したが…


 ガシッ!

 ハル「おい、お前。まだ意識があるようだな…」

 「ヒイイイィイイィィ!!」


 それよりも速く俺が捕まえ、後ろから首をつかんだ。


 ハル「実は俺もアイツ等と同じで物足りなかったんだよ。だからお前で少し満足させてくれよ…」

 「ッ!?………」


 うん?なんだ。こいつ返事がないな……。よし。


 ハル「返事がない、ただの屍のようだ。」

 ルーシィ「いや、ただハルの怖さに気絶しただけだからね!?」


 おおぉ、さすがルーシィ。ツッコミのキレがありありだな。

 ま、そんなこんなあり、無事仕事は終わった。結局憂さ晴らしできなかったな、残念。


 ナツ「うぉぉ!暴れ足りねぇ!!」

 グレイ「十分暴れたじゃねぇか、おめぇ…」

 ハッピー「ルーシィ見てぇ、この宝石!」

 ルーシィ「だぁあ!勝手に持ってきちゃダメでしょう!!」

 レット「だが売れば家賃にはなる。」

 ルーシィ「う、それは……」


 レット、お前そんな腹黒い一面持っていたのか…


 ハッピー「ん?あそこにいるのロキじゃない?」

 ルーシィ「ほ?」

 ロキ「あれ?」


 するとハッピーが少し先にいるロキに気づいた。ロキもこっちに気づいたらしい。なんだか少し驚いている表情をした。


 グレイ「偶然だな!」

 ナツ「お前もこの辺で仕事か?」

 ロキ「あぁ、皆も?…なぁ!?ルーシィ…!」

 ルーシィ「ちょうど良かった!この間は鍵を見つけてくれて…」

 ロキ「それじゃあ、仕事中だからああぁぁぁぁぁぁ!!」


 ルーシィが鍵を拾ってくれた事に礼を言おうとしたが、ロキはそれを遮るように声を出し、そのまま走り去ってしまった。


 ルーシィ「な…なによあれぇ…?」

 グレイ「お前、アイツに何したんだ?」

 ナツ「相当さけられてんぞ。」

 ルーシィ「何もしてないぃ!」

 ハル「ルーシィをというより、何かを隠すため星霊魔導士を避けてるようだな。」

 グレイ「なんだよそれ?」

 ハル「ただの勘だ。」


 こうして俺達は盗賊団のアジトを後にした。




 で、所変わってマグノリアのホウセンカ村。ルーシィの提案により、温泉街に来て、一泊する事になった。そして……


 ナツ「始めっぞコラァァ!」

 ハッピー「うぱぁー!」

 グレイ「何だよやかましいな…。俺は眠ぃんだよ…」

 ナツ「おい見ろよ!旅館だぞ、旅館!旅館の夜っつったら、「枕殴り」だろうがぁ!」

 ハル「それを言うなら「枕投げ」。殴ったら枕破けたりするだろうが。」


 ナツからの提案で、枕投げが決行!まぁ枕投げするのは別に嫌いではないからな。小学生のときやったなぁ…


 エルザ「ふふん、質のいい枕は全て私が抑えた!」

 ルーシィ「質って…」

 ナツ「俺はエルザとハルに勝ぁつ!」

 グレイ「やれやれ…」

 ナツ「とう!」


 ナツからエルザに放たれた枕は、エルザが避ける事で後ろにいたグレイに当たってしまった。哀れグレイ…


 グレイ「ナツテメェ!…おう!いつの間にか枕が!」


 グレイは枕を投げてきたナツに怒りを覚え、反撃に出た。足下に突然と増えた枕はジュビアがやったもの。アイツも頑張るねぇ。


 グレイ「おおぉぉぉおぅ!」

 ナツ「グハァ!」

 グレイ「次は…エルザだ!」


 今度はグレイの投げた枕がナツにヒット。そしてグレイは標的をエルザに変え、枕を放った。エルザはその枕を片手で受け止めた。


 エルザ「やるな!」

 ルーシィ「あっははは!よ〜し、私もまざるかな!」


 刹那、三つの枕がルーシィに向かって飛んできた。俺はそれをバンジーガムで捕らえ、右手におさめた。


 ハル「止めとけルーシィ。こいつらの枕投げに参加すると、大怪我じゃ済まないぞ。外にでも行ってこい。後はなんとかする。」

 ルーシィ「た、確かに…(汗)。じゃ、じゃあお言葉に甘えて…」


 ルーシィはそう言って旅館を後にした。さてと…こいつらをどうにかしないとな…。旅館壊れ始めてるし。


 ハル「さぁお前ら…いい加減にしやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」











 フェアリーテイル ギルド工事現場


 結局あの後、ナツ、グレイ、エルザに軽く説教をし、旅館への被害は最小限に抑えた。まぁ、それでも払わなくちゃいけなかったけどな。

 で、今はナツとグレイが枕投げの結果でもめている。もう止める気にもならん……


 ナ・グ「「ルーシィ!勝ったのは俺だよな!?」


 ナツとグレイは勝敗の結果をルーシィに尋ねた。だがこの時、二人は気づいていなかった。さっきからルーシィから発せられていた負のオーラが。


 ルーシィ「…うるさい……」

 ナ・グ「「ご、ごめんなさい……」」


 案の定、その負のオーラはルーシィに威圧感と言うものを与え、二人を一言で黙らせる力を与えた。そして二人はとぼとぼと仮説カウンターから去っていった。


 ハッピー「ルーシィ、ずっと機嫌悪いね。」

 ルーシィ「そう?普通だけど…」

 ハッピー「オイラのいたずら、まだ怒ってる?」

 ルーシィ「ちぃがぁうぅ!私ってそんなに器の小さい人?」

 ハル「あんま怒りすぎると肌荒れるぞ。」

 ルーシィ「………はぁ、ごめん。なんか色々考え事あって…」

 ハッピー「オイラ、相談に乗るよ!」

 レット「俺でも良ければ。」

 ルーシィ「うん、いいの。ありがと。」

 ハル「……無理するなよ。」

 ルーシィ「え?」

 ハル「一人で考えすぎるなってこと。俺達仲間がいるんだから、話せる事なら話しておけよ。」

 ルーシィ「…うん……」


 俺はその後、後の騒ぎに巻き込まれないようにカウンターを去った。




 そしてその夜…


 ナツ「ハル!いるか!?」

 ハル「ナツか?騒がしいが、何かあったのか?」


 ナツが突然俺の部屋に入ってきた。因に言い忘れてたが俺の家はルーシィのようにアパートだ。家賃は十万ジュエル。俺とレットで過ごすにはいい広さの部屋だ。


 ナツ「ロキの奴がギルドを出て行っちまったんだ!」

 ハル「何!?」

 ナツ「今皆でロキを探している!ハルも探してくれ!」

 ハル「わかった!」


 俺とナツは部屋を出た後、少しして別々に探し始めた。俺はナツと別れてすぐカレン・リリカの墓へ向かった。因にカレンの墓は前々から調べておいた。
 そして着いたときにはロキとルーシィが話していた。


 ロキ「僕は裏切り者の星霊だ。オーナーであるカレンを…この手で、殺めた。」

 ルーシィ「っ!?」


 その後、ロキの口からカレンとの関係が出た。そろそろタイミングいいかな?


 ハル「…話は聞かせてもらった。」

 ルーシィ「ハル!?」

 ロキ「なんで君が…」

 ハル「ルーシィを見かけてついてきた。ロキ、お前の正体には前々から気づいていた。」

 ロキ「っ!?」

 ルーシィ「え、なんで?」


 まぁそこは疑問を覚えるよな。


 ハル「俺の魔法の性質上、俺は相手の気配や魔力に敏感でね。その中でロキのそれらが普通の人間とは違って感じてな。」

 ロキ「…どれぐらい前から気づいた…」

 ハル「だいたい一年前ぐれぇか。」

 ロキ「そうだったのか……うっ!」


 ロキはそう言うと突然倒れた。


 ルーシィ「ロキ、ちょっと!」

 ハル「ロキ!」


 俺とルーシィは急いで近づく。だが、ロキの体は既に色が薄くなり、透け始めていた。


 ロキ「そ、そろそろ…時間だ…」

 ルーシィ「時間って…何の…!?」

 ロキ「僕が、消える時間だ…。僕はこの時をずっと待ちながら生きてきた。カレンの墓の前で消滅する時をね…。そして今、ようやくその時が来たんだ…」


 ロキはそう言う間にも、ロキの体は少しずつ、だが確実に消えていっていた。


 ロキ「でも…最後にすばらしい星霊魔導士と…仲間思いのすごい奴に…いや、すごい奴らに…会えた…。ありがとうルーシィ、そして…ハル…そして皆……」

 ルーシィ「待って!絶対助ける!諦めないで!」

 ハル「俺達がなんとかする!だから…!」

 ロキ「フェアリーテイルの皆に…よろしく頼むよ……」

 ルーシィ「…いや!アタシは納得できない!」


 ロキの別れの言葉を、否定するように地面を叩くルーシィ。


 ルーシィ「アンタは、星霊界に帰れたら、すぐに生命力を回復できるのよ!アタシが絶対帰らせてあげる!」

 ロキ「…それは出来ないよ。掟は掟だからね……」

 ルーシィ「だって…可笑しいじゃない!そんなのカレンを殺めた事にならないよ!不幸な事故じゃない!」

 ロキ「ルーシィ…」

 ルーシィ「開け!獅子宮の扉!ロキを星霊界に帰して!」


 ルーシィは消えゆくロキに抱きつき、星霊界の扉を開こうとした。だが……


 ルーシィ「開いて…お願い!」

 ロキ「ルーシィ…もういいんだ。止めてくれ。」

 ルーシィ「良くない!目の前で消えていく仲間を放っておける訳ないでしょ!」

 ハル「ルーシィ…」

 ルーシィ「開けぇぇぇ!獅子宮の扉ぁぁぁ!!」


 今度はルーシィとロキの周りから電気が流れるようにバチバチと鳴り、地面から金色の光が上り始めた。


 ロキ「ルーシィ!そんなに一度に魔力を使っちゃダメだ!」

 ルーシィ「言ったでしょ!?絶対助けるって!星霊界の…扉なんか…アタシが無理矢理こじ開けてみせる!」


 確かにロキの言う通り、このままだとルーシィが持たない可能性も……。なら!


 ハル「よく言った、ルーシィ!」

 ルーシィ「え!?」

 ハル「手ぇ貸すぜ!!」


 俺は自ら二人の周りのものを抉じ抜け、ルーシィの後ろから肩に手をかけた。


 ハル「俺の魔力も使えばなんとか…なるかもしれねぇ!」

 ルーシィ「ハル…!」

 ロキ「ハル、君まで!」


 俺の魔力をルーシィに合わせ、ルーシィに送る。


 ハル「うおおぉぉぉ!」

 ルーシィ「開け、獅子宮の扉…!開けぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 ロキ「開かないんだよ!契約をしている人間に逆らった星霊は、星霊界には帰れない!」


 ロキに止められるが、それでも俺達は止めない。体に電気が走る感覚。体がきしむような感じだ。だが弱音は吐かない。ルーシィがこんだけ頑張ってんだ。俺もやらねぇでどうすんだよ!


 ロキ「止めてくれ!星霊と同化し始めてるじゃないか!?このままじゃ、君達も一緒に消えてしまう!」

 ハル「消させるかよ!お前は俺達の…ギルドの仲間だぞ!?」

 ルーシィ「そうよ!仲間を守れなくて…魔法になんの意味があるというの!?」

 ロキ「止めてくれ…!これ以上僕に罪を与えないでくれぇぇぇぇぇ!!」

 ルーシィ「何が罪よ!そんなのが星霊界のルールなら…アタシが変えてやるんだからぁぁ!!」


 その瞬間、俺達を取り巻いていた光や電気が消えた。いや、弾けとんだとでもいうのか。一瞬にして消えた。

そしてロキから落ちた眼鏡が、空中で止まった。それと同時に、夜空に描かれていた星々が回転し、滝を流れていた水は流れを止め空中へ。水は回りながら一つになり、光始めた。


 ルーシィ「な、何なの!?」

 ハル「これはいったい……」

 ロキ「そんな…」


 そしてその光が消えたとき、その身を神々しい鎧で身に纏い、マントをなびかせ立っている人物がいた。


 ロキ「星霊王!!」

 ハル「なんだと!?」

 ルーシィ「王って…一番偉い星霊ってこと…!?」


 星霊王。そう呼ばれるこいつは、とてつもない威圧感を放ち、仁王立ちをしていた。実際に見るのと二次元で見るのとは訳が違う。これが星霊王なのか……!


 星霊王「古き友…。人間との盟約おいて我らは、鍵を持つ者を殺めることを禁ずる。直接にはないにせよ、これを間接的に行った獅子宮のレオ。貴様は星霊界に帰ることは許されぬ。」

 ルーシィ「ちょっと!それじゃあんまりじゃない!」

 ハル「ちょっとでかいからって、いい気になるなよ!」

 ロキ「おい、止さないかルーシィ、ハル!」

 星霊王「古き友…人間の娘、そして剣士よ。その法だけは変えられぬ…」


 この頑固オヤジめ…!今すぐ叩っ切ってやりてぇ…!


 ルーシィ「三年…ロキは三年も苦しんだのよ!?仲間の為に!アリエスの為に!仕方がなかったことじゃないの!」

 星霊王「余も、古き友の願いには、胸を痛めるが……」

 ルーシィ「何言ってるの!?」


 星霊王の言葉を遮りながら、ルーシィはしゃべり続ける。


 ルーシィ「古い友達なんかじゃない!今!目の前にいる友達の事言ってるのよ!ちゃんと聞きなさい!このヒゲオヤジ!」

 星霊王「ヒゲ……?」

 ロキ「る、ルーシィ!」

 ルーシィ「これは不幸な事故でしょ!?ロキに何の罪があるって言うのよ!無罪以外は認めない!このアタシが……認めない!!」


 そういって魔力を放出するルーシィ。それを見たロキは自分の思いを叫んだ。


 ロキ「…もういい、ルーシィ。僕は誰かに許してもらいたいんじゃない……罪を償いたいんだ!このまま消えていきたいんだー!」

 ルーシィ「…そんなのダメェェェェ!」


 だがルーシィはその思いすら否定し、さらに多くの魔力を放出し始めた。


 ルーシィ「アンタが消えたって、カレンは帰ってこない!新しい悲しみが増えるだけよ!罪なんかじゃない!仲間を思う気持ちは、罪なんかじゃない!!」


 ルーシィの叫びに応えるように、ルーシィの星霊がルーシィの周りに一斉に現れた。


 ルーシィ「アンタが消えたら…今度はアタシが、アリエスが…ここにいる皆が!また悲しみを背負うだけ!そんなの…罪を償う事にはならないは!」


 ルーシィがそういうと倒れてしまった。さすがにあの数の星霊を呼び出すには相当な魔力が必要になる。それがわずかな時間であっても。

 だがそんな状態でも、ルーシィは自分の体を動かす。


 ロキ「ルーシィ!」

 ルーシィ「今姿を見せてくれたアタシの友達も…皆同じ気持ち…!」

 ロキ「友達…」

 ハル「…………」

 ルーシィ「アンタも星霊なら、ロキやアリエスの気持ちがわかるでしょう!?」


 その言葉を聞き、星霊王の表情が少し変わった。


 ハル「なら俺からも一言。」

 ロキ「ハル…!」

 ハル「言いたい事はほとんどルーシィが言ってくれたんだけど、言いたいことが二つあってよ…。一つ目はロキに対してだ…」

 ロキ「え…?」


 俺はそう言って、ロキの襟をつかみ立たせる。


 ハル「お前にとって、死ぬ事が…消える事がカレンに対する償いか!?ふざけるな!!」

 ロキ「っ!」

 ハル「本当に罪を償いてぇならな、生きてみせろ!お前が消えたら悲しむ奴が近くにいるが、他にもいるだろうが!違うか!?死ぬ事に覚悟使ってんじゃねぇよ!大事なのは…生きる覚悟だろうが!!」


 そこで俺はロキの襟を放した。そして背中に背負っているTCMを抜き、矛先を星霊王に向ける。


 ハル「二つ目!やい星霊王!てめぇは本当に王様かよ!王様なら王様らしく、他の奴らの気持ちも考え、法の例外ぐらい考えろや!!」

 星霊王「………」


 俺の一言に黙った星霊王。俺はTCMをしまった。すると口を閉ざしていた星霊王がしゃべり始めた。


 星霊王「……ふぅむ…。古き友にそこまで言われては…間違っているのは、法かもしれぬな。同胞アリエスの為、罪を犯したレオ。そのレオを救おうとする古き友。その美しき絆に免じ、この件を例外とし、レオを…貴様に、星霊界への帰還を許可する。」

 ロキ「なっ……」

 ハル「よっしゃ!」

 ルーシィ「いいとこあるじゃない!ヒゲオヤジ!」

 星霊王「ニカッ!」


 ルーシィのグーサインに文字通りニカッと笑い、星霊王は消え始めた。


 星霊王「免罪だ。星の導きに感謝せよ…」

 ロキ「…待ってください…僕は……」

 星霊王「それでも罪を償いたいと願うのなら、その友の力となって生きる事を命ずる。それだけの価値のある友であろう。命をかけて守るが良い。」


 星霊王がそう言って光と共に消えていった。そして再び時が動き出したとき、滝の水は落ち、日が昇り始めていた。


 ルーシィ「だってさ…」

 ロキ「…ルーシィ、ハル…」

 ルーシィ「うん。」

 ロキ「ありがとう、ルーシィ。そしてハルも。」


 ルーシィとロキは握手をし、ロキは星霊界に戻っていった。









 フェアリーテイル ギルド工事現場


 ナツ「星霊だぁ!?」

 ハッピー「ロキがぁ!?」

 ロキ「うん、まぁそうゆうこと。」


 ルーシィと一緒にギルドに戻り、皆に今回の一件を説明した。んで、ロキが出ても大丈夫ってんで、ナツやグレイ達に改めて挨拶、と言う訳で。


 グレイ「俺は全く気づかんかったなぁ。」

 ナツ「でもよう、牛でも馬でもねぇじゃねぇか。」

 ロキ「ナツの知ってるバルゴだって、人の姿だろう?」

 ナツ「いや、アイツはゴリラにも成れるんだぞ。」

 ロキ「そう言えばそうだね!」

 ハル「そこは納得するところじゃねぇだろ。」


 それにお前の言うゴリラがどんなもんか知らんけど、あれからゴリラの形に成るのはないだろ……


 ルーシィ「ロキは獅子宮の星霊よ!」

 ナツ「獅子!?」

 ハッピー「大人に成った猫!」

 ルーシィ「違うぅ!」

 レット「何!?違うのか!?」

 ハル「誰から吹き込まれたその知識…」


 レットお前までそう思っているとは……


 グレイ「でもお前、体の方はいいのか?」

 ロキ「まだ完全じゃないけど、皆に挨拶したくてね。それに、ルーシィの顔も早く見たかったし。」

 ルーシィ「…ぁ……」

 ハッピー「どぅえきとぇるー」

 ルーシィ「巻き舌風にいうな…!」


 その後ナツの欲しい星霊の話やロキから見た星霊やらなんやらあったけど、最終的に。


 ロキ「はいこれ。」

 ルーシィ「何これ?」

 ロキ「リゾートホテルのチケットさ。君達には色々と世話になったしね。」


 今まで行ったことのないような高級ホテルのチケットをロキから人数分渡された。勿論、ハッピーやレットの分もだ。こんなの良く七人分集めたな。


 エルザ「貴様等、何をもたもたしている!置いてかれたいのか!?」

 ル・グ「「気ぃ早ぁ!!」」


 エルザには先に渡したっていうけど、いくらなんでも早すぎだろ、お前。


 ナツ「ほれほれ〜、早く行こう!」

 ハッピー「あいさ〜!」

 グレイ「一日二日じゃ遊び尽くせねぇぞ!」

 レット「海か……」

 エルザ「良し、せっかくのロキの好意だ。思いっきり楽しむぞ!」

 ナ・ル・ハッピ「「「あいさーー!!」」


 こうして俺達は、リゾートホテルへ向かった。だが、俺は気が気でない。その後の事件の事を思うと。エルザが苦しめられてしまうと知っていながら、何もできないのだろうか、と。


 side out

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