小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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兵藤一誠と英雄ご一行(2)



「はあっ・・・・・はあっ・・・・・はあっ・・・・・」


「ご、ご主人様ぁ・・・・・・」


「は、初めてだったのに・・・・・何十回もイカされてしまったわ・・・・・ああ・・・・・、

・・・・・私、貴方のしか感じない体になっちゃったかもしれない」


情事が終わる頃、三人とも横たわり髪や顔、身体中に液体だらけになっていた


「はあ・・・・・っはあ・・・・・っ、もっとシたかったのだけれどそろそろ時間のようね」


熱の入った視線で俺を見るが残念そうに彼女はフラフラと立ち上がる


「どこかに行くのか?」


「隠れる必要は無くなったからグレモリー眷属と堕天使の総督にあいさつをしに行くのよ。勿論、監視を

兼ねて貴方も連れてね?・・・・・ふふっ、一杯掛けられたわ。これ、取れるかしら?」


髪に着いた液体を見て苦笑ながら呟いた


「あー、悪いな」


右腕に黒と紫のオーラが集束したと思えば『幻想殺しの籠手』を発現させ、三人に向けて手の平を翳し

『浄化』と呟く、彼女たちに着いた液体は瞬時で無くなった


「へぇ、そんな能力も有ったんだ。無効化と龍化しかないと思っていたわ」


「他にも能力が有るけど使う機会が無いから使わなかっただけだ」


「そう、ほら恋。いつまでもボーとしないでそろそろ行くわよ?」


「・・・・・・・・・・・・・うん」


間が長かったな!?・・・・・面倒くさいのか?今まで話に参加していなかった八坂も鞭打って体を起こし着

替え終わった途端に俺が八坂を抱えジャンヌの先導の元、牢屋に連れて牢屋に設置されている簡易のベッドに

寝転ばして「直ぐに戻る」と呟いた


「早く戻って来て欲しい・・・・・。早く戻って妾の傍に・・・・・」


「了解。八坂」


そう言ってキスをして名残惜しい気持ちになりながら牢屋の扉を閉め八坂と別れ牢屋の外にいる恋とジャンヌ

と合流して曹操たちの許へ行く


「待ったか?」


「いいや、それほどでもないさ。それと兵藤一誠、これを着てもらう」


曹操が一人の構成員を見た。その構成員の手には英雄は全員が着ている学生服だ。これを俺に着させる

つもりか・・・・・?


「キミが俺たちの仲間だとの証拠だとグレモリー眷属たちに見せる」


「おい、俺は敢えてお前等に捕まっているんだぞ。何でお前等の仲間になったと思わせるんだ。取り返しが

つかなくなっちまうだろうが」


「―――ジャンヌと恋を抱いたじゃないか」


「・・・・・やっぱりバレていたか」


苦笑して「いや、様子を見に行ったらキミたちがシているところを見てしまったからだ」と声を殺して曹操は

言った。


「彼女たちを抱いて仲間じゃないと言い切れるかな?それに彼等がどうなっても構わないかな?」


「・・・・・っち、解ったよ」


信長、信奈、八坂を助けるためだ。それに下手して逆らったらあの二人の命が無い


「これで良いだろう」


『早ッ!?』


「ほう、さまに成っているじゃないか」


「それはどうも」と言いながら制服に幽幻龍騎士団の紋章を付ける。俺が幽幻龍騎士団だとの証として


「やっぱりそうするか」


「当り前だ。ほらさっさと行動をしたらどうだ?」


「そうだな、行くとしようか。―――ゲオルグ」


「了解」


制服にローブを羽織った魔法使い風の青年―――和樹の挑戦者、ゲオルグが霧を発生させ俺と曹操たち英雄派

を包み込むようにすると俺たちは二条城から姿を消した



―――――――――――――――――――――――――――――――――



Phantom Dragoon



「何処にいるんだろう・・・・・」


僕たち幽幻龍騎士団は数時間の時を使い京都中を探し回った。今は全員集まって湯豆腐屋で昼食をしている


「見つかりませんでしたね・・・・・」


「イッセー・・・・・」


「イッセーくん・・・・・」


みんなの顔に疲労と一誠に対して心配する表情が浮かんでいる。念話で話かけようにも返事が返ってこない。

キミは本当に何処にいるんだい?


「こんなところにいたか式森、他の奴等も」


僕たちに話しかける人物がいた。―――アザゼルだった。その傍にロスヴァイセさんもいた


「・・・・・なにか?」


「兵藤のことは木場たちから聞いた。『禍の団』に連れ去られたようだな」


「それで?」


「俺たちの方も嵐山方面を調査して『禍の団』と共に探しては見た。だが、結局は見つからず仕舞いだった。

そっちもどうやら見つからなかったようだな」


アザゼルの言葉に僕たちは苦虫を噛んだ表情を浮かべる


「だが、直ぐに会えると俺は思う」


「それは一体どんな理由で?」


みんなも気になったのか聞き耳を立てる。そしてアザゼルは昼間っから酒を頼み杯に入れてグビッと一口で

呷ってから言った


「勘だ」


『・・・・・はあ』


「な、なんだよ・・・・・?」


一瞬でも期待した僕が馬鹿だった。みんなの表情もそんな感じになっていた


「ところで教師が酒を飲んでいて良いんですか?しかも堂々と生徒の前で飲んで教師失格ですよ」


「堅いこと言うなよ。式森、ちょっとした休憩で気分転換だ」


「ダメです!教師が昼間からお酒を飲むなんて言語道断です!お酒を飲むのを止めてください!」


「少しぐらい良いじゃねぇかよ。―――すいません、もう五本追加で」


更にお酒を追加するアザゼルに思わずツッコンでしまった。そこに


「あっ・・・・・」


木場たちが湯豆腐屋に入って来た。僕たちは立ち上がり店員さんに食べた分の支払いをして店から去った


「今度はどの辺りに行く?」


「アザゼル先生が嵐山方面を探し回ったと言っていましたが」


「殆ど探しちゃったよね・・・・・」


「いや、まだ我等が行っていない場所がある」


ガイアが京都の地図を見ながら呟いた。地図には探した個所に赤い印があった。有名な所や人気がある場所、

様々なところに赤く記されていた。・・・・・なんか、一誠を抜かして観光をした気分だ。

気のせいだよね・・・・・?


「探しても行ってもいない場所ってどこなんですか?」


「―――二条城だ」


綺麗な指で地図のとある個所に指した。そこだけは赤く記されていなかった


「嵯峨(さが)嵐山駅の電車を乗って行けば二条城の傍にある二条駅に着く。これに乗って行こう」


「その為には渡月橋を渡らないといけませんね」


「なんか、イッセーだけ抜かして私たちだけ観光しているような気がしてしょうがないよ・・・・・」


「言うな。我だって何故か罪悪感を感じてしょうがないのだ。一誠を探して京都中探し回って・・・・・。

ダメだ、またしても罪悪感が・・・・・」


一誠、取り敢えず謝るね。ごめん


「行きましょう」


プレシアさんの一声に僕たちは歩を進めた。お店から出て数分後ほど目の前に桂川が姿を現す。そして歴史を

感じさせる古風な木造の橋が渡月橋。それにしても此処から見える山の風景が絶景だね。赤々としていて

秋を感じさせてくれるよ。そんな時だった。龍牙が突然言葉を発した


「突然ですが知っていました?渡月橋って渡り切るまでうしろを振り返っちゃいけないってことを」


「どうしてですか?」


メイビスさんが聞き返す。


「渡月橋を渡っている時に振り返ると授かった知恵がすべて返ってしまうらしいんです」


『―――っ!?』


幽幻龍騎士団の頭脳系のみんなが目を大きく開きだした。そ、そうなの・・・・・?


「あとですね。振り返ると、男女が分かれるって言い伝えもあるそうです。まあ、こちらはジンクスに

近いって話ですが―――」


『死んでも絶対に振り返らない!』


一誠を慕う彼女たちが龍牙の説明を遮った!僕の横にいるオーフィスですらも無表情だけど

「絶対に振り返らない!」って気持ちが伝わってくる。


ギュッ・・・・・


「シンシア?」


「渡り切るまでの間、こうさせてください」


彼女が珍しく震える声で僕に懇願した。―――ああ、滅多に見せない表情で僕の腕にすがりつく彼女の顔が

可愛いな。今なら頭を撫でても良いかな?いや、撫でる!と決意をして彼女の頭に手を伸ばしたその時だった

―――。突然、ぬるりと生温かい感触が全身を包み込んでいった



―――――――――――――――――――――――――――――――



・・・・・・・なんだ、いまの・・・・・?訝しく思い、周辺を見渡すと―――僕たち幽幻龍騎士団、

僕たちが通って来たところに木場、更に後ろに成神、アルジェント、ゼノヴィア、イリナ、小さな金髪の

少女しかこの周辺に人がいなかった。他の観光客も突然いなくなってしまった!僕たちは背中を合わせ、

身構え、周囲を警戒するが、怪しい人物は近くに誰もいないようだ。すこしして、僕たちの足下に霧らしき

ものが立ち込めてきた


「―――この霧は」


霧を見て驚いたのはシーグヴァイラだった。僕も龍牙もレイヴェルちゃんもこの霧を見て驚愕した。

―――そっか!


「一誠を連れ去ったのはあいつらだったのか・・・・・!」


「この霧を知っているのか?」


「はい、この霧は一度だけですが私、イッセーさま、シーグヴァイラさん、和樹さん、龍牙さんは知ってい

ます。みなさん、覚えていますか?駒王学園が襲撃された話を」


「ああ、英雄派に襲撃され―――まさか」


アスモデウスさんが言いかけた途中で気付いたようだ。その時、駒王学園を襲撃者から守った

僕たちはアスモデウスさんの考えに頷き肯定した


「貴方が今、思い浮かべた通りだと思います。一誠さんを連れ去ったのは『禍の団』に所属している派閥

―――英雄派です」


『―――!?』


「この空間・・・・・どうやら渡月橋周辺と全く同じ風景をトレースして作りだした別空間に強制的に

移動されて閉じ込められたと思っても間違いないよ」


「なら、我が強制的に壊そうか?」


ガイアがそう言う。でも、僕は首を横に振る


「いや、此処に閉じ込められたと言う事は相手もいる筈だよ。だから、英雄派と接触したら即、捕縛して

一誠の居場所を吐きだしたあとこの空間からでよう」


と、そう提案を出す。みんなもその提案に賛成のようだ。すると僕たち背後からアザゼルと成神たちが

やってきた―――同時に渡月橋の方から、複数の気配が現れる。薄い霧の中から人影がいくつも近づいて

きて、僕たちの前に姿を現す


「はじめまして、アザゼル総督、赤龍帝、そして幽幻龍騎士団たち」


あいさつをくれたのは学生服を着た黒髪の青年―――曹操だった!


「曹操!」


「久しぶりだな。式森和樹」


曹操の隣に僕に挑戦を申し込んだ制服にローブを羽織った魔法使い風の青年ゲオルグが挨拶をしてきた


「やあ、久しぶりだね。ゲオルグ、―――でも、キミに話かけているんじゃない。僕は曹操に話かけてい

るんだ。口出ししないで欲しいな」


「お前が噂の英雄派を仕切っている男か」


アザゼルが一歩前に出て訊く。アザゼルの問いに曹操が肩に槍の柄をトントンとしながら答える


「曹操と名乗っている。三国志で有名な曹操の子孫―――いちおうね」


「先生、あいつは・・・・・?」


アザゼルは視線を曹操から離さずに僕たちに向けて言った


「全員、幽幻龍騎士団もあの男の持つ槍には絶対に気をつけろ。最強の神滅具『黄昏の聖槍』だ。神をも貫く

絶対の神器とされている。神滅具の代名詞になった原物。俺も見るのは久しぶりだが・・・・・よりによって

現在の使い手がテロリストとはな」


『―――ッ!?』


この場にいる全員が酷く狼狽した。特に神のメイビスがあの槍を見た途端に畏怖していた。


「あれが天界のセラフの方々が恐れている聖槍・・・・・っ!」


イリナが口元を震わせながらそう口にする。ゼノヴィアも低い声で続ける


「私も幼い頃から教え込まれたよ。イエスを貫いた槍。イエスの血で濡れた槍。―――神をも貫ける絶対の槍っ!」


「あれが聖槍・・・・・」


聖女とシスターのマリアたちがうつろな双眸で槍を見詰めていた。まるで槍に魅了されて、意識が吸い込まれ

ていくような―――。


バッ。


メイビスが素早くマリアたちの前に立ち両腕を広げて曹操の持つ槍を見させないようにした


「みなさん。信仰のある者はあの槍を余り強く見詰めないように。心を持っていかれます。あれは聖十字架、

聖杯、聖骸布、聖釘と並ぶ聖遺物の一つでもありますから」


そっか、教会に通じた者には毒なのか。


「曹操!一つ訊くぞ!」


小さな金髪の少女が憤怒の形相で曹操に叫ぶ


「これはこれは小さき姫君。なんでしょう?この私ごときでよろしければ、なんなりとお答えしましょう」


曹操の声音は平然としているが、明らかに何かを知っている風な口調だった。


「母上をさらったのはお主たちか!」


「左様で」


曹操はあっさりと認めた。あの子は九尾の御大将の娘?


「母上をどうするつもりじゃ!」


「お母上には我々の実験にお付き合いしていただくのですよ」


「実験?お主たち、何を考えておる?」


「曹操、僕たちからも質問を答えてくれるかな」


「何かな?世界一の魔術師」


―――僕は皆の代表として曹操に問うた


「僕の親友、僕たちの仲間、僕たちの家族、僕たちの兵藤一誠はどこにいる!」


ドンッッ!!!


僕たち幽幻龍騎士団は体から怒りのオーラを迸らせると木造でできた渡月橋がバキバキと罅が割れ、

半壊した!


「はははっ!凄い怒りのオーラだ!幽幻龍騎士団は全員、化け物ぞろいだ!」


僕たちの怒りに怖がるどころか嬉々として楽しんでいた


「曹操・・・・・!」


「ああ、彼だね。彼は――――」


「俺は此処だ」


バッ!


僕たちは一斉に声が聞こえた場所に顔を向けた。―――僕たち幽幻龍騎士団の紋章を印した曹操たちと同じ

学生服を着ていた


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