〜女の涙は苦手だ〜
sideミラジェーン
ミラ「ま、負け…た…。」
完璧に、そう思った。今までいろんな人と、魔道士と戦ったが、こんな気持ちにはなったことはなかった。
エルザとやるときでも、負けたとこはあるが、負けと認めたことはなかった。
でも、今回は……。
ミラ「まけ…ちゃった……。」
膝をついて座りこんでしまった。あいつに、ハルっていう新人に負けた……。
初めの肉弾戦は互角のように見えてたけど、あいつ余裕があったようにも見えた。そして、あいつの最後の攻撃。当たりはしなかったけど、当たっていたら…。想像したくない。
攻撃、スピード、戦いの流れ。全てにおいて、負けていた。
つ―……。
頬に涙が流れるのを感じた。久し振りに感じた。その涙を拭こうと思ったが、体動いてくれない。こんな姿、誰にも見られたくないのに…。強くなきゃいけないのに……。こんな弱い姿、誰にも知られたくない……。
ハル「よし!次始めようぜ。ミラジェーンだったっけ。始めたいからちょっと……!!おい!どうした!もしかして電撃当たってたか!?」
こいつは……くそっ!
ミラ「お前に負けて、悔しいからにきまってんだろ!バカ!!」
ハル「!!…。」
驚いてるな、こいつ…。
少し間があってから、ハルは手を伸ばしてきた。なんかされると思い、目をつぶった。
が……。
トン…。
そんな音がした。衝撃も無く、恐る恐る目を開けると…。
ハルは私の肩に手を置いていた。そして、
ハル「悔しい。いいことじゃねぇか。悔しいってことは、そこから何か学べるところがあるってことだろ?ならそれをどう生かすかを考えるべきだぜ。」
ミラ「……。」
ハル「それとも何か?なんか悩みでもあったか?悩みがあるなら誰か頼って話した方が楽になるぞ。まだ信頼もくそもないだろうが、俺ならいつでも相手してやるからよ。いつでも頼ってくれよ。誰より強くても、友達は友達だぜ。」
こいつ、何処まで本気なんだ?本当に…頼ってもいいか…。
ハル「おっと、迎えが来たな。」
ミラ「え……?」
そう言われ、後ろを向くとそこには…。
?「「姉ちゃん(お姉ちゃん)!」」
エルフマンとリサーナがいた。
ハル「二人共、後はよろしく!」
ハルはそう言い、後ろを向いた。そこには少し笑っているエルザが…。
エルザ「ミラの泣き顔なんて初めて見たな。」
ミラ「う、うるさい!」
ハル「はいはい。お二人さん、さっさとそのかわいいお嬢様を連れてってくれ。戦闘の邪魔になる。」
ミラ「か、かわいいお嬢様!!?」
かわいいお嬢様なんて…そ、そんな……。言われた事……ないな……。
でも…私は抱えすぎてたのかな?エルフマンやリサーナのために強くなきゃ行けないって……。他人を頼る、か……。
ミラ「ふ、ふふふっ。」
早速、頼ってみようかな…。
side end
side ハル
あれで大丈夫だよな…。女の子を慰めたのって初めてだからよくわかんなかったけど、なんとか泣き止んでくれてよかった。
ミラジェーンにかけた言葉も前世のときのある人からの請け負いだったからなぁ。
さてと……。
ハル「それじゃ、始めますか。」
俺の前にいるエルザに声をかけた。