〜鍛錬と出発〜
ブン!ブン!ブン!……。
?「フン!フン!フン!……。」
久しぶり、ハル・グローリーだ。剣を振る音とともに力が入るように声を出す。この二年ほどで朝の日課になったシバの大剣を一万回振る、この鍛錬。初めのうちはかなり苦労したものだ。体が小さかったせいか振れないこともあった。その間は腕立てをやっていたけど……。でも今はちゃんと振れるようになった。
シバの教えてくれた剣は、元の世界で言う飛天御剣流とゾロの剣技の基礎だった。まぁ、基礎と言っても「龍槌閃」や「鬼切り」などの技もしっかり教わった。しかも今振っている剣がTCMときたもんだ。
これらの技を放つや剣を操るためにも、剣じゃなくても戦えるためにも、シバから一つの魔法を教わった。それは、「念制御(オーラコントロール)」という魔法だ。これは字でわかるようにHUNTER×HUNTERの念能力のことだ。強化系だけでなく変化系や放出系の方法も教えてもらった。これは思った以上に便利な魔法だ。強化系で肉弾戦も可能。変化系や放出系などで多種多彩の攻撃も出来る。ある意味チートでは?と思ってしまったこともある。どうやら神の部下が言っていた『人』ってのはシバのことだったみたいだ。
そして今、俺とシバは「マグノリア」に向かっている。え?最初の森にいるんじゃないのかって?あそこは修行を初めて魔法や技の基礎を教わった後、シバと一緒に出発したよ。
ハル「シバさ〜ん。「フェアリーテイル」には後どれくらいで着くんですか?」
シバ「そうさな〜。後三、四日はかかるかの。」
ハル「そうですか……。」
神の部下に「フェアリーテイル」のある町から結構離れてるとは聞いてたけど、予想以上だ。しかし着いたら誰と戦うかな?楽しみだ。
シバ「着いたぞ!!ここが「フェアリーテイル」じゃ!!!」
ハル「ここが……「フェアリーテイル」……。」
原作通り、結構でかい建物。そして看板には「FAIRY TAIL」の文字とギルドのマークが。ここがこれからの俺のギルド…。なんかしみじみとしてきた。
シバ「それでは……。」
シバは俺の考え事がちょうど終わったとき、そう言って中へ向かっていった。俺もそれに着いて行く。
「(ザワザワ……)あれ、シバさんじゃねぇか?」
「やっぱりシバさんだよな。(ザワザワ…)」
「(ザワザワ…)横にいる小僧は何だ?」
「さぁ?(ザワザワ……)」
周りからいろんな声が聞こえる。ちょっと奥で俺ぐらいの子達がけんかしているのも見えるな。そして一番奥のカウンターに座っている老人に、シバは声をかけた。
シバ「よ〜、マカロフ。久しぶりだの。」
マカロフ「おぉー、シバか!なつかしいの!七年ぶりか!」
シバ「そうだなぁ。あ、そうだ。今回は紹介したいやつがいるのだ。」
そういってシバはこっちを向いてきた。俺はシバの前に出て、
ハル「ハル・グローリーです。よろしくお願いします。」
マカロフ「ハルか。いい名前じゃ。」
シバ「こいつをギルドに入れてほしい。魔法はわしが教えた。」
マカロフ「ほう、シバの魔法を……。」
シバ「あぁ。しかもこいつは……」
?「じっちゃん。そいつ、ギルドに入るのか?」
シバの話を遮り聞こえた声。後ろを向くとそこには桜色の髪と鱗柄のマフラーを着けた少年が立っていた。こいつはさっき奥でけんかしていたやつだ。しかもこいつは……。
マカロフ「おぉ、ナツか。そうじゃ、ハルというやつじゃ。」
ナツ「そうか。俺はナツ・ドラグニル!お前、俺と勝負しろ!!」
やっぱり。どうやら俺の初陣はナツとになりそうだ。