小説『ハイスクールD×D改』
作者:ダーク・シリウス()

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決戦、グレモリー眷属VS幽玄龍騎士団VS英雄派+兵藤一誠! In京都(4)



突如、現れた猿の妖怪。手には長い棍のような得物。首には珠のひとつひとうが大きい数珠。その上、

サイバーなデザインのサングラスもしている。煙管を吹かしながら、不敵に笑みを浮かべていた。



「おー、久しい限りじゃい。聖槍の。兵藤の子供の。あのクソ坊主と可愛い子供がデカくなったじゃねーの」


「俺のお父さんたちと交流を持っていた妖怪か・・・・・」


「これはこれは。闘戦勝仏殿。まさか、あなたが此処に来られるとは。各地で我々の邪魔をしてくれている

そうですな」


「坊主、イタズラが過ぎたぜぃ。儂がせっかく天帝からの使者として九尾の姫さんと会談しようと思ってい

たのによぉ。拉致たぁ、やってくれたもんだぜぃ。ったく関帝となり神格化した英雄もいれば、子孫が異形の

業界の毒なんぞに成る英雄もいる。『覇業は一代のみ』とよく言ったもんじゃ。のぅ、曹操。それに何故テロ

リストに成っているのかお前さんを捕まえてじっくりと話を聞かんとなぁ。兵藤の子供の」


「毒、ですか。あなたに称されるのなら、大手を振って自慢できるものだ」


・・・・・曹操が畏敬の念を持って接している。恋たちが闘戦勝仏を見る目が厳しい?緊張している

というか、重圧を感じているというか。―――だが、これで実験は失敗に終わったな。


「曹操」


「なんだ」


「実験は失敗したんだ。長居は無用。退却したほうが良いと思うぞ」


俺は逃げた方が良いと進める


「曹操。僕も賛成だここまでにしよう。初代孫悟空は『禍の団』のテロを何度も防いでいる有名人だ。

これ以上の下手な攻撃はせっかくの人材が傷つくよ」


それを聞き、曹操は頷いた


「退却時か。見誤ると深手に成るな」


バッ!


英雄派メンバーが素早く一か所に集結し、ゲオルグが足下に巨大な魔方陣―――転移用魔方陣を展開し始める


「ここまでにしておくよ。初代、グレモリー眷属、赤龍帝、再び見えよう」


曹操が捨て台詞を吐くと成神は逃げることが許さないようで左の籠手にキャノンを生みだした。すると

闘戦勝仏がその様子を見て笑う


「儂の役目、坊主がやるのかぃ?まあ、ええ。あの坊主にお仕置きしてみぃ。一時だけ、力が出るよう。

おじいちゃんが手伝ってやるわい」


闘戦勝仏が棒の先で成神の鎧をコツンと軽く叩いた。―――途端、あいつの身体中からオーラが噴き

出てきた。


「―――御咎めなしで帰れると思うのか?こいつは京都でのお土産だッ!」


バシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!


成神の左の籠手のキャノンから濃縮された魔力の一発が撃ち出される


「・・・・・」


俺はゲオルグの転移用魔方陣から出て大天使化と化と成って念の為に曹操たちに金色の結界を張る


「悪いな―――曹操」


「・・・・・そうか。やはりキミは最初からこうしようとしていたか」


「ああ、俺は幽幻龍騎士団、兵藤一誠だ。悪いけど英雄派にはならない」


バシュンッ!


金色の翼で成神のキャノンの一撃を消す


「―――残念だ。キミとは友人と呼べる存在になれると思っていたのにな」


「何言っているんだ。短い間が、俺たちはもう友達じゃないか」


「・・・・・ふふっ、そうか。俺たちはもう友達か」


苦笑する。曹操、だけど何処か嬉しそうな声音だった


「ゲオルグ、和樹は何時でもお前の挑戦を待っているぞ」


「ああ、今度こそ挑ませてもらう」


「ヘラクレス、また何時か。俺が作った料理を食べてくれるか?」


「・・・・・」


ヘラクレスは何も言わないが二人に別れのあいさつを済ませ


「ジークフリート。もっと剣の技量を付けないとまた負けるぞ」


「今度こそ勝つと伝えておいてくれ」


俺は頷き、最後はジャンヌと恋に向き直る


「ジャンヌ、恋・・・・・」


「イッセーくん・・・・・」


「ご主人様!」


ドンッ!ドンッ!ドンッ!


恋が金色の結界を叩き割ろうとする


「ご主人様!一緒に来る!恋と一緒に!みんなと一緒に帰る!」


「恋、俺は幽幻龍騎士団だ。英雄派とは敵同士なんだ。それに俺には掛け替えのない仲間と家族、愛しい彼女

たちがいるんだ」


「恋もご主人様のことが好き!やっと一緒になれると思ったのに!ずっと一緒に暮らして幸せになって

家族になれると思ったのに!」


ポロポロと涙を流し懇願する恋、


「イッセーくん、どうしても行っちゃうの?」


「ああ、みんながいるからな」


「そう・・・・・。なら・・・・・」


ジャンヌが頬に涙を流しながら「次に会う時は必ずあなたを逃げないように捕まえるわ」と告げた


「私、こう見えても独占欲が強い女のよ♪」


「―――ははっ、ああ、俺を捕まえてみろ。もしかしたら逆に捕まえるかもしれないけどな」


「それはそれで魅力的ね!」


「此処にいない彼女たちもよろしくと伝えておいてくれ」


ジャンヌは「うん」と頷いてくれた


「ああ、曹操。御守りの効果だけどな?」


念話で曹操にあの時の御守りの効果の話をした。それを聞いて曹操は口の端を吊り上げた


「そうか。それは嬉しい限りだ」


「それと恋、ジャンヌ。これを渡しておく」


空間に歪みを生じさせそこに手を突っ込み結界内にいる恋とジャンヌに何かは言った袋を渡す


「帰ったら開けてくれ」


「解ったわ。ほら、恋。二度度会えない訳じゃないからしっかり言いなさい」


「・・・・・ご主人様」


彼女は瞳を潤わせながら俺の瞳を据えて


「また会いたい」


「俺もだ。次に会った時は敵同士だけどその時は真剣勝負をしよう」


「恋が勝ったらご主人様は恋と一緒に来る?」


「うーん・・・・・じゃあ、俺が勝ったら俺たちの家族に成ってくれるか?」


恋に訊くとコクリと頷いた


「解った約束しよう―――じゃあなみんな。短い付き合いだったが楽しかった」


「―――ゲオルグ」


「了解」


ゲオルグがより一層に霧を発生させ曹操たちの全身を覆い尽くすと霧が晴れる頃には英雄派がいなく

なっていた


「・・・・・遅くなったな。八坂」


瞬時で九尾化となっている八坂に近づき綺麗な金毛を撫でる


「いま、楽にしてやる」


金色の翼を巨大にして八坂を包むように囲み金色のオーラを浴びせながら「幻想殺しの籠手」を纏い。

八坂の体を触れる―――刹那、


パァァァァァ。


八坂の体が光輝き、光を徐々に、徐々に小さくなっていく。そして光が止んだ時、そこにいたのは人間サイズ

に戻った八坂だった


「ここは?」


八坂はふらりふらりと体がおぼつかない様子だが、意識がハッキリしているようだ


「八坂」


「お主・・・・・どうやら約束を守ってくれたようじゃな」


ギュッと俺に抱きついて俺も八坂を包むように抱く


「言っただろう?『必ずお前をテロリストから救ってやる』てさ。まあ、少しやり方がおかしかったけどな」


「どんなやり方だろうともお主は我を救ってくれた。妾が操られている間でもお主が声を掛けてくれたこと

知っているぞ。『頑張れ』『もう少し辛抱してくれ』『ごめん』とな。妾は嬉しくてしょうがなかった。

ずっと一緒に傍にいてくれたのじゃからな」


「はははっ、お前を守るように戦おうと思ったら偶然、テロリストのトップにも守るようにと言われていた

からさ助かったよ」


腕に力を籠めると「んっ」と息を詰まらした


「でも本当に良かった。実験が八坂の死を至らしめるものだったらどうしようかと思った」


「妾はお主が助けてくれると信じておった。ありがとう、ありがとう」


「母上ぇぇぇっ!母上ぇぇぇっ!」


八坂の娘がこっちに駈け寄って来た


「さて、最後の約束だ。―――八坂」


「ん?って、きゃっ!」


急に御姫様だっこをして驚いた八坂は可愛い悲鳴を上げながら俺の首に回し抱きついてきた


「娘のところに連れて行ってやるよ」


「・・・・・もう、そなたは・・・・・じゃが。そんなお主に妾は好きになったのじゃ」


顔を赤らめる八坂。そして八坂は俺に顔を近づけ


「コレはお礼じゃ・・・・・んっ」


「んっ」


『ああああああああああああっ!?』


俺と八坂がキスしたことでこの場にいる全員が悲鳴混じった驚愕の声音を発した


「イッセー!妾はお主が好きじゃ!愛している!」


「俺もだよ。八坂」


金色の翼に包まれている俺と八坂。金色の羽が俺と八坂にふわりと落ちてきてそれがまるで祝福されている

かのように思えた












「ほほぅ、そう言う訳じゃったか。まあ、今回は許すとしようかのぅ」




「オイラ、何もしていないんだけど・・・・・」

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